「OJTって何?」「どうやって進めればいいの?」といった疑問をお持ちではないでしょうか。
OJTとは、職場での実務を通じてスキルを身につける育成手法のこと。実践に基づきながら個人の能力や習熟度にあわせた育成ができるので、新入社員を「即戦力人材」に育て上げられます。
OJTの意味や目的、効果的な研修のやり方など、担当者が知っておくべきポイントをわかりやすく解説します。
OJTとは
OJTとは、職場での実務を通じてスキルを身につける育成手法のことです。実際の業務を題材にしながら、経験豊富な上司や先輩社員が若手社員や後輩に知識や技術を計画的に教えます。
OJTは「On the Job Training」の略で、頭文字を取って「オー・ジェイ・ティー」と読みます。
実務を通じてスキルを身につける育成手法
OJTは現場で実際の仕事を通して行う教育方法です。新入社員の教育や研修の一環で行なわれることが多く、ほとんどの場合は上司と部下のマンツーマンで実施します。
座学とは違って実務経験を積みながら学ぶため、実践的なスキルやノウハウを身につけられます。人材が効率的に成長するうえに、人が人を育てる文化が会社に定着することから、多くの企業で取り入れられています。
4段階職業指導法で即戦力人材に育て上げる
OJTでは「4段階職業指導法」というアメリカ発祥のフレームワークに基づいて職業教育を行います。
【4段階職業訓練法に基づいたOJTの進め方】
Show (やってみせる) |
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Tell (説明する) |
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Do (やらせてみる) |
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Check (評価・追加指導) |
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このサイクルをさまざまな業務で繰り返し行い、研修者の習熟度を上げていきます。実務を目の前でやってみせてから内容をくわしく説明し、実際にやってもらった後に評価を行いましょう。
「Check」の段階ではできたことをしっかりと褒め、できなかった部分は「どうすればできるようになるのか?」を一緒に考えていくことが大切です。指導者と研修者が一緒に改善策を考えることで、さらなる知識や技術の習得が見込めるだけでなく、モチベーション向上の効果も期待できます。
Off-JTとの違い
OJTと併用して用いられる教育方法として「Off-JT (Off The Job Training)」が挙げられます。
OJT | Off-JT | |
---|---|---|
内容 | 実践的な知識やスキル | ビジネスの基本知識や専門性 |
教育場所 | 実務の場 | 実務を離れた場所 |
教育形式 | 実践形式 | 座学形式 |
Off-JTはOJTとは対照的に実務の場を離れて行う研修です。体系的に学ぶべき知識や、専門性の高い知識を身に付けるときに用いられます。
たとえば新入社員に実施するビジネスマナー研修や、中堅社員に実施するマネジメント研修などです。また社内で考案した教育プログラムを受けたり、eラーニングを受講したりするのもOff-JTに含まれます。
OJTの効果を最大限に高めるためには、Off-JTでインプットした知識を実務の中で繰り返し実践することが欠かせません。「知識やノウハウを実務の中でどのように使えばよいのか」がわかるため、それぞれを併用しながらうまく組み合わせていくことが大切です。
OJTのメリット
OJTにはさまざまなメリットが存在します。
- 実践的なスキルや知識が身につく
- フィードバックをすぐに受けられる
- 個人の特性に合わせた内容やスピードで指導できる
- 部下と上司の人間関係が構築できる
- 教える側のスキルも向上する
OJTは研修者と指導者の双方にメリットがあるのが大きな特徴。指導と教育を通じてお互いのスキルが向上するのはもちろん、人間関係が構築できる効果も期待できます。
実践的なスキルや知識が身につく
OJTの1番のメリットは、研修者に実践的なスキルや知識が身につくことです。自社の業務内容を理解しながら人材育成するため研修内容と実務とのズレが少なく、指導後には即戦力人材としての活躍も期待できます。
できることが実務の中で増えていく中で自分なりのコツやポイントを発見できれば、将来に向けての自信やモチベーションも育んでいけるでしょう。
フィードバックをすぐに受けられる
OJTはフィードバックをすぐに実施できる教育手法です。よかった点や改善するべき点を、明確な内容と的確なタイミングで伝えることで、研修者は「次からどうすればよいのか」といったポイントをインプットできます。
たとえば、はじめて担当した仕事の場合「ちゃんとできているのだろうか」「求められているレベルはもっと高いのではないか」など不安に感じるケースは少なくありません。
OJTなら研修者が課題や反省点を浮かべている間にフィードバックを行えるので、情報の鮮度やキャッチアップの精度を落とさずに指導を進められます。
個人の特性に合わせた内容やスピードで指導できる
OJTなら研修者個人の特性に合わせた内容やスピードで指導できます。1対1のマンツーマンで指導するので、理解度や習熟度に応じた研修内容の変更や進め方の修正も可能です。
新入社員なら、最初はわからないことがほとんど。また指導側も能力を正しく把握しきれていないケースが多いです。研修者の特性や能力を把握しつつ指導内容やスピードを柔軟に変更できれば、疑問や不安の解消度も大きく向上します。
部下と上司の人間関係が構築できる
OJTは部下と上司の人間関係構築を加速させます。OJTでは業務の実践を通じてわからないことを部下が上司に質問したり、教える側も「わからないことはないか?」と確認したりする中で、多くのコミュニケーションが発生します。
このような環境の中で、教わる側と教える側の間に信頼関係や協調性が生まれていくのです。また今後の業務を円滑に進め、成果を最大限に発揮するためにも、社員同士のコミュニケーションは欠かせません。OJTは職業能力の発展だけでなく、人間関係の土台作りにも大きく貢献します。
教える側のスキルも向上する
OJTは教育を受ける研修者だけでなく、指導者のスキルも向上させます。OJTでは「実務を詳細まで把握していない」状態の研修者を相手にするため、指導者は「どのように教えればわかりやすいのか?」を考えながら指導を進めなければなりません。
業務内容を噛み砕いて教えていく中で業務内容をより深く理解したり、部下への指導力が向上したりするなど、教える側のスキルアップにもつながるのがOJTです。
OJTのデメリット
OJTはメリットが多い反面、指導者の能力によって指導効果に差が出たり、体系的に学びづらかったりするデメリットもあります。
指導者の能力によって効果に差が出る
OJTは指導者の能力によって効果に差が出てしまいます。仕事をこなすスキルが高い上司だとしても、指導力も高いレベルで兼ね備えているとは限らないのです。
たとえば、仕事で成果を出し続けている入社8年目の社員がいたとしましょう。しかし、自分がなぜ成果を出せているのかを言語化してノウハウとして共有できない限りは、指導相手には情報がうまく伝わりません。能力が伸びないだけでなく、場合によっては「教えているのになぜできないのか」と研修者を責めてしまうケースも考えられます。
このように「仕事ができる=仕事をうまく教えられる」という訳ではなく、指導者には業務遂行力に加えて指導力が求められます。研修者の成長を担保するためにも、指導者向けの「OJTマニュアル」を用意したり、指導者研修を実施したりして、指導力を一定の水準に保つことが大切です。
体系的に学びづらい
OJTは現場で実戦形式で指導を進めることから、体系的に学ぶのにはあまり向いていません。業務を遂行するために必要な知識にフォーカスして指導していくため、ビジネスに関する考え方やマナーなどとの関連性は低くなってしまう傾向にあります。
とはいえ、体系的な知識やノウハウは業務の遂行や成果の発揮にも大きく貢献するものです。社内主導で勉強会を実施したり、セミナーやマナー講習などの外部研修も駆使したりして、OJTとOff-JTをうまく併用していく必要があるでしょう。
実務が滞る可能性がある
OJTは現場の上司や先輩社員が指導を行うため、教育コストがかかって実務が滞る可能性があります。たとえば指導のために資料を用意したり、30分以上の時間をかけて面談を実施したりするケースが考えられます。
指導者は自身の平常業務も抱えた状態で指導を行うため、OJTにばかり時間を割くわけにはいきません。しかし忙しいからといって最低限の知識を伝えるだけだったり、フィードバックをしなかったりしていては、研修者の大きな成長にはつながらないでしょう。
実務とOJTのバランスが取れずに指導の効果が下がるのを防ぐためにも、周囲のメンバーが協力しながら業務を進めて行く姿勢が求められます。
OJTのやり方
OJTは次の手順に沿って進めていきます。
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OJTは育成計画を立ててから、計画に基づいて進めていくことが大切です。研修者に習得してほしいスキルや作業など、OJTの目的や目標を決めてから指導にあたることで双方の悩みや迷いがなくなり、理解もスムーズに進みます。
目標を設定する
まずはOJTの目標を設定します。事業計画や組織体制から逆算しつつ「研修者にどのようになってほしいのか」を定義づけして、OJTの全体計画におけるゴールを決めましょう。
このとき、会社や人事が現場のマネージャーや指導担当者と共に目標設定を進めることが大切です。社員に求める理想の人物像やスキル・知識など業務遂行力を事前に共有しておくことで、会社と人事、そして現場が一体となって研修者を育てていく環境が構築されます。
育成対象者(研修者)の現状を把握する
育成担当者の能力や特性、性格などの現状を把握します。職種や経験年数、能力によって指導内容や計画が変わってくるため、事前の面談やヒアリングを行って研修者の現状を洗い出しておきましょう。
たとえば新卒入社の社員であれば、業務や業界に関する前提知識およびスキルの習得から始める必要があります。また中途入社の社員であったとしても、業界や職務の経験、スキルや知識の習得レベルによって指導内容は変わってくるでしょう。
特に昨今の新人は「自動ブレーキ型」と呼ばれ、自信のあることは確実にこなしますが、不安なことについては失敗を恐れて行動に移せない傾向がみられます。
研修者が「何をどこまでわかっているのか」を指導者が事前に認識しておけば、OJT実施中の理解や解釈のズレを防げるため、より効果的かつ効率的に指導を進められます。
育成計画を策定する
OJTの育成計画を策定します。指導者と研修者で次の項目を中心に認識のすり合わせを行いましょう。
- 目標の確認
- 現状の課題
- 目標への具体的な達成方法
- 目標達成に向けたスケジュール
たとえば営業の場合、受注数や売上金額などの目標から逆算して、どのようなスキルや知識が不足しているのかを洗い出していきます。商談時のヒアリング力やサービスの紹介、クロージングや受注後の処理など、実際の業務内容に即した形で何を指導すればよいのかを考えていきましょう。
指導内容を考えた後は「いつまでにどのような達成状況になっているべきか」といった観点から、OJTのスケジュールを考えていきます。最終的な目標から逆算して、3か月後や1か月後、2週間後や1週間後といった形で、何をいつまでにすればよいのかを事前にすり合わせておきましょう。
「4段階職業指導法」に基づいて育成計画を実行する
育成計画に基づいて業務を遂行していきます。「Show (やってみせる)」「Tell (説明する)」「Do (やらせてみる)」「Check (評価・追加指導)」の「4段階職業指導法」に基づいて、現場業務を通じながら指導を進めていきましょう。
最初は難易度の低い基本業務から進めつつ、段階をふまえて応用的な業務に発展させていくのがポイントです。基本動作の習得を通じて、プレッシャーがかかったり対応が難しかったりする業務をこなせるようにOJTを進めましょう。
OJTを通じて研修者の「自信」や「モチベーション」を醸成できれば、主体的に活躍する人材としての成長が期待できます。
育成対象者にフィードバックする
研修者へのフィードバックを行います。現場での「Check (評価・追加指導)」だけでなく1日に1回、もしくは1~2週間に1回程度のペースで、育成計画で設定した目標やスケジュールの観点から評価と指導を行います。
「できたこと」や「できなかったこと」の事実をベースに「できるようになるためには何をするべきか」を指導者と研修者の間でやり取りしましょう。
このとき、業務遂行のために必要な考え方やポイントなどを具体的にアドバイスするだけでなく、研修者の抱える疑問や悩みについて質問を受け付けることも大切です。「成長のためには何が必要なのか?」を双方で考え、研修者に寄り添う形で指導や質問回答を行いましょう。
OJTの効果を上げる6つのポイント
OJTの効果を高めるための6つのポイントを紹介します。
- 意図的・計画的・継続的な指導
- 具体的かつ定期的なフィードバックの実施
- OJTシートの活用
- 教育担当の人選と育成
- 指導者に向けたワークショップやケーススタディの実施
- Off-JTとの併用
OJTは意図的かつ計画的、継続的な目線で指導を行うことで効果を最大化します。また育成計画や進捗度を確認するOJTシートを活用したり、指導者に向けた研修を行ったりすれば、さらに実りのあるものになるでしょう。
意図的・計画的・継続的な指導
OJTは場当たり的な指導では成果につながりません。成果が出せる人材に研修者を育てるためには「意図的」「計画的」「継続的」な3つのポイントに沿った指導が大切です。
- 意図的:どのような目的でそのトレーニングを行うのか理解していること
- 計画的:しっかりとした育成計画に基づいてトレーニングしていること
- 継続的:1度で終わらず反復的・段階的にトレーニングが行われること
意図的
OJTの実施目的や意図を理解・認識したうえで進めることです。会社や人事、現場の指導者や研修者のそれぞれが「どのような姿を目指すべきか」といった育成の先にある未来のイメージを明確に共有したうえでOJTを進めていきましょう。
トレーニングの進捗状況や達成度合いが組織全体で把握できるようになり、計画の修正や施策の立案もしやすくなります。
計画的
短期間で効率的にスキルを習得させるためにも、具体的な実施期間や業務スケジュールの計画に基づいてOJTを進めていくことが大切です。
個人差によって進捗が計画通りに進まない場合は、教える側や人事担当者がその原因や対策を考え、適宜修正する必要があります。
継続的
3か月や半年、1年間など一定の期間において、継続的にOJTを行うことです。OJTの終了後も視野にふまえながら、習熟度や達成度合いに応じて反復的・段階的なトレーニングを実施しましょう。終了後に上司や先輩社員が後輩を継続的に指導できる制度や環境の整備も大切です。
継続的なトレーニングを行うことで習得が難しいスキルや知識のインプットを進め、研修者のさらなる成長を促します。
具体的かつ定期的なフィードバックの実施
具体的かつ定期的なフィードバックを実施することで、研修者は「改善のために何をすればよいのか」が明確になります。
「できたこと」と「できなかったこと」の事実をベースに、その背景に考えられる要因と改善策を伝えていきましょう。各指導業務の終了後はもちろん、1~2週間に1回などのペースで全体の振り返りを行います。定期的なフィードバックを行えばPDCAが回しやすくなり、改善策を踏まえたうえで次の業務にチャレンジできます。
状況・行動・影響の順番で行う
フィードバックは状況、行動、影響の順番で行いましょう。この順番で行うフィードバックは「SBI型」と呼ばれ、相手が内容を理解しやすく、よく見てもらえていると良い印象を抱かせやすい特徴があります。
相手の状況に認識を合わせ、相手の行動を客観的に伝え、その行動をどう感じたかを伝えます。
しかしネガティブな内容を伝える時には、否定的に受け止められることも多いので、下記のサンドイッチ型などのポジティブな内容を添えた伝え方を用いましょう。
サンドイッチ型のフィードバックを活用する
ネガティブな内容を伝えたいときに、便利なのがサンドイッチ型です。
ネガティブな内容の前後を、ポジティブな内容で挟みこむことで、ポジティブな内容で話を始め、終えることができます。そのため相手も課題を前向きに受け止めることができるでしょう。
しかし人によってはポジティブな内容に気を取られ、伝えたい内容が響かない人もいるため、フィードバック後の成果の確認が重要です。
OJTシートの活用
OJTの計画などを管理するために「OJTシート」を活用するのもよい方法です。育成計画シートとコミュニケーションシートを作成しておくと、情報や進捗状況、成熟度を確認・整理しながらOJTを進められます。
育成計画シートは定期的にチェックし達成度を管理するためのシートです。OJTの4ステップごとにチェックリストを作成し、研修の結果どこまでできるようになったか振り返れるようにします。
トレーナーだけでなく、人事や関係部署の担当者にも研修の進み具合を簡単に共有できます。進捗具合をぱっと見ただけで把握できるため、研修終了までのスケジュールを組み立てやすいのもポイントです。
またコミュニケーションシートはトレーナーとやり取りするために使います。フィードバックを簡潔に伝えるためにも利用可能です。
教育担当の人選と育成
教育担当の人選と育成もOJTを成功させるための大きなポイントです。高い営業成績を納めている人材が指導力も高いとは限りません。
たとえば10年以上の経験を持つベテラン社員の場合、経験は豊富であるものの新入社員は声をかけづらい可能性があります。また自身のノウハウや経験を言語化できないと、後輩をうまく指導することはできません。
一方、入社2~3年目の社員であれば、年齢が近くてお互いに話しやすいものの、トレーナーの経験がない場合は指導を不安に感じることもあるでしょう。
そのため成績の優秀さだけではなく、指導者本人の適性や意向、研修者との相性のよさも考慮したうえで、適任者を選出するのが大切です。指導力が不足している場合は指導マニュアルの作成や研修、勉強会などを実施し、指導者本人の育成を進めていくサポート体制を構築しましょう。
ワークショップやケーススタディを取り入れる
OJT教育担当者育成の研修にワークショップやケーススタディを取り入れることで、学習定着率が向上します。指導力の強化により、研修者の業務理解も進みやすくなるでしょう。
ワークショップでは教育ゴールの設定や教育計画の作成、業務の選定を考えさせるとよいでしょう。自身の経験や知識を振り返り、それぞれの意味を考えるよい機会になります。
ケーススタディでは実際に起こりうるケースを題材にすることで、OJTのイメージをつけさせます。OJT現場でよく起こる失敗例や、フィードバックの方法などを取り扱うとよいでしょう。
ワークショップやケーススタディを社内で実施するのが難しい場合は、外部研修を活用するのもおすすめです。それぞれの業界や職種に応じたさまざまなコースが用意されているので、受講者はOJTのコツを押さえながら効率的に進められるようになるでしょう。
Off-JTとの併用
OJTと対照的なOff-JTを併用すれば、それぞれのデメリットを補完して教育効果をより高められます。
OJTは実務に役立つスキルや知識を直接学べますが、体系的な知識を学びづらかったり、研修の質にバラつきが出たりするデメリットがあります。一方でOff-JTは、基本知識やスキルを体系的かつ一定の質で学べる反面、実務に即した実践的な能力の習得にはあまり向いていません。
そのため、Off-JTでビジネスマナーやロールプレイング、ロジカルシンキングなどの基礎知識を学び、学んだ内容の活かし方をOJTで実践を通じて身につける流れで指導するのがおすすめです。インプットとアウトプットのサイクルが構成され、研修内容のさらなる理解と定着につながります。
OJTに向いている業務と向いていない業務
OJTはルールや作業内容が確立している業務の指導には向いていますが、専門的な知識や体系的な知識が求められる仕事の教育にはあまり向いていません。
OJTに向いている業務
OJTに向いている業務は業務内容やルールが明確で、イレギュラーが発生しにくいものです。
【向いている業務】
- ルールが確立した業務
- パターン化できる業務
たとえば、工場の機械操作やレジ操作などが当てはまります。また営業もOJT向きの業務です。教育担当者とともに営業先へ行きあいさつをしたり、簡単な説明から実施したりすることで、現場に必要なスキルを身に付けられます。
OJTに向いていない業務
OJTで教育しにくいのは、専門的な知識や体系的な知識が求められる業務です。
【向いていない業務】
- 専門的・体系的な知識が求められる業務
- イレギュラーが発生しやすい業務
- 属人性が高い業務
たとえば未経験者が経理に配属されたとき、OJTで業務を覚えようと思っても必要な基礎知識が不足しており対応しきれません。またプロジェクトベースで進行する業務も状況によって内容や進め方に変更が生じるため、獲得したいスキルをカバーしきれないケースが考えられます。
そのような環境下で指導を進める場合は、Off-JTによる知識習得とOJTによる実務研修の組み合わせが向いています。基本的なスキルのインプットとアウトプットをそれぞれ切り分け、定期的な振り返りを通じて体系的に落とし込んでいきましょう。
部下の成長を後押しして成果の出せる組織づくりを
現場での指導を通じて、業務に必要なスキルや知識の習得を図る教育手法のOJT。
目の前で実際に仕事を見せながら指導を進めていくことで研修者の能力開発はもちろん、指導者の業務理解や指導力などスキルの向上も期待できます。
実務と並行して指導を行う必要があるため実施しづらいケースもありますが、研修者のエンゲージメントやモチベーション向上の観点からも決してないがしろにはできません。
部下の能力だけでなく、心情や個人の目標も汲み取った「寄り添うOJT」を実施して、成果の出せる組織づくりを目指してみてはいかがでしょうか。
平均2分!ミツモアで採用管理システムを比較しよう
主に新入社員を教育するOJTを適切に行うには、採用活動時から計画を練っておくことが重要です。採用管理システムを利用すれば、採用活動が効率的になるだけでなく新入社員の適性の把握にも役立つでしょう。
しかし自社にあったシステムを導入するために、さまざまな会社に資料を請求し、機能などを見比べながら比較検討するとなると手間も時間もかかってしまいますよね。
そんなときはミツモアがおすすめです。簡単2分の質問項目に答えていくだけであなたの会社にぴったりのプランをご提案します。
採用管理システムの比較が2分で完了!
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質問はパソコンやスマートフォンからお手軽に答えることが可能です。
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