「セールス・イネーブルメント」とは、営業活動を改善する取り組みの1つです。セールス・イネーブルメントを用いることで、営業組織全体の強化や成果の底上げにつながったという例を聞いた方も多いのではないでしょうか?
しかし実際自社に用いようとしても「何をすればいいの?」「そもそもセールス・イネーブルメントってなに?」と頭を抱えてしまうかと思います。
本記事ではセールス・イネーブルメントとは何か、から注目されている理由、導入によるメリット、実現に必要なこと、ツール選定のポイントなどを解説。セールス・イネーブルメントを正しく知り導入することで、自社の組織を盛り上げましょう。
セールス・イネーブルメントとは
セールス・イネーブルメントは「営業部門に対するあらゆる取り組みを、テクノロジーを駆使し数値化して総括的に強化・改善すること」を指しています。
テクノロジーを駆使し、数値化する
セールス・イネーブルメントは基軸として「施策の成果を数値化し、立案・実行・評価・改善(PDCA)回す」ことが求められます。施策はツールなどのテクノロジーを駆使して、あらゆる面で数値化するのです。
基本的に「売上にどれだけ影響を及ぼしたか」という視点を数値化して可視化します。
営業部門での取り組みというと、営業資料の作成や顧客情報の整理、マニュアルの作成や新人教育など様々なものが挙げられるでしょう。しかしこのような取り組みのほとんどが個人の能力に依存しがちとなり、チーム内で同じ取り組みを行なっても成果に差が生まれる結果となってしまいました。
そこにセールス・イネーブルメントを用いることで、個人に依存した体制から脱却を行い、組織全体でより高い成果を生み出すことが可能になるのです。
組織横断的な取り組みが必要
加えて仕組み作りをする際、営業部門単独ではなく「組織横断的」に取り組むのも特徴です。最も効果的なのはセールス・イネーブルメント専門の部署を作ることですが、関連部署から専門スタッフを集め一時的なチームとして取り組んでも問題ないでしょう。
セールス・イネーブルメントは「会社全体の売上を向上させること」が大きな目的の一つです。そのためいくら成果が上がってもチームや部門ごとに異なる方法で施策を行い、成果に差異が生まれることこのような結果は好ましくありません。
そのため、多く施策の舵をとるチームを設け、部門全体で進行することが求められるのです。
日本市場規模とその背景
セールス・イネーブルメントは2000年ごろにアメリカで提唱され始めたとされています。2019年ごろには企業のバズワードとして取り上げられ、アメリカの大企業の多くが導入し成功を収めました。
日本ではコロナ禍を機に従来の「背中を見て学ぶ営業」から急速な変革を余儀なくされた背景から、セールス・イネーブルメントによる取り組みが大きな注目の的に。2016年には13億程度だった市場が2022年には31億まで拡大すると予測(※1)されるようになりました。
セールス・イネーブルメントでできること
セールス・イネーブルメントを実用化できれば、できるようになることも多いでしょう。代表的なこととして以下が挙げられます。
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組織の属人化を防ぐ
営業力は個人のスキルであり、マニュアル化が難しいものです。社員Aが行うとうまくいく方法でも、Bが実践すると失敗することもあります。
セールス・イネーブルメントのメリットは、論理的に再現性のある営業手法を構築できる点です。属人化しがちな営業のプロセスを、誰がやっても確かな成果へつなげられる、再現性のあるものとして設計できます。
そのため組織全体で安定して営業目標を達成できるようになるでしょう。
受注金額・受注率・継続率のアップ
セールス・イネーブルメントは必ずテクノロジーを駆使して、数値化を行うことが根幹にあります。そのためITシステムを導入は必須でしょう。システムにはさまざまな情報が蓄積、営業のプロセスや成果が全て数値で見える化されます。
情報を数値化すれば、成約に結びつく有効な施策か判断するための、効果測定が可能に。それにより営業成績に結びつくと期待できる、有効な施策のみを割り出しノウハウなどを全体展開できるのです。
ノウハウや教育方法まで全体展開できれば、組織全体での戦力が大幅に上がり、受注金額や受注率のアップにつながるでしょう。
受注だけでなく、案件の継続率の向上にも同じことが言えます。
生産性の向上
組織でのあらゆる作業が簡略化されるのもセールス・イネーブルメントのメリットの1つです。
例えば今まで知り得なかった情報をもとに、正確に顧客の需要を把握できるでしょう。同じ顧客でも、部門が違えば持っている情報は異なります。それらの情報を総合して判断できる仕組みがあれば、営業の効率化につなげられるのです。
セールス・イネーブルメントは、部門を超え協力する取り組みのため、各部門をつなぐパイプ作りが欠かせません。構築されたパイプにより、スムーズな顧客情報の共有が可能になり、営業効率アップにつながります。
すると今までリサーチに欠けていた時間の簡素化や、余計なフォローアップの手間がかからずその時間を他のタスクに有意義に使えるようになるのです。
複雑化した顧客ニーズへの順応
大抵の商品やサービスの情報は、インターネットで簡単に調べられるようになりました。そのため単に商品やサービスについて説明しただけでは、成約しなくなってきています。
顧客が求めるものは以前より複雑に。
営業が成果を出すには、顧客にマッチしたより詳細な情報収集や分析・資料作成などが必要です。しかし情報収集や分析にばかり時間を割いていると、肝心の商談に集中できません。
チームで営業の目標達成を目指すセールス・イネーブルメントなら、他部門との連携で課題を解決へ導きます。例えば調査や資料作成をマーケティング部門が担当すれば、営業部門だけで行うより質の高いものを顧客へ提示可能です。
その分営業は顧客との関わりにより密接に対応でき、「営業」としての職務を全うできるでしょう。
ITツールの費用対効果向上
ビジネスの分野でITツールが広く普及したことも、セールス・イネーブルメントが注目を集めている理由です。ITツールを活用したWebマーケティングの発達により、機械的にリードをたくさん取得できるようになりました。
セールス・イネーブルメントで獲得したリードの成約率などを分析することで、さらに精度の高いアプローチなどを営業スタッフに展開できます。するとITツールをさらに有効活用でき費用対効果の向上につながるのです。
テレワークにも対応
セールス・イネーブルメントにより、営業活動をクラウドで管理できる体制が整えば、場所にとらわれることなくより効率的に業務を行えます。あらゆる活動を数値化することで、余計な出社などを簡素化できるのです。たとえば事務処理のためだけに、営業がオフィスへ戻る手間を削減可能に。
どこからでも仕事ができるため、テレワークにも対応できます。社員それぞれの働きやすい勤務体系を実現できる方法にもなりうるでしょう。
実現のために必要なこと
営業部門に関連するすべての部門が連携し、営業力を高める取り組みであるセールス・イネーブルメントは、短絡的にシステムを導入したからといって実現できるわけではありません。
実現するには準備や振り返りが不可欠です。
専門部署or専門知識のあるスタッフを集めたチームを作る
セールス・イネーブルメントは営業部門のみで取り組むものではありません。
情報を分析するマーケティング部門や、社員教育を担う人事部門、システムの運用保守を行う情報システム部門などとの連携も必要です。
理想はそれらの部署から、専任のスタッフを集めた専門部署を立ち上げたいですが、難しいことも多いでしょう。そのため各部署から適任を選抜して、セールス・イネーブルメントのための専門チームを立ち上げるのが有効です。
営業部門だけでなく、マーケティング部門や管理部門からも施策のスペシャリストを選任して、スムーズに進めることをおすすめします。
営業プロセスやノウハウの可視化
営業成績の良い社員の「どのような行動」が売上に結びついているのか、などの可視化も急務です。セールス・イネーブルメントではそのノウハウや、経験によって獲得した知恵などを全体に共有します。
営業担当間や他部門の社員と知識共有するには、まず営業プロセスを可視化し精査する必要があるのです。数値をもとに問題点の洗い出しと改善を行った上で展開しましょう。
ツールを活用し、数値化・計測
全体の営業力を高めるには、データを集計し数値化した上で分析する必要があります。セールス・イネーブルメントでは、施策に対して数値化が可能なツールを導入するのは必須事項です。
現在セールス・イネーブルメント市場は急速に拡大しています。施策や課題に対して適合したツールを使えば、受注率や案件進捗率など、営業プロセスのさまざまな段階の数値化が可能でしょう。
様々な段階で数値で改善点を洗い出し、展開することこそがセールス・イネーブルメントの根幹といえます。
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