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360度評価とは?メリット・デメリットや事例を解説

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最終更新日: 2024年03月13日

360度評価は立場や関係性の異なる人から評価されるため、上司からの評価に比べてより現実に即した公平な評価制度として多くの企業に取り入れられています。

しかし適切に運用されていない企業も少なくありません。本来の目的に沿った適切な運用を行えば、人事評価に留まらない効果を社内にもたらす有効な評価制度です。本記事では、360度評価を「意味のある」評価として実現させるために基本を解説します。

360度評価とは?目的と注目される理由

360評価の画像

360度評価とは、ひとりの従業員に対して複数の関係者が評価する人事評価の手法です。上司や人事担当者はもちろん、同僚や部下、他部署の社員などによって多角的に評価を進めるのが特徴です。

360度評価では、上司から評価を一方的に下される従来の評価方法と異なり、公平で客観的な評価を得られます。そのため評価対象者が納得しやすい評価制度といえるでしょう。

さまざまな関係者が各々の視点から意見する360度評価は、従業員のエンゲージメントやモチベーション向上にも大きくつながります。

「人材レベルの把握」と「風通しのよい職場環境づくり」が目的

株式会社リクルートマネジメントソリューションズが企業に調査した360度評価を導入した目的
出典:株式会社リクルートマネジメントソリューションズ「企業に調査した360度評価を導入した目的」

360度評価を導入する目的や理由は企業によってさまざまですが、その中でも多く挙げられるのが以下の2つです。

  • 他社と比較したときの自社の人材レベルがわからないから
  • 現在の評価(上司評価)があてにならないと感じたから

自社の社員を評価する際、社員に関するデータを持っていない企業はまず情報収集から始めるでしょう。

そこで360度評価は導入や実施方法が容易であり、評価結果は社員育成やマネジメントにも役立つため人材レベルを知るための方法として有効なのです。

また上司からの一方的な評価に不満を持つ部下にとっては、360度評価は上司を評価する機会にもなるので風通しのよい職場環境づくりにもつながります。

「働き方の多様化」と「組織のフラット化」が注目の理由

360度評価が注目される理由には「働き方の多様化」と「組織のフラット化」が関係しています。

働き方改革や新型コロナウイルスによるテレワークの拡大により、企業によって働き方が大きく変化しました。

テレワークが推奨され、直属の上司が部下の勤務態度を常に把握しにくくなったことから、上司のみが評価を行う仕組みが非常に困難になってきたのです。

また組織のフラット化が進み上司と部下の縦のつながりや、同僚・部下・他部門との横のつながりが密になる仕事の進め方が浸透してきています。

そのため共に働く複数の同僚の声を参考にして、より客観的で公平に評価できる360度評価が注目されているのです。

実際に企業の人事担当者600人に対して360度評価の導入率を調査した結果、2020年では全体の31.4%が採用しているというデータが出ています。

従来の評価方法に代わる制度として360度評価は年々需要が高まっており、日本社会に浸透しつつある人事施策なのです。

参考:リクルートマネジメントソリューションズ「360度評価における実態調査レポート」
ソフトウェア比較のイメージイラスト

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360度評価のメリット

360度評価のメリット・デメリット

360度評価によるメリットは以下の4つです。メリットを把握した上で取り組むと、より効果を実感しやすくなります。

  • 客観的に評価できる
  • マネジメント層の育成につながる
  • 当事者意識が高まる
  • 職場の人間関係が把握しやすくなる

客観的に評価できる

評価者が多ければ多いほど、立場が違ければ違うほど、多面的な見方での評価ができるため、従来の評価手法よりも客観的な評価が可能になります。

公正な人事評価のためには客観的な評価が理想ですが、人が人に点数を付ける以上どうしても好き嫌いなどの主観が入りがち。

そのため従来の手法では上司の主観や心証が入りすぎた評価を受け、納得できなかった部下も多かったのではないでしょうか。

一方360度評価であれば、他の社員からの評価によって上司からの主観的な評価の影響力が薄れ、客観的で公正な人事評価に近づけることができます

マネジメント層の育成につながる

普段は評価する側に立つマネジメント層も、部下や他の社員から評価されることで自分のマネジメントに対する社員の声を聞いて改善策を立てることができます。

360度評価は原則匿名で行われるため、部下も上司に対して率直な意見を述べることができるのです。

部下からの意見を通して、マネジメントで重視した方がよいポイントを把握することができます。

部下からの意見が上司に直接届きやすくなる点では、風通しのよい職場環境にもつながるでしょう。

当事者意識を高められる

360度評価では上下関係に関わらず評価権限を持つため、組織の一員として当事者意識を高めることができます。

組織や社員に対してより関心を持つようになり、自分の考えを持つようになるのです。

上司のみが評価する方法では、部下を持たない社員にとって人評価制度は関係のない出来事で捉えられ、興味が薄れていく一方でした。

しかし360度評価では、自分の意見が組織に反映されるため、自己肯定感を満たして帰属意識が自然と高まることが期待できます。

自主的な判断能力を養い、組織への貢献を意識するようになるので人材育成・確保の面でも360度評価が大きく寄与するでしょう。

職場の人間関係が把握しやすくなる

一般的な評価制度では把握できなかった職場の人間関係が、360度評価から見えてくることがあります。

例えば署内に1人だけ正当性の低い評価がつけられていた場合、人間関係がうまくいっていない、もしくはパワハラやいじめなどが起きている可能性があります

このような場合、360度評価は評価制度の改善だけでなく、職場の透明性を高めるためにも有効です。

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360度評価のデメリット

360度評価 デメリット
(画像提供:PIXTA)

360度評価のデメリットは次の4つが挙げられます。デメリットを把握して対策することが重要です。

  • 一貫性のない評価になる恐れ
  • 評価を気にしすぎた指導に陥りやすい
  • 率直すぎる意見につらいと感じる社員がでてくる
  • 社員の負担が増える

一貫性のない評価になる恐れ

評価に不慣れな人が判断したり、評価内容の一貫性の担保が困難だったりする問題によって偏った評価になる可能性があります。

評価者が複数の社員であることは公平性・客観性を保つメリットである一方、評価に慣れていない人も参加しなければならない点はデメリットです。

評価の目的や意図、項目の理解度の低さにより適切な評価ができなくなり、評価結果に偏りが生まれる原因となってしまいます。

さらに評価項目が「○○社員についてどう思うか」などの曖昧なものであれば、評価者は質問の意図を上手く読み取れずバラバラな意見になりやすいでしょう。

偏った評価にならないためにも、全ての評価者が評価の意図を理解できるように明確な評価項目を設定することが重要です。

評価を気にしすぎた指導に陥りやすい

360度評価では部下から上司にも評価を行うため、部下からの評価を気にするあまり厳しく指導したり怒ったりできないこともあります。

必要以上に厳しくすることは良くないですが、部下の成長のために辛口なフィードバックや指導は必要です。

上司が厳しく指導できなければ部下が同じ過ちを起こしてしまい、会社にとってもマイナスとなってしまいます。

部下が上司へ悪い評価を下すときは、指導内容に対して納得がいかなかい場合が多いでしょう。

そのため評価を気にしすぎず部下や会社の成長につながるよう、部下が納得できる方法で適切に指導にあたることが大切なのです。

率直すぎる意見につらいと感じる社員がでてくる

360度評価では上司部下ともに、忌憚のない意見・評価が出てしまう可能性があるため、つらいと感じる社員がでてくることもがあります。

人間関係の良好な部署であればあまり問題はないですが、人間関係があまり良くない部署であれば、評価に慣れるまではぎこちない状態が続いてしまうことも…。

文章で記入する評価項目を設ける場合は、相手への配慮として避けるべき言葉や表現などを事前に伝えるようにしましょう。

社員の負担が増える

360度評価は全社員が対象であるため、必然的に社員の業務内容が増えることを忘れてはいけません。

また人事担当者にとっても管理する評価が増えるため、両者ともに本来取り組むべき業務に支障をきたしてしまう可能性があります。

そのため360度評価を導入する際には、業務の効率化を図れるツールの導入も同時に考えることが重要です。

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360度評価を失敗させないために気を付けるポイント

失敗しない360度評価のポイント

360度評価を失敗させないために気を付けるべきことは以下の4つです。全社員が意識して取り組むことが大切です。

  • 執務態度を中心とし、平均的な評価を行う
  • 前向きな言葉で評価する
  • 導入目的や評価基準を明確にし、全社員に周知する
  • フィードバックを必ず行う

執務態度を中心とし、平均的な評価を行う

処遇に関わるような評価はできるだけ避け、評価相手が日常的にどのようにして業務に取り組んでいるのかといった執務態度を中心に評価することが大切です。

評価項目に「どちらでもない」「わからない」などのあいまいな回答を設けることで、社員に配慮した評価が可能になります。

また関わりの濃い社員と薄い社員では、評価が大きく異なる可能性があるため、評価得点は平均値を採用するようにしましょう。

前向きな言葉で評価する

360度評価で他人を評価するときは、前向きでポジティブな言葉遣いを徹底するようにしましょう。

ネガティブな言葉や悪口で本人は落ち込み、仕事への意欲低下や尊厳の侵害につながる恐れがあります。

あくまでも360度評価は社員を把握するためのものであって、その人に対する自分の意見をぶつける場ではありません。

良かれと思って記載した内容でも文字ベースでは誤解されやすいため、評価をつけるときは前向きな言葉を選択し、語尾をやわらかくするなど文章表現に気を使うとよいでしょう。

今後の改善点を書く場合は、現状の良い点も一緒に記載するようにすることで、具体性のある表現に絞ることで受け手が嫌な印象を受けづらい「優しい指摘」になりますよ。

目的や評価基準を明確にし、全社員に周知する

360度評価を導入するにあたり、目的や評価基準を明確にすることはとても重要です。

360度評価を取り入れる目的が明確にされていなければ、導入のメリットがわからず社員の理解も得づらくなり、評価方法が代わることに混乱してしまいます。

評価の結果次第で昇格や昇給が決まる人事考課を目的にするのか、組織運営における参考程度の情報収集を目的にするのかを明確にしましょう。

さらに全社員に目的を周知したうえで、その目的によって評価項目や運用方法を設定し、適切なやり方で指導していきます。

360度評価は、評価者の協力があってこそ成り立つ制度であることを忘れずに、組織と社員両方から納得を得ることが重要です。

フィードバックを必ず行う

360度評価の実施後は必ずフィードバックを行いましょう。評価者の良い点や改善点を提示することで、今後の成長に向けたアドバイスをします。

フィードバックが無ければ評価の時間は無駄なものになり、社員は何のために評価を行うのかわかりません。

そうなれば自然と関心や興味を失い、人事考課や人材のスキル把握といった360度評価の目的を果たせなくなります。

評価時のコメントと同様に前向きな言葉を選択し、主観によらない客観的事実を伝えることで、社員にとってプラスとなる効果的なフィードバックをすることが大切です。

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360度評価導入の6ステップ

360度評価 導入方法

360度評価を導入する際は、次の6つの手順に従って進めていきます。

  1. 実施目的の明確化
  2. 評価者と被批評家者の選定
  3. 評価項目の設定
  4. 社員への周知
  5. 360度評価の実施
  6. 被評価者へのフィードバック

①実施目的の明確化

実施目的を明確にし、360度評価を導入することで何を解決したいかを明らかにします。

「どうして実施するのか」「実施後どのようになりたいのか」を決めてから施策を打たなければ、意味のないものになってしまいます。

360度評価で納得のいきやすい評価にするのか、評価結果を人事評価にも活用するのか細かく設定することで社員が理解できるようにしましょう。

従業員満足度調査を行い、社員がどんな不満を持っているのかを洗い出したうえで360度評価の目的を決めるのも1つの方法です。

②評価者と被評価者の選定

どの立場の人が評価者となり、誰を評価するのかを決定します。被評価者に対する評価者の人数は2~10人程度を目安にするとよいでしょう。

③評価項目の設定

評価項目を具体的に設定します。全ての評価者が質問の意図を正しく理解し、偏った評価にならないように気を付けましょう。

【評価項目の例】

課題思考力 困難な課題でも新しい情報を取り入れ、自身のアイデアによって打開できる
業務遂行力 業務を行うにあたって必要な知識や技能を有し、責任感を持って取り組める
目標達成志向 困難な状況にも立ち向かう強い意志を持ち、目標達成のために継続して努力できる
判断力 現状を冷静に分析し、責任を持って合理的な意思決定ができる
リーダーシップ 他者との取り組みの中で、積極的かつ前向きな姿勢で複数人を引っ張っていける
コミュニケーション能力 集団での自身の役割を理解し、円滑な業務が進むように貢献している
人材育成 適切な指導・指示を与え、他者の能力や意識の向上を支援している
組織の動機づけ 周囲の士気向上につながるような発言、目標設定、雰囲気づくりを行える
経営理念の理解 組織の繁栄を意識した業務目標を設定し、経営理念に沿った方針を立てられる

また、評価項目を設定する際は「質問数」や「回答時間」の考慮も必要です。全体で30問回答時間は1人当たり15分以内を目安にしましょう。

質問数が多く回答時間が長ければ、集中力や判断能力が低くなり正しい評価を得られないことがあるからです。

④社員への周知

360度評価が意味のある評価になるためには、実施の目的を理解させて社員に当事者意識を持ってもらうことが重要です。

360度評価は全社員が評価者となり被評価者にもなるので、社員それぞれの協力が必要な評価方法。

円滑に評価を行うためにも、360度評価や評価方法に関して理解させることが大切です。

⑤360度評価の実施

360度評価は1人に対して複数人で評価を行うため時間を要します。前もって予定を立て、そのスケジュールに沿って運用していきます。

回答期間は1~2週間程度に設定し、スムーズに回答から結果の回収まで行えるようにしましょう。

⑥被評価者へのフィードバック

評価者による評価が完了したら、最後に被評価者へのフィードバックを必ず行います。

評価結果を基に社員のフォローを行い、今後のアクションや改善策を上司と部下で模索していきましょう。

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360度評価のコメント例文【上司・部下・同僚・NGサンプル】

360度評価のコメント例文

360度評価で評価をする際に「どんなコメントを書けばいいか分からない」という悩みを抱える方も多いでしょう。

次のサンプルを参考にしながら、評価対象者に沿ったコメントを記載してみてください。

部下を評価する場合

【良い評価の例文】

具体的な売上目標を自ら設定し、目標達成のために必要な在庫数や営業時間を明確化していて大変評価できる。イレギュラーな事態にも柔軟に対応でき、結果的に目標を30%超えた売上を記録できているので、今後とも高い目標を掲げて意欲的に仕事に励んでほしい。

【改善点あり例文】

意欲的に取り組んでいる姿はとても印象的で、能力と責任感の高さには評価する。しかし、1人で業務を担当しすぎるあまり、結果として売上目標の達成度が70%に至ったのだと感じる。持ち前のリーダーシップを活かして周囲のメンバーとより協力できれば、売上目標を達成するのは容易だと思う。

上司が部下を評価する際は、部下のスキルや意欲成果を評価対象にします。

もし成果が不十分であっても、スキルや意欲からポジティブな面も考慮することでモチベーションが下がりにくくなるでしょう。

単に改善点を押し付けるのではなく、文章全体が前向きな意見になるよう意識することが大事です。

同僚を評価する場合

【良い評価の例文】

会議・ミーティング中の積極的な提案や率先した行動を見て、自分自身も見習いたいと感じた。同僚として意識せざるを得ないので、仕事のモチベーションにもつながり、負けじと頑張ろうと思わせてくれる。

【改善点ありの例文】

リーダーシップが強く、周囲の士気向上に貢献している部分が非常によいと思う。しかし、引っ張っていこうという気持ちが強すぎるあまり、自分よがりな行動や意見が垣間見える部分もある。行動に移す前は上司や同僚の意見を聞いてくれれば、周りも協力しやすくなると思う。突っ走りすぎないよう冷静な判断を心がけて、周囲と歩幅を合わせるように心がけたらよりよい成果につながると考える。

同僚を評価するときは、嫉妬や好き嫌いなどの個人的感情を押さえるよう意識してください。

同等な立場であり、日常から頻繁に関わるからこそ主観的な意見が入りがち。もらったコメントで同僚が傷ついたり、つらいと感じてしまうと360度評価の意味を見出せません。

評価すべき点はスキルや意欲、成果などさまざまですが、同僚だからこそ気付ける面をアドバイスとして記載するのがよいでしょう。

上司を評価する場合

【良い評価の例文】

良い成果が出なくても、積極的な姿勢を見て意欲面を高く評価してくれるので、根気強く仕事に励める。また、話しやすい雰囲気づくりを作ってくれるおかげで、自分の意見を提案しやすい。意見を出せなくて後悔したことはなく、納得いく状態で業務に取り組めている。

【改善点ありの例文】

分け隔てないコミュニケーションより、円滑な業務を遂行できているが、業務中の無関係な雑談は集中力が削がれてしまう。雑談自体は好きなので、時と場合により配慮してもらえると有り難い。

上司が部下を評価するときは、マネジメント力を評価の中心にします。

マネジメント力は「上司が部下を管理できているか」「働きやすい環境を構築できているか」を測る指標です。

上司の好き嫌いで判断せず、建設的な意見を述べるよう意識するのが大切です。

NGコメントの例

【具体性のないコメントサンプル】

いつも助けてくれて感謝している。コミュニケーション能力が高いので、どんなときも周囲の雰囲気を和ませてくれて楽しく仕事ができている。今後とも、この調子で頑張ってほしいと思う。

【否定的な意見ばかりのNGコメント】

一度指摘した事項を何度も聞き返すので、業務の負担が大きく効率が悪い。仕事中は言われなくてもメモを取り、同じことを何度も聞き直さないでほしい。また、指摘した際は、こちらの発言を理解しているのかどうか、相槌やうなづきなどで意思表示を行うこと。

【好き嫌いの感情が強いコメントサンプル】

周囲はおとなしく待っている中、協調性もなく指示を仰ぎに行くのは嫌だからやめてほしい。ペンやバッグなどの持ち物も、色や模様に趣味が現れすぎているので、見ていて気分を害する。

具体性のないコメントは、評価を受けた側からすれば改善も維持もできないため「○○は良かったが、□□するともっと改善される」など具体的な行動を提示するとよいでしょう。

また、否定的な意見や個人的感情の強い意見は、相手が嫌な気持ちになるだけで改善もできず、評価としても公平性や客観性を失うので注意が必要です。

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360度評価を導入した企業の成功事例【4社紹介】

360度評価を取り入れている企業の事例

360度評価の導入に成功した次の4社の取り組みを参考にして、効果的な人事評価にしましょう。

  • トヨタ自動車株式会社
  • 株式会社ディー・エヌ・エー
  • メルカリ
  • アイリスオーヤマ

トヨタ自動車株式会社

2020年1月、トヨタ自動車株式会社は人事評価の仕組みを改めるために360度評価を採用しました。

3労使交渉の際「管理職の中には、部下の進言を排除したり、仕事の改善案を出さなかったりする者がいる」との指摘を受けたのが、360度評価導入のきっかけです。

評価項目は社員の行動原則が記載された社員手帳を基に決められ「謙虚に学び、進化し続ける」「常にお客様視点で考え、改善し続ける」などが含まれています。

評価の方法は、評価者が記録として残るのを恐れて正直な意見を出せない事態を防ぐためにも、口頭で聴取する方法が採られています。

対象者は国内の社員約8万人にも及ぶ大規模な360度評価です。評価の結果は昇給や昇格に活用することで社員との連携を通じた人事制度を実現させています。

株式会社ディー・エヌ・エー

株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)は人材育成を主な目的にした記名式の360度評価の導入を、自社メディア「フルスイング」内で発表しています。

社員1人ひとりが活躍できる場面を生み出すため、360度評価で得られるフィードバックを活用する狙いがあります。

優秀な人材が埋もれないよう、個人の活躍を評価してのびのびと成長できる環境づくりの一環として導入。

記名式のアンケートで実施することで改善サイクルの活性化を目指し、DeNAのカルチャーである透明性にもつながっているのです。

株式会社メルカリ

株式会社メルカリでは「ピアボーナス」という制度を取り入れることで、360度評価を実施しています。

ピアボーナスは「Peer(仲間)」と「Bonus(報酬)」をかけ合わせた言葉で、仲間である社員同士で感謝や褒めの言葉と一緒に少額のボーナスを送り合う仕組みです。

全社員が対象となって立場に関係なく、日ごろの気遣いや頑張りを認識したら誰にでもボーナスをあげることができます。

ボーナスを貰えたということは、働きぶりを承認してもらえたことでもあるため、社員のモチベーションアップにもつながるのです。

定期的なアンケートではなくリアルタイムで評価が受けられるので、評価された内容をすぐに自覚し継続する姿勢をとれるので個人のパフォーマンス向上も期待できます。

アイリスオーヤマ株式会社

アイリスオーヤマ株式会社では「評価は他人がする」という考え方に基づいて、2003年から360度評価を取り入れています。

1人に対する評価を、上司・同僚・部下それぞれ5人ずつの計15人行っていて、誰からの意見であるかバレずに素直な声を引き出すため、人事も見られないように外部へ委託しているのです。

また「イエローカード制度」と言って、評価結果の点数順に並べた時に下位にいる人に「気付きカード」が渡されます。

例えば、高い実績を出していても気付きカードを貰う場合は、実績だけで周りからの評価はよくないことを表していることになるでしょう。

周りからの気付きを貰うことで、今後の改善点を把握し成果面ではなく人間としての成長も促しているのです。

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効果的な360度評価で納得のいく人事評価にしよう

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さまざまな立場の人から評価される360度評価を成功させるには、評価の目的や評価方法を社員に周知することが最初のステップ。

社員すべてが評価者となる360度評価では、1人ひとりが評価に対する責任を認識しなければ、評価の意味を見出せず無意味な評価になってしまいます。

360度評価実施後のフィードバックもとても重要で、自分が受けた評価を分析して「今後どのようにしていくか」を上司がアドバイスすることで部下の成長にもつながります。

上司以外からの意見で気付くことや、学ぶことが色々あるでしょう。このような360度評価のメリットを十分に享受することで、「意味のある」人事評価が期待できます。

以下の記事では、360度評価を効率的に進められる360度評価システムを紹介しています。ぜひ、あわせて参考にしてください。

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