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製造業界で使用されるFMEAとは?概要やメリット、手順も解説

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最終更新日: 2023年02月17日

FMEAとは故障要因から想定される不具合やリスクを洗い出すリスク管理手法のひとつです。製造業や工場では一般的に使用される用語ですが、専門用語も多く登場します。今回はFMEAを初めて知る人に向けてわかりやすく解説を行います。

FMEAとは

製造業の男性

FMEAとは潜在的な故障や不具合の分析方法のことです。FMEAは「Failure Mode and Effects Analysis」の頭文字を取った略称で、日本語では故障モード影響解析と呼ばれます。国際電気標準会議(IEC)の国際規格にもなっている解析方法で、製造業で広く使用されています。

FMEAは主に設計段階で実施され、製品や製造工程で起こりうる不具合やリスクを洗い出します。設計の際に想定される故障の要因を想定し、整理して分析することでリスク解析が可能です。

製造が始まる前に、故障の原因や不具合を検討するFMEAを行うことで、品質管理の徹底が可能になります。製品の致命的な故障を減らすうえで、FMEAは効果的な手法だといえます。

故障状態の分類である故障モードとは?

日本語名称にも使用されている故障モードとは、不具合やトラブル原因のことです。具体的には断線や経年劣化による破損、摩耗による機械の不具合などが故障モードとして挙げられます。

FMEAで故障モードが使用されるのは、製品の故障を原因から考えることで、リスク解析が簡単になるためです。機械や製品はさまざまなケースで故障をするため、トラブルを全てを想定することは不可能です。

しかしこれらの故障には原因があり、原因の想定はある程度可能です。FMEAは原因から事前にリスクを想定する考え方です。故障を引き起こす原因に対し、アプローチすることで品質向上が期待できるでしょう。

ソフトウェア比較のイメージイラスト

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FMEAを行うメリット

ものづくり技術者

FMEAは工場をはじめとした、製造業で使用されています。多くの現場で使用されるのには大きなメリットがあるからです。どのようなメリットがあるかを確認してみましょう。

発生するリスクを事前に予測できる

リスク予測ができることがメリットのひとつです。ある製品のFMEAを行った際、振動の発生で部品が外れる評価がされたとします。この故障要因で起こりうるトラブルを検証した結果、機関部の破損に繋がることまで予測することができるのです。

FMEAはこうした重大問題の予測が可能です。リスクの予測ができれば、対応も可能になります。部品に抜け落ち防止の措置を施すことで、事前対策を取ることが可能です。

発生するリスクを故障要因から予測することで、リスク検討ができるのは大きなメリットといえるでしょう。

リスクの可視化で効果的な対策が可能に

発生リスクの事前予測に加え、FMEAはリスクの可視化も可能です。FMEAは故障要因を想定する検証のため、実施するとあらゆる不具合が予測されます。しかしすべての対策をすると莫大なコストが必要です。

このような事態に対し、FMEAはリスクを数値化することで優先度の高いリスクを判別します。リスクは一般的に影響度や発生度、検知度などの項目をかけあわせて評価を行うため、数字によるリスク評価が可能です。

リスクを数値化することで、効果的な品質向上とトラブル対策が可能になります。

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FMEAでよく使用される用語

工場の作業員

FMEAは便利な解析方法ですが、専門用語がいくつか登場します。初めてFMEAに触れる人は少し混乱するかもしれません。今回は用語の中から、混乱しやすい単語を紹介します。

工程FMEAと設計FMEA

FMEAは製造に関わる機関で行われます。そのため多くのFMEAがありますが、設計FMEAと工程FMEAの二つに分けることが可能です。

工程FMEAでは、製造する際に発生する人的ミスや製造に起因する問題の検討が中心になります。設計FMEAでは、製品の故障やトラブルにつながる設計的な欠陥、故障が引き起こすリスクを検討するのが中心となります。

同じFMEAですが考える対象が大きく変わるので、混同すると効果が期待できなくなるでしょう。FMEAを行う際は何に対して検証を行っているかの明確化がポイントです。

重要度の評価

重要度の評価とは「リスクを図るための指標」のことです。影響の可視化に利用されます。FMEAを運用する会社や使用するフォーマットによって異なりますが、影響度、発生度、検知度の三つの項目があります。

重要度は数字のかけあわせで計算されるのです。影響度は人命や被害のレベルを表し、発生度は、故障やトラブルが発生する頻度を示します。検知度は、使用者に提供される前に発見できるか否かを判別する指標です。

FMEAではこれらの項目を掛け合わせることで、リスクの大きさを測る指標としています。数値化することでリスクが高い部品や、故障モードの判断が可能です。

FTA

FMEAと似た検証方法に「FTA」があります。FTAは「Fault Tree Analysis」の頭文字を取った略称で、日本ではフォルトツリー解析と呼ばれます。FTAも品質管理や故障原因の解析ですが、双方は手法が異なります。

FMEAはボトムアップ手法、FTAはトップダウン手法です。FMEAは想定される故障の要因から、検討対策を行うボトムアップな手法であるのに対し、FTAは事故事例や防ぐべき故障やトラブルといった、事故発生から対策を考えるトップダウンな手法です。

両者ともにリスク解析の手法ですが、対策の出発点が違う点に注意しましょう。

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FMEAの実施手順

在庫確認をする男性

FMEAは会社によって、実施方法が異なるケースがあります。しかし大まかな手順は決まっているため、一連の流れを知りましょう。今回は工場で製造される部品を例に工程FMEAの実施手順を紹介します。

検討対象を決定する

工程FMEAの場合は、検討を対象している工程内で起こりうる問題を洗い出すところから始まります。

検討対象とは製造工程で差が出る部分です。ある製品において電子基板をネジ止めし、部品を作る工程があるとします。この工程の中で製品に差が出る部分は、ネジ止めと組付けです。

ネジが緩む可能性やうまく組み付かない可能性があります。また、熟練工と新人で組付けの精度に差がある場合、工程の作業以外も検討が必要です。

FMEAを行う際は、変化が出る部分を中心に検討をしましょう。変化の一定化により、品質向上につながります。

故障モードを決める

検討する対象が決定したら、工程で起こりうる故障モードを決定します。電子基板のネジ止め工程で、故障モードを検討する場合、想定される故障モードがいくつかあります。

基盤を組み付ける際の、ネジ止めです。ネジ止めが甘いことで発生する、接触不良やネジ穴の破損などです。熟練工と新人による組付けの違いも、その後の緩みや接触不良につながるため、故障モードになります。

ポイントは工程で起こりうる、故障に着目することです。正しい工程で組み付けても振動で緩みやすい場合は、設計の問題で、工程FMEAでは取り上げるべき問題ではないからです。

分析と重要度の評価

検証工程と故障モードを決定したら、重要度の分析や評価を行います。電子基板の「ネジの緩み」という故障モードで想定するならば、部品の故障がどの程度の問題を引き起こすかの検討が必要です。

部品が重要機関部を制御する場合、リスクは高いといえます。しかし基板が補助的なもので代替手段があり、大きな影響がない場合は重要度は低いでしょう。

また組付けの問題では、発生頻度も重要なポイントです。発生率が高い場合、品質の低下につながります。熟練度の違いで故障が発生する可能性や、精度差がどの程度か分析が必要です。

リスクの改善を行う

電子基板の固定ネジの他にも、組み立てには多くの工程があります。そのため、製品を作る工程で故障モード解析が済んだら、リスクや影響を考え改善を行いましょう。

熟練度によって取り付けネジ止めにリスクが出る場合、規定の決定やトルクレンチの導入、あるいは組付けの機械化などで改善が可能です。こうした対策を行えばリスクを減らすことができるでしょう。

改善を行うことで品質低下や安全上のリスクを低減し、製品の品質向上を図ることができます。一連の流れがFMEAの実行となります。

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FMEAを利用してリスク管理を行おう

製造業のエンジニアチーム

FMEAの概要から、専門的な単語、実施手順まで解説してきました。さまざまなケースが想定されるため、故障や不具合を整理し分析することで、具体的かつ効果的に対策をすることができます。

専門解説書も販売されるほど、深く理解することが難しいFMEAですが、概要を把握することで理解が深まります。スモールステップで利用し、リスク管理業務に活かしましょう。

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複雑な工程を一括管理できるプロジェクト管理ツールを導入すれば、FMEAを効率的に進めることが可能です。

とはいえ、プロジェクト管理ツールは製品によって機能もさまざま。「どのソフトを選べばいいかわからない・・・」といった方も多いのではないでしょうか。

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