「給与計算が特定の担当者にしかわからない」「法改正に対応したいが費用は抑えたい」少人数の現場では、人手不足やソフトの割高感が悩みになりがちです。
現在の給与計算ソフトには無料で活用できる製品があり、給料計算だけでなく、法改正への自動対応やWeb明細の発行、振込データの作成まで自動化ができます。導入すれば、手作業によるミスやストレスを大幅に減らせるでしょう。
無料で利用できる給与計算ソフトについて、選び方や有料版へ切り替えるタイミングを含めて紹介します。
給与計算ソフト選びなら、ぜひミツモアをご利用ください。従業員数や欲しい機能などの各項目を画面上で選択するだけで、ぴったりの製品を最短1分で自動診断。理想の給与計算ソフトが見つかります。 |
無料で利用できる給与計算ソフト比較表
無料の給与計算ソフトは、利用可能な従業員数や期間によって大きくわけられます。自社の従業員数やマイナンバー管理といった実務要件を軸に比較表でまとめました。
| 製品名 | 無料期間 | 初期費用(税込) | 無料期間時の月額費用(税込) | 有料時の月額費用(税込) | 無料期間中の利用人数 | 制限される機能 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| フリーウェイ給与計算 | 永年 | 0円 | 0円 | 2,178円(6名以上) | 5人まで | サポート対応、6人以上の登録 |
| 円簿給与 | 永年 | 0円 | 0円 | 1,815円~(6名以上) | 5名まで | FBデータ出力、マイナンバー管理、広告非表示 |
| ジョブカン給与計算 | 永年 | 0円 | 0円 | 2,200円~(6名以上) | 5人まで | 年末調整、シリーズ同士のAPI連携、チャットサポート |
| 弥生給与 Next | 最大2ヶ月間 | 0円 | 0円 | 3,300円~(4名以上) | 3名 | 電話サポート、労務・マイナンバー相談 |
| スマレジ・タイムカード | 30日間 | 0円 | 0円 | 2,420円~(10名まで) | 無制限 | 休暇管理、残業時間アラート、31人以上の登録 |
| マネーフォワード クラウド給与 | 1ヶ月 | 0円 | 0円 | 2,728円~(1名以上) | 1人まで | 2人以上の登録、2ヶ月目以降の継続利用 |
| KING OF TIME給与 | 30日間 | 0円 | 0円 | 330円~(1名~) | 勤怠利用者全員 | 勤怠管理システムの未契約時の利用 |
| 給与奉行iクラウド | 30日間 | 0円 | 0円 | 5,500円~(20名まで) | 無制限 | 31日目以降の継続利用、正規サポート |
| オフィスステーション給与 | 最大30日間 | 11万円 | 0円 | 4,400円~(10名~) | 無制限 | 31日目(Pro版は15日目)以降の継続利用 |
| freee人事労務 | 30日間 | 0円 | 0円 | 2,200円~(5名まで) | 無制限 | 31日目以降の継続利用(有料移行が前提) |
※ミツモア調べ(2026年5月現在)
無料で利用できる給与計算ソフトの選び方
無料で利用できる給与計算ソフトを選定する際、下記5点を重視したうえで最適な製品を選ぶことが大切です。
2026年の法改正に自動アップデートされるか
2026年は雇用保険料率の改定や、新たに導入された子ども・子育て支援金の徴収開始など、計算実務が大幅に変動する年です。手動での料率変更はミスを招きやすく、コンプライアンス違反のリスクを高めます。
クラウド型給与計算ソフトの最大の利点である料率の自動アップデート機能が備わっているかは最優先の確認事項です。最新の法規制に即応できるソフトを選ぶことで、計算ミスによる不利益を確実に防げます。
年末調整・源泉徴収票の発行が含まれているか
給与計算ソフトを無料で活用する上で、月次の計算だけでなく年末調整機能が含まれているか確認するのも重要です。年末調整は計算ロジックが複雑であり、手作業では多大な工数とミスのリスクが伴います。
無料プランの中には、この機能をあえて有料オプションとしている製品も存在するため注意が必要です。源泉徴収票の発行までソフト内で完結できれば、年末の繁忙期におけるバックオフィス業務を大幅に効率化できます。
法定保存期間(5年)を満たすデータ保存が可能か
労働基準法などにより、賃金台帳をはじめとする給与関係書類には5年間の保存義務があります。しかし、無料版の給与計算ソフトではデータの保存期間が30日や1年間に制限されているケースが少なくありません。
法的な要件を満たすためには、無期限で保存できる製品を選ぶか、あるいは毎月の計算確定後に確実にCSVやPDF形式でデータを出力し、自社でバックアップを保管できる運用体制を構築しておく必要があります。
従業員が増えた際の追加費用がかかるのか
無料の給与計算ソフトの多くは、従業員数5名までといった利用制限が設けられています。事業拡大に伴って6人目以降を追加する際、1人あたりの従量課金が発生するのか、あるいは組織全体で有料プランへの移行が必要になるのかを事前に確認しましょう。
将来的に数十名規模への成長を見込んでいる場合、無料枠を超えた瞬間に想定外の費用負担が発生し、利益を圧迫する可能性があるため、長期的な費用シミュレーションが必要です。
マイナンバー管理のセキュリティ体制が整っているのか
給与計算実務において、従業員のマイナンバー(個人番号)を安全に管理することは経営者の責務です。無料の給与計算ソフトであっても、通信の暗号化やアクセスログの記録、権限設定など、金融機関と同等の強固なセキュリティ体制が構築されているかを確認しましょう。
情報の漏洩は企業の社会的信頼を失墜させるだけでなく、法的な罰則の対象にもなり得るため、利便性以上に安全性を最優先して選定を行うことが大切です。
無料で使える給与計算ソフトおすすめ7選
無料で使える給与計算ソフトのうち、おすすめの製品は以下の7製品です。
フリーウェイ給与計算(株式会社フリーウェイジャパン)
フリーウェイ給与計算は、株式会社フリーウェイジャパンが提供するクラウド型の給与計算ソフトです。従業員5人までの組織において、給与・賞与計算や社会保険料の自動計算、年末調整時に必要な源泉徴収票の作成といった実務に必要な機能が網羅されています。
無料での利用にあたっては、有人によるサポートが制限され、Web上のマニュアルやFAQを活用した自己解決が基本となる点を確認しておくことが必要です。従業員数が6名を超えた場合でも、人数無制限で月額1,980円で運用を継続できます。
円簿給与(株式会社円簿インターネットサービス)
円簿給与は、広告収益モデルの採用で従業員数5名まで無料で利用可能なクラウド型給与計算ソフトです。給与・賞与計算だけでなく、年末調整や源泉徴収票の作成、勤怠管理機能もセットで提供されているため、バックオフィス業務の基盤を一つのソフトで構築できます。
実務上の運用においては、計算と明細発行という核心的な機能に特化したシンプルな設計思想を理解しておくことが大切です。広告が表示される作業画面や、銀行振込用のデータ(FBデータ)出力が非対応であるといった特性はありますが、振り込み実務を手入力やCSV連携で行うなど、ソフトの特性に合わせた運用フローを整えることで恩恵を受けられます。
2026年度の「子ども・子育て支援金」の徴収や雇用保険料率の改定といった最新の法規制にも自動アップデートで対応しており、常に正確な計算ロジックを利用可能です。
ジョブカン給与計算(株式会社DONUTS)
ジョブカン給与計算は、株式会社DONUTSが提供するクラウド型給与計算システムです。従業員数が5名以下の小規模な組織であれば、月次の給与計算や賞与計算、Web明細の発行といった基本機能を期間の定めなく無料で利用できます。
すでにジョブカンシリーズの勤怠管理を導入している場合、手作業による転記ミスを最小限に抑えつつ、デジタル化の恩恵を直接享受することが可能です。年末調整機能が有料オプション扱いとなる点、チャットサポートが制限される点に注意しましょう。
加えてデータの保証期間が30日間に限定されているため、法定保存期間である5年間の義務を果たすには、毎月の計算確定後に必ずCSVやPDF形式でデータを外部ストレージへ保存する運用フローを構築しなければなりません。
弥生給与 Next(弥生株式会社)
弥生給与 Nextは給与、勤怠、労務業務を効率化するクラウド型の給与計算ソフトです。年末調整計算や弥生勤怠 Nextといった有料版の機能を最大2ヶ月間19名まで無料で試すことができます。
無料期間中は電話サポートや専門家による労務相談、マイナンバー相談といった付加サービスが制限される点に注意が必要です。期間終了後に年末調整計算や勤怠の機能を継続したいときは、月額3,300円からの「ベーシックライト」プランへの変更を検討しましょう。
法改正対応への確実性と、将来的な拡張性を重視するスタートアップや小規模企業に最適です。
スマレジ・タイムカード(株式会社スマレジ)
スマレジ・タイムカードは、給与計算機能を搭載したクラウド型勤怠管理システムです。30日間無料で試すことができ、期間中従業員数に上限はありませんが、詳細な残業時間のアラート機能や高度な休暇管理機能が制限されます。
従業員の出退勤記録から給与確定までを一気通貫で管理することが可能です。基本的な給与計算やWeb明細の発行、2026年の税制・社保率への対応には支障ありませんが、より緻密な労務コンプライアンス管理を求める場合は、有料プランへの移行やプランアップを見据えた運用が求められます。
マネーフォワード クラウド給与(株式会社マネーフォワード)
マネーフォワード クラウド給与は、株式会社マネーフォワードが提供する給与計算サービスです。無料トライアル期間は1ヶ月間提供されており、登録人数1名に限定してすべての機能を試用できます。
期間内であれば、Web給与明細の発行や銀行振込用のデータ(FBデータ)出力、最新の法規制に準拠した年末調整のシミュレーションまで、有料版と遜色ない操作感を実機で確認することが可能です。ただし無料期間中に登録できる従業員数は1名に限定されているため、実際の複数人分の計算実務を無料枠内のみで完結させることは難しいという仕様を前提に検討を進める必要があります。
KING OF TIME給与(株式会社ヒューマンテクノロジーズ)
KING OF TIME 給与は、株式会社ヒューマンテクノロジーズが提供する給与計算業務に特化したクラウド型サービスです。無料トライアル期間は30日間用意されており、利用人数や機能に一切の制限なく、給与計算を含め、勤怠管理や人事労務といった有料版と同じ機能を試せます。
特筆すべきは、無料期間中であっても電話(予約制)やチャット、メールによる充実したサポートを無料で受けられる点です。すでに勤怠管理システム「KING OF TIME」を契約している事業者の場合、一人あたり月額330円の料金内で給与計算機能まで追加費用なしで利用できます。
給与奉行iクラウド(株式会社オービックビジネスコンサルタント)
給与奉行iクラウドは、各種手当や社会保険の届出書作成まで自動化する給与計算ソフトです。30日間の無料トライアル期間中は、人数制限なしで給与計算や昇給・賞与算定といったすべての機能を試せます。
サンプルデータを用いて導入後すぐに操作感を検証できるだけでなく、月次計算や年末調整、労働保険の年度更新といった高度な年次業務フローも事前に体験することが可能です。トライアル終了後は機能が制限されるため、本格導入を前提とした自社の業務フローとの適合性を慎重に判断するための検証期間として活用しましょう。
オフィスステーション給与(株式会社エフアンドエム)
オフィスステーション給与は、給与明細の発行から労務管理までを極めて効率的に完結させる、クラウド型給与計算ソフトです。標準版では30日間、より高度な機能を含むPro版では14日間が提供されており、期間中は人数制限なしで全機能を実機で検証できます。
最大の特徴は、API連携による他システムとの柔軟な接続性と、顧問の社会労務士事務所とのスムーズなデータ共有機能です。無料トライアルを活用する際は、製品の選定と実務適性の検証を目的とした期間限定の提供であることを念頭に置き、事前に自社の給与データや検証項目を整理しておきましょう。
freee人事労務(フリー株式会社)
freee(フリー)人事労務は、フリー株式会社が提供している給与計算機能を搭載したクラウド型の人事労務管理システムです。給与計算のみならず、勤怠管理や入退社手続き、年末調整までを一つのプラットフォームで完結できます。
30日間の無料トライアル期間中は、従業員数の制限なく有料版と同等の高度な機能を試すことが可能です。給与計算の結果がそのまま「freee会計」へ自動連携され、仕訳作業が不要になる体験は、バックオフィス全体のデジタライゼーションを加速させます。
本製品はあくまで有料プランへの移行を前提としています。試用期間を通じて自社の業務フローがいかに効率化されるか、そして削減された工数が月額費用以上の価値を生み出すかを具体的に評価するための検証期間として活用することが大切です。
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無料から有料の給与計算ソフトに切り替えるべきサイン
事業の成長や労働基準法への対応が求められるなか、無料の給与計算ソフトは従業員数や保存期間、機能に制限があります。以下に挙げる6つのサインのうち、一つでも自社の状況に当てはまる場合は、有料プランへの移行を検討しましょう。
従業員数が無料版の制限人数を超えるとき
無料の給与計算ソフトの多くは、利用可能な従業員数が5名程度に制限されています。組織が成長し、6人目以降が加わるタイミングは、有料版へ切り替える最も明確なサインです。
2026年は最低賃金の上昇に伴い、アルバイトやパート雇用の流動性が高まっていますが、人数枠を気にして手作業を介在させるのは計算ミスの温床となります。制限を超えた瞬間に全従業員分が課金対象となる製品も多いため、増員計画に合わせて事前に移行を進めるのが賢明です。
年末調整機能が使えないとき
年末調整は給与実務において最も複雑であり、ミスが許されない業務です。無料プランの中には年末調整機能が制限されている、あるいは有料オプションとなっている製品が少なくありません。
手作業での計算は所得税の還付や追納の誤りを招きます。2026年度の最新税制に基づいた正確な処理を担保するには、年末調整機能が標準搭載された有料プランへの移行が必要です。
過去の給与データを一括でインポートしたいとき
Excel管理や他社ソフトから移行する際、過去の給与履歴を一括で取り込めるインポート機能は、導入工数を劇的に削減する鍵を握るでしょう。無料版ではインポート機能が制限されていることが多く、一件ずつ手入力する手間は経営者や担当者の貴重な時間を奪います。
2026年の労働力不足が深刻化する中、入力作業に月3時間以上費やしている場合、インポート機能を開放して本来集中すべきコア業務へ時間を充てるべきです。
自由にデータ出力(CSV出力)したいとき
給与計算データを会計ソフトへ連携したり、経営分析に活用したりする場合、CSV形式での自由なデータ出力が欠かせません。無料の給与計算ソフトの一部ではデータの出力機能に制限があり、データがシステム内に閉じ込められる情報の孤島化を招いています。
バックオフィス全体のデジタル化を推進し、銀行振込データ(全銀フォーマット)やデジタル払い用データとのシームレスな連携を目指すなら、制限なくデータを持ち出せる有料プランへの切り替えを検討しましょう。
データ保存期間が法的要件を満たさないとき
法令により、賃金台帳などの給与関係書類には5年間の保存義務が課されています。しかし、無料プランの多くはデータ保存期間が30日間や1年間と短く設定されており、そのままでは法的要件を満たせません。
バックアップを一件でも忘れると、未払い残業代請求などの有事の際に証拠を提示できません。法令遵守(コンプライアンス)を確実にするためにも、長期保存が保証された有料版の利用を推奨します。
法定帳票出力ができないとき
賃金台帳や源泉徴収簿といった法定帳票の出力は、労働基準監督署の調査や税務調査において即座の提示が求められる重要事項です。無料の給与計算ソフトではこれらの帳票出力が制限されているケースがあり、いざという時に迅速な対応ができません。
正確な帳票をいつでも出力できる環境を整えたいときは、有料版への移行を検討しましょう。
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