データ入力の業務に手を取られていて、自動化を検討している方も多いのではないでしょうか。特にルーティン作業の多いデータ入力であれば、自動化が可能です。しかし、「データ入力の自動化ってどうすれば良いの?」「自社での導入は難しそう…」という疑問をお持ちの方も多いことでしょう。
そこで本記事では、データ入力の自動化を実現するための具体的な方法やツール、導入の流れについてわかりやすく解説します。
データ入力を自動化するメリット
データ入力を自動化することで、業務において多くのメリットを得られます。効率的な作業を実現できることはもちろん、業務のクオリティや精度も向上させられるでしょう。ここでは、具体的なメリットをいくつか紹介します。
- 業務を大幅に効率化できる
- 人的ミスを防げる
- 業務の標準化を実現できる
業務を大幅に効率化できる
自動化の最も大きなメリットは、業務の効率化ができることです。
データ入力の作業は非常に時間がかかるうえ、反復的で単調な業務なことが多く、社員が手作業で行うと時間を浪費しやすいです。RPAツールや自動化ツールを活用することで従業員が単純作業から解放され、さらに価値の高い業務に集中することができます。
例えば、データ入力を担当していた社員が、データ分析や顧客対応に時間を割けるようになれば、企業全体の生産性が向上するでしょう。
人的ミスを防げる
データ入力で多くの企業が抱えがちな課題のひとつが、人的ミスです。特に大量のデータを扱う場合、一度のミスが業務全体に影響を与えることがあります。
自動化を導入することで、手入力の際に起こりがちな誤入力やミスを防ぐことができ、その後の処理でのエラーを減少させることができます。出戻りや修正対応にかかる工数も削減できるほか、社内での連携もスムーズになり、クライアントからの信頼関係も向上します。
業務の標準化を実現できる
データ入力の自動化により、業務の標準化も可能です。データ入力のプロセスが自動で行われるようになれば、一人ひとりの従業員のスキルに依存せず、一定の品質とスピードで作業が進むようになります。
スピードと品質が一貫して保たれるようになれば、データ入力業務に関連する業務の社内教育やトレーニングもしやすくなります。新たなメンバーが入社した際も、同じ精度でデータ入力や後続業務を行いやすくなり、業務の効率化がさらに進むでしょう。
データ入力を自動化する7つの方法
一口にデータ入力の自動化といっても、さまざまな方法があります。以下では、各ツールや技術の特徴を解説します。
〈データ入力を自動化する7つの方法〉
- RPAツールの活用
- AI-OCRの導入
- Excelマクロの利用
- iPaaSによるデータ統合
- スクリプトとAPIを使用した自動化
- データベーストリガーの利用
- オンラインフォームでのデータ収集・自動集計
RPAツールの活用
RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)ツールは、決まった手順を繰り返す業務の自動化に向いています。
RPAツールを活用すると、データ入力のような反復作業を人間の手を借りずに自動化でき、効率的に作業を進められるようになります。たとえば、定期的にエクセルシートを更新する業務や、特定のウェブサイトからデータを収集して入力する作業などを自動化できます。
また、RPAツールは、プログラム知識がなくても使用できるものが多く、初心者でも比較的簡単に導入しやすい点も大きなメリットです。
AI-OCRの導入
AI-OCR(Optical Character Recognition)は、画像や手書き文書をデジタルデータに変換する技術です。
例えば、注文書や請求書といった紙ベースの書類をAI-OCRでスキャンし、その内容を自動でデータベースに入力することができます。手書きの文字や印刷された文字も高精度でデータ化できるため、膨大な量の書類を短時間で処理できます。
Excelマクロの利用
Excelマクロを活用することで、ルーティン作業の自動化が可能です。
たとえば、毎月の売上データを集計し、レポートを作成するプロセスをマクロで自動化できます。Excelマクロは、Excel内での操作を記録し、自動で繰り返すことができるため、Excelをよく使用する業務には最適です。
ただし、複雑な業務になるとマクロでは対応できない場合もあるため、対応範囲や使い方を理解することが必要です。また、マクロの作成や修正にはExcelの知識が必要となり、Excelを使えるスタッフがいなければ導入は難しいかもしれません。
iPaaSによるデータ統合
iPaaS(Integration Platform as a Service)は、異なるクラウドサービス間でのデータ連携を簡素化するためのプラットフォームです。たとえば、CRMツールとERPシステム間でのデータを自動的に転送するといった使い方ができます。
手動でのデータ入力を減らし、システム間で一貫したデータの管理が可能になります。iPaaSを活用すると異なるシステム間のデータ統合をスムーズに行えるため、業務の効率化やデータの精度向上が期待できます。
スクリプトとAPIを使用した自動化
PythonやJavaScriptなどのプログラミング言語を使用して、APIを介して異なるシステム間でデータを自動的に転送する方法もあります。スプリクトとAPIを使った自動化では、例えば顧客データをCRMからERPシステムに自動で転送するといった活用が可能です。
この方法はより高度な自動化を求める企業に向いていますが、専門度の高いプログラム知識が必要となるため、開発リソースを確保できる企業に向いています。
データベーストリガーの利用
データベースに新しいデータが追加された際、自動的に関連するデータを処理するトリガーを設定する方法です。たとえば、顧客が新しい注文をした場合、その注文内容を自動的に処理するためのトリガーを設定することで自動化します。データベース内で自動的に処理が行われるため、手作業での確認や処理が不要となり、とても効率的です。
オンラインフォームでのデータ収集・自動集計
GoogleフォームやTypeformなどのオンラインフォームを利用して集めた顧客のデータベースを、Google SheetsやCRMに自動で保存する方法です。フォームに入力された情報がリアルタイムで集計されるため、手動でデータを整理する手間が省け、スムーズにデータ管理を行えるようになります。
RPAでデータ入力を自動化する流れ
データ入力業務を自動化するためには、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)がおすすめです。ここでは、RPAを活用したデータ入力自動化の流れについて、ステップごとに詳しく解説します。
〈RPAでデータ入力を自動化する流れ〉
- 対象業務の選定
- RPAツールの選定
- 自動化シナリオの作成
- 動作確認のためのテスト・検証
- 本番環境への導入・運用開始
対象業務の選定
まずは、対象業務の選定を行います。
RPAを使った自動化は、反復的で決まった規則に基づく業務に向いています。例えば、定期的な売上データの入力や在庫管理の更新などは、手作業で行うと非常に時間がかかり、ミスが発生しやすい作業です。このような業務はRPAツールによって効率的に自動化できるため、作業時間を大幅に削減し、ミスを防止することが可能です。
業務選定の際は、定型的で繰り返し行われる作業を優先的に自動化の対象として選びましょう。
RPAツールの選定
業務の対象範囲を決めたら、RPAツールの選定を行います。
RPAツールには様々な種類があり、ツールによって提供する機能や対応できる業務範囲が異なります。業務に適したツールを選ぶことで導入後の運用効率が向上し、さらなる生産性の向上が期待できます。
たとえば、視覚的な操作で簡単にフローを作成できるもの、カスタマイズがしやすいものなど、データ入力の目的や自動化したい内容に合わせて選ぶことがポイントです。
自動化シナリオの作成
RPAツールを選定したら、次に自動化シナリオを作成します。
自動化シナリオには、どのようなデータを入力するのか、どの順番で処理を行うのかを明確に定める必要があります。例えば売上データの入力であれば、「データがどの形式で提供されるのか」「入力先のシステムは何か」「エラーチェックの方法どうするか」といった内容を考慮しながらシナリオを設計します。
動作確認のためのテスト・検証
シナリオを作成したら、次はテスト・検証に進みます。自動化シナリオが正しく動作するかを確認するために、テスト環境で実行します。
ここでは、想定通りにデータ入力が行われるか、エラーが発生しないかを十分に確認しましょう。問題があった場合はシナリオを調整し、再度テストを行います。テスト・検証は非常に重要なステップであり、本番環境での不具合を未然に防ぐために徹底的に行う必要があります。
本番環境への導入・運用開始
テストが完了してシナリオが安定的に動作することを確認できたら、実際の業務環境に導入します。この際、業務の繁忙期を避けるなど、導入のタイミングを慎重に調整することが重要です。
導入後も、定期的にパフォーマンスの確認を行い、必要に応じて改善点を修正しましょう。RPAは一度導入したら終わりではなく、運用後も最適化を続けることでより高い効果を得られます。
データ入力の自動化ツールを比較するポイント
データ入力の自動化ツールを選ぶ際には、以下のポイントを確認しておきましょう。
- 対応可能な業務範囲
- 使いやすさ
- 導入コスト・運用コスト
- サポート体制の充実度
- 他システムとの連携性
対応可能な業務範囲
データ入力の自動化ツールを選ぶときは、ツールがどのような業務に対応できるかを確認することが欠かせません。ツールによって定型的な業務に強いものもあれば、より高度な処理を必要とする業務にも対応できるものもあります。
自社の業務内容に最も適したツールを選定することで、効率化の効果を最大化しましょう。
使いやすさ
ツールの使いやすさも、選定において重要なポイントです。
誰でも使えるかどうかは、特に社内で複数のスタッフが使用する場合に業務に大きく影響します。UI(ユーザーインターフェース)が直感的で操作性が良いかどうか、トレーニングにかかる時間や手間を最小限にできるかなどを考慮しましょう。
導入コスト・運用コスト
導入にかかるコストやその後の運用コストも慎重に検討すべきポイントです。
導入時はどうしても初期費用や短期費用に目が行きがちですが、ただ「安ければコスパがいい」「高ければ機能が安定している」というものでもありません。初期導入費用が高額であっても、その後の運用が効率的にできれば、コストパフォーマンスが向上し、早めの段階で投資費用を回収できる場合もあります。自社の予算に合わせて、コストと効果を十分に比較して選びましょう。
サポート体制の充実度
ツール導入後に問題が発生した場合、サポート体制がしっかりしていることも重要です。ベンダーが提供しているサービスの場合、トラブルシューティングの迅速な対応やオンラインサポート、FAQ資料など、サポート体制が充実しているかも確認しておきましょう。
他システムとの連携性
自動化したい業務内容によっては、既存の業務システム(CRM、ERP、会計ソフトなど)と連携できるかどうかも重要なチェックポイントです。
自動化ツールが他のシステムとスムーズに連携できるようになることで、業務全体の効率化が進みます。データの自動転送や同期が可能なものを選んで、さらなる自動化を実現しましょう。
データ入力を自動化するならRPAがおすすめ
データ入力を自動化を検討しているなら、RPAツールがおすすめです。RPAは定型的で反復的な業務を自動化するため、時間の削減やミスの防止、業務の効率化を実現できます。
また、RPAツールの導入は、データ入力以外の業務プロセスの自動化にも活用できます。この機会にRPAを取り入れることで、業務の精度とスピードを向上させ、競争力を高めましょう。自社に合ったRPAツールを選定して効率的に運用できれば一人ひとりの作業負担が減り、従業員はより価値の高い業務に集中できるようになります。
次の記事ではおすすめのRPAツールを一挙紹介して比較しています。ぜひ、あわせてご覧ください。
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