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リファラル採用とは?メリットやデメリット・採用を成功に導く5つのポイントを解説

最終更新日: 2024年06月28日

「自社にぴったりな人材がなかなか見つからない…」そんなときに効果的な採用手法が「リファラル採用」です。

この記事ではメリットやデメリットをふまえながら、リファラル採用がどのような採用手法なのか徹底解説。採用を成功に導くための5つのポイントもあわせて紹介します。

リファラル採用とは社員に人材を紹介してもらう採用方法のこと

オフィスで談笑するビジネスパーソン

リファラル採用とは、社員に人材を紹介してもらう採用方法のことです。企業文化や理念をよく理解した社員からの紹介なので、応募者と会社のミスマッチが起こりづらく、定着率アップが期待できます。

さらに、リファラル採用は求人媒体など外部を通さない自社採用のため、採用コストを抑えられる効果もあります。

欧米では社員採用においてすでに重要な役割を果たしており、アメリカでは約8割もの企業が導入しているデータも。最近は日本でも、ベンチャー企業やスタートアップを中心に広がりを見せています。

まさに今、リファラル採用は最も注目を集める採用方法といっても過言ではないでしょう。

【リファラル採用の「リファラル」ってどういう意味?】

リファラル(referral)は「紹介」や「推薦」といった意味を持っています。特徴的な採用手法をまさに表している言葉といえます。

リファラル採用が注目されている理由

オフィスで談笑するメンバー

リファラル採用が注目されている理由は、以下の2つがあげられます。

  • 売り手市場による人材不足
  • 企業と人材のミスマッチを防ぐため

売り手市場による人材不足

リファラル採用が注目される主な要因は、売り手市場による人材不足です。仕事にかかわる生産年齢人口がこれからも減少していくことが、内閣府の調査によって明らかになっており、人材確保は今後ますます困難を極めていくでしょう。

また昨今ではネットや転職サイトの広がりから採用競争が激化し、企業が求める人材の確保が難しくなっています。

つまり、現代では転職を求める人材の奪い合いではなく「転職をなんとなく考えている」潜在層への効果的なアプローチが重要だといえます。

こうした中で、選考への参加を能動的に促せるリファラル採用が大きく注目されているのです。

企業と人材のミスマッチを防ぐため

企業と人材のミスマッチを防ぐためにもリファラル採用は有効な手段です。

実際に現場を経験している社員が採用活動をするので、どのような人材が「自社に向いているのか」そして「活躍してくれそうか」を深く理解している可能性が高いのです。その結果、企業が求めている即戦力を雇用できる確率も高まります。

たとえ優秀な人材を採用できてもすぐに離職されては意味がありません。離職率を抑え、理想とする人材を確保するためにも、リファラル採用は注目されています。

縁故採用(コネ採用)とは違い、採用基準を満たした者のみを採用する

リファラル採用と似た言葉に縁故採用(コネ採用)があります。これらは同じく「紹介」による採用経路になりますが、意味としては異なるものです。

【リファラル採用と縁故採用の違い】

リファラル採用
  • 社員の知人・友人を広範囲に紹介してもらう
  • 面接以降は通常の採用フローで選考を進めるケースが多い
  • 企業の社風や求めている能力にマッチした人材が集まる
縁故採用
  • 社員の親しい知人・友人を紹介してもらう
  • 求職者の入社前提で選考を進めるケースが多い
  • 企業の社風や求めている能力にマッチしているかは気にしない

縁故採用では、比較的親しいつながりにある知人や友人を紹介してもらう傾向にあります。たとえば社長や経営幹部の血縁者や、深いつながりにある知人を招き入れるケースも多いでしょう。いわば、縁故採用はどちらかといえば「裏口入社」に近い採用手法を指しています。

一方で、リファラル採用の場合は社員の知人や友人を広く集め、採用基準を満たした者のみを採用します。そのため、面接が始まってからは通常の採用フローと同様に進めるケースが多いです。選考を進める中で「能力が十分でない」「カルチャーフィットしない」など判断が取れた場合は落ちる結果も十分にありえます。

リファラル採用は縁故採用とは違い、採用活動における母集団形成のための手法とも考えられるでしょう。

リファラル採用の5つのメリット

オフィスで談笑するチームメンバー

リファラル採用には以下のような多くのメリットが存在します。

【リファラル採用のメリット】

  • 専門性の高い人材が確保できる
  • 転職活動をしていない潜在層に出会える
  • 離職率を抑えられる
  • 採用コストの削減が期待できる
  • 社員のエンゲージメントが向上する

専門性の高い人材が確保できる

医療や法律など専門性の高い職種である場合、一般的な採用経路では人材が集まりにくい場合があります。システムエンジニアなどIT系の人材も採用競争が激しいことで知られます。

リファラル採用であれば社員と同じ大学や専門校出身の人材にアプローチできるため、専門性の高い人材を確保しやすくなります。

転職を考えている人にはもちろん、現状では特に転職を意図していない人にも声をかけることが可能です。潜在的な転職希望者を発掘する意味でも非常に有効な手段といえるでしょう。

転職活動をしていない潜在層に出会える

転職活動をしていない潜在層に出会えるのも、リファラル採用の大きなメリットです。

リファラル採用は社員の紹介によって人材を確保するため、転職を考えている人にはもちろん、現状では特に転職を意図していない人にも声をかけることが可能です。

より多くの人物と接点を持てば持つほど、転職市場に眠っている潜在層と企業がマッチするチャンスが広がります。

離職率を抑えられる

リファラル採用は離職率を効果的に抑えられる手法です。社内環境や現場の仕事をよく知る社員が見込むため、企業にマッチした人材を採用できる可能性が高くなります。

入社後に何か問題が起きても紹介者に相談することで解決しやすくなり、一般的な採用経路よりも離職率を抑えられるでしょう。

紹介された側も紹介者の面目があるため簡単には辞められない事情があります。多くの場合それを見越して入社するので長く続ける覚悟を持った人材を雇用できます。

採用コストの削減が期待できる

一般的な採用経路は求人広告に載せたり転職エージェントに依頼したりする場合がほとんどです。もちろん、このような外部媒体は利用料やインセンティブが発生し、採用活動の予算を大きく圧迫してしまうでしょう。

しかしリファラル採用はこれらの費用よりも安く抑え、求める人材を効率良く確保できる確率が高くなります。離職率も少なく一石二鳥の効果が期待できるでしょう。

採用するために会社説明会を開いたり転職フェアに参加したりなどの費用や人件費も抑えられます。

採用コストを抑えられるのはリファラル採用の大きなメリットのひとつです。

社員のエンゲージメントが向上する

リファラル採用は社員が人事の役割を担っている採用方法とも考えられます。

友人に自身の会社の魅力を使え、なぜ入社したのか、何をしているのか、今後の展望は何かなどを伝えることは、自身の働き方やキャリアを見直すきっかけとなり、社員のエンゲージメントが向上するといえます。

知っておきたい3つのデメリット

若いビジネスウーマン

リファラル採用はメリットだけではなくデメリットにも考慮しなければなりません。気をつけるべきポイントを紹介します。

【リファラル採用のデメリット】

  • 人材の傾向が偏る可能性
  • 不採用時の人間関係の不和
  • 採用までに時間がかかる場合がある

人材の傾向が偏る可能性

一般的に知人や友人になる人はその社員と似た性格や技術を持った人が多くなります。そのためリファラル採用ばかりをしていると人材の偏りが生じる可能性があります。

「類は友を呼ぶ」という言葉通りプライベートを通じた仲になると、考え方も似た人材が集まってしまうでしょう。場合によっては会社に不利益な派閥を作り対処が難しくなる可能性もあるのです。

しかし専門的な職種など同じような人材をある程度固めたい場合は逆にメリットとも捉えられます。

通常の採用手段とリファラル採用を交互に活用し、人材を確保するのもひとつの手段です。

不採用時の人間関係の不和

リファラル採用で仮に不採用になった場合、社員と知人の人間関係が壊れてしまうこともあります。逆恨みで社員が自社に対し不信感を抱いてしまう場合もあるでしょう。

図らずも失礼な対応をしてしまったときは、最悪、社員が辞職してしまう可能性もあるのです。

リファラル採用は社員の人間関係という繊細な部分を利用した手法になります。そこに介入することで下手をすると人間関係を壊してしまう場合があるのも事実です。

選考前後は紹介してくれた社員やその知人のケアを忘れないようにしましょう。

採用までに時間が掛かる場合がある

今すぐ即戦力がほしい状況では、リファラル採用は向いていない場合があります。

リファラル採用のメリットのひとつは転職を考えていない優秀な人材にもアプローチできることです。転職潜在層は今すぐに動くことを考えていません。

そのため採用に至るまでは何度もコンタクトを取り自社の魅力を伝え説得しなければならないでしょう。

優秀な人材を口説くために1年以上かかることもあります。急を要する人材の確保にはリファラル採用以外の手法が向いているでしょう。

リファラル採用を成功に導く5つのポイント

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うまくリファラル採用を成功させるためには、紹介してくれる社員と、入社する社員に配慮が必要です。これを意識しなければ企業と社員の関係がギクシャクしてしまいかねません。

次のポイントを押さえて、リファラル採用を成功に導きましょう。

【リファラル採用を成功させる5つのポイント】

  • これまでの採用方法と併用して取り組む
  • 社員紹介制度をきちんと社員に認知させる
  • 社員が協力したくなる仕組みを作る
  • 専用ツールの導入も視野に入れる
  • 選考後のアフターケアを行う

これまでの採用方法と併用して取り組む

リファラル採用は仕組みを導入するだけでなく、社内制度を整え、社員に定着させる必要があるため、一定の時間を要します。

そのため、社内の状況の応じて適切な採用方法を選択し、従来の採用方法とリファラル採用を併用することが効率的に採用を行うポイントだといえます。

社員紹介制度をきちんと社員に認知させる

リファラル採用の有無や内容を社員にしっかり浸透させることが大切です。

まずはリファラル採用を実施する目的やポジションの詳細、選考基準など基本的な情報を周知します。これらは明文化して社内ポータルサイトに掲載したり、全社員にメール送信したりするとよいでしょう。

わからないことがあれば相談できる部署や連絡先も明記し、社員が取り組みやすい環境を整えるのも大切です。

友人・知人に紹介する際に会社の魅力を伝える方法をレクチャーするのも効果的といえます。第三者機関から認定を受けているなどの情報があると長所が伝わりやすいでしょう。

社員が協力したくなる仕組みを作る

社員が自社を紹介したくなるためには処遇が魅力的でなければなりません。そのため定期的に社員にアンケートを取り社内環境や処遇を改善するとよいでしょう。社員が自社を誇りに思ってくれればリファラル採用に協力してくれる期待が高まります。

また紹介者へのインセンティブ制度を整えて周知するのも効果的でしょう。金額はもちろんのこと、支払うタイミングは紹介した時点なのか、紹介して入社が決定した後なのかなど事前にルールを決めて社員とコミットすることが大切です。

報酬はお金ではなく有給の付与や評価の加点を好む社員もいます。それぞれ選べるような仕組みを作るとリファラル採用に対するモチベーションを向上できるでしょう。

専用ツールの導入も視野に入れる

リファラル採用には専用のツールが存在するため、チェックしてみることもおすすめです。スマートフォンなどのモバイル端末からアクセスできるツールもあり、手軽に取り入れることができます。

ツールを取り入れることで、リアルタイムにデータ分析を行えるため、効率的に採用活動を進めることができます。

選考後のアフターケアを行う

リファラル採用では社員が大切な知人を紹介するため、いくつか心理的な抵抗が生まれやすいのも事実です。

たとえば紹介したものの不採用になり気まずくなったり、その後の関係が壊れてしまったりと心配する人もいるでしょう。そのため選考後のアフターケアも忘れずに意識することをおすすめします。

選考に入る前にカジュアルな面談を挟んだり、社内イベントに参加してもらったりとなるべく相互の認識のズレを解消して選考をはじめるといった手法もあります。

仮に不採用になった場合を想定し紹介者とその知人のケアも検討しておきましょう。

リファラル採用に必要な費用

ビジネスシーン

通常の採用経路と比べて、リファラル採用は一般的に費用を安く抑えられますが、どのくらい削減できるか気になるところです。採用の流れにおいて発生する費用をみていきましょう。

必要になる採用活動費

リファラル採用は社員による紹介制度なので、外部媒体に支払う求人広告や転職エージェントへのインセンティブは発生しません。

ただし、積極的に社員に紹介してもらうために紹介者への報酬制度を採用している企業もあります。その場合は報酬の金額などを制度化しなければなりません。

その他にもイベント参加や交際費など、採用活動にかかる経費を会社が負担する制度を設けている企業もあります。

リファラル採用にかけるコストは企業側が自由に設定できるため、一般的な採用方法と比べるとコストを抑えることも可能です。

インセンティブに掛かる費用

リファラル採用に必要な主費用といえば紹介してくれた社員に支払うインセンティブです。

支給金額に決まりはありませんが、社員にとって魅力的なものでなければ積極的に活動してくれません。

一般的にはインセンティブとして数万円から数十万円を認めている企業が多くなっています。企業によってはインセンティブを金銭以外のものに設定している場合もあります。

たとえば有給を増やしたり昇格するための加点を追加したりするなどです。

あまり支払うインセンティブが高すぎても求人広告並みに費用がかさんでしまうため、企業ごとに綿密な調整が必要です。

外部サービスを利用した場合の費用

リファラル採用でも外部サービスを利用する場合があります。リファラル採用のためのプラットフォームを外部に委託する場合などです。

この場合、外部サービスを利用する利用料が発生するものの、より効率よくリファラル採用ができる可能性があります。

自社の制度設計に不安があったり制度を作る手間を抑えたりしたい場合は、積極的に活用するのもひとつの手段です。

外部サービスの費用は提供するグレードやサービスによって異なります。しっかり価格を確認した上で利用するかどうか検討しましょう。

リファラル採用を導入している企業例

会社

最後にリファラル採用を取り入れている具体的な企業を紹介します。導入を視野に入れている場合は、ぜひ参考にしてみてください。

フリー株式会社

クラウド会計ソフト「freee」を提供しているフリー株式会社は、リファラル採用を重要な採用経路の一つとして位置付けています。

友人を手軽にオフィスに招待できる制度や採用プロセスを簡素化するなど制度を整え、積極的に社員が活用できる仕組みづくりを行っています。

株式会社ビズリーチ

ビズリーチは2013年頃から積極的にリファラル採用を行っています。

「待ちの採用ではなく、攻めの採用をしていこう」というスローガンを掲げ、今まで出会うことがなかった優秀な人材の確保に取り組んでいます。

リファラル採用の活用で優秀な人材の獲得を

オフィスで働く若いメンバー

リファラル採用は社員の知り合いを紹介してもらう採用手法です。応募者と企業のミスマッチが起こりづらく、コスト削減や定着率・エンゲージメントの向上など、さまざまなメリットがあります。

しかし一方で、入社までに時間が掛かるデメリットがあります。人材の傾向が偏る特徴もあるため、これらを意識してうまく活用するようにしてください。

また社員の繊細な部分を扱うので人間関係が壊れないようにケアしたり、自社を魅力的な環境に整えたりするなどポイントを押さえて実施するとよいでしょう。

リファラル採用をフル活用して、優秀な人材の積極的な獲得につなげてみてはいかがでしょうか。

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