イエスバット法(yes but法)は顧客とのスムーズなやり取りに役立つ、応酬話法の一種です。コツを押さえ活用することで、相手と反対の意見でも、柔らかい印象で伝えられます。イエスバット法以外の応酬話法の特徴についても、確認しましょう。
イエスバット(yes but)法とは
イエスバット法はスムーズに会話を進めるのに役立つ、応酬話法の一種です。まず相手の意見に「イエス」と肯定するのが特徴といえます。会話の具体例と併せ、応酬話法の基本的な知識を確認しましょう。
まず肯定するのが特徴の応酬話法
営業のセールストークに活用される、会話の進め方の一つが応酬話法です。相手の反応にうまく返すことで、会話をスムーズに進められます。
イエスバット法は応酬話法の中でも、まず相手の意見を肯定するのが特徴です。自分の意見が相手と異なる際、いきなり自分の主張を始めると、きつい印象を与え拒絶されるかもしれません。
最初に「確かにそうですね」と相手の意見を肯定すると、その後に続く内容が反対意見であっても、マイルドな印象を与え、聞き入れられやすくなります。反対意見に納得してもらいたいときに、効果的な話し方です。
イエスバット法の会話例
実際の会話ではイエスバット法を、どのように使うとよいのでしょうか。提示した価格に対し、顧客から「高い」という反応があった際の、会話例を紹介します。
顧客:値段が高いな。他社だと○○円くらいと聞いたよ。 自分:確かに値段だけ見ると高いですよね。ですが質はもちろん、万が一のサポートの充実度を考慮すると、決して高くはありませんよ。 |
続いて具体的な質や、サポートの違いについて説明すれば、顧客はそれだけの価値がある商品やサービスだと理解できるでしょう。提供する価値への納得感があるため、購入や契約に進める可能性が高まります。
イエスバット法を活用するコツ
まず相手の主張を受け止めることで、主張した意見の印象を和らげられるイエスバット法ですが、それでも後に続く反対意見の印象は強いものです。そこで「バット」にあたる言葉の表現がポイントといえます。また言語表現を工夫すれば、相手のニーズを引き出すのにも便利な話法です。
バットの表現を変える
最初に相手の主張を受け止めてワンクッション置いたとしても、続く意見が「しかし」や「ですが」などから始まる反対意見の場合、相手が「否定された」と感じる場合もあります。威圧感を与えないためには、否定の意味を持つ接続詞を、肯定の言葉へ言い換えるのがおすすめです。
例えば「値段が高い」と言われたら、「そうですね。確かに他社と比べても高いんです。この違いが現れているのが、サポートの充実度なんですよ」というように続けます。
このような方法は「イエスアンド法」とも呼ばれます。否定の接続詞を使わないだけで、相手に与える印象は和らぐでしょう。
イエスバット法で相手のニーズを探る
応酬話法の中でもイエスバット法は、非常によく用いられる手法です。顧客もイエスバット法を使う場合は、その内容をよくヒアリングすることで、顧客のニーズをつかみやすくなります。
例えばこちらの提案に対し、「商品は確かに魅力的なのですが、値段は高いですね」と相手が反応したなら、もう少し値段の低いプランを提示できれば、効果がありそうだと判断できます。
しかしイエスバット法をお互いに使い始めると、延々と続きかねません。会話を進めるには、他の応酬話法を組み込むとよいでしょう。
その他の応酬話法
イエスバット法以外にも応酬話法は複数あります。ほかの話法も把握することで、商談もスムーズに進むでしょう。セールストークに役立つ4種類の応酬話法を、具体例とともに紹介します。
イエスイフ法
相手の意見に理解を示したうえで「もし~ならどうか?」と条件を提示する話し方が、「イエスイフ法」です。会話を重ねることで、相手が納得する条件を引き出しやすい方法といえます。
顧客:値段が高いですね。この内容だと〇〇円が相場と聞きましたよ。 自分:確かに高いですよね。ではこちらのオプションが無料で付くなら、いかがでしょうか? |
提示した条件に対し、顧客が「それなら検討の余地がありそうだな」と反応した際に、顧客のニーズに寄り添ったオプションを提供すれば、契約につながりそうです。一方「オプションはいらないな」といったようであれば、その他の条件を打診します。
イエスソーザット法
「だからこそ」を使い相手の意見を肯定し、さらに自分の主張に取り入れるのが「イエスソーザット法」です。単に肯定するだけでなく、自分の主張の根拠にすることで、相手の決断を促します。
顧客:値段が高いですね。この内容だと〇〇円が相場と聞きましたよ。 自分:確かに価格は高いかもしれません。だからこそ今検討していただきたいと考えているんです。今ならオプションを無料でお付けできるので、それも含めるとむしろお値ごろですよ。 |
顧客の意見を根拠に話を続けることで、積極的に顧客の背中を押せます。あとひと押しがほしい際に最適な話法です。
イエスセット法
「イエスセット法」を使う場合には、必ず「イエス」という返答になる質問をします。次に契約に関わる本命の質問をして、こちらにも「イエス」と返答しやすくなる性質を利用する話法です。
顧客:値段が高いですね。この内容だと〇〇円が相場と聞きましたよ。 自分:そうですよね、相場と比べるとご提示した金額は高いと感じますよね。 顧客:ええ、そうですね。 自分:では内容に関しては、ご満足いただけそうですか? 顧客:そうですね、導入できれば役立つだろうと考えています。 自分:それでしたら、こちらの無料オプションを付けた場合、割安になり費用対効果も高まるのですが、いかがでしょうか? 顧客:それでしたら検討の余地がありそうです。 |
このように「イエス」を積み重ねていくことで、購入や契約に結び付く可能性を高められます。
イエスハウ法
顧客が抱えている課題を詳しく探り、顧客が納得できる条件を見つけやすいのは「イエスハウ法」です。「どうすれば~できるか?」という問いかけによって、相手から契約や購入の決め手となる条件を引き出します。
顧客:値段が高いですね。この内容だと〇〇円が相場と聞きましたよ。 自分:確かに相場と比べると高く感じますよね。ではどのような価格帯であれば、導入したいとお考えですか? |
相手の希望がはっきりすれば、それに合わせたプランを提案できます。条件を知った上で再提案できるので、受け入れてもらいやすくなるはずです。
応酬話法を使いこなすポイント
複数の種類がある応酬話法を使いこなすには、それぞれの特徴を把握し、シーンに合う話法を使うのが重要です。また使いこなすには練習も必要なため、ロールプレイングを実施するのもよいでしょう。
適切な話法を使い分ける
顧客は自社が提供する商品やサービスについて、どの程度理解しているでしょうか。契約や購入に至らないのは、どのような条件を満たしていないからなのでしょうか。理解度や必要な条件によって、用いるべき応酬話法は異なります。
例えば商品やサービスの存在を知り、メリットも理解しているけれど、価格で合意できず契約に至らないという場合は、イエスバット法が便利です。顧客の意見を肯定しつつ、顧客が気付いていないメリットを伝えられます。
また顧客の求める条件を知りたいならば、イエスイフ法やイエスハウ法が向いているでしょう。
ロールプレイングで練習する
スムーズに適切な応酬話法を活用するには、練習が欠かせません。そこで顧客との会話を想定した、ロールプレイングを行うとよいでしょう。
覚えた応酬話法を使い実際に会話することで、どのように話を進めるのがよいのか理解できるはずです。実際に営業をする前にロールプレイングをしておけば、会話の進め方を本番でも思い出しやすいでしょう。
自分が練習をするのはもちろん、人の練習を見学するのも役立ちます。
スムーズな会話をイエスバット法で実現
応酬話法の一種であるイエスバット法は、相手を肯定した上で自分の意見を伝えるのが特徴です。先に肯定しているため、反対意見を述べるときにも、柔らかい印象になります。
先に肯定していたとしても、「しかし」は強く印象に残るため、否定されたと感じる人もいるでしょう。そのため否定の接続詞は使わないか、言い換えるのがおすすめです。
イエスバット法以外にも応酬話法は複数あります。特徴を理解しておくと、シーンに合わせたスムーズな会話が可能です。
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