取引先からの注文が電話とFAXとメールにばらけて届き、受注担当が届いた順にExcelへ転記していく。単価を確認して納期を返信するころには、次の注文が届いている。この状態を変えたい、けれど、いきなり月数万円のシステムに稟議は通せない。だから「無料」で探し始める。
受発注システムには、期間限定の無料トライアルとは別に、0円のまま本番運用できる無料プランを持つ製品があります。選定の分かれ目になるのは機能の多さではありません。その無料プランがどの数字で止まるかです。月間の受注件数、使える人数、発行できる帳票の枚数。この3か所のどこかに、必ず上限が置かれています。
その上限が実際に何件・何人・何枚で来るのかを、10製品分並べました。そのうえで、注文の受け口を変えたいのか、請求の締めまで寄せたいのか、自社が出す発注を軽くしたいのか。課題ごとに選ぶべき製品を紹介します。

受発注管理システム選びなら、ぜひミツモアをご利用ください。従業員数や欲しい機能などの各項目を画面上で選択するだけで、ぴったりの受発注管理システムを最短1分で自動診断。理想の受発注管理システムが見つかります。
無料で使える受発注システムおすすめ3選
数ある受発注システムのなかで、まず検討したい製品は以下の3つです。いずれも期間限定のトライアルではなく、0円のまま業務を回せる無料プランを持っています。各製品の詳細は後段の「無料で使える受発注システムおすすめ10選」で解説します。
COREC

注文の受け口をWebフォームにまとめたいなら最初の候補になります。無料プランでも受注回数に上限がなく、注文が増えても件数で止まりません。受注側と発注側の双方に0円プランがあるのが決定打です。
フリーウェイ販売管理
受注のあとの請求・売上まで、無料のまま締めたい場合に向きます。今回の10製品で無料プランが3人まで使えるのはこの製品だけで、担当を分けている現場でも0円を維持できます。
CO-NECT
自社が出す発注を効率化したい側の本命です。発注側は月額0円でメール・フォーム発注が無制限に使えて、発注先がCO-NECTを導入していなくても送れます。
無料で使える受発注システム10製品の比較表
10製品のうち、0円のまま使い続けられる無料プランを持つのは7製品です。残る3製品は期間限定の無料トライアルのみで、期間が終われば有料プランへの切り替えが必要です。
| 製品名 | 得意領域 | 無料で回せる範囲 | 無料プランの主な上限 | 有料プラン月額 |
|---|---|---|---|---|
| COREC | 注文の受け口のWeb化 | 受注・発注とも0円で本番運用 | 担当者1名、注文フォーム4件、出荷伝票・請求書20件/月 | 受注2,980円/発注1,480円 |
| フリーウェイ販売管理 | 受注から請求・売上まで | 3人まで0円 | 累計1,000伝票、仕入・在庫機能なし | 2,980円 |
| CO-NECT | 自社が出す発注 | 発注側は0円でメール・フォーム発注が無制限 | FAX発注は不可、電子帳簿保存法の長期保存は有料 | 発注3,000円/受注は要問い合わせ |
| Zoho Inventory | 在庫と連動した受注 | 在庫・出荷まで0円 | 1ユーザー、月50注文、1倉庫 | 4,600円〜 |
| GoQSystem | ECモール受注の一元管理 | 月100件まで0円 | 月100件かつ受注金額50万円、自動処理5件 | 15,000円〜 |
| TANOMU | 卸と飲食店のLINE発注 | 発注する飲食店側は無料 | 受注する卸側は有料 | 要問い合わせ |
| PlaceOrders | 飲食店の食材発注 | 0円で発注 | FAX送信30回/月、発注会社3社/月 | 980円〜 |
| スプレッドオフィス | 見積から発注・請求までの帳票 | 無料プランなし、最大60日間無料 | 期間終了後は課金 | 990円〜 |
| ネクストエンジン | EC受注と在庫の一元管理 | 無料プランなし、30日間無料 | 期間終了後は課金 | 3,000円〜 |
| 楽楽販売 | 販売管理の作り込み | 無料プランなし、無料トライアルあり | 期間終了後は課金 | 70,000円〜、初期200,000円 |
料金はいずれも税抜の公表値で、構成により変動します。導入前に最新の見積もりをご確認ください。
無料プランで足りるかを見極める3つのライン

無料プランは機能で差がつくのではなく、上限で差がつきます。自社の先月の実績を3か所だけ数えれば、0円のまま回せるかはその場で判定できます。
月間の受注件数が100件を超えるか
無料プランで最初に頭を打つのがここです。件数上限は製品ごとに大きく違い、Zoho Inventoryは月50注文、GoQSystemは月100件かつ受注金額50万円で止まります。上限を超えた瞬間に処理が止まるため、繁忙期の山を基準に見るのが安全です。
先月の受注件数を数えて、月100件を超えているなら件数上限のないCORECを選んでください。100件以内に収まるなら、件数以外の条件で選んで問題ありません。
受注業務を2人以上で分担するか
見落とされやすいのが人数の上限です。無料プランの多くは1アカウントのみで、COREC・Zoho Inventoryも複数担当者での利用は有料プランの機能になります。「自分は無料で使えたが部下のIDが作れない」と分かって振り出しに戻るのは、この確認を飛ばしたときです。
受注を1人で抱えているなら選択肢は広がります。2人以上で分担しているなら、無料で3人まで使えるフリーウェイ販売管理が実質的な一択になります。
請求書や出荷伝票を月20件以上発行するか
受注をWeb化しても、帳票の発行枚数で無料の枠を使い切ることがあります。CORECの無料プランは出荷伝票と請求書が月20件まで、Zoho Inventoryは請求書50件までです。受注件数に上限がなくても帳票側で詰まる、というねじれが起きます。
月20件を超えるなら、受注のWeb化と帳票発行を1つの無料プランで完結させるのは難しくなります。帳票は今使っている請求書ソフトや会計ソフトに残し、受発注システムは注文の受け口に絞る。これが無料の枠内で最も無理のない分け方です。入口だけを無料で取る形でも、転記が消えるという効果は十分に出ます。
無料の受発注システム選びにおける3つのタイプ

無料プランで受発注システムを探している企業は、解きたい課題で大きく3つに分かれます。最も多いのは取引先からの注文の受け口を整理したいAタイプ、次いで受注後の請求まで締めたいBタイプ、そして自社が出す発注を軽くしたいCタイプです。自社がどれに当たるかで、選ぶべき製品は変わります。
Aタイプ|取引先からの注文の受け口をWebに一本化したい
電話・FAX・メール・LINEに注文が散らばり、転記と聞き間違いが減らない状態です。このタイプに効くのは、取引先ごとに発行できる注文フォームを持ち、届いた注文が一覧で並ぶ製品になります。取引先には従来どおりの手段を残しつつ、社内に入ってくる時点で1つの画面にまとめられるのが強みです。
無料のまま、注文フォームの発行、受注一覧での管理、注文内容のCSV出力までできます。転記作業そのものが消えるため、効果は導入初月から数字に出ます。
無料プランでも受注回数に上限がなく、注文が増えるほど効果が伸びる唯一の選択肢です。
Bタイプ|受注のあと請求・売上まで社内数人で締めたい
受注は何とか回っているものの、そこから請求書を起こして入金を消し込むまでが二重入力になっている状態です。効くのは受注データがそのまま売上と請求に流れる販売管理型で、受注一覧と請求書の元データが同じであることが条件になります。
無料のまま、売上伝票の登録、請求書の発行、入金の消し込みまで到達できます。月末に集計し直す作業がなくなり、締めの日数が縮みます。
無料で3人まで使えるため、受注担当と経理が同じデータを見ながら締められます。
Cタイプ|自社が出す発注を効率化したい
こちらは注文を受ける側ではなく出す側です。担当者が発注書をExcelで作り直し、FAXで流し、送信できたかを電話で確認している。この往復に時間を取られています。効くのは過去の発注履歴から再発注でき、送信手段を発注先ごとに自動で切り替えられる製品です。
無料のまま、商品マスタの登録、スマホからの発注、発注履歴の再利用までできます。発注先に新しいシステムを導入してもらう必要がないため、相手の合意を待たずに今日から始められます。
発注側は月額0円でメール・フォーム発注が無制限、発注先が未導入でも送れます。
無料で使える受発注システムおすすめ10選
課題タイプごとに、強い製品をまとめました。各グループの先頭が本命です。
注文の受け口をWeb化するのに強いタイプ
取引先からの注文を1つの画面に集約したいAタイプ向けの製品群です。
COREC

株式会社ラクーンコマースが提供する受発注システムで、無料プランのまま受注回数に上限がないのが最大の特長です。取引先ごとに注文フォームを発行して、届いた注文を一覧で管理し、CSVで書き出すところまで0円で完結します。
注文フォームは無料枠で4件、出荷伝票と請求書は月20件までとなるため、取引先が5社を超えるあたりが有料への分岐点になります。
TANOMU
インフォマートが提供する、卸と飲食店をLINEでつなぐ受発注サービスです。発注する飲食店側は登録から注文まで無料で、受注する卸側が費用を負担する構造になっています。取引先がLINEを日常的に使っている商流では、新しいアプリを覚えてもらう説得が不要になる点が他社との違いです。
受注から請求・売上までを締めるのに強いタイプ
受注の先にある帳票と締め作業まで無料で寄せたいBタイプ向けです。
フリーウェイ販売管理
売上・請求・入金までを扱う販売管理システムで、無料プランが3人まで使えます。受注担当と経理が同じデータを見ながら締められるのは、今回の10製品でこの製品だけです。ただし無料版は仕入・購買・在庫の機能を持たず、伝票は累計1,000枚までのため、在庫を抱える事業では有料版か別製品との併用を前提に考えてください。
スプレッドオフィス
見積書から発注書、請求書までの帳票を1本の流れでつなぐクラウドサービスです。無料プランは持たず、翌月末まで最大60日間の無料期間で試す形になります。有料化後もライトプランが月990円と負担が軽く、帳票の作り直しをなくしたい小規模事業と相性がいい設計です。
楽楽販売

ラクスが提供する販売管理システムで、自社の業務フローに合わせて画面や項目を作り込めるのが持ち味です。無料プランはなく、初期費用200,000円、月額70,000円からと今回の10製品で最も高い価格帯に位置します。無料で始めたい段階の選択肢ではありませんが、無料プランを卒業したあとの移行先候補として有力な製品です。
自社の発注を効率化するのに強いタイプ
注文を出す側の手間を削りたいCタイプ向けです。
CO-NECT
発注側が月額0円で使え、メール・フォーム発注に件数の上限がありません。発注先がCO-NECTを導入していなくても、システム側でFAXやメールに変換して送るため、取引先へ導入をお願いする手間が消えます。
無料プランではFAX発注そのものが使えず、電子帳簿保存法に沿った7年以上の保存も月額3,000円のビジネスプランからとなります。
PlaceOrders
飲食店ドットコムが運営する、飲食店向けの食材発注サービスです。無料プランでFAX送信が月30回、発注会社は月3社まで使え、データ発注は無制限となっています。初回利用時は1か月間ライトプラン相当を試せるため、繁忙期をまたいで実際の発注量で検証できるのが利点です。
在庫やECモールの受注と連動させるのに強いタイプ
受注の前後にある在庫やモール管理まで含めたい場合の製品群です。
Zoho Inventory
在庫管理を軸に、受注から出荷までを扱うサービスです。無料プランでも在庫の引き当てと出荷処理まで到達できるため、欠品と出荷ミスを同時に潰したい事業に向きます。上限は1ユーザー・月50注文・1倉庫と厳しく、月50件を超える受注量では早い段階で有料プランの検討が必要になります。
GoQSystem
楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピングなど30以上のモールとカートに対応する受注管理システムです。フリープランは月100件かつ受注金額50万円まで、自動処理の設定は5件までとなっており、立ち上げ期のショップが無料で一元管理を体験できる設計になっています。BtoBの卸取引よりも、モール運営の受注を束ねる用途で力を発揮します。
ネクストエンジン
EC受注と在庫の一元管理で広く使われているサービスで、無料プランはなく30日間の無料トライアルで試す形です。基本料金は月3,000円で受注200件まで含まれ、201件以降は1件あたり35円からの従量課金となります。
無料で始めることはできませんが、受注量が読めない立ち上げ期でも費用が業務量に連動するため、固定費を抑えたい場合の現実的な選択肢になります。
無料のまま運用を軌道に乗せる4つのポイント
無料で始めた受発注システムが定着せず、元のやり方に戻ってしまう。この原因は機能不足ではなく段取りにあります。始める前に4か所だけ手を打ってください。
取引先へ「発注方法が変わる」と先に伝える
社内で導入を決めた翌日にフォームのURLだけ送り、取引先が従来どおりのやり方で送り続ける。結果として二重管理になり、1か月で運用が崩れる。これが最も多いつまずきです。
切り替えの2週間前に、新しい発注方法・開始日・当面は今までの方法も受け付ける旨を1枚の案内にまとめて送ってください。そのうえで取引量の多い上位3社にだけ電話で一声かけると、全体の移行率が大きく変わります。主要な取引先が先に移れば、残りは自然に追随します。
データの保存期間を先に確認しておく
無料プランはデータの保持期間が短く設定されていることがあり、去年の同じ月の受注を見返そうとして残っていなかった、という事態が起こります。
契約前に保持期間を確認して、月次でCSVを書き出す運用を最初から組み込んでください。書き出し先を共有フォルダに固定しておけば、有料プランへ移るときも過去データをそのまま引き継げます。
電子帳簿保存法の要件を無料プランで満たせるか確かめる
注文書や請求書を電子でやり取りする以上、電子取引データの保存要件は無料プランでも同じようにかかります。CO-NECTのように7年以上の長期保存が有料プランの機能になっている製品もあり、無料のまま使い続けると保存要件を満たせない可能性があります。
自社が電子でやり取りする帳票を洗い出し、その保存を無料プラン内で完結できるかを導入前に確認してください。難しければ、保存だけを別の文書管理の仕組みに寄せる形でも要件は満たせます。
有料へ切り替える条件を決めてから始める
無料の上限に達してから慌てて稟議を書き、その間だけExcelに戻る。ここで運用が止まります。
「受注が月100件を超えたら」「担当が2人になったら」有料へ切り替える、と条件と金額を先に決めて上長へ共有しておいてください。上限に達した時点で追加の判断が要らなくなり、業務を止めずに移行できます。無料期間そのものが、有料化の稟議に使える実績データになります。
まとめ
無料の受発注システム選びは、次の3点に集約されます。
- 無料プランと無料トライアルは別物で、0円のまま本番運用できる製品は限られる
- 判断に必要なのは、月間受注件数・使う人数・帳票の発行枚数の3つの数字だけ
- 注文の受け口を整えたいならCOREC、請求まで数人で締めたいならフリーウェイ販売管理、自社の発注を軽くしたいならCO-NECTが特におすすめ
来月の朝、出社してフォームを開けば、昨日届いた注文が単価も納期も入った状態で一覧に並んでいる。転記する紙はなく、確認の電話もかかってこない。そこから出荷指示に進むまでが数分で終わる。無料プランでも、ここまでは十分に届きます。
予算がつかないから動けない、と考える必要はありません。0円で始められる以上、通すべき稟議は今のところ存在しないからです。
まず今日、先月の受注件数と発行した請求書の枚数を数えてください。この2つの数字さえ分かれば、どの製品を無料のまま使えるかは今日のうちに決まります。数字を持って選び始めた時点で、いちばん重い工程はもう終わっています。
よくある質問
無料プランと無料トライアルはどう違いますか
無料プランは機能や件数に上限を設けたうえで、期限なく0円で使い続けられる形式です。無料トライアルは全機能を一定期間だけ試せる形式で、期間が終われば有料になります。本記事の比較表では、CORECやフリーウェイ販売管理などが前者、スプレッドオフィスやネクストエンジンが後者にあたります。
受発注システムのフリーソフトやオープンソースは使えますか
使えますが、業務での常用はおすすめしません。取引先の情報や単価という機密性の高いデータを扱うにもかかわらず、障害時の復旧やセキュリティ更新をすべて自社で負う必要があるためです。無料プランを持つクラウドサービスであれば同じ0円で運用と保守を任せられます。
すでに受発注システムを導入していますが、無料プランに乗り換えられますか
可能ですが、判断材料は費用だけにしないでください。現在使っている機能のうち、無料プランで使えなくなるものを先に洗い出す必要があります。特に複数担当者での利用と外部サービス連携は有料プランの機能とされていることが多く、乗り換えたあとに運用が回らなくなる典型例です。
ECモールの注文も無料でまとめられますか
GoQSystemのフリープランであれば、月100件かつ受注金額50万円までを無料で一元管理できます。それ以上の規模では有料プランか、ネクストエンジンのような従量課金型が選択肢になります。BtoBの卸取引とモール受注では必要な機能が異なるため、主戦場がどちらかで製品を分けて考えてください。
無料プランでも電子帳簿保存法に対応できますか
製品によります。CO-NECTのように7年以上の保存が有料プランの機能となっているケースがあり、無料プランのままでは電子取引データの保存要件を満たせないことがあります。自社が電子でやり取りする帳票を洗い出したうえで、保存要件を無料の範囲で満たせるかを事前に確認してください。
発注側と受注側で料金は違いますか
多くの製品で異なります。受発注システムは受注側が費用を負担し、発注側は無料という構造が一般的で、CO-NECTの発注側やTANOMUの飲食店側がその例です。自社がどちらの立場で使うかによって、0円で使える範囲は大きく変わります。
ぴったりの受発注システム選びはミツモアで

ミツモアなら、最短1分の無料診断で自社に合う受発注システムを絞り込めます。診断結果には料金プランも提示されるため、無料プランで足りるのか、有料に切り替えるといくらかかるのかを同じ画面で比べられます。
紹介されるのは最大5製品なので、10製品を横並びで検討し直す手間もかかりません。
先ほど数えた先月の受注件数と発行した請求書の枚数を、そのまま診断に入力してください。数字を入れた瞬間から、比べる作業はゴールに近づきます。









