従業員数が5名以下の小規模組織においては、無料で十分という判断が、1年後のデータ移管作業や致命的な計算ミスという大きな損失を招く可能性があります。特に2025年から2026年にかけては、扶養控除要件の変更や申告書様式の刷新など、実務を根底から変える税制改正が控えています。
本記事では、主要8製品の機能、将来的なコスト、そして最新の法改正への対応力を徹底分析しました。読み終える頃には、自社の成長フェーズに合わせ、今導入すべき最適な1本が明確に定まっているはずです。
少人数企業が給与計算ソフト選びで絶対にハマる3つの落とし穴
少人数組織ではコストゼロを優先しがちですが、そこには目に見えない経営リスクが潜んでいます。調査結果に基づき、多くの企業が直面する3つの課題を構造的に分析します。
無料という名の見えない人件費
無料ソフトの導入は、必ずしもコスト削減に直結しません。UIの設計が古いツールや操作が複雑なシステムの場合、マニュアルの読み込みや不明点の調査に膨大な時間を奪われるためです。
調査結果によると、システム間の連携が不十分な環境では、担当者の約4割がデータ入力を最大の無駄と感じています。時給換算した際の人件費がソフトの月額利用料を上回る状態は、実質的な赤字と言えます。操作性の高い有償ソフトを選択することで、月次作業を数時間単位で圧縮できる事例が多く報告されています。
6人の壁で発生するデータ移管の地獄
5名まで無料のプランを基準に選定すると、6人目を採用した瞬間にデータ移管の負担がのしかかります。これを6人の壁と呼びます。
無料枠の制限により他社ソフトへ乗り換える際、過去の給与データや従業員情報のCSV整形、再入力には多大な工数が発生します。5名までの段階で将来的に10名、20名と増える可能性があるかを見極め、人数が増えても単価が安定する従量課金型、あるいは定額制の製品を最初から選定することが、中長期的なコストを最小化する鍵となります。
法改正対応によってExcel管理の限界が判明する
2025年から2026年にかけての税制改正は、Excel管理の限界を露呈させます。基礎控除の引き上げや、扶養親族の所得要件が103万円から123万円へと変更されるなど、計算ロジックそのものが書き換わるためです。
Excelによる給与計算におけるリスクは、属人化と計算ミスにあります。2026年には給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の様式も刷新されるため、手動での対応はコンプライアンス上の致命的な欠陥になりかねません。最新情報を自動でキャッチアップするクラウドソフトへの移行は、もはや効率化ではなく、事業継続のための保険と言えます。
【全8製品】少人数向け給与計算ソフト比較表
調査に基づき、小規模事業者の選定基準となる無料枠2025年法改正対応将来コストを軸に整理しました。
| 製品名 | 無料枠の条件 | 2025年法改正対応 | 6名以降の月額コスト(目安) |
| フリーウェイ給与計算 | 5人まで永久無料 | 対応予定 | 1,980円(人数無制限) |
| 円簿給与PRO | 人数無制限(広告あり) | 対応 | 0円 |
| PayBook | 10人まで(制限あり) | 対応 | 1,000円 |
| ジョブカン給与計算 | なし(実質有料) | 対応 | 2,400円〜 |
| freee人事労務 | なし(最低5名課金) | 対応 | 約3,000円〜 |
| マネーフォワード | 1ヶ月体験のみ | 対応 | 約3,280円〜 |
| 弥生給与 Next | 初年度0円 | 対応 | 年額約3万円〜 |
| ジンジャー給与 | なし(10名〜) | 対応 | 要見積もり |
少人数におすすめの給与計算ソフト
従業員数が少なく、特定のニーズに特化して選びたい企業向けの4製品です。それぞれの製品がどのような運用スタイルに適しているかを定義します。
フリーウェイ給与計算
従業員5名以下の組織において、最も合理的な選択肢となるのがフリーウェイ給与計算です。最大の特徴は、5名までであれば期間制限なく、年末調整や全銀データ出力といった実務に不可欠な機能をすべて無料で利用できる点にあります。
クラウド型であるため、2025年の複雑な控除計算や2026年の様式変更にも自動アップデートで対応が予定されています。WindowsとMacの双方で動作し、場所を選ばずに作業が可能です。
おすすめの企業の特徴
従業員数が5名以下で固定されており、追加コストを一切かけずに法改正対応と実務の完結を目指す企業に最適です。
円簿給与PRO
広告収益モデルを採用しており、5人までならば無料で利用できます。6人以上になると約20,000円のコストが発生する点に注意が必要です。
データは暗号化された環境で保護されており、セキュリティ面でも実務利用に耐えうる設計がなされています。API連携機能は限定的ですが、基本的な給与計算と帳票出力に特化することで、高いコストパフォーマンスを発揮します。
おすすめの企業の特徴
5名を超える従業員を抱えつつ、バックオフィスへのシステム投資を極限まで抑えたい経営者にとって有力なソリューションとなります。
PayBook
10名まで無料で利用可能なPayBookは、タブレット端末での操作にも最適化されたモダンなインターフェースが特徴です。PC操作に慣れていない担当者でも直感的に給与計算を進められるウィザード形式を採用しており、導入のハードルが非常に低く抑えられています。
有料プランに移行した後も月額1,000円と安価であり、成長に合わせた段階的なコスト負担が可能です。クラウドの利点を活かし、どこからでも最新の給与データにアクセスできる利便性を提供します。
おすすめの企業の特徴
外出先での作業が多いオーナーや、PC操作の簡便さを最優先しつつ、将来的な有料化も視野に入れている企業に向いています。
ジョブカン給与計算
業務の自動化とミス撲滅を重視する場合、ジョブカン給与計算がその真価を発揮します。最低利用料金の設定はありますが、同シリーズの勤怠管理システムと連携することで、打刻データから残業代や深夜手当をワンクリックで算出できる強みがあります。
法改正への対応スピードも速く、最新の税制に基づいた自動計算機能が標準装備されています。シリーズ累計の導入実績も豊富で、信頼性の高いシステム運用を求めている組織に適しています。
おすすめの企業の特徴
勤怠管理と給与計算の二重入力を廃止し、バックオフィス業務の精度を極限まで高めたい成長志向の企業に最適です。
10名以上・成長期向けの運用効率を最大化する有料給与計算ソフト
従業員が増加フェーズにある場合、単なる計算機能を超えた連携と拡張性が重要になります。
freee人事労務
給与計算だけでなく、入退社手続きや社会保険の電子申請までを一元管理できるのがfreee人事労務です。統合型ERPとしての性格が強く、従業員が自身の情報をスマホから入力することで、担当者のデータ入力工数をゼロにする従業員フロント型の運用を実現します。
おすすめの企業の特徴
労務手続き全体のデジタル化を進め、バックオフィス担当者が本来の経営支援業務に注力できる環境を作りたい企業に適しています。
マネーフォワード クラウド給与
会計ソフトとの親和性を重視するなら、マネーフォワード クラウド給与が第一候補となります。給与確定と同時に仕訳データが会計システムへ自動連携されるため、経理処理のミスを根絶できます。複雑な手当の設定にも柔軟に対応できる汎用性の高さが魅力です。
おすすめの企業の特徴
すでにマネーフォワードの会計ソフトを利用しており、バックオフィス全体のデータ連携による自動化を追求したい組織に最適です。
ジンジャー給与
人事、勤怠、給与の全データを単一のデータベースで管理する1箇所管理を実現するのがジンジャー給与です。従業員規模が拡大してもデータが散逸せず、常に最新の情報に基づいた人事戦略の策定をサポートします。
おすすめの企業の特徴
従業員数が10名を超え、将来的な組織拡大を見据えて強固な人事情報基盤を構築したい中堅・成長企業に向いています。
弥生給与 Next
業務ソフトシェアNo.1の信頼を誇る弥生シリーズのクラウド版です。給与業務リストによるナビゲーション機能が秀逸で、初心者でも迷わずに毎月の業務を完結できます。初年度無料キャンペーンなどを活用し、初期コストを抑えつつプロフェッショナルなサポートを受けられるのが強みです。
おすすめの企業の特徴
専門スタッフによる手厚いサポートを重視し、初めてのクラウド化を失敗なく進めたい慎重な導入検討者にとって最も安心できる選択肢です。
Excel管理からソフトへ移行する際の最短3ステップ
Excelからの脱却は、以下の3つのステップを踏むことで、トラブルなく最短で完了します。
1.既存データの棚卸し
氏名、住所、生年月日、基礎年金番号などの基本情報を整理します。
2.給与規定の設定
残業代の計算方法や端数処理、諸手当の条件をシステムに入力します。多くのソフトでは、規定を反映させるためのテンプレートが用意されています。
3.直近1ヶ月分の並行運用
新しいソフトと従来のExcelで同時に計算を行い、結果を照合する検算期間を設けます。これにより、設定ミスによる給与の過不足を未然に防ぎ、安心して本運用へ移行できます。
このプロセスを経ることで、導入後の混乱を最小限に抑えつつ、作業時間の短縮が可能です。今こそ、Excel管理という不確実な運用から脱却し、正確で効率的な体制を構築してください。
給与計算ソフトを導入して効率よく業務を進めよう
従業員数が少なくても、給与計算ソフトを導入するメリットは絶大です。「6人の壁」や「必要な機能」を理解し、自社の成長フェーズに合ったソフトを選ぶことで、コストを抑えながら業務効率を劇的に改善できます。
まずは無料プランやトライアルを活用し、実際の操作感を試してみることから始めましょう。Excelから脱却し、安心で効率的なバックオフィス体制を構築してください。
給与計算ソフトの製品をさらに詳しく知りたい方は以下の記事もあわせてご覧ください。
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給与計算ソフトは製品によって特徴や機能もさまざま。「どの製品を選べばいいかわからない・・・」といった方も多いのではないでしょうか。
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