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ジョブ型雇用とは?従来の雇用との違いや特徴を押さえて、就職を成功させよう

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最終更新日: 2024年03月05日

「ジョブ型雇用って一体なんだろう」「従来の雇用と何が違うの」とお困りではありませんか。

最近はあらかじめ職務の範囲を明確に決めておく「ジョブ型雇用」を採用する企業が増えています。

ジョブ型雇用では成果を評価してもらいやすい一方で、職を失うリスクが高い問題を抱えています。求職者はこれらの点を押さえて、慎重に就職を検討することが必要です。

この記事ではジョブ型雇用とは何か、従来の雇用と何が違うのか、どんな人がおすすめかについて解説します。

ジョブ型雇用とは

会話する女性

ジョブ型雇用とは「あらかじめ求職者の職務を決定したうえで採用する形式の雇用」です。具体的には業務内容や責任の範囲だけでなく、勤務時間や勤務場所なども明確に定めたうえで雇用契約を結びます。

簡単にまとめると、従来の雇用方法では「採用→職務決定」でしたが、ジョブ型雇用では「職務決定→採用」となっているわけです。

ジョブ型雇用では事前に職務を決定する点から「特定の業務を遂行できるか」が採用において最優先されます。たとえば「企業が求めるスキルをもっているのか」などが重視されるわけです。そのため企業が求めるスキルを持ってさえいれば、学歴や年齢は重視されません。

またジョブ型雇用の特徴として、業務であげた成果が直接評価につながりやすいことがあげられます

専門的なスキルを持っている方や成果を正当に評価してほしい方に、ジョブ型雇用は非常におすすめです。

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ジョブ型雇用と従来のメンバーシップ型雇用との違い

並んで仕事をする女性たち

海外で主流な「ジョブ型雇用」に対して、日本で主流な雇用方法は「メンバーシップ型雇用」です。メンバーシップ型雇用では、採用された後に研修による適性検査を通して職務が決定されます。

これらの雇用方法は業務の範囲や採用で重視される要素など、さまざまな点で異なっています。

<ジョブ型雇用とメンバーシップ型雇用の違い>

  ジョブ型雇用 メンバーシップ型雇用
業務の範囲 明確に定まっている

途中で変化することはない

明確には定まっていない

途中で変更になる可能性がある

転勤や異動の可能性 なし あり
給与の主な評価基準 業務であげた成果 勤続年数
採用方法 新卒採用・中途採用 主に新卒採用
採用で重視される要素 企業が求めるスキルを持っているか

即戦力になれるか

ポテンシャルが高いかどうか

長く働いてくれるか

解雇される可能性 高い 低い

ジョブ型雇用が注目されている理由

ジョブ型雇用が注目されている理由としては「優秀な人材に長く働いてもらいたいと考える企業が増えていること」や「高い専門性を持った人材が貴重であること」などがあげられます。

また一方で働き方改革などの影響によって、人々の労働に対する価値観が多様化している影響もあるでしょう。「企業に雇ってもらう」という認識から「自らのスキルを生かして、企業と対等な立場で雇用契約を結びたい」と考える人が増えている背景もあります。

特に近年はワークライフバランスの考え方から、自分にとってベストな働き方を模索する人が増えているようです。

優秀な人材の中には、自らのやりたい業務や労働環境を明確に定めており、条件に合致しない企業は、いかに好待遇でも辞めてしまう事例が少なくありません。

企業としても優秀な人材に長く働いてもらうために、雇用契約前に業務範囲や労働時間などをはっきりと決めておく必要が出てきたわけです。

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ジョブ型雇用のメリット

打ち合わせをする女性

ジョブ型雇用には求職者と採用側の両方にメリットがあります。主に次の4点がメリットとしてあげられるでしょう。

求職者側のメリット
  • 成果をあげやすい
  • スキルアップにつながる
  • モチベーションを高く維持できる
  • 基本的に転勤や異動がない
採用側のメリット
  • 即戦力となる人材が確保しやすい
  • リモートワークと相性がいい

求職者側のメリット①:成果をあげやすい

求職者側のメリットとして、成果をあげやすいことがあげられます。ジョブ型雇用では自分の専門的なスキルを活かせる分野が職務になるので、能力を発揮しやすいという利点があるのです。

従来のメンバーシップ型であれば、希望の職種に就くまで何年もかかったり、自分に向いていない職務を任せられたりするケースがあります。これではモチベーションも高く保てませんし、成果も期待できません。

ジョブ型雇用ではこういった事態を防ぐことが可能です。

求職者側のメリット②:スキルアップにつながる

ジョブ型雇用のメリットとして、求職者のスキルアップにつながりやすい点があげられます。

ジョブ型雇用では専門的な職務を任せられるので、仕事そのものがスキルアップになるのです。

仕事を続けることでスキルアップを行えるので、待遇のよい企業に転職したり、仕事の幅を広げたりすることもできます。

求職者側のメリット③:モチベーションを高く維持できる

モチベーションを高く維持できることも、ジョブ型雇用のメリットとしてあげられます。

ジョブ型雇用では業務であげた成果が給与に反映されやすいです。そのため業務にしっかりと取り組もうと、モチベーションが高く維持できます。

メンバーシップ型では主に勤続年数で給料が決まるので、真面目に働こうとする意欲が失われる問題があります。こういった事態を避けられるのは、ジョブ型雇用の大きなメリットです。

求職者側のメリット④:基本的に転勤や異動がない

求職者側のメリットとして、転勤や異動がないこともあげられます。

ジョブ型雇用ではあらかじめ勤務場所が決定されるので、異動などが起きることはありません。

お子様がいるご家庭介護等をしながら働いている方にとっては、とても働きやすい環境であるといえます。

採用側のメリット①:即戦力となる人材が確保しやすい

採用側にとって即戦力となる人材を確保しやすくなるのが、ジョブ型雇用のメリットです。

ジョブ型雇用で採用する人材は入社前から特定のスキルを持っています。企業の求める仕事を確実にこなしてくれるので即戦力になりやすいです。人材を育成する時間やコストを節約できるのもメリットの1つですね。

また業務範囲や労働時間を明確にして労働契約を結んでいるので、ミスマッチなどによって人材を失うリスクを抑えることが可能です。

企業によっては、管理職やマネジメントにあたる優秀な人材を採用するケースも珍しくありません。

採用側のメリット②:リモートワークと相性がいい

社員の評価がしやすくなるため、コロナによるリモートワーク・テレワークにも相性がいいのもジョブ型雇用のメリットです。

社員は入社した段階で自分のすべき業務を把握しており、その成果が評価につながることを理解しています。そのため社員の働き方を対面で確認できないリモートワークであっても、高いモチベーションで仕事を行うことが期待できます。

また業務の遂行状況など評価基準がはっきりとしているため、管理職の負担を減らすことが可能です。

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ジョブ型雇用のデメリット

オフィス

ジョブ型雇用にはメリットだけでなく、デメリットもあります。

求職者側のデメリット
  • スキルがないと仕事が見つからない
  • 会社の方針転換などで職を失うリスクが高い
採用側のデメリット
  • 人材の入れ替わりが激しい
  • 雇用の柔軟性や安定性がなくなる

これらの点を押さえることで、十分に対応することができるでしょう。

求職者側のデメリット①:スキルがないと仕事が見つからない

ジョブ型雇用では特定の専門性やスキルを持つことが採用基準とされるため、企業の求める専門性やスキルを身につけていなければ採用されにくいのがデメリットです。

特にこれから専門性やスキルを習得する段階にある新卒者は、ジョブ型雇用ではかなり不利になるでしょう。

中途採用の場合でも自分より専門性の高い人材がいる場合、たとえ他の分野で優れていたとしても、採用されない可能性が高いです。

ジョブ型雇用で採用されたい場合は「この企業が求めているのはどんな人材か」を分析したうえで、必要なスキルを磨くようにしましょう。

求職者側のデメリット②:企業の方針転換などで職を失うリスクが高い

ジョブ型雇用では会社の方針転換や景気の影響で担当する業務がなくなったときに、職を失ってしまうリスクが高いです

従来のメンバーシップ型であれば終身雇用制のおかげで、急に仕事をクビになることはありません。しかし、ジョブ型雇用では「業務→採用」という形式のため、会社は担当する業務がない社員を置いておく必要がないのです。

またジョブ型雇用では特定の業務に限定して人材を採用しているので、他の部署に仕事を回してもらうなどの対応を取ることが難しいのも1つの理由でしょう。

急に職を失うリスクを避けるために、常にスキルアップを意識して転職の幅を広げることが重要です。

採用側のデメリット①:人材の入れ替わりが激しくなる可能性がある

ジョブ型雇用の企業側のデメリットとしては、人材の入れ替わりが激しくなる可能性があげられます。

ジョブ型雇用では主に業務内容と報酬で雇用契約を結ぶため、他の企業が自社よりも好待遇の条件を出した場合、そちらに転職されてしまうかもしれません。

またメンバーシップ型雇用よりも、報酬や労働条件に魅力を感じて応募する人が多いです。そのため少しでも実際の労働環境とギャップがあった場合、すぐに辞めてしまう恐れもあります。

こういった事態を避けるために「優秀な人材は好条件で迎え入れる」「契約前に報酬や労働環境などをしっかりと伝える」といった取り組みが必要です。

採用側のデメリット②:会社の都合で異動や転勤を行えない

ジョブ型雇用の企業側のデメリットとしては、会社の都合で異動や転勤を行えないこともあげられます。

メンバーシップ型ではジョブローテーションにより、会社の都合に合わせて社員の異動を行うことが可能です。しかしジョブ型では、あらかじめ業務の範囲を定めているので、途中で変更することができません。

こういった事態を避けるためには「何か問題が起こる前に必要な人材を確保しておくこと」が重要です。

ジョブ型雇用がおすすめの方

ジョブ型雇用がおすすめなのは次のような方です。

【ジョブ型雇用がおすすめの方】

  • 専門的なスキルを持っている方
  • 仕事の成果を正しく評価してほしい方
  • 異動や転勤をしたくない方

専門的なスキルを持っている方

専門的なスキルを持っている方にジョブ型雇用はおすすめです。

ジョブ型雇用ではスキルが重視されるため、採用において年齢や学歴は関係ありません。もし相手が年上だったとしても、自分にスキルがあれば、よりスケールの大きい仕事を行うこともできるでしょう。

従来のメンバーシップ型では勤続年数によって縛られるため、不平等さや不自由さを感じることもありました。しかし、ジョブ型雇用では自分のスキル次第でどんな仕事を行うことができます。

自分のスキルで好きなように働きたいという方は、ぜひジョブ型雇用を検討してみましょう。

仕事の成果を正しく評価してほしい方

仕事の成果を正しく評価してほしい方にも、ジョブ型雇用はおすすめです。

従来のメンバーシップ型では給与の評価基準が勤続年数であるため、業務で優れた成果を出したとしても評価にはつながりにくい問題があります。そのため給与や評価に不平等さを感じることが多く、働くモチベーションを失いやすいことも指摘されています。

しかし、ジョブ型雇用では業務が明確に定まっているので、どれだけ成果をあげたかを正当に評価してもらえるのです。給与の向上にもつながるので、働くモチベーションが自然と高まります。

仕事にやりがいを感じたい方や積極的に働きたい方は、ぜひジョブ型雇用を検討してみましょう。

異動や転勤をしたくない方

異動や転勤をしたくない方にジョブ型雇用はおすすめです。

ジョブ型雇用ではあらかじめ労働環境が定まっているので、会社の都合で異動や転勤を命じられることはありません。そのため単身赴任や引っ越しを行う必要がなく、同じ場所に住み続けることができます。

落ち着いて生活したい方や、配偶者や子供がいらっしゃる方は、ぜひジョブ型雇用を検討してみましょう。

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ジョブ型雇用を取り入れている企業の例

オフィスで働くビジネスマン

ジョブ型雇用を実際に取り入れている企業について確認してみましょう。

【ジョブ型雇用を取り入れている会社の例】

  • 日立製作所
  • 富士通

これらの大手企業でもジョブ型雇用が導入されているので、全国的に導入が盛んになる可能性があります。

「どういった理念でジョブ型雇用を採用しているのか」「どんな改革が行われているのか」について理解して、就職活動に活用しましょう。

①日立製作所

グローバルな人事制度として「ジョブ型雇用」を推し進めているがの日立製作所です。

2020年からは一律の給料ではなく個別の処遇設定を行う「デジタル人財採用コース」を新設するなど、ジョブ型雇用をさらに強化しています。

リモート環境の整備を行い在宅勤務を支えるほか、1on1ミーティングの導入や自律的キャリア形成のサポートなども推進し、より働きやすい仕組みづくりを行っています。

②富士通

「日本と海外で人事制度が異なる」ことや、「会社に必要な人材を採用する人材マネジメント」という考えに基づき、「ジョブ型雇用」を推進しています。

2020年には報酬体系を職能ベースではなく職責ベースとする『FUJITSU Level』へと切り替え、人事制度の改革を行っています。

雇用形態を理解して就職を成功させよう

オフィス

ジョブ型雇用では業務範囲や報酬、労働条件などを明確に定めて雇用契約を結びます。

求職者は自分のスキル次第で自由に仕事を選択できますし、正当な評価を受けられるでしょう。

ただし「スキルがないと職が見つからない」「職を失うリスクが高い」などの問題もあります。

就職活動を行う前に、まずは従来の雇用形態とジョブ型雇用のどちらがよいか考えてみて、就職活動を成功させましょう。

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