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リードナーチャリングとは?効果的な方法を解説【成功事例あり】

最終更新日: 2024年08月27日

「営業成績が思うように上がらない」「顧客に適切なアプローチができていないのではないか」

そんな悩みは、現在注目を集めているリードナーチャリングが解決してくれます。リードナーチャリングの内容や方法・効果を知ると

「リードナーチャリングとは何なのか?」「なぜマーケティングや営業で、リードナーチャリングが有効なのか?」

がわかります。

リードナーチャリングとは?

リードナーチャリングとは?
リードナーチャリングとは?

マーケティングには3つのフェーズがあり、その中の一つがリードナーチャリングです。まず最初にリードナーチャリングの概要を把握しておきましょう。

リードナーチャリングの他のフェーズである、リードジェネレーション・リードクオリフィケーションと合わせて、簡単に解説します。

リードの3つのフェーズ
3つのフェーズ

リードナーチャリング

リードナーチャリングとは、リードジェネレーションで獲得した見込み客(=リード)の購買意欲を高め、顧客になるように育成することを指します。マーケティングの第2フェーズに当たるのがリードナーチャリングです。

ここではリードの状態に合わせて、適切なタイミングで的確なアプローチを行い、リードとの関係性を作っていくことが重要となります。

 リードジェネレーション

リードジェネレーションとは、将来顧客になる可能性のある人、すなわち見込み客(=リード)を獲得することを指します。マーケティングの第1フェーズに当たるリードジェネレーションでは、2種類のアプローチ方法を用いて、リードの獲得を行います。

1つはWebサイトを通して行われるオンラインのアプローチ、もう1つは展示会やセミナーをはじめとするオフラインのアプローチです。

リードジェネレーションで獲得されたリードには、顧客になる可能性の高い人も低い人も両方含まれています。そのため、次のフェーズであるリードナーチャリングでは、リードジェネレーションで集まったリードに対して、顧客になる可能性を高める活動を展開していきます。

 リードクオリフィケーション

リードクオリフィケーションは、マーケティングの第3フェーズに当たり、リードナーチャリングで意欲の高まった見込み客(=リード)の中から、受注確率の高いリードに絞り込むことを指します。

この後、リードクオリフィケーションで絞り込まれたリードに対して、直接的な営業活動が行われるのです。選別の基準は企業によってさまざまで、興味関心の高さや役職・予算・リードの持つ課題など、あらゆるデータから総合的に判断します。

リードクオリフィケーションで営業活動を行うリードを選別することにより、リードに応じた適切な営業活動を効率的に行えるのです。

リードナーチャリングのメリット・デメリット

リードナーチャリングのメリット・デメリット
リードナーチャリングのメリット・デメリット

リードナーチャリングは、リードを獲得してから営業部門へリードを引き渡すまでの過程で、もっとも重要な役割を果たします。しかしリードナーチャリングのメリットとデメリットを把握しておかないと、せっかくの効果を十分に活かせません。

ここではリードナーチャリングの主なメリット・デメリットを解説します。

メリット デメリット
依頼者との信頼関係を築ける リードの情報を一元管理しないといけない
適切なタイミングでリードにアプローチできる リードの情報を一元管理しないといけない
確度の高いリードに営業をかけられる

メリット(1) 依頼者との信頼関係を築ける

現在のリードの購買プロセスでは、製品やサービスを認知してから検討・購入するまでに、長い期間がかかります。そのため、購入を決めるまでの間に、リードの製品やサービスへの関心が薄れたり、比較検討の段階で他社製品・サービスへ流れてしまったりすることもあるのです。

自社製品・サービスにリードをつなぎとめるためにも、企業は長期間、継続的にリードにアプローチしたりフォローしたりする必要があります。リードナーチャリングを行うことで、リードとの接点を長期的に作り出し、その間にリードとの関係性を深めて、信頼関係を築けるのです。

メリット(2) 適切なタイミングでリードにアプローチできる

リードの購買意欲を高めるには、リードの状態・心情など変化に合わせて、リードの欲しい情報を提供したり興味をそそるメッセージを送ったりする必要があります。

必要としないタイミングで情報を受け取ったり、不必要な営業を受けたりすると、製品やサービスに対するリードのモチベーションは下がってしまう可能性が高いからです。

そこでリードナーチャリングでは、リードの状態・心情の変化などを可視化できるツールを使い、適切なタイミングで効果的なアプローチを行います。リードが欲しいタイミングで欲しい情報を得られるようにすることで、購買意欲が高まるように導くのです。

メリット(3) 確度の高いリードに営業をかけられる

リードナーチャリングを行うことで、受注確率の高いリードから優先的に営業活動できるようになります。リードナーチャリングを行う場合、購入意欲が高く、受注確率の高いリードだけを営業部門へ引き継ぎます。

まだ購入意欲の低いリードであっても、リードナーチャリングを行う過程で購入意欲を高め、受注確率が高まったタイミングで営業をかけられるようにするのです。

デメリット(1) リードの情報を一元管理しないといけない

リードナーチャリングでは中長期間に渡り、リードへさまざまな施策を施します。リードを放置したりタイミングを逃したりすることなく、適切にアプローチをするためには、リードに施した施策やリードの反応・行動など、リードのあらゆる情報をまとめて、一元管理することが必要です。

またリードは絶え間なく集められるため、施策を施すリードの数もどんどん増えていきます。こうして増えていく膨大なリードの情報を適切に管理するため、MA(Marketing Automation)ツールが使われています。

 デメリット(2) それだけでは購買に結びつかない

リードナーチャリングを行うのはマーケティング部門で、実際にリードと対面して商談するのは営業部門です。リードナーチャリングでいくらリードの購入意欲を高めても、その後の商談につながらなければ、製品やサービスの購入には至りません。

そのため、購入意欲の高まったリードの情報や営業タイミングを、マーケティング部門から営業部門へ適切に引き継ぐことが大切になってきます。適切なタイミングで営業活動に移れるよう、マーケティング部門と営業部門との連携はとても重要なのです。

なぜリードナーチャリングが注目されているのか

なぜリードナーチャリングが注目されているのか
なぜリードナーチャリングが注目されているのか

現在のマーケティングの世界では、リードナーチャリングが注目されています。それは、リードの購買プロセスが従来のものから変化したり、リードの獲得方法が以前より多様化したりしており、それに効果的に対応できるのがリードナーチャリングだからです。

何がどのように変わったのかを知ると、リードナーチャリングの果たす役割がわかります。

購買プロセスの長期化

リードの購買プロセスが従来型(AIDMA:アイドマ)から現在のもの(AISCEAS:アイシーズまたはアイセアス)に変わったことにより、製品に興味を持ってから購入するまでのプロセスが長くなりました。

AIDMAとAISCEAS
AIDMAとAISCEAS

インターネットで製品を検索したり、価格比較サイトや口コミサイト・SNSなどで同じような製品も含めて情報収集したりして、購入するまでに時間をかけるようになったのです。

一般的にBtoBでは、BtoCよりも意思決定プロセスが複雑になります。BtoBの場合、製品に興味を持ってから購入を決めるまでの間に、複数の部署・担当者が関わったり会議を行ったりするなど、複雑な承認フローが加わります。すると、BtoCよりも購入までの時間はさらに長くなるため、その間にリードのニーズが変わる可能性がでてくるのです。

リードナーチャリングは、購入に至るまでの長い時間にも、適切なタイミングでリードのニーズに合ったコンテンツを提供し、アプローチし続けることができるため、購入可能性を高められるのです。

リードが手にできる情報量の多さ

購買プロセスは、インターネットの普及に伴って変化しました。従来型の購買プロセスであるAIDMAでは紙面やメディアからの情報収集が主でしたが、現在のAISCEASでは、さらにインターネットでの情報収集が加わりました。

WebサイトやSNSで情報収集したり資料をダウンロードしたりできるため、リードが自発的に入手できる情報は膨大な量となります。

このような状況では、リードが欲しい情報・リードにとって有益な情報をタイミングよく提供することが重要です。リードナーチャリングは、リードのニーズに合った情報を、適切なタイミングで提供することを可能にします。

リードの獲得方法の多様化

リードを獲得する方法は、展示会やイベントのような従来からある方法だけではありません。SNSやWebサイトを使った情報発信やWebサイトからの資料ダウンロード、比較サイトなど、現在ではリードの獲得方法もインターネットを使った方法など多様化しています。

リードの獲得方法が多様化するにつれ、確度の低いリードの数も増えてきています。そのような見込み度の低いリードに商品を購入してもらうためにも、リードナーチャリングは重要となってくるのです。

リードナーチャリングの方法

リードナーチャリングの方法
リードナーチャリングの方法

リードナーチャリングでは、ターゲットとなるリード像の設定だけではなく、製品やサービスを認知してから購買までの道すじを、あらかじめ一つのストーリーとして描いておくことが大切です。

そしてさまざま方法を使い、リードがストーリーをなぞるように誘導していくのです。どのような方法が使われるのか、具体的な手法とともに解説します。

インサイドセールス

【特徴】

  • リードと継続的にコミュニケーションを取り、信頼関係の構築・強化・維持を行う
  • 確度の高いリードを営業対応に受け渡す
  • 育成段階または営業対応保留のリードへのフォローを行う
【具体的な手法】

  • メール
  • 電話

リードのもとへ直接出向いて行う、従来型の対面営業に対して、リードに直接合うことなく行う非対面型の営業がインサイドセールスです。

インサイドセールスではリードナーチャリングで行うリード育成だけでなく、受注確度の高いリードの営業引き継ぎまで行います。

メール

【特徴】

  • BtoCでもBtoBでも、さまざま業種・業態で使える
  • 導入のハードルが比較的低い
  • 開封率やクリック率など、効果の測定がしやすい
  • 幅広い層のリードにアプローチできる
  • 継続することで、リードとの関係を維持できる
【具体的な手法】

  • ステップメール(リードの行動に合わせて、繋げると1つのシナリオになるメールを段階的に送信する)
  • メールマガジン(定期的に情報を送信する)
  • セグメントメール(特定の行動を取った人・属性に絞ってメールを送信する)
  • DM

内容はもちろんですが、件名や配信時間・配信頻度などを工夫して、メールの開封率を上げることが重要です。

SNS

【特徴】

  • 企業や製品・サービスの認知度を高めたり、ロイヤリティを向上させたりするのに役立つ
  • 個人情報の入力する必要がないためハードルが低く、リードと繋がりやすい
  • 他のユーザーへの拡散力がある
  • 導入のハードルが低い
【具体的な手法】

  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • Pinterest
  • LINE
  • LinkedIn
  • Facebook
  • YouTube

SNSを利用してリードに対してアプローチする方法です。現代の情報発信手段として、リードナーチャリングでも有効性の高い方法です。

Webコンテンツ

【特徴】

  • 文章や動画などで、さまざまな情報を発信できる
  • 認知度を高めたり、ロイヤリティを向上させたりするのに役立つ
  • SEOやWebマーケティングの知識が必要
  • 効果が現れるまで時間がかかる
【具体的な手法】

  • オウンドメディア
  • Webサイト

リードナーチャリングの方法としてだけではなく、企業資産としてさまざまな活用が可能です。軌道に乗ると、リードの育成だけではなく、リードの獲得も期待できます。

広告

【特徴】

  • 目にする機会を増やすことで、リードの記憶に残りやすい
  • 繰り返しアプローチができる
【具体的な手法】

  • リターゲティング広告(自社Webサイトの訪問歴のあるリードにだけ表示する)
  • バナー広告
  • 動画広告

リードに対して何度もアプローチできる方法です。何度も広告を目にすることで記憶に残り、興味を抱かせるのに役立ちます。

イベント

【特徴】

  • リードの反応や意見を直接拾える
  • 直接話すことでリードの購入意欲を高められる一方、内容によってはリードの離脱に繋がる恐れもある
  • 人手や時間がかかるなど、導入ハードルは高いが、興味関心がそれなりに高いリードが集まりやすい
【具体的な手法】

  • 会場で行うセミナー
  • Webで行うセミナー(リアルタイム・録画)
  • 展示会

Web上の行う施策とは異なり、直接リードと対面して行うリードナーチャリングの方法です。リードからの細かな反応を、ダイレクトに感じ取れます。

webトラッキング

【特徴】

  • Webサイトへのアクセス回数や閲覧時間など、リードの行動履歴に基づいた施策(広告表示・コンテンツ提示など)を自動で行う
  • Webサイトの解析やWeb広告の効果測定などに活用できる

Webトラッキングとは、ブラウザのCookieを使い、Webサイトを訪問したユーザーの情報や行動を記録・追跡する技術です。リードの行動履歴から受注確度を数値化し、一定数値を超えると営業活動を行うというように、リードナーチャリングでも活用されます。

リードナーチャリングをするうえで必要なポイント

リードナーチャリングをするうえで必要なポイント
リードナーチャリングをするうえで必要なポイント

リードのストーリーを設定したり、上記のような方法を使ったりしながらリードナーチャリングを行うと、かならず成果が得られるというわけではありません。

いくつかのポイントを抑えておかないと、うまく成果が出なかったり、成果が出にくくなったりしてしまいます。リードが離脱せず、受注率を高めるためにも、ここでのポイントには注意しましょう。

カスタマージャーニーを意識しよう

リードナーチャリングで購買意欲を高めるには、リードのニーズを理解し、リードの心情変化に合う適切なシナリオを組み立てる必要があります。

リードの意識やモチベーション・不安などの変化をストーリー化・視覚化することにより、複数部署でも認識を共有した状態で、リードに適切なアプローチができるのです。

リードのセグメントを行おう

ツールを使ってリードの興味関心の高さや購入意欲・行動などを数値化することで、リードの分類分けが可能になります。リードを分類分けすることは、リードナーチャリングを適切に行うために大切です。

例えばすぐに直接的な営業アプローチをするべきリードと、購入意欲を育成するべきリードとでは、アプローチの仕方が異なります。

コンテンツを洗練させよう

リードナーチャリングでは、Webサイトやパンフレット・セミナーなど、さまざまなコンテンツをリードに提供します。リードの購入意欲を高めるために、コンテンツはとても重要です。

そのため、リードの購入意欲が高まるようなコンテンツ、すなわちリードの心情変化やニーズに合う、魅力的なコンテンツの提供が大切になります。

MAツールを利用しよう

効率的なリードナーチャリングには、MA(Marketing Automation:マーケティングオートメーション)と呼ばれる専用支援ツールが活躍します。MAを導入すると

  • リードの分析
  • リードの購入意欲に合ったコンテンツの配信

など、マーケティングの複雑なプロセスを自動化できます。

次の記事ではおすすめのMAツールを紹介しています。ぜひ、あわせて参考にしてください。

関連記事:MAツール比較12選!おすすめ製品の特徴や機能を紹介|ミツモア

リードナーチャリングの成功事例

リードナーチャリングの成功事例
リードナーチャリングの成功事例

リードナーチャリングは業種・業態を問わず、あらゆる企業のマーケティング活動に取り入れることが可能です。では具体的にどのような企業が、どのような使い方をして、どのような成果を得ているのでしょうか?

実際の企業の成功事例を、簡単にご紹介します。

製造業対象のBIソリューション拡販:日本電気株式会社(NEC)

【リードナーチャリングの実施プロセス】

  1. 自社サイト会員から製造業関連会員の抽出
  2. 抽出リードへのメール配信と、メール内リンクをクリックしたリードの行動履歴取得
  3. より興味関心の高いリードの抽出
  4. 抽出リードへテレアポイントを行い、直接的な営業活動へ

【効果】

  • これまで行っていたダイレクトマーケティングと比べて、商談や案件に繋がる確率が2倍近く増えた。
  • リードに合う効果的なアプローチができるようになった。
  • 潜在ニーズの掘り起こしに成功し、これまでは見逃していたリードを取りこぼすことがなくなった。

社員総会の運営情報発信:株式会社マックスプロデュース(イベント制作・プロデュース)

【リードナーチャリングの実施内容】

  • 社員総会担当者の悩みを解消するオウンドメディア立ち上げ
  • 社員総会の演出方法や会場レイアウトなどのサンプル無料ダウンロードなどのコンテンツを用意
  • 社員総会責任者のストーリー作成
  • 無料ダウンロードしたユーザーへアプローチ

【効果】

  • サービスへの関心度の高いリードを獲得できた。

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