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人事評価システムの費用相場はいくら?導入前に確認すべきポイント

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最終更新日: 2025年11月05日

人事評価を行う際、Excelファイルの配布や集計、催促に追われていませんか。紙やExcelでの評価運用が限界に達し、システムの導入を検討し始めたものの、まず気になるのが導入時の費用です。

ただ相場を調べても、「安いシステムで工数削減だけできれば良いのか」、それとも「経営陣が求めるような人材データ活用まで見据えるべきか」で、選ぶべきシステムも費用も大きく変わるため、悩んでしまう担当者様も多いでしょう。

人事評価システムの基本的な費用相場について、従業員300名規模を想定した具体的な料金シミュレーションや、導入前に必ず確認すべきポイントを含めて解説します。

人事評価システムの費用相場

人事評価システムには、サーバーの設置場所によって「クラウド型」と「オンプレミス型」の2種類があり、導入費用が大きく異なります。

オンプレミス型は、自社内にサーバーを構築するため、一般的な相場として初期費用が100万円前後からと高額になりやすい傾向です。一方でクラウド型は、サービス提供側のサーバーを利用するため、初期費用は無料〜20万円、月額費用で1万円〜15万円以上かかります

たとえば、従業員300名規模の企業が導入する場合、初期費用を抑えられ、導入・運用もスピーディーな「クラウド型」が最適です。システムの保守・運用業務を(アップデート対応など)もサービス提供側(ベンダー)に任せられるため、情報システム部門の負担が少ないからです。

料金体系「ID課金」と「パッケージ(定額)制」の比較

クラウド型システムの料金体系は、主に「ID課金制」と「パッケージ(定額)制」の2種類に分けられます。 300名規模の企業では、ID課金制とパッケージ制のどちらが割安になるか、利用する機能範囲を含めて慎重に比較検討する必要があります。

それぞれの主な料金体系は、以下のとおりです。

ID課金制

利用する人数分だけ費用が発生する料金体系です。 利用人数に応じて費用を負担するのが魅力ですが、従業員数が多いと月額費用が高額になりやすい点に注意しましょう。

たとえば「1 IDあたり月額300円」のシステムの場合、300名で利用すると月額90,000円と見積もれます。従業員数の増減が頻繁にある企業や、まずは試験的に導入したい場合には向いていますが、300名規模で全社導入する場合は総額をしっかり確認しましょう。

パッケージ制(定額)制

「従業員300名まで月額〇〇円」のように、利用人数の上限と機能がセットになった料金体系です。 従業員数が多い場合、ID課金制より総額が割安になる可能性がありますが、プランの上限人数や機能に注意しましょう。

従業員数が安定しており、利用したい機能が明確に決まっている場合に適した料金体系といえます。

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「解決したい課題」で選ぶ人事評価システムの価格帯

人事評価システムを導入する際、「価格の安さ」だけで選ばないようにしましょう。運用面での工数削減はできても、経営陣が求める「評価データの人材育成への活用」には対応できないのが理由です。

「どの経営課題を解決したいのか」を軸に、必要な機能と価格帯を見極めましょう。

1万円〜5万円台

月額5万円程度までの低価格帯システムは、人事・管理職の工数を削減したい、という運用面の課題解決を最優先する企業に向いています。 主に評価シートの配布や回収、人材データベース・ワークフローの管理といった作業を置き換えられるでしょう。

評価業務の効率化に役立つ一方で、「人材育成」や「データ分析」といった戦略的な機能は、ほぼ含まれていません。

5万円~15万円

月額5万円~15万円程度の中価格帯システムは、工数削減(オペレーショナル・ペイン)に加えて、「評価の納得感を高めたい」、「評価制度をしっかり運用したい」といった課題(一部の戦略ペイン)の解決も目指せる価格帯です。 工数削減はもちろん、評価制度の運用を定着させ、社員の不公平感をなくしたい企業に適しています

社員の納得感や育成につながるMBO(目標管理)などの機能が充実しているのも特徴です。Excelでは管理しきれなかったMBOの運用や、評価プロセスの「見える化」を実現したい場合に、最もバランスの取れた選択肢となるでしょう。

15万円以上

経営陣から求められる「戦略人事」の実現に応えるための領域です。評価を「人材育成」や「適正配置」、「離職防止」に本気で活かしたい、戦略人事を実現したい企業に向いています。

これらは「タレントマネジメントシステム」と呼ばれることも多く、評価機能に加えて、蓄積したデータを分析・活用するための高度な機能が搭載されているのが特徴です。

  • 甘辛調整(キャリブレーション):評価者ごとの評価のバラつきを部門間で調整
  • データ分析・ダッシュボード:評価結果やスキル情報をグラフなどで可視化し、傾向を分析
  • スキル管理・配置シミュレーション:従業員のスキルや適性に基づき、最適な配置を検討

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人事評価システムの導入時の料金シミュレーション

人事評価システムの導入費用は、自社が「どの課題を解決したいか」によって大きく変わるのが特徴です。ここでは、従業員300名規模の企業を想定し、3つの具体的なシナリオ(目的)別に必要となる費用シミュレーションを紹介します。

シナリオ1:「Excel」からの脱却図りたいケース

「紙やExcelでの評価シート配布・回収・集計作業が限界」という、運用面の工数削減(オペレーショナル・ペイン)を図りたい場合、月額7万5,000円程度で導入が可能です。このシナリオで導入するシステムは、主に以下のような基本的な機能に絞られます。

目的 評価シートのWeb化、ワークフローによる集計作業の自動化
想定機能 評価シートの配布・回収、ワークフロー(承認ルート)管理、人材データベース
費用の目安 初期費用:50,000円~100,000円、月額:約75,000円(例:250円/名)

ただし、MBOの進捗管理やデータ分析といった戦略的な機能は含まれないことが多い点に注意しましょう。

シナリオ2:評価の納得感向上(運用+一部の戦略ペインの解決)

シナリオ1の工数削減に加え、「評価基準を統一したい」、「MBOの進捗管理をしたい」といった、評価制度の運用と納得感の向上(一部の戦略ペイン)を目指すシナリオです。

この場合、標準的な機能を備えたシステムが必要となり、従業員300名規模で月額15万円程度が目安となります。

目的 工数削減+MBO進捗管理や評価基準の統一、甘辛調整の実施
想定機能 目標管理(MBO)、進捗管理、評価者調整機能、評価ワークフロー
費用の目安 初期費用:100,000円~300,000円、月額:約150,000円(例:500円/名)

「評価の不公平感」を解消し、評価制度をしっかりと定着させたい場合に、このシナリオが当てはまるでしょう。

シナリオ3:戦略人事への活用(ストラテジック・ペインの解決)

工数削減や評価の納得感向上にとどまらず、「評価データを分析し、人材配置や育成に活かしたい」という経営陣の要求に応えるシナリオです。タレントマネジメント機能を含む高機能システムが必要となり、従業員300名規模で月額20万円以上が目安となります。

目的 評価データを分析し、人材配置・育成・離職防止に繋げ、経営陣の要求に応える
想定機能 データ分析、ダッシュボード、スキル管理、配置シミュレーション、後継者育成
費用の目安 初期費用:300,000円~500,000円、月額:約200,000円

導入費用は高額になりますが、「評価のための評価」で終わらせず、データを活用して企業の競争力を高めたい場合に最適な選択肢です。

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人事評価システムの代表例3選

費用相場や価格帯について解説したところで、人事評価システムの代表的な製品を3つ紹介します。

システム名 初期費用 月額費用(300名規模) 主な機能
MINAGINE人事評価システム 100,000円~ 約90,000円 ・評価シートのWeb化
・評価ワークフロー
・甘辛調整機能 など
sai*reco(サイレコ) 100,000円~300,000円 約150,000円 ・人事データベース機能
・評価ワークフロー
・データ蓄積・検索 など
HRBrain(エイチアールブレイン) 300,000円~500,000円 約200,000円~ ・人事評価機能
・データ分析、ダッシュボード
・スキル管理
・1on1支援機能 など
関連記事:人事評価システム比較おすすめ20選|ミツモア

MINAGINE人事評価システム

MINAGAME
出典:「MINAGINE人事評価システム」公式Webサイト

MINAGINE(ミナジン)人事評価システムは、評価業務の「工数削減」(オペレーショナル・ペインの解決)に特化した、シンプルな操作性が特徴のシステムです。評価シートのWeb化や進捗管理など、評価業務の効率化に必要な機能がコンパクトにまとまっています。

費用はID課金制が基本で、「1ユーザー月額300円〜」といった料金体系が特徴です。従業員300名規模で利用する場合、初期費用が20万円〜、月額費用が約9万円(300円/名として試算)が一つの目安となります

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sai*reco(サイレコ)

sai*reco
出典:「sai*reco(サイレコ)」公式Webサイト

「sai*reco(サイレコ)」は、人事データベース機能を中心に、評価制度の運用(一部の戦略ペイン解決)までをカバーするシステムです。工数削減はもちろん、「MBO(目標管理)をきちんと運用したい」「評価の納得感を高めたい」といった、標準的な機能を求める企業(中価格帯)に適しています。

従業員情報を一元管理する「データベース」機能が充実しており、そこに蓄積された情報と「評価」を紐づけられるのが強みです。料金体系はID課金制(1名250円~)ですが、評価機能を含めた標準的なプラン(例:500円/名)で従業員300名規模で利用する場合、初期費用が10万~30万円、月額費用が約15万円が目安となります

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HRBrain(エイチアールブレイン)

HRBrain
出典:「HRBrain 人事評価」公式Webサイト

HRBrain(エイチアールブレイン)は、評価業務の効率化にとどまらず、蓄積したデータを活用して「戦略人事」を実現するためのタレントマネジメントシステムです。経営陣から「評価を人材育成や適正配置に活かせ」と求められている、データ活用を本気で目指す企業に向いています。

評価機能はもちろん、データを分析・可視化し、次の人事施策につなげるための機能が豊富に搭載されているのも特徴のひとつです。料金は機能や利用人数に応じて個別見積もり(要問い合わせ)となりますが、従業員300名規模でこれらの戦略的機能を利用する場合、初期費用が30万円〜50万円、月額費用が20万円〜が目安となります

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人事評価システムの導入前に確認すべきポイント

費用や機能だけで人事評価システムを選ぶと、導入後に「使いにくくて現場に浸透しない」「サポートが不十分で運用が止まってしまった」といった失敗につながる可能性があります。

システムの導入を成功させるためには、契約前に以下の3つのポイントを確認しましょう。

管理職や従業員にとって使いやすいシステムか

人事評価システムは、人事担当者だけでなく、評価を行う管理職や、目標を入力する一般従業員が日常的に使います。たとえ管理機能が充実していても、現場の従業員が使いやすいものでなければ、システムは浸透しません

無料トライアルを行う際、以下のポイントを踏まえて実際に操作してみましょう。

  • 入力画面はマニュアルを見なくても迷わず入力できるか
  • 評価の進捗が分かりやすいか
  • ページの切り替わりや入力の反応が遅くないか

人事担当者だけで判断せず、実際にシステムを使うことになる管理職や従業員の代表者にも試してもらい、フィードバックをもらうことが大切です。

サポート体制は十分か

人事評価システムの導入にあたって、「評価の納得感を高めたい」あるいは「戦略人事を実現したい」といった中〜高価格帯のシステムを選ぶ場合は、導入時の設定支援や運用コンサルティングが充実しているかを確認しましょう

契約前に、以下のようなサポートが費用内で受けられるか確かめることが大切です。

  • 導入時の設定支援(Excelで運用中の評価シートやフローを設定してもらえるか)
  • 運用中のサポート体制(電話やチャット、メールなど)
  • 運用定着の支援(評価制度の見直し相談や、管理職向けの研修など)

初期費用や月額費用、オプション料金の範囲を明確に確認することが、追加費用の発生を防ぐポイントのひとつです。

将来的な拡張性があるか

人事評価システムの導入の目的が「工数削減」であっても、将来的には「評価データを人材配置や育成に活かしたい」という経営ニーズが出てくる可能性があります

自社の将来的なステップアップを見据え、以下のような拡張性があるかを確認しておきましょう。

  • 機能の追加(データ分析やスキル管理、アンケート機能の追加 など)
  • 外部システムとの連携(給与システムや労務管理システムなど)
  • タレントマネジメントが実現できる設計になっているか

スモールスタートする場合でも、自社の将来的な成長や人事戦略の変化に対応できるシステムを選ぶ視点を持つことが、長期的な失敗を防ぐ鍵です。

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