近年話題になっている労務のDX。これからDXを進めていこうと考える企業では、DXの重要性がわかっていてもどこから手をつけたらよいのか、どんなメリットを得られるのかなど、なかなか不透明な部分も多いのではないでしょうか。
最終更新日: 2023年12月21日
そこでこの記事では基本的な言葉の意味やDXを進めるメリット、成功させるコツを徹底解説します。またDXの流れや進め方も紹介するのでぜひ参考にしてください。
労務DXとは？
DXとは「デジタルトランスフォーメーション」の略語で、情報通信技術の活用により、ビジネスや人々の生活が変わっていく様子を表す言葉です。国内では経済産業省の「DX推進ガイドライン(現デジタルガバナンス・コード2.0 )」によって企業に広まりました。
ビジネス面で用いられることの多いDXは企業が情報通信技術を活用して、新たな事業や価値を創造し、変革を進めていくことを表しています。そして労務分野でのDXとは、紙の書類やアナログな手続きをデジタルに切り替えることを指します。
勤怠管理や給与計算を紙の書類で処理していると、入力・計算・印刷・書類整理に手間がかかります。社会保険の手続きも細かい申請や確認事項が多く、アナログでは時間がかかってしまうでしょう。
人に関わる業務が多く、従業員数が多いと、それだけ業務量が多くなります。計算や勤怠情報の把握をツールに任せ、効率化を図るのが労務のDXの目的です。単調な入力作業に手を取られず、必要な確認や問い合わせに時間を使えば、業務効率は大幅にアップします。
労務DXのメリット
労務のDXは業務効率化やコストカットに大きなメリットをもたらします。
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少ない人員で効率よく業務を進められる
労務のDXを進めると、多くの業務を自動化できます。申請や計算、勤怠管理など労務管理システムに備わっている機能は多様です。
単純作業や入力を機械に任せると、人数が少ない部署でも業務が素早く進むでしょう。また機械化による正確な入力により、見間違いや入力ミスなどの人的エラーを防げるのも特徴です。
雑務に追われ、メイン業務に支障をきたすといった心配もありません。DXによって本来の力を出せるようになるでしょう。
ペーパーレス化や人件費削減につながる
紙媒体で労務を行う場合、紙・インク・保管場所にコストがかかります。また労務に関する業務は印刷やコピーが多く、システム導入によりペーパーレス化を進めることで大幅なコストカットを実現可能です。
多くの書類を紙で保存している企業ほど、コストカットの効果は大きくなります。DXによってシステム利用料はかかるものの、削減できるコストが上回る場合は、積極的に導入を検討しましょう。
書類の配布や回収、管理業務なども考慮するとDXは人件費の削減にも役立ちます。
リモートワークにも強い
紙の書類で業務を進めると押印や確認のために出社が必要です。しかしDXでシステムを導入すれば、パソコンやスマートフォンで書類の確認や処理ができます。
複数人の承認やチェックが求められる作業でも、システムを使える環境であれば処理が可能です。テレワーク・出張・外出の多い仕事でもスムーズに業務が進みます。
在宅勤務の推進により、オフィススペースや維持管理費のコストを下げられるのもメリットです。多様な働き方が広がっている現代では、労務業務のDXも必須となっています。
労務DXの進め方
労務のDXは以下の3ステップで進めていきましょう。
目的を明確にする
企業によってDXの目的は異なります。業務時間の短縮や専用ツールによる正確な処理、業務内容の可視化など、ITツールを導入する目的はさまざまです。
主に何を目的としてDXを進めるのか、社内での共有が求められます。例えば業務時間の短縮であれば、ITツールを使用してどのくらいの効率化を進めたいのか、具体的な予想を立てておく必要があります。
現状分析と課題を把握する
次に労務の現状を分析し、課題を発見するのが重要です。
例えば作業に時間がかかり、残業が増えているのであれば、課題は残業時間の削減です。具体的にどのような業務に時間を取られているのか、現状の把握も求められます。
労務だけの問題ではなく「他部署からの申請が遅い」「必要な書類を提出しない従業員が多い」など、課題はいくつも出てくるでしょう。
申請をスムーズに進めるツールや、提出忘れを防ぐアラート付きのシステムなど、課題に合わせて使用するシステムを決めていきます。
解決策の検討や導入後に省みることも大切
DXで課題を解決するには、ITツールの導入や使い方の見直しが基本です。しかし業務工程の変更や手続きの簡略化など、ITとは異なるアプローチで解決できる可能性もあります。
解決策を定めDXを進めた後は、定期的なチェックや課題解決に向けての進捗状況を確認しましょう。導入によって課題が解決していない場合は、新たな問題の精査や、現状の再調査も求められます。
課題解決までに時間を要するときは、今後の計画やいつまでに目的を達成できるのか、短期目標と長期目標を作っていくのも効果的です。
労務DXを成功させるコツ
労務のDXを成功させるには段階的に体制を整え、従業員にIT化に慣れてもらうことが大切です。
ポイントを絞って段階的に進める
DXを進めると、切り替えに伴う一時的な業務の増加や初期費用がかかります。全てを一度に切り替えようとすると、負担ばかりがかかってしまうでしょう。資金的に全ての切り替えが難しいときは、重要度の高いものや低コストで切り替えられるものを優先しましょう。
また従業員がツールを使いこなせるのか、慣れるまでにどの程度かかりそうなのかを把握するのも大切です。
同時にセキュリティ対策も切り替える必要があります。在宅や外出先でツールにアクセスする際は、ルールや環境を整えることも重要でしょう。パスワード管理のルール徹底や従業員の環境が整わない場合は、段階を踏んでDXへの切り替えが求められます。
DXに対応できる人材の確保・教育
紙媒体での業務とDXした業務では、求められる能力が異なります。デジタルツールの設定や取り扱いができる人材を確保するか、現状の人材で対応するなら教育が必要です。
業務の機械化・自動化を簡単に進めるシステムは多数ありますが、使いこなすには、ある程度の知識や入力スキルが欠かせません。
社内でDXの推進に適した人材がいないかを確認し、適合者が見当たらないときは、育成や中途採用を検討するとよいでしょう。
体制の整備・改革
DXにはデータやツールを活用するための改革が必要です。業務効率化やコストダウンの見込みがないにもかかわらず、やみくもにツールを導入しても意味がありません。
また経営層にもDXについての知識が求められます。自分で利用してみて使いこなせるのか、どの機能を活用すれば業務効率化が目指せるのかなど、上層部から働きかけて体制を整えるのが基本です。
社内でのルール設定やデジタルツールを使うための端末の用意など、導入前の下準備を積極的に行うのが大切といえます。
労務DXを進めるには、労務管理システムの導入がおすすめです。労務管理システムの機能やメリット、製品などについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
労務のDX化を進めて業務効率化を目指そう
従業員の勤怠管理や事務的な手続きを担う労務は、DXを進めることで大幅なコストカットや業務効率化が可能です。簡単な業務を機械に任せ自動化すれば、人員が少なくても効率的に仕事を進められます
DXのメリットや成功のコツを把握した上で、準備を進めていくのがポイントです。うまくツールを活用できれば、従業員にとって働きやすい環境を構築できます。ぜひこの機会に労務管理システムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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