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中小企業向け給料計算アプリおすすめ5選!無料トライアルあり

ぴったりの給与計算ソフトをさがす
最終更新日: 2025年11月12日

「Excelでの給与計算が限界…」「従業員が増えて計算ミスが心配」「社会保険料の計算が複雑すぎる」

そんな悩みを抱えている中小企業の総務・経理担当者の方へ。給料計算アプリ(クラウド型給与計算ソフト)を導入すれば、毎月の給与計算が劇的に効率化できます。

本記事では、中小企業向けの給料計算アプリ5製品を徹底比較。料金や機能、無料トライアルの有無まで詳しく解説します。

給料計算アプリとは|個人向けと企業向けの違い

給料計算アプリには「個人向け」と「企業向けクラウド型サービス」の2種類があり、機能や目的が大きく異なります。個人向けアプリはアルバイトやパート従業員が自分の給与を予測するための補助ツールであり、企業の給与計算業務には対応していません。

一方、企業向けクラウド型サービスは、社会保険料や税金の自動計算、法定帳簿の作成、年末調整まで包括的にカバーする基幹システムです。

「シフトボード」など個人向けアプリ

個人向けの給料計算アプリは、アルバイトやパートタイマーが自分の勤務時間や給与を管理するためのツールです。代表例として「シフトボード」があり、シフト管理と入力した時給・勤務時間に基づく概算給与の自動計算機能を備えています。

ただし、これらはあくまで「個人が手取り予測額を把握するための補助ツール」であり、企業が給与計算を行うためのシステムではありません。社会保険料や源泉所得税などの控除額計算、法定三帳簿の作成、年末調整といった企業に必要な機能は搭載されていません。

「freee」「マネーフォワード」など企業向けクラウド型サービス

企業向けクラウド型サービスは、法人が従業員の給与計算業務を正確かつ効率的に行うための基幹システムです。freee人事労務やマネーフォワード クラウド給与などが代表例で、給与の総支給額計算だけでなく、社会保険料や雇用保険料、源泉所得税、住民税といった控除額を自動計算します。

さらに、法定三帳簿の自動作成、給与明細の発行、年末調整まで包括的にカバーしています。最大の特徴は、法改正や保険料率の変更にベンダーが自動対応するため、企業は常に最新の法令に準拠した計算が可能になる点です。

個人向けアプリとの違いは「法的責任の所在」にあり、計算ミスは労務トラブルや税務署からの指摘といった経営リスクに直結します。

中小企業にはクラウド型がおすすめの理由

中小企業が給与計算業務をExcelやオンプレミス型ソフトで行うと、法改正のたびに担当者が手動で計算式を修正する必要があり、対応漏れによるコンプライアンス違反のリスクを抱えます。クラウド型なら、ベンダーが法改正内容を自動反映するため、常に最新の法令に準拠した計算が可能です。

また、特定の担当者しか扱えない「ブラックボックス化したExcel」は、担当者の退職や休職が業務停止につながる属人化リスクがあります。クラウド型は業務フローが標準化されるため、引き継ぎコストを大幅に削減できます。

さらに、インターネット環境があればどこからでもアクセス可能で、リモートワークにも対応できます。

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Excel運用からクラウド化するメリット

Excelでの給与計算からクラウド型アプリへ移行すると、計算ミスの撲滅、作業時間の大幅削減、法改正への自動対応、ペーパーレス化という4つの大きなメリットが得られます。

これらは単なる効率化に留まらず、コンプライアンス・リスクの回避と業務の属人化解消という経営課題の解決につながります。従業員5~50名規模の中小企業でも、給与計算にかかる作業時間を50%から80%削減できた事例が報告されており、創出された時間をより付加価値の高いコア業務に再配分できます。

計算ミスゼロ|社会保険料・税金を自動計算

Excel運用で最大のリスクとなるのが、社会保険料や源泉所得税の計算ミスです。4月から6月の給与平均で標準報酬月額を決定する算定基礎、業種ごとに異なる雇用保険料率、扶養家族数に応じた源泉所得税額表の参照など、複雑な計算が求められます。

クラウド型給料計算アプリは、従業員マスタの基本情報と勤怠データをもとに、常に最新の保険料率・税率テーブルを自動適用して計算します。担当者の手作業や目視確認が不要になるため、支払いミスや徴収漏れといった労務トラブルを根本から防止できます。

作業時間を大幅削減|月末の残業が減る

Excel運用では、月末月初に以下の手作業が発生し、担当者に強い業務負荷を与えます。

  • Excelへの勤怠データの転記
  • 従業員の人数分の給与計算・検算
  • 給与明細の印刷・封入・配布
  • 会計ソフトへの仕訳データ入力

クラウド型なら、勤怠管理システムとのAPI連携で勤務データを自動取込、給与明細の電子配信で印刷・配布作業をゼロ化、会計ソフトへの仕訳データ自動連携により、これらの作業を劇的に短縮できます。ある導入事例では、バックオフィスシステム連携により全社で年間1,500時間の作業時間削減を実現しています。従業員5~50名規模でも、給与計算にかかる作業時間を50%から80%削減し、創出された時間をコア業務に再配分できます。

法改正に自動対応|最新の税率・保険料率を反映

社会保険料率は毎年3月に改定され、雇用保険料率は年1~2回変更されます。最低賃金は毎年10月に改定され、所得税法も随時改正されます。Excelで運用する場合、これらの法改正のたびに担当者が計算式や料率設定を手動で修正する必要があり、対応漏れはコンプライアンス違反につながります。

クラウド型サービスでは、ベンダーが専門チームの監修のもと法改正内容をシステムの計算エンジンに一括で適用されます。ユーザー企業はバージョンアップ作業や追加費用が不要で、ログインした瞬間から常に最新の法令に準拠したシステムを利用可能です。法改正のキャッチアップ漏れや計算式修正ミスによるリスクをゼロにできるのが、クラウド型の最大の価値です。

給与明細の電子配信でペーパーレス化

クラウド型給料計算アプリの多くは、Web給与明細の電子配信機能を標準搭載しています。これにより、紙代・インク代・封筒代・郵送費といった直接的な経費削減に加え、印刷・確認・封入・配布という一連の物理的作業とそれに伴う担当者の工数を完全にゼロにできます。

従業員側も、スマートフォンやPCから場所や時間を問わず給与明細を閲覧でき、過去の明細もクラウド上で一元管理できるため紛失リスクがありません。住宅ローン審査や確定申告で過去の明細が必要になった際も、担当者に再発行を依頼する手間が不要です。

なお、給与明細の電子交付には従業員からの同意が法的に必須ですが、近年のアプリは初回ログイン時に同意ボタンで完結させる機能を持ち、導入ハードルを下げています。

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【比較表】中小企業向け給料計算アプリ5選

中小企業向けの主要な給料計算アプリ5製品を、料金・機能・サポート面で比較しました。従業員10名と30名利用時の月額料金、無料トライアルの有無、勤怠連携や年末調整などの主要機能を一覧で確認できます。

製品名 10名利用時の月額料金 30名利用時の月額料金 無料トライアル 勤怠連携 年末調整 算定基礎届 独自性
freee人事労務 4,700円 19,480円 30日間 freee会計との連携
マネーフォワード クラウド給与 2,400円 8,400円 1ヶ月 50名以下の価格競争力
ジョブカン給与計算 4,000円 12,000円 30日間 モジュール型で必要機能だけ選択
スマレジ・給与計算 要見積 要見積 30日間 POSレジ連携で店舗に最適
Gozal 7,000円 21,000円 2ヶ月間 24時間労務専門家サポート

◎:自社サービスまたは他社との強い連携あり ○:対応

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中小企業向け給料計算アプリおすすめ5選

従業員30名規模の中小企業を想定し、コストパフォーマンスと機能の充実度で厳選した5製品を紹介します。無料トライアル期間があるため、自社の業務フローに合うか実際に試してから導入を決められます。
料金体系は従業員数に応じた従量課金が一般的で、10名利用時で月額2,400円から、30名利用時で月額8,400円からが相場です。勤怠管理や会計ソフトとの連携、年末調整対応など、導入後の運用効率を左右する機能面も併せて確認しましょう。

freee人事労務|勤怠管理から給与振込まで一気通貫

出典:「freee人事労務」公式サイト

freee人事労務は、freee勤怠管理Plusとfreee会計との一気通貫連携が最大の強みです。勤怠データから給与計算、仕訳データの会計ソフトへの自動連携までがワンストップで完結するため、システム間のデータ転記ミスを根本から防止できます。

30名利用時で月額19,480円と5製品中では高めの料金設定ですが、すでにfreee会計を導入している企業にとっては、給与明細発行や年末調整、算定基礎届などの法定調書も含めた労務業務をシームレスに処理できる価値があります。30日間の無料トライアルで、自社の勤怠管理と会計処理の実際の流れを体験できます。

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マネーフォワード クラウド給与|金融機関連携で振込もワンクリック

出典:「マネーフォワード クラウド給与」公式サイト

マネーフォワード クラウド給与は、従業員50名以下の企業に対して最も価格競争力のある製品です。30名利用時で月額8,400円という料金は、今回紹介する5製品の中で最安値になります。金融機関との連携により、給与計算から振込データ作成、全銀協フォーマットでの一括振込までワンクリックで完結できます。

マネーフォワード クラウド勤怠やマネーフォワード クラウド会計との連携も強力で、バックオフィス業務全体を効率化したい企業に最適です。1ヶ月の無料トライアル期間中に、給与明細の自動作成や年末調整機能を実際の業務で試せます。

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ジョブカン給与計算|5人まで無料プランあり

出典:「ジョブカン給与計算」公式サイト

ジョブカン給与計算は、従業員5人まで無料で利用できるフリープランを提供しています。スタートアップや小規模事業者が初期コストゼロで導入でき、事業拡大に合わせて有料プランへスムーズに移行できる柔軟性が魅力です。30名利用時で月額12,000円と中価格帯に位置します。

モジュール型の設計により、給与計算・勤怠管理・労務管理の中から必要な機能だけを選択して導入できます。ジョブカン勤怠管理との連携が強力で、打刻データから残業時間や深夜割増の自動計算まで対応します。30日間の無料トライアルで、実際の給与計算処理を体験できます。

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スマレジ・給与計算|シフト作成・管理機能も充実

出典:「スマレジ 給与計算」公式サイト

スマレジ・給与計算は、POSレジシステムと連携したシフト作成・管理機能が充実しており、飲食店や小売店など店舗ビジネスに特化した設計が特徴です。POSレジのスマレジと併用することで、シフト予定から勤怠実績、給与計算までを一元管理できます。

料金は要見積もりとなっており、店舗数や従業員数に応じたカスタマイズプランを提案してもらえます。アルバイト・パート従業員が多い業態で、時給計算や変則シフトの給与管理を効率化したい企業に最適です。30日間の無料トライアルで、シフト管理と給与計算の連動を体験できます。

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Gozal|変更があった従業員を自動抽出

出典:「Gozal 給与チェック」公式サイト

Gozalは、前月と比較して変更があった従業員情報を自動で抽出する独自機能を搭載しています。昇給や降給、扶養家族の増減、社会保険の取得・喪失といった給与計算に影響する変更点を見逃さずに処理できるため、計算ミスや修正漏れを防止できます。

30名利用時で月額21,000円と5製品の中では最も高額ですが、24時間体制の労務専門家サポートが付帯しており、給与計算や労務管理の実務で困ったときに専門家へ直接相談できる安心感があります。2ヶ月間の無料トライアル期間は業界最長クラスで、じっくり検証してから導入を決められます。

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給料計算アプリの選び方|5つの比較ポイント

自社に最適な給料計算アプリを選ぶには、料金プラン・システム連携・法定業務対応・サポート体制・セキュリティの5つの視点で比較検討することが重要です。

特に中小企業では、現在の従業員数だけでなく今後の事業拡大を見据えた料金体系の確認、既存の勤怠管理システムや会計ソフトとのデータ連携、年末調整や算定基礎届といった年次業務への対応可否が選定の決め手になります。無料トライアル期間を活用し、実際の業務フローで試してから判断しましょう。

従業員数に合った料金プラン

給料計算アプリの料金体系は、基本料金に従業員数に応じた従量課金を加算する形式が一般的です。従業員30名の企業で月額8,400円から21,000円程度が相場ですが、製品によって価格帯に2倍以上の差があります。

重要なのは、現在の従業員数だけでなく今後3年程度の採用計画を見据えた試算です。従業員が50名を超えると料金テーブルが変わる製品もあり、事業拡大時に想定外のコスト増となるケースがあります。

ジョブカン給与計算のように5名まで無料のプランを提供する製品もあるため、スタートアップや小規模事業者は初期コストを抑えられます。

勤怠管理システムとの連携

勤怠管理システムとの連携機能は、給与計算業務の効率化において最も重要なポイントです。API連携によって勤怠データを自動取込できれば、タイムカードからExcelへの手作業転記が不要になり、転記ミスや集計ミスを根本から防止できます。

freee人事労務とfreee勤怠管理Plus、マネーフォワード クラウド給与とマネーフォワード クラウド勤怠のように同一ベンダーの製品同士なら、勤務時間・残業時間・休日出勤・深夜割増がシームレスに連携します。既に勤怠管理システムを導入済みの企業は、そのシステムと連携可能な給料計算アプリを優先的に検討しましょう。

年末調整・算定基礎届の対応

年末調整と算定基礎届は、企業が法的に対応必須の年次業務です。年末調整では、従業員ごとの控除額を集計して源泉徴収票を発行し、税務署と市区町村への法定調書を作成する必要があります。算定基礎届は、毎年7月に4月から6月の給与平均をもとに標準報酬月額を決定する手続きです。

主要な給料計算アプリは、これらの年次業務に標準対応しています。ただし、従業員が入力する扶養控除申告書や保険料控除申告書の電子化対応、年末調整計算の自動化レベル、算定基礎届の電子申請対応など、製品によって機能の充実度に差があります。無料トライアル期間に実際の操作画面を確認しましょう。

導入支援・問い合わせなどサポート体制

中小企業の総務担当者は、給与計算以外にも社会保険手続きや勤怠管理など複数の業務を兼任しているケースが多く、システム導入時の負荷を最小限に抑える必要があります。主要ベンダーは初期設定の支援サービスや、従業員マスタのCSVインポート機能を提供しています。

導入後のサポート体制も重要で、メール・チャット・電話など問い合わせ手段の充実度、営業時間内のレスポンス速度を確認しましょう。Gozalのように24時間体制で労務専門家に相談できるサービスもあります。

給与計算は毎月の締め日に必ず処理しなければならないため、トラブル発生時の迅速なサポートが業務継続の鍵になります。

セキュリティとデータ保護

給料計算アプリは、従業員の氏名・住所・マイナンバー・銀行口座・給与額という機密性の高い個人情報を大量に扱います。データ漏洩は企業の社会的信用を失墜させ、個人情報保護法違反による行政処分や損害賠償請求のリスクを抱えます。

主要ベンダーは、通信の暗号化、データセンターの冗長化、第三者機関による脆弱性診断、プライバシーマーク取得など、多層的なセキュリティ対策を実施しています。

さらに、アクセス権限の従業員ごとの設定、操作ログの記録、二段階認証の導入といった機能面での安全性も確認しましょう。

無料トライアル期間に、セキュリティポリシーや認証取得状況を公式サイトで確認することをおすすめします。

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給料計算アプリ導入の流れと費用目安

給料計算アプリの導入は、無料トライアル申込から本格稼働まで最短1ヶ月程度で完了します。主要ベンダーは導入支援サービスを提供しており、初期設定や従業員マスタのインポート作業をサポートしてくれます。

費用は従業員数に応じた従量課金が基本で、1人あたり月額300円から600円程度が相場です。初期費用が不要な製品が多く、中小企業でも導入ハードルが低く設定されています。まずは30日から60日程度の無料トライアルで実際の業務フローを体験し、自社に合うか検証してから本契約へ進むのが一般的な流れです。

3ステップで導入完了

給料計算アプリの導入は、以下の3ステップで完了します。

  1. 無料トライアルを申し込み初期設定をする
  2. 従業員マスタ登録をし試験運用をする
  3. 本契約をし本格稼働をする

まず公式サイトから無料トライアルを申し込み、会社情報や給与体系など基本的な情報を登録します。

次に従業員の氏名や入社日、基本給などのデータをCSVファイルでインポートし、実際の給料計算をテスト運用します。ベンダーの導入支援を受けながら、既存のExcelデータとの違いを確認してください。

テスト運用の結果に問題がなければ本契約をし、給料計算を本格稼働します。

給料計算アプリの費用目安|1人あたり月額300〜600円程度

給料計算アプリの費用は、従業員1人あたり月額300円から600円程度が相場です。たとえば従業員30名の企業なら月額9,000円から18,000円、年間では108,000円から216,000円になります。

初期費用が不要な製品が多く、導入初月から固定費として計上できます。

Excelでの給与計算は月額費用がゼロに見えますが、担当者の人件費や計算ミスによる労務トラブル対応コスト、法改正対応の工数を考慮すると、実質的なコストは高額です。

クラウド型への移行で作業時間を50%削減できれば、担当者の人件費削減効果だけで投資回収が可能になります。

無料トライアルで実際に試そう

主要な給料計算アプリは、30日から60日間の無料トライアル期間を提供しています。この期間中に実際の給与計算業務で試すことで、操作性や機能の充実度、自社の業務フローとの適合性を検証できます。

無料トライアルで確認すべきポイントは、勤怠データの取込方法、給与明細の出力フォーマット、年末調整や算定基礎届の操作画面、サポートへの問い合わせレスポンス速度の4点です。複数製品を並行して試すと比較検討しやすくなりますが、従業員マスタの登録作業が重複するため、まずは1製品に絞って深く検証することをおすすめします。

無料の給料計算アプリを選ぶ際の注意点

「無料」を謳う給料計算アプリの多くは、個人向けの給与予測ツールか、企業向けでも機能制限のあるフリープランです。ジョブカン給与計算のように5人まで無料で企業向け機能を提供する製品もありますが、完全無料で10名以上の給料計算をカバーできる製品はありません。

無料アプリは、管理者向け機能の不足、法改正対応の遅れ、データの手動入力が必要になるという3つの制約があります。

これらは給与計算業務の正確性と効率性を損ない、結果的にコンプライアンス違反や労務トラブルのリスクを高めます。中小企業が導入を検討すべきは、適正な料金で包括的な機能を提供する有料の企業向けクラウド型サービスです。

管理者向け機能が不足している

無料の給料計算アプリは、個人が自分の給与を予測するための補助機能に特化しており、企業の管理者が必要とする機能を欠いています。複数の従業員を一括管理する機能、法定三帳簿の自動作成、年末調整や算定基礎届といった年次業務への対応が含まれていません。

また、給与明細の電子配信、会計ソフトへの仕訳データ連携、アクセス権限の設定といった企業運用に必須の機能も提供されません。結果として、無料アプリを使っても従来のExcel運用から脱却できず、手作業による転記や計算ミスのリスクが残り続けます。企業向けの包括的な機能を求めるなら、有料のクラウド型サービスを選択すべきです。

法改正対応が遅れる可能性

無料の給料計算アプリは、開発リソースやサポート体制が限定的なため、法改正への対応が有料製品と比べて遅れる傾向があります。社会保険料率の改定や雇用保険料率の変更、所得税法の改正など、給与計算に影響する法改正は年間で複数回発生します。

有料の企業向けクラウド型サービスは、専門チームが法改正を常時監視し、システムの計算エンジンに自動反映する体制を整えています。一方、無料アプリでは改正内容の反映が遅れたり、ユーザー自身が手動で設定変更を求められたりするケースがあります。法改正対応の遅れはコンプライアンス違反につながり、企業の経営リスクとなります。

データの手動入力が必要になる

無料の給料計算アプリは、勤怠管理システムや会計ソフトとのAPI連携機能を持たないため、勤務時間や基本給などのデータを毎月手動で入力する必要があります。従業員30名の企業であれば、月末に30人分のデータを転記する作業が発生し、転記ミスのリスクも高まります。

有料のクラウド型サービスなら、勤怠管理システムから勤務データを自動取込し、給与計算結果を会計ソフトへ自動連携できます。この一連の自動化により、月末月初の作業時間を劇的に削減できます。無料アプリでは、結局Excel運用と同様の手作業が残ってしまい、クラウド化のメリットを享受できません。

給料計算アプリに関してよくある質問

給料計算アプリの導入を検討する中小企業の総務・経理担当者からよく寄せられる質問をまとめました。個人向けアプリと企業向けクラウド型サービスの違い、無料版と有料版の機能差、システム連携の可否、自動計算の範囲など、導入前に確認しておくべきポイントを解説します。

これらの質問への回答を理解することで、自社に最適な製品を選定する際の判断材料が明確になります。特に初めてクラウド型サービスを導入する企業にとって、基本的な疑問を解消してから無料トライアルに進むことで、検証すべきポイントを絞り込めます。

給料計算アプリとは何ですか?

給料計算アプリとは、従業員の給与を自動計算するソフトウェアの総称です。大きく分けて、個人が自分の給与を予測する「個人向けアプリ」と、企業が従業員全体の給与計算業務を行う「企業向けクラウド型サービス」の2種類があります。

個人向けアプリはシフトボードなどが代表例で、アルバイトやパートが自分の勤務時間から概算給与を把握するためのツールです。一方、企業向けクラウド型サービスは、freee人事労務やマネーフォワード クラウド給与などが該当し、社会保険料や税金の自動計算、法定帳簿の作成、年末調整まで包括的に対応します。中小企業が導入を検討すべきは企業向けクラウド型サービスです。

無料で使える給料計算アプリはありますか?

個人向けの給料計算アプリには完全無料のものが多数存在しますが、企業向けで包括的な機能を持つ完全無料のアプリは基本的に存在しません。ジョブカン給与計算のように従業員5人まで無料のフリープランを提供する製品はありますが、6人以上になると有料プランへの移行が必要です。

無料プランには、管理者向け機能の制限、法改正対応の遅れ、システム連携機能の欠如といった制約があります。従業員30名規模の中小企業が法令遵守と業務効率化を両立するには、月額1人あたり300円から600円程度の有料クラウド型サービスを選択すべきです。初期費用不要で無料トライアルも提供されているため、導入ハードルは低く設定されています。

勤怠管理システムと連携できますか?

主要な企業向け給料計算アプリは、勤怠管理システムとのAPI連携機能を標準装備しています。freee人事労務とfreee勤怠管理Plus、マネーフォワード クラウド給与とマネーフォワード クラウド勤怠のように、同一ベンダーの製品同士なら設定も簡単でシームレスに連携できます。

異なるベンダー間でも、CSV形式でのデータエクスポート・インポート機能を使って連携可能です。ただし、勤怠管理システムの出力フォーマットと給料計算アプリの入力フォーマットが一致しない場合、データ加工の手間が発生します。既存の勤怠管理システムがある企業は、導入前にベンダーへ連携可否を確認しましょう。無料トライアル期間に実際の連携テストを行うことをおすすめします。

社会保険料や税金の計算は自動ですか?

企業向けクラウド型給料計算アプリは、社会保険料と税金の計算を完全自動で行います。従業員マスタに登録された基本情報と勤怠データをもとに、健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料、源泉所得税、住民税を自動計算し、給与明細に反映します。

計算に使用する保険料率や税率は、ベンダーが法改正を常時監視して最新版に自動更新するため、担当者が手動で料率設定を変更する必要はありません。扶養家族数や標準報酬月額といった個別情報も従業員マスタで管理され、源泉所得税額表や保険料額表を自動参照して正確に計算されます。

これにより、Excel運用で発生していた計算ミスや法改正対応漏れのリスクをゼロにできます。

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