業務遂行能力は社会人に欠かせないものの、つかみどころがない能力と感じている人も多いかもしれません。業務遂行能力の意味や高めるメリットについて解説します。また業務遂行能力と関係の深いスキルやマインド、能力を高める方法も紹介していきます。
業務遂行能力の意味と下位概念
「業務遂行能力」とは具体的にどのような意味を持つ言葉なのでしょうか。業務遂行能力の意味と業務遂行能力が包括する下位概念を紹介します。
業務遂行能力とは業務をやり遂げる力
「業務遂行能力」は与えられた業務を最後までやり遂げる能力を指す言葉です。
社会人として企業に勤めていれば、上長から業務を与えられるケースは少なくありません。このような業務はなぜ、どのように遂行すべきかを理解した上で、定められた期日までに成果を提出する必要があります。
そのようなシチュエーションで、上長の期待通りの成果を提出するために必要となるのが業務遂行能力です。
業務遂行能力の下位概念には、「保有能力」と「発揮能力」の二つがあります。両者が組み合わさったとき、業務遂行能力のパフォーマンスが最大化するとされています。
保有能力
「保有能力」はその人が保有している基礎的な能力全般で、基本的習得能力と精神的習得能力の2種類があります。
基本的習得能力は知識・技能・体力といった、反復的な作業によって身に付く能力です。一方精神的習得能力には、経験によって身に付く判断力・企画力・均衡力・指導力などの能力が該当します。
いずれも業務遂行能力を高めるために意識的なスキルアップが狙える能力といえるでしょう。
発揮能力
「発揮能力」は自身の保有能力を、必要な場面で最大限に発揮する能力を指します。
発揮能力の具体例としては責任感や積極性、チームで業務を行うために必要な協調性などが挙げられるでしょう。
どれだけ保有能力のポテンシャルが高くても、それを引き出す発揮能力が低ければ業務遂行には結び付きません。そのため業務遂行能力を高めるためには、保有能力と発揮能力をバランスよく伸ばしていく必要があります。
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業務遂行能力を高めるメリット
社会人として業務遂行能力を高めると、具体的にどのようなメリットが得られるのでしょうか。業務遂行能力を高める代表的な二つのメリットを紹介します。
生産性が向上する
業務遂行能力は成果の度合いを示す生産性に直結する能力です。
業務遂行能力が高まると、業務をより効率的に実行したり、新たな企画や提案を実現したりできるようになります。他のメンバーとの連携が必要な業務も、建設的な議論を重ねながら円滑に進められるため、チーム全体の生産性が高まるでしょう。
このような理由から業務遂行能力が高い人は、職場でも重宝されるケースが少なくありません。上長からの評価も得やすく、昇給や昇進などにもよい影響をもたらす可能性が高いといえます。
どのような仕事にも活かせる
業務遂行能力は職種や役職、業務内容を問わずどのような仕事にも活かせる汎用性の高い能力です。
一度身に付けてしまえば生涯役に立つため、終身雇用が崩壊した現代においては必要不可欠といえるでしょう。定年後のセカンドキャリアを見据えたり、まったく異なる業界に飛び込んだりする際にも、大きな強みになり人生の選択肢が広がります。
またあらゆる環境に適応できる能力は、自己肯定感や自信を高めるのにも有効です。その意味で人生を豊かにしてくれる能力といえます。
職場の人間関係が円滑になる
業務遂行能力はコミュニケーション能力にも関連しており、上司や同僚、部下との信頼の構築にも役立ちます。
組織にいる限り、ほとんどの仕事は1人では完結しません。社内のメンバーとの連携によって初めて成果に結び付きます。
その過程では自らの業務をこなすだけでなく、困っている人のフォローを行うなど、相互の助け合いが必要なシーンもあるでしょう。
業務遂行能力が身に付いていると、1人で業務を進めるのが困難なときに、気兼ねなく他者に助けを求められるようになります。またメンバーの状況にも注意が向くようになり、適切なフォローができるため、チーム内でも頼られる存在になっていきます。
業務遂行能力にかかわる重要なスキル
業務遂行能力にかかわるスキルには、どのような種類があるのでしょうか。特に重要な三つのスキルを紹介します。
思考して判断する力
さまざまな業務を遂行していく上では、全てをマニュアル通りにこなすのではなく状況に応じて自ら考える力が求められます。
例えば仕事上の課題があったとき、解決につながる答えが事前に用意されているケースはむしろ稀でしょう。そもそも問題自体が可視化されておらず、成果につながらない理由が不明瞭なシーンも少なくありません。
そのような状況でも思考して判断する力があれば、状況を分析して試行錯誤を繰り返しながら自分なりの解決策を探し出せます。
また業務効率化や生産性向上のためには、問題が発生していなくても自ら課題を設定して業務を改善する能力が必要です。
ビジネスマナー
円滑な業務遂行のためには、TPOに合わせた敬語の使い方や清潔感のある身だしなみといったビジネスマナーも重要になります。
特に社外の人とコミュニケーションを取るときには、ビジネスマナーに問題があると会社全体の評価ダウンにもつながりかねません。また上司や先輩との関係においても、ビジネスマナーがしっかりしていないがために軋轢を生んでしまうケースもあるでしょう。
結果として個人でどれだけ成果を上げたとしても、それ以上のマイナスを企業に与えてしまう可能性があります。そのため自らの立ち居振る舞いや身だしなみには、常に気を遣う必要があるのです。
コミュニケーション能力
ほとんどの仕事には、上司やクライアントといった依頼者がいます。依頼者の要望通りに成果を提出するためには、そもそも相手が何を望んでいるのか明確にする必要があるでしょう。
それを可能にするのが相手の言葉の意味を正確に理解したり、相手の立場から物事を考えたりするコミュニケーション能力なのです。
また業務遂行のためには、適切なアウトプットも欠かせません。報告内容や自分の意見を分かりやすく伝える、ロジカルな議論や提案を行うなど考えを言語化する能力が重要になります。
業務遂行能力の高さは働く姿勢にも関連する
業務遂行能力はスキルだけでなく、どのような姿勢で働くかというマインドによっても左右されます。業務遂行能力に関連するのは、具体的にどのようなマインドなのでしょうか。業務遂行能力を高める働く姿勢について解説していきます。
業務や情報への興味と好奇心
業務や幅広い情報に対して興味を抱き、常に知識をアップデートしていく姿勢は業務遂行能力を高めます。特に日々の業務に関しては目的や全体のプロセスを把握しておくと、成果物の品質を飛躍的に高められるでしょう。
また自社で扱っている商品やサービスについての知識量も、仕事の成果を大きく変えるポイントです。他社の商品やサービスと比べて、何が強みなのかを自分なりに調べ考える中で新たなアイデアが生まれる可能性もあります。
チャレンジ精神
経験のない未知の領域や、一筋縄でいかない難しい業務に積極的に取り組むチャレンジ精神も業務遂行のためには重要です。
最初から何もかも完璧にこなせるという人はいません。上手くできないというところからめげずにトライアンドエラーを繰り返して、ようやく一人前の仕事ができるようになるのです。
高いモチベーションを持って挑戦した数だけ、業務遂行能力は身に付いていくでしょう。またチャレンジ精神は周囲にもよい影響を与え、チームの生産性を高めます。
責任感
当然ながら業務は最後まで、取り組まないと遂行できません。どれだけスキルが高くて優秀な人でも途中で業務を投げ出してしまえば、成果につながる仕事はできないのです。
その意味で責任感は業務遂行のための、最も重要なマインドといっても過言ではないでしょう。
責任感がある人は大きなミスをしてしまったときも、誠実に対処して周囲に安心感を与えます。結果として上司や部下、クライアントからも信頼され、より大きなプロジェクトを任されやすくなります。
さまざまな仕事にチャレンジする機会が得られ、さらなる業務遂行能力向上につながるという好循環が発生するかもしれません。
業務遂行力を高める方法
社会人にとって重要なスキルである業務遂行能力は、どのように向上していけばよいのでしょうか。業務遂行能力を高める具体的な三つの方法を紹介していきます。
自分なりの課題を意識する
業務遂行能力はさまざまなスキルや、働く姿勢が複合した能力です。そのためまずは自分にどの能力が足りないのか、どの能力を伸ばす必要があるのか、課題を明確にしましょう。
自己分析が苦手という人であれば、信頼できる同僚や上司に聞いてみるのも一案です。
自分に不足している能力が分かったら、毎日の業務の中でどのように伸ばしていくのかを考えます。課題となる能力を自分なりに定義したり、すでに身に付けている人にアドバイスを聞いたりすると効果的です。
最終的にはプロセスをできるだけ細分化して、1歩ずつ確実に能力を身に付けましょう。
セミナーや研修に参加する
業務遂行能力に関する情報はネットや本などからもインプットできるため、情報収集によりスキルアップを図れます。
より効率的に能力を身に付けるなら、セミナーや研修に参加するのもおすすめです。熟練者が作成したカリキュラムで学べるため、意識すべきポイントをより明確にできます。
最近はオンラインで受講できるセミナーも増えているため、課題としている能力で検索していくつか参加してみるのも一案です。
またビジネスマナーや対人スキルを習得したい場合は、ワークショップなど実践形式で学べるセミナーや研修が向いているでしょう。
振り返りの時間を持つ
課題感を持って業務をこなしたり、情報収集をしたりするだけでは実際にスキルが向上しているのかを実感できません。
毎日10~20分ほど振り返りの時間を設けよかった点や改善点を言語化すると、より効率的なスキルアップにつながります。日々の成長が可視化されるため、モチベーションの維持にも効果を発揮するでしょう。
また第三者の視点からでしか見えてこない発見もあります。可能であれば上司や伸ばしたい能力の保有者から、定期的なフィードバックを受けるのも一つです。
業務遂行能力を高めて生産性を高めよう
業務遂行能力は上司などから与えられた業務を最後までやり遂げるためのスキルで、全ての社会人に共通して必要とされます。
業務遂行能力が高いと業務効率が高まったり、生産性が向上したりといったメリットがあります。また職種や役職に関係なく発揮できるため、長期的にキャリアを考える上でも身に付けておきたい能力といえるでしょう。
さまざまなスキルの複合である業務遂行能力を高めるためには、まず自分に不足している能力の明確化が必要です。その上でスキルアップのプロセスを具体化したり、セミナーや研修に参加したりと能力を高めていきます。
会社から評価される人材になるために、戦略的に業務遂行能力を高めていきましょう。
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