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スクラム採用とは?メリットや成功させるためのポイントを解説

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最終更新日: 2024年02月08日
  • これまでの採用手法では限界だ
  • 規模の小さな企業にむいている採用方法はないか
  • 社員全員の知識や経験・人脈を活かせる採用手法はないか

こんな人にぜひ一考していただきたいのが、近年注目を集めている新しい手法、スクラム採用です。スクラム採用とはどのような採用手法なのか、それまでの採用手法との違いやスクラム採用を成功させるポイントなど、詳しく解説していきます。

スクラム採用とは?

スクラム採用とは?

スクラム採用はベンチャー企業を中心に広がりを見せている採用手法で、社員全体が共に採用活動を行うのが特徴です。採用活動の権限を営業やマーケティングなど各部門に付与して、現場主導で採用活動を進めます。

スクラム採用とは

採用活動の違い

スクラム採用とは、全社員で採用活動を行う新しい採用手法のことです。株式会社HERPの代表取締役CEO庄田氏によって提唱されました。

エンジニアのチーム開発手法の1つである「スクラム開発」に由来しており、次の2つのような特徴があります。

  • 全社員で採用活動というプロジェクトのゴール(採用活動の目標)に向かって取り組む
  • 人事・採用担当者は採用活動全体のプロジェクトマネジメントを担当する

従来の採用手法では、人事・採用担当が採用業務の全てを行う人事・役員主導型でした。

それに対してスクラム採用は、担当者だけでなく社員全員が採用業務を行う「現場主導型」の採用手法なのです。

スクラム採用に必要な3つの条件

スクラム採用には次の3つの条件があり、これらによって現場主導でPDCAを回しています。

現場へ権限を委譲すること

採用活動のワークフローを分解して細分化し、各フローでの権限を最適な部署・社員に委譲します。

成果を可視化すること

採用活動の情報や成果を全社員が見られるようにオープンにし、定期的に振り返りを行うことが重要です。

人事・採用担当者がプロジェクトマネージャーになること

人事・採用担当者は基本的に、採用活動の各フローのプロジェクトマネージャーとして機能します。採用に関する知識を持ち合わせるため、そのノウハウを現場にインプットする役割があるのです。

リファラル採用との違い

スクラム採用は社員が協力して採用活動を行うことで、リファラル採用は社員が知人を紹介することで人材を確保する方法です。

スクラム採用には紹介による採用や、SNSを通した採用、求人作成・イベント・コミュニケーションなどの幅広い活動が含まれます。

リファラル採用はこの中の紹介による採用に該当するため、スクラム採用のうちの1つなのです。

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スクラム採用の4つのメリット

スクラム採用のメリット

スクラム採用のメリットは次の4つが挙げられます。

  • 多様な採用チャネルを活用できる
  • 優秀な人材との出会いが増える
  • 人事担当者の負担が減る
  • 社員のエンゲージメントが高まる

多様な採用チャネルを活用できる

社員の紹介やSNSなど、近年の採用チャネルは多様化しています。このようなさまざまなチャネルを通して広範囲にアプローチできるのがスクラム採用の1つのメリット。

採用状況や募集する職種に応じて採用の手段を変えられるので、無駄の少ない柔軟な採用活動が可能になります。

優秀な人材との出会いが増える

スクラム採用は広範囲にアプローチできるため、転職潜在層と接点を持つチャンスがあります。

また現場の社員自らが採用活動を行うので、適材適所な人材かどうかを直接見極められるのも大きなメリットです。

「本当に欲しい人材か」「活躍してくれる人材か」を判断しやすくなり、現場が求める人物像やスキルに近い優秀な人材に出会いやすくなります。

人事担当者の負担が減る

スクラム採用では採用業務を分解・細分化し、全社員が採用業務に携わることになるので、人事・採用担当者の負担が減少します。

従来の採用活動では応募から面談、内定出しまで全てを人事・採用担当が行っていました。

しかし、スクラム採用では全ての業務を分担して行い、人事・採用担当者はプロジェクトマネージャーとして採用活動に関わります。

それまでの採用活動を比べてスクラム採用の場合、人事・採用担当者の時間的・物理的負担が格段に減ります。

社員のエンゲージメントが高まる

社員は求人票作成や説明会でのPR活動・採用イベントなどで、自社の魅力について語ったり考えたりする機会が自然と増えることになります。自社の理解が深まることで、自社への思い入れも深まってくるのです。

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スクラム採用の3つのデメリット

スクラム採用のデメリット

スクラム採用には次の3つのデメリットもあります。

  • 社員の意識の醸成に時間がかかる
  • 社員の負担が増える
  • 人事・採用担当者のマネジメント力が必要になる

社員の意識の醸成に時間がかかる

スクラム採用では、「こんな人と一緒に働きたい」「こういう人材に入社してほしい」といった、全社員の採用活動に対するモチベーションが重要です。それとともに、全社員で採用活動を行うという意識付けも必要です。

ところがこのような意識が定着するには、時間がかかります。そのため採用業務の必要性・重要性を社員に伝えていくことが大切です。

社員の負担が増える

スクラム採用を行うと、社員は通常業務を行いながら、それと並行して採用業務を行わなければいけません。するとどうしても担当業務が多くなってしまい、通常業務に支障をきたしたり、会社の業績が下がったりする可能性が出てきます。

そのためスクラム採用では、社員の負担を抑えるために現場の状況を見極めながら、採用活動を進めていく必要があります。

人事・採用担当者のマネジメント力が必要になる

社内のさまざまな部署で採用業務が行われるスクラム採用では、どうしても採用に関わる情報が煩雑になりがちで、採用業務管理も難しくなってしまいます。そのため役割分担や進捗状況の共有など、採用業務のルール確立が大切です。

人事・採用担当者は採用活動を1つのプロジェクトとして、次のような取り組みを行います。

【プロジェクトマネージャーとしての取り組み例】

  • 社員への採用ノウハウのインプット
  • 採用業務のルール化
  • 現場社員のサポート

プロジェクトマネージャーとして、採用プロジェクトを成功に導くマネジメント力が必要なのです。

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スクラム採用を成功させる4つのポイント

スクラム採用を成功させるポイント

スクラム採用の成功に欠かせない4つのポイントを解説します。

  • 経営陣の採用へのコミットを増やして社員を巻き込む
  • 採用情報の一元管理
  • 参加・発信しやすい環境づくり
  • プロジェクトメンバーへの裁量付与

経営陣の採用へのコミットを増やして社員を巻き込む

スクラム採用を成功させるためにもっとも大切なのは「経営陣の採用へのコミット」「社員の巻き込み」です。経営陣が採用の重要性を認識し、みずから採用活動に関わっていくことが必要です。

例えばSNSでの情報発信や採用活動での会食・イベントへの参加、社員へ採用活動の重要性を伝えるなどがあげられます。「経営陣の採用へのコミット」後の段階で、採用活動へと「社員を巻き込み」ます。

社員の巻き込み方

社員を巻き込むには「ハードルを下げる」ことと「メリットをつける」ことの2点が有効です。

採用に関する基本的な情報を共有して、採用活動参加のハードルを下げることで「少し手伝ってみようかな」と思いやすくなります。

さらに、採用活動へのコミットが人事評価やボーナスにプラスとなるメリットをつけることで、採用活動に関わろうという意欲が増すでしょう。

そのほか、採用活動上の会食費用を会社が負担するなどして、社員自ら採用活動に関りたくなるような工夫が必要です。

採用情報の一元管理

これまでの採用活動では、採用情報は人事・採用担当者のもとに集約されていました。ところがスクラム採用の場合は、各部署へ採用活動が分散されるため、採用情報も分散してしまいます。

そのため採用情報を1か所に集約して一元管理する必要があります。一元管理する際は社員が必要に応じて採用情報を自由に閲覧できるようにしましょう。

参加・発信しやすい環境づくり

スクラム採用では経営陣も含めて、役職に関わらず、全社員が採用活動に関わります。そのため採用活動に参加しやすい環境、発信しやすい雰囲気作りが大切です。

採用活動を手伝おうと思ったときにすぐ動けるように準備をしておく、場合によっては参加メンバーの業務負担を軽減するために、会社全体でバックアップすることも必要です。

プロジェクトメンバーへの裁量付与

最終面接などでの判断は経営陣にあるケースが多いですが、スクラム採用では、採用要件や採用方針を決定したり面接・選考を行ったりする裁量はメンバーに与えます。

【採用要件の例】

  • 採用基準
  • どのような人材が欲しいか
  • どのポジションに何人欲しいか
  • なぜ欲しいか

このような採用に関する裁量をチームや部署の状況に沿って現場に任せれば、組織にマッチした人材を獲得しやすくなります。現在不足しているポジションや伸ばしていきたい分野など、課題と改善の観点から採用ターゲットを明らかにしましょう。

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スクラム採用が求められる3つの理由

スクラム採用が必要なのはなぜか?

近年注目を集めるスクラム採用。採用方法の多様化や、優秀な人材との接点確保が困難などの背景から、さらに広がりを見せています。

採用方法が多様化している

採用チャネルの特性比較
採用チャネルの特性比較

近年の採用活動は従来の採用エージェントや採用媒体に加えて、SNSを通した採用やリファラル採用など、チャネルが多様化しています。それぞれのチャネルにはメリット・デメリットがあるため、活動チャネルが状況と合わなくなるケースもあります。

スクラム採用は上記すべてのチャネルが活動対象なので、状況や職種に適したチャネルで採用活動を行えるのです。

優秀な人ほど接点を持つのが難しい

採用エージェントや採用媒体を通して接触できるのは、自ら行動を起こしている転職顕在層です。 優秀な人材は職場で活躍しているケースが多く、自ら行動を起こしていない、または表立った行動を起こしていないため、接点を持つのは難しいです。

このような転職潜在層と接点を持てるかどうかが、近年の採用活動では重要になっています。スクラム採用では転職顕在層はもちろん、SNSやリファラルを通して、社員一人ひとりが転職潜在層と接点を持つチャンスを作れるのです。

現場が業務の役割を1番理解している

人事・採用担当者は実際にその業務に就いているわけではありません。そのため、採用したい人物像などを十分理解しているとは言いがたいです。

欲しい人材のことをもっともよく理解しているのは、やはり現場で業務に就いている社員です。現場の全社員が採用活動に携わることで、本当に欲しい人材に採用アプローチができ、採用のミスマッチや早期離職を極力防げます。

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スクラム採用の導入に成功した事例【4社紹介】

スクラム採用を導入し成功した事例

際にスクラム採用を導入した企業は、どのようにして採用活動を成功させたのでしょうか。ここではメルカリ、ヘイ、PR Table、BASEの4つの企業を例に見ていきます。それまでの採用手法からスクラム採用へ変えていった企業の事例もあるので、ぜひ参考にしてください。

株式会社メルカリ

覚えやすい3つのバリューが、全社員で採用活動に取り組む土台に

株式会社メルカリは、「新たな価値を生み出す世界的なマーケットプレイスを創る」というミッションと、「Go Bold(大胆にやろう)」、「All for One(全ては成功のために)」、「Be Professional(プロフェッショナルであれ)」という3つのバリューを掲げています。

創業当初からずっとスクラム採用の一部であるリファラル採用に力を入れていて、入社経路の過半数以上がリファラル採用での入社です。社員が気軽にリファラル採用の会食に参加できるよう、実施ステップを簡潔にしています。

株式会社ヘイ

人事と現場社員との役割分担を明確にし、現場社員への権限委譲を徹底

「ファンを増やす」という方針を掲げている株式会社ヘイでは、スクラム採用で次のようなことを実践しています。

  • 採用したい人物像設定や採用権は、実際に働く社員に委ねる
  • 採用候補者の惹きつけ・合う合わないなど採用の判断・権限はすべて各チームに
  • 一次面接後、人事は採用管理などのサポートを行う
  • ・採用イベント「Hello hey」を定期的に開催し、経営陣から実務担当社員まで、多くの社員が参加
  • 「採用は全員の仕事」という考えのもと、社内で毎週行っている会社説明会には9割の社員が参加

株式会社PR Table

オファー時の給与以外、すべての採用情報を積極的に公開・共有

「全社PRパーソン」という考えで、全員広報を目指している株式会社PR Tableでは、全社をあげて採用活動に取り組んでいます。特徴的なのは、オファー時の給与以外のすべての採用情報(面接のフィードバックや選考プロセスなど)を全社員に公開していることです。

HERPを使い、採用情報はいつでも誰でも自由に閲覧できるようにしています。また情報更新時にはSlackで通知されるため、見逃すことがなく、スムーズにやり取りできます。

BASE株式会社

人事・役員主導の採用方式からスクラム採用へ移行

BASE株式会社は、次のような点に注意・工夫しながら、それまでの採用方式からスクラム採用への移行を実現しました。

  • スクラム採用の必要性を現場に理解してもらうことを第一に考え、採用業務の現場移動を段階的に行った
  • スクラム採用と同時期に「内定判定会議」を導入
  • 人物要件とのズレや採用人数の検討などを行った
  • 社内関係者への内定承諾の報告は、採用を主導したチームマネージャーから行い、現場の成果が伝わるようにする

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スクラム採用の推進には採用管理システムの活用がおすすめ

スクラム採用専用のプラットフォーム、システム

スクラム採用を推進するなら、採用管理システムを活用すると採用活動がスムーズに進みます。求人票の作成から求人媒体との連携、情報共有やメッセージの管理まで、スクラム採用を進めるうえで便利な機能が揃っています。

次の記事ではおすすめの採用管理システムを、各製品の特徴や機能で比較しています。ぜひ、あわせて参考にしてください。

社員一丸となって優秀な人材を確保しよう

採用の多様化に対応しよう!

近年、採用活動を取り巻く状況が変わりつつあり、それまでの「人事・採用担当者が採用を行う」形式から「全社員で採用を行う」形式へと変化しています。スクラム採用を導入して、結果が現れている企業も多いです。

しかしスクラム採用は、かならずしもすべての企業に効果的とはいえません。人事・採用担当主導の採用にもメリットがあります。加えてスクラム採用に移行するにしても、考え方や体制が現場に浸透するには時間がかかります。

成功のためには従来の採用手法とも照らし合わせつつ、採用情報の一元管理や裁量付与を進めていく必要があるでしょう。社員一丸となって進めるスクラム採用を実施して、優秀な人材の確保を目指してみてはいかがでしょうか。

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