「人事評価を自動化したいけれど、人事評価システムっていったい何だろう？」「導入することによって、どんなメリットがあるのだろう？」とお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
最終更新日: 2024年04月16日
本記事では、人事評価システムの機能や導入メリット、そして注意点を解説します。
人事評価システムとは
人事評価システムとは、従業員の能力や業績を適切に評価するためのシステムです。人事考課や人材育成、従業員のスキルの把握、タレントマネジメントによる人材の適切な配置など従業員のモチベーション向上に活用されています。
人材を確保しづらい昨今、人材雇用だけでなく育成や評価は欠かせません。優秀な人材の不満や退職を防ぐためには公平性や透明性のある評価基準が必要です。
人事評価システムを導入した企業の売上増加率は導入していない企業より高い傾向にあり、人事評価システムが企業の成長に影響しているのです。
なお、人事評価制度についておさらいしたい方は、以下の記事も併せてご覧ください。
人事評価システムのトレンド
柔軟な評価制度の導入
最近では、リモートワークを導入している企業も多く、働き方も多様になっています。
クラウド型の人事評価システムの場合、目標設定から評価査定までを運用することが可能です。また、クラウド型の製品は、同時に複数人が閲覧可能なため、時間や場所を問いません。
そのため、在宅勤務やテレワークなど、多様な働き方を認めている企業であっても効率的かつ効果的な人事評価をすることが可能となります。
AIやデータ分析の活用
プロのAIトレーナがそれぞれの会社のニーズに合わせたデータの収集やデータクレンジング、AI学習まで行います。
これまで、すべて人間の手によって行わなければならなかったことが自動化されることで、高性能かつ効率が良くなります。
また、データ分析の結果が評価の対象となるため、従業員一人一人の適正なスキル評価や、評価後の教育にも生かすことができるため、教育スピードの向上も期待できます。
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人事評価システムでできること（主な機能）
人事評価システムには次のような機能が搭載されています。
| 機能 | 詳細 |
| 従業員データの一元管理 | 従業員のスキルや資格、経験、業績などの情報をデータベース化 |
| 従業員の多角的な評価 | MBOやOKR、360度評価、コンピテンシー評価、バリュー評価、1on1などの評価指標を設定し、各従業員のパフォーマンスを全面的に分析、評価 |
| 目標設定や進捗確認 | 各従業員やチームの目標を設定し、進捗状況をリアルタイムで追跡・確認 |
| 評価基準や評価フローの明確化 | 評価基準と評価フローを明確にし、それらを可視化して共有 |
| 人事評価プロセスの進捗確認 | 評価フォームの提出状況の把握や提出リマインドの実施など、評価プロセスの進捗を管理 |
| 他システムとの連携 | 給与計算システム、勤怠管理システムなどほかの業務システムと連携して、情報を一元管理 |
| 自社専用の評価基準やフォームの作成 | 企業の人事戦略にあわせて、自社専用の評価基準や評価フォームを作成 |
| 人事情報の管理 | 住所や連絡先、保険情報など従業員の個人情報を一元的に管理 |
人事評価システムを導入するメリット
人事評価システムを導入するメリットは以下の3つです。
人事評価に対する公平性の確保
人事評価システムを導入することによって、透明性の高く、公平な評価を実現することができます。人事評価システムでは、社員一人ひとりの達成度や数値から評価が可能となります。
そのため、「評価者によって評価基準や結果が異なる」という不満を解消することができます。評価者の恣意性がない公平な評価は従業員のモチベーションを高め、職場の士気を向上させます。
人事評価業務の効率化
これまで手動で行っていた評価や集計などの作業を自動化することによって、業務にかかる時間と手間を大幅に削減することができます。人事部門が人材の配置や発掘などの重要な戦略的業務に専念できるようになります。
また、時間を削減することにより、社員一人一人に対して丁寧なフィードバックができるようになり、より効果的な人事評価制度を実現できるでしょう。
評価シートの作成や配布、入力、収集を同一システム上で完結することができるため、進捗状況が遅れている人に対して自動的にリマインドすることもできます。
人材の適材適所への配置
人事評価システムでは、個々の従業員の能力やパフォーマンスを一元管理することができます。そのため、先入観を持たず、最適な人事異動や昇進をおこなうことができます。
担当業務と従業員のスキルや性質が合わず、生産性が下がってしまうというリスクを減らすこともできます。また、シミュレーターを通して戦略的な人材配置を検討することが可能です。
個人の能力を最大限に生かすことは、企業の成長力に繋がり、企業の業績向上につながるでしょう。
人事評価システム導入時の注意点
次に、人事評価システムを導入する際の注意点を3つ紹介します。
システムへの理解と浸透に時間がかかる
システムを導入するにあたって、運用する業務や部署の範囲を明確にし、評価制度やこれまでの業務フローを見直す必要があります。
また、従業員がシステムを難なく操作し、安定した運用が浸透するには、長期の計画が必要です。
マニュアルの作成やシステムに関する説明会の実施など、従業員の理解を深めるための場を設ける必要があります。
完全に評価の引き継ぎや移行ができないことがある
設定が柔軟なシステムを選んでいても、既存の評価シートの引き継ぎや業種特有の評価基準を完全に再現するのが困難なこともあります。
システムの機能を見比べ、自社の使っているフォーマットをそのままシステムに移行することができるのかを確認することをおすすめします。
多機能なシステムは運用にかかる費用が高くなる
さまざまな機能を持つ人事評価システムは、機能数に応じて維持費が高くなります。本当にその機能が必要なのかよく検討しないと、運用にかかる費用が想定以上に増大してしまいます。
「システムを導入したけれど、使いこなせない」「コストと機能が見合っていない」ということがないように、無料トライアルなどを活用する事をおすすめします。
無料で使える人事評価システムについて詳しく知りたい方は以下の記事も併せてご覧ください。
人事評価システムの費用相場
人事評価システムの料金は、主に導入費用・運用費用・利用料金の3つに分かれます。さらにシステムを利用する人数(社員数)により、料金が変動することを覚えておきましょう。
| 費用区分 | 費用相場目安 |
| 導入費用 | 0~20万円程度 |
| 運用費用 | 3万~5万円/月程度 |
| 利用料金 | 300~500円/アカウント程度 |
導入費用
導入費用とはいわゆる初期費用のことです。
クラウド型の人事評価システムは競争が激化しているため、導入費用が無料のシステムもあります。
運用費用
運用費用には運営管理費・サーバー代などが含まれます。
導入するシステムの機能によって、料金が大きく異なってくるのが一般的です。また、カスタマイズをする場合においても料金がかかるため、確認する必要があります。
利用料金
社員数が多いほど利用料金も高額になります。
ただしシステムによっては一定人数まで定額にしている場合もあるので、料金プランをよく確認してください。
人事評価システムを導入して人事評価を効率的に行おう
手作業での人事評価は手間も時間もかかってしまいます。人事評価をすることの負担が大きすぎて、丁寧なフィードバックなどが難しい場合、効果的な人事評価が行えているとは言えません。
人事評価システムを導入することで、効率的に人事評価をし、企業の成長にもつなげましょう。
自社に合う人事評価システムについて詳しく知りたい方は以下の記事も併せてご覧ください。
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