毎月の締め日、紙のタイムカードとExcelの突き合わせに追われていませんか。手入力によるミスの不安や、遅刻・半休といったイレギュラー対応の手間、度重なる法改正への対応など、給与計算業務の属人化に悩む企業は少なくありません。
タイムカードと連動できる給与計算ソフトを導入すれば、打刻データが自動同期されるため、転記ミスを防げます。複雑な割増賃金の計算や法改正にもシステムが自動で対応し、数日かかっていた締め作業をわずか数時間に短縮できるでしょう。
タイムカードと連動できる給与計算ソフトについて、メリットや注意点を含めて紹介します。
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タイムカードと連動できる給与計算ソフト比較表
タイムカードの打刻データと連動して給与計算を自動化できる主要な10製品について、それぞれの特徴をまとめた比較表は以下のとおりです。
| 製品名 | タイムカードとの連動方式 | 初期費用(税込) | 月額最低料金(税込) | 無料トライアル期間 | 法改正・保険料率の自動アップデート |
|---|---|---|---|---|---|
| freee人事労務 | リアルタイム自動変動 | 0円 | 2,200円~(5名~) | 30日間 | ○ |
| KING OF TIME給与 | リアルタイム自動変動 | 0円 | 330円/名 | 30日間 | ○ |
| マネーフォワード クラウド給与 | APIボタン連動 / CSVファイル連動 | 0円 | 4,928円~(3名~) | 1ヶ月間 | ○ |
| 弥生給与Next | APIボタン連動 / CSVファイル連動 | 0円 | 1,870円~ | 最大2ヶ月間 | ○ |
| ジンジャー給与 | APIボタン連動 | 要問合せ(個別見積もり) | 330円~/名 | 1ヶ月間 | ○ |
| 給与奉行クラウド | APIボタン連動 / CSVファイル連動 | 55,000円~ | 6,050円~ | 30日間 | ○ |
| TimePro-NX | CSVファイル連動 | 要問合せ(個別見積もり) | なし(保守費用等は年額などで別途発生) | ×(デモや導入相談での対応) | ×(プログラムの適用や手動設定、保守契約に基づく更新が必要) |
| 給料王 | CSVファイル連動 | 48,400円(本体パッケージ価格) | なし(次年度以降の保守費別途) | ○(無料体験版あり) | ×(オンラインによるプログラム提供はあるが、手動での適用操作が必要) |
| 給料らくだ | CSVファイル連動 | 15,488円から(製品パッケージ価格) | なし(インストール型のため月額費用不要) | ○(無料体験版あり) | ×(新版への買い替えや、アップデートプログラムの手動適用が必要) |
| JDL IBEX給与 net2 | CSVファイル連動 | 0円 | 1,474円(最大300名まで一律) | ○(体験版あり) | ×(プログラムのダウンロードおよび手動での適用操作が必要) |
タイムカードと給与計算ソフトと連動する方法
タイムカードと給与計算ソフトを連動させる方法は、主に以下の3つです。自社の打刻環境や求める自動化の度合いに応じて最適な方法を選ぶことで、転記ミスを防ぎ、締め日業務をスピードアップできます。
リアルタイム自動連動(一体型システム)
日々の打刻から就業管理、給与計算、Web明細の発行にいたるまでの全工程を、単一のシステム内で完結させる方法です。
最大の特徴は、データが共通のデータベースで常に一元管理されるため、ファイルの書き出しやソフト間の同期設定といった連携作業そのものが一切不要になる点にあります。
スマホやPCを用いた打刻への切り替えが必要となりますが、打刻された勤務実績がそのまま給与計算へ瞬時に反映されるため、手入力や確認の手間がありません。多店舗展開や多拠点勤務でデータの回収遅延をなくし、バックオフィス全体のペーパーレス化と完全自動化を同時に進めたい企業に最適です。
APIボタン連動(クラウドシステム間連携)
外部のクラウド勤怠管理システムと給与計算ソフトをインターネット経由で直接接続し、ボタン一つで勤務実績データを同期させる方法です。
人の手を介してファイルを書き出す手間が一切ないため、データの取り込み忘れや古いデータを誤って上書きするリスクを避けられます。連動を高い水準で自動化できる点が最大のメリットであり、バックオフィス業務の工数削減だけでなく、正確な労務管理の維持に役立つでしょう。
すでに特定のクラウド勤怠システムを運用しており、打刻環境をそのまま活かして給与計算側だけを最新のクラウドへ移行したい企業に最適です。
CSVファイル連動(パッケージ型・手動連携)
既存のタイムレコーダーから抽出した勤怠データを一度ファイル形式(CSVなど)で出力し、手動で給与計算ソフトに取り込む方法です。
アマノやマックスといった、従来から現場に定着している頑丈な打刻機をそのまま流用できるため、ハードウェアの買い替え費用が発生せず、従業員に打刻方法の変更による心理的な負担を与えません。
現場の運用を大きく変えずに連携を確立し、手入力による転記エラーを大幅に減らしたい企業に適した堅実な手法です。ただし、手動でのインポート作業が挟まる以上、取り込み漏れを防ぐための指差し確認やルール化といった運用の徹底が求められます。
タイムカードと連動できるおすすめ給与計算ソフト10選
タイムカードと連動できる給与計算ソフト10製品の特徴について紹介します。
freee人事労務(フリー株式会社)
freee(フリー)人事労務は、フリー株式会社が提供している給与計算機能を搭載したクラウド型の人事労務管理システムです。内蔵されたタイムカード機能によるリアルタイム自動連動を採用しており、打刻された勤務実績がそのまま給与計算ロジックへ瞬時に反映されます。
ファイルの書き出しや給与計算ソフト間の同期設定、CSVのインポートといった連携作業の手間がなくなり、手入力によるミスの可能性が避けられるため、締め日時期の確認業務を削減できるのがメリットです。
スマホやパソコンを用いた打刻への切り替えを進め、手作業を完全にゼロにして業務全体のペーパーレス化を成し遂げたい多店舗展開の小売業や飲食業におすすめします。
KING OF TIME給与(株式会社ヒューマンテクノロジーズ)
KING OF TIME 給与は、1ユーザーあたり月額300円という明確な完全従量課金制の給与計算システムです。生体認証やICカード、GPS打刻といった多種多様な打刻方法と直結したリアルタイム自動連動に強みがあります。
正確な労働時間をそのまま給与計算ロジックへ反映させるため、不正打刻や転記エラーの発生確率を低くできる効果があるのがポイントです。最低利用人数の制限もないため、無駄な固定費用を発生させずにバックオフィスの一気通貫した自動化とペーパーレス化を安価に実現できます。
現場作業員や直行直帰の多い営業、工場勤務などがあり、コストパフォーマンスを最大化しながら正確な勤怠連動を行いたい企業に最適です。
マネーフォワード クラウド給与(株式会社マネーフォワード)
マネーフォワード クラウド給与は、外部の多様な勤怠管理システムや既存のタイムレコーダーとの接続性に優れたクラウド型の給与計算システムです。同一シリーズのクラウド勤怠とのAPIボタン連動だけでなく、既存の打刻機から抽出したデータのCSVファイル連動の双方に柔軟に対応しています。
ワンクリックで勤務実績を同期できるため、転記にともなう手作業や確認の手間を軽減する効果があるでしょう。給与振込のオンライン化と直結させることで振込手数料を削減できるメリットも得られます。
すでに特定の勤怠管理システムやお気に入りのタイムレコーダーを導入しており、現場の運用フローを活かしたまま、給与計算業務の側だけを最新のクラウド環境へリプレイスして柔軟に自動化を進めたい企業におすすめです。
弥生給与 Next(弥生株式会社)
弥生給与 Nextは給与、勤怠、労務業務を効率化するクラウド型の給与計算ソフトです。弥生勤怠NextとのAPIボタン連動や、既存のタイムレコーダーからのCSVファイル連動に対応しています。
勤務実績をシームレスに引き継ぐことで転記作業をなくし、社会保険料毎月固定額控除や住民税の移行といった複雑な計算を自動化できるのがメリットです。さらに、会計事務所とクラウド上でデータを共有できる弥生ドライブを活用すれば、常に最新のデータに基づいて正確なアドバイスを迅速に受けられます。
専門知識に不安があり、初めてクラウド型の連動システムを導入するため、初期の設定や日々の実務運用で挫折したくない総務人事の担当者に最適です。
ジンジャー給与(jinjer株式会社)
ジンジャー給与は、企業ごとに異なる独自の複雑な給与計算式や、複数の勤務形態に柔軟に適応できる給与計算ソフトです。ジンジャー勤怠との強固なAPIボタン連動に対応しており、店舗や職種ごとに異なる手当の支給基準や、シフト制における深夜割増の計算ロジックへ現場の細かな就業実績を吸い上げます。
人事評価の結果に基づいてワンクリックで給与調整を行えるシミュレーション機能や、社会保険手続きの電子申請オプションも備えているのがポイントです。正社員とアルバイトが混在し、解像度の高い複雑な給与計算をミスなく処理したい中規模企業において、法的健全性を維持するための強力な防衛策として高い価値を提供します。
給与奉行クラウド(株式会社オービックビジネスコンサルタント)
給与奉行クラウドは、各種手当や社会保険の届出書作成まで自動化する給与計算ソフトです。奉行Edge勤怠管理クラウドや各種タブレットタイムレコーダーとの強固なAPIボタン連動およびCSVファイル連動に対応しています。
事業場外みなし労働や常駐勤務などの高度な就業ルールに対応し、正確なデータマッピングによって1分単位の深夜割増時給を自動計算するため、従業員からの給与相違にともなう指摘件数を減らせるのがポイントです。ISMS基準に準拠した厳重なセキュリティ体制を構築しているため、将来的な人員増加やグループ会社展開を見据え、高いコンプライアンス水準の維持と他の奉行シリーズによる一元管理を求める企業におすすめです。
TimePro-NX(アマノ株式会社)
TimePro-NX(タイムプロNX)は、時間外上限確認や年休取得確認の機能が実装されている給与計算ソフトです。アマノ社製のタイムカードや専用打刻機から出力されるデータと密接に連携するCSVファイル連動を採用しています。
フレックスタイム制や時短勤務、独自の就業規則、複雑な変形労働時間制に高次元で適応し、正確な勤務実績に基づいた給与計算を確実に実行できるのがメリットです。オプションの時間外上限確認機能を活用すれば、残業時間が上限に達する前にアラートで注意を促し、法律違反のリスクを未然に防ぐ効果も得られます。
自社独自の就業ルールを厳格に管理し、社内ネットワークを中心とした安全な環境でデータを一元管理したい企業におすすめです。
給料王(ソリマチ株式会社)
給料王は、法令改正への対応とマイナンバー管理に強みを持つ給与計算ソフトです。マックス社製のタイムレコーダーなどから出力された勤怠データを読み込むCSVファイル連動に対応しています。
質問に答えていくだけで簡単に導入できる入力フォームに沿って、勤務実績をスムーズに給与計算へ反映させることが可能です。マイナンバーに関しては、ガイドラインに完全に準拠した機能を搭載しており、登録から保管、廃棄にいたるまで万全のセキュリティで徹底管理できる効果があります。
初期の導入コストを明確に抑えつつ、確実な法令順守と機密情報の安全な管理を両立させたい小規模法人に最適です。
給料らくだ(株式会社BSLシステム研究所)
給料らくだは、社会保険労務士が開発に関わっており、専門知識がなくてもミスなく給与管理が行えるインストール型給与計算ソフトです。アマノのタイムパックシリーズに対応するCSVファイル連動を採用しており、専用ソフトを使用して出力した勤怠集計データファイルをスムーズに読み込むことができます。
多彩な自動計算機能を備えており、時給や日給などの多様な給与形態が混在していても正確な計算をサポートできるのがポイントです。クラウド型のように月額の固定費用が発生せず、製品の購入費用だけで長く使用できるため、ランニングコストを抑えられます。
予算を抑えつつ、信頼性の高い計算ロジックによって給与締め作業の効率化を図りたい中小企業におすすめです。
JDL IBEX給与net2(株式会社日本デジタル研究所)
JDL IBEX給与net2は、300名までの給与計算に対応しており、個人事業主から中小企業規模での利用におすすめの給与計算ソフトです。アマノ社製タイムカードなどのデータを取り込むCSVファイル連動に対応しています。
月給や日給、時給の混在型計算に幅広く対応しており、従業員一人ひとりの支給形態に応じた正確な自動計算をスムーズに実行できるのがポイントです。昇給設定や賞与のシミュレーション機能も備えており、経営分析にも役立ちます。
USBキーを用いたオフライン稼働が可能であるため、ネットワークを介した個人情報の漏洩リスクを徹底して排除できる高い安全性が特徴です。
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タイムカードと連動できる給与計算ソフトを導入するメリット
タイムカード連動型の給与計算ソフトを導入するメリットは、主に下記5つです。
手入力や転記の手間を軽減できる
毎月の締め日における転記作業の負担を削減できます。各拠点から紙のタイムカードを回収し、数値を手入力していたこれまでの工程が自動化されるためです。
データ連携によって業務が大幅に効率化され、締め日業務をスピーディーに処理できるようになります。
ヒューマンエラーによる給与誤支払いを防げる
人の手を介することで発生する入力間違いや計算ミスを防ぐのに有効です。手作業の集計では、割増賃金率の適用誤りといったエラーを完全に防ぐのは難しいでしょう。
タイムカードの打刻データを直接システムに連携させることで算出結果の正確性が担保され、事後の修正対応や従業員からの不信感を未然に防げます。
最新の法改正や社会保険料率変更に対応できる
頻繁に行われる法改正や社会保険料率の改定に、遅れることなく正確に対応できます。
たとえば2026年4月からは、少子化対策の財源としてすべての世代が負担する「子ども・子育て支援金制度」が導入されました。この制度では、標準報酬月額に一律0.23%の支援金率を乗じて労使折半で天引きする実務が求められます。
クラウド型のソフトであれば、こうした最新の法適合や複雑な料率改定が自動でシステムに反映されるため、担当者が手動で更新を追う手間がなくなり、違反リスクを回避できるでしょう。
36協定超過のリアルタイム検知によるコンプライアンスを強化できる
従業員の労働時間を正確に可視化し、企業のコンプライアンス体制を強固にできるのもメリットのひとつです。手作業の集計では残業時間の把握が締め日以降になりがちですが、システム連携によって勤務実績をリアルタイムに共有・把握できるようになります。
36協定で定められた時間外労働の上限を超えそうな従業員がいる場合、システムのアラート機能で事前に察知できるため、意図しない労働基準法違反のリスクから企業を確実に守れるでしょう。
Web明細化に伴うペーパーレス化と郵送・印刷費用を抑えられる
タイムカードの連動と同時に給与明細をWeb化することで、バックオフィス全体のペーパーレス化と大幅なコスト削減を同時に実現できます。
これまで紙で印刷し、手渡しや郵送を行っていた給与明細書を電子配信へと移行できるため、実費だけでなく、配付にかかっていた人件費や管理工数も削減可能です。
タイムカードと連動できる給与計算ソフト導入前の注意点
タイムカードと給与計算ソフトと連動させる際に注意すべきポイントは、下記3つです。
稼働前に相応の工数を確保する
システムを連動させて正確な給与計算を行うためには、運用を始める前の初期設定にまとまった時間(工数)が必要です。従業員の基本情報だけでなく、自社の就業規則に合わせた給与体系、各種手当の割増率、交通費などのマスター情報を漏れなく登録する必要があります。
設定作業にはどうしても時間がかかるため、スケジュールには十分な余裕を持ちましょう。たとえば、4月1日からの運用開始を目指すのであれば、3月中旬までには初期設定を完了させておくスケジュール感が目安となります。
CSV連携利用時にデータの取り込み忘れに注意する
打刻データをファイルで出力して手動で取り込む「CSV連携方式」の場合、日々の運用でデータの取り込み忘れやミスが起きないよう注意が必要です。
システム間で自動通信するわけではないため、どうしても担当者の手作業が発生します。そのため、「特定の拠点のデータを取り込み忘れたまま給与を確定させてしまった」「誤って古い過去のデータを上書きしてしまった(データの先祖返り)」といったリスクが考えられます。
手作業が挟まる以上、取り込み漏れを防ぐためのチェック体制や運用ルールの徹底が不可欠です。
既存のタイムレコーダー利用時にファームウェアや互換性の確認が必要
現在使用中のタイムレコーダーをそのまま活かして新しい給与ソフトと連動させる場合は、正式に導入を決める前に機器のファームウェアや互換性を確認し、既存の機器がそのまま流用できるかを必ずベンダーに確認・検証しましょう。
機器のモデルが古いと、出力されるデータのフォーマットが新しいソフトの仕様と合わず、正しく取り込めないことがあります。場合によっては、ファームウェアのアップデートや専用ソフトの追加購入が必要になったり、最悪のケースでは打刻機自体の買い替えが発生することもあるので注意が必要です。
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