「入退社手続きの書類回収や手入力でのデータ管理により毎月残業が発生している」
「扶養の情報や住所変更など、従業員の個人情報が点在して修正や管理に時間がかかる」
「社会保険や雇用契約の更新など、法改正に合わせた役所への申請業務が煩雑になって手続きミスが怖い」
中小企業における労務管理業務は注意すべきポイントがいくつもあります。気づかないうちに法令違反になっているリスクを避けるためには、リアルタイムで法令対応できるクラウド型労務管理システムの導入がおすすめです。
中小企業におすすめの労務管理システムや選ぶべき製品の特徴などを解説します。

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中小企業の労務管理における課題
中小企業の労務管理における現場では、以下4つの課題を抱えていることが多いです。
専任担当者が不在で労務知識が不足し属人化が進む
中小企業では労務管理業務の専任担当者はおらず、総務や人事担当が兼任で業務にあたっているケースが多いです。そのため業務の正確性に強い不安を感じている担当者も少なくありません。
また労務管理においては各種手続きなどの定型業務に追われてしまい、マニュアルや標準的なフローが整備されないまま、業務が特定個人に依存してしまい属人化がしやすい傾向があります。
担当者が突然退職や休職をしてしまった場合、引継ぎができず、社会保険や契約更新、入退社手続きなどの労務管理業務全般がストップするリスクがあります。
慢性的な人手不足により定着率が下がり職場環境が改善されない
2024年1月に行われた日本商工会議所の調査によると、中小企業の65.6%が人手不足と回答しており、3社に2社が人手不足という深刻な状態が続いています。
人手不足の現場では、既にいる従業員に対して業務が集中し、長時間労働が常態化しがちです。そのため従業員が疲弊し離職する、悪循環に陥るリスクが高いです。
ほかにも育児や介護といったライフイベントへの支援が必要と認識されていながらも、リソース不足から支援が進まず、職場環境の改善が進まず、さらに離職を誘発することもあります。
社会保険・雇用保険の手続きが遅延したり漏れたりする
社会保険や雇用保険の手続きが遅延したり、漏れたりすることは企業に対して深刻な悪影響をもたらします。
たとえば立ち入り検査によって社会保険について未加入の従業員がいる状態が発覚した場合、過去2年分の社会保険料を訴求徴収されます。徴収金額は数百万円から数千万円に上ることもあり、資金運用に大きな影響を及ぼします。他にも、雇用保険に未加入の場合は、雇用関係助成金の申請が却下されるので、本来は受けられたはずの助成を受けられないということにもなりかねません。
さらに手続き漏れによって、傷病手当金や失業給付が受け取れなかった従業員が行政に申告するなど、労使問題へ発展するリスクもあります。
就業規則や各種規則の整備がされず実態と乖離した運用になる
労働基準法によると、常時10人以上の労働者を使用する事業主は、就業規則の作成と労働基準監督署への届け出が義務付けられています。これを怠ると、30万円以下の罰金が科されます。
実態と乖離した就業規則で運用されている現場はサービス残業が常態化しやすいです。2025年10月に発表された厚生労働省の監督指導の結果によると、調査対象の事業所の37.3%が違法な時間外労働が確認されています。ほかにも健康障害防止措置が不十分とされ改善を指導された事業所は全体の55.6%と、半数以上の事業所で対処が不十分であると認識されています。
従業員を解雇した場合も、就業規則との適合性が低いと不当解雇として裁判を起こされるリスクがあります。裁判に発展した場合、数百万円もの解決金を支払うケースが多いため、経営基盤を根底から揺るがす原因となります。
中小企業が選ぶべき労務管理システムの特徴
中小企業が抱える労務管理での課題を解決するためには、以下の特徴を持つシステムを選ぶことをおすすめします。
労務知識がなくても手続きのミスがない
中小企業では労務の専門知識がない担当者が業務を行っていることが多いです。そのため、労務知識がなくても手続きのミスが発生しないように、標準フローが整備されていたり、補足説明が充実しているシステムをおすすめします。
また法改正への更新性もチェックポイントに含めてください。労務関係は法改正の影響を受けやすく、誤った知識で運用した際のリスクが大きい領域です。クラウド型労務管理システムであれば、法改正に伴って自動的に各種ロジックが更新されるため、労務知識がなくても手続きのミスが発生しないように設計されています。
使いやすいUIで操作に迷わない
中小企業では、労務担当者が総務や経理など複数の業務を兼任するケースが多く、システム操作に時間をかける余裕がありません。
UIが複雑だと操作ミスや入力漏れが発生しやすく、給与計算や勤怠管理でトラブルが生じるリスクも高まります。直感的に操作できるシステムであれば、担当者が変わっても引き継ぎがスムーズで、業務効率を維持できます。
勤怠管理や給与計算などとの連携性が高い
労務管理は、勤怠管理や給与計算などの業務と密接に関わっています。そのため、勤怠管理システムや給与計算ソフトとの連携性が高いシステムを選ぶことをおすすめします。既にクラウド型勤怠管理システムなどを導入しているのであれば、同じシリーズで揃えることも検討してください。
労務管理システムと別システムを連携するときは、API連携とCSV連携の2パターンがあります。API連携であればシステムが自動同期するため、連携漏れやミスが起きにくいですが、追加料金が発生することもあります。CSV連携の場合はデータのインポート(出力)とエクスポート(入力)を手動で行うため、連係ミスが発生するリスクを排除できないものの、追加料金なしで使えます。予算や手間を勘案して、自社に最適な連携方法を特定しましょう。
クラウド型で予算把握がしやすい
労務管理システムは市場に数多くありますが、2026年現在おすすめなのは、クラウド型かつ公式サイトに1人あたりの料金が明示されている製品です。中小企業は従業員数が少ないため、利用者数の数に応じて料金が変動する従量課金制のサービスと相性が良いです。また、公式サイトに1人あたりの料金が明示されていれば、個別に見積もりを取る前におおよその月額料金が把握できるため、社内で検討をする際も候補の優先順位をつけやすくなります。
中小企業におすすめの労務管理システム7選
ミツモアおすすめの中小企業向け労務管理システムは以下の7製品です。
freee人事労務(フリー株式会社)
freee(フリー)人事労務は、従業員情報や勤怠、給与、社会保険手続きを統合データベースでリアルタイムに同期されます。これによりデータ転記ミスや二重管理による非効率を解消します。社会保険などの電子申請書類もワンクリックで自動作成できるので、役所に行く手間がなくなります。
初期設定の段階から専任担当者がつくため、安心して導入できます。公式サイトによると、freeeの導入支援サポートであれば稼働までにかかる平均所要期間が約2~4カ月短くなると記載されています。
freee会計など、freeeの製品を既に利用している、あるいは導入を検討している企業におすすめの労務管理システムです。
オフィスステーション 労務(株式会社エフアンドエム)
オフィスステーション 労務は、労務手続きの電子化に特化した労務管理システムです。コスト面による制約などから、全社的なシステム刷新が難しい場合におすすめの選択肢です。134種類の行政帳票に対応でき、e-Govを通じたオンライン申請もワンストップで完結できます。
必要な機能のみを選んでスモールスタートができるため、「まずは労務手続きを電子化したい」という場合におすすめです。
ジョブカン労務HR(株式会社DONUTS)
ジョブカン労務HRは労務業務の自動化をし、作業時間の削減に特化したサービスです。
釈迦保険や雇用保険の手続きを、システムから提示されるステップに沿って進めるだけで申請書類が自動生成される「ToDo管理機能」が登載されているので、労務の専門知識がない兼務担当者でも手続きの抜け漏れを防げます。
また、電話・チャット・メールによる無料のカスタマーサポートが全有料プランで提供されるため、社内に専門知識を持つ人材がいない中小企業でも安心して運用可能です。
マネーフォワード クラウド人事管理(株式会社マネーフォワード)
マネーフォワード クラウド人事管理はオンラインで簡単に従業員情報を収集できる点が特徴の労務管理システムです。従業員がスマートフォンのWebフォームから自身の情報を申請するだけで人事台帳への初期登録がペーパーレスで完了し、データ変更時の手間を最小限にします。さらに組織階層や独自の役職に合わせた人事項目のカスタマイズや、細やかな権限管理も標準機能で可能です。
SmartHR労務管理(株式会社SmartHR)
SmartHR労務管理は人事労務担当者も従業員も直感的に迷わず使用できるようにインターフェースの設計がされています。PCを使い慣れていない従業員でも、スマートフォンから直感的に入社手続きや年末調整の登録を完了させられます。
従業員数30名以下の企業であれば、入社手続き・電子給与明細・マイナンバー管理などの基本機能を、費用ゼロの「¥0プラン」で継続利用可能です。
ジンジャー人事労務(jinjer株式会社)
ジンジャー人事労務は入社手続き書類や年末調整のペーパーレス化で業務効率化できます。人事管理・勤怠・給与・ワークフロー・経費精算・電子サインを統合データベースで管理しており、従業員情報を変更すると全製品に自動反映されるため、入力漏れやデータの不整合を防ぎます。
異動履歴・昇格降格の変遷・保有資格などを時系列で視覚的に確認できるタイムライン表示機能を搭載しており、感覚に頼らないデータドリブンな人材管理を実現できます。
KING OF TIME(キングオブタイム)(株式会社ヒューマンテクノロジーズ)
KING OF TIMEは1IDあたり月額300円という料金設計の中に、勤怠管理・人事労務管理・WEB給与明細配信のすべての機能が、追加料金なしで含まれています。
時間外労働が上限に達する前に管理者へ自動通知する機能や有給休暇の取得義務違反への警告機能が標準搭載されており、コンプライアンス上のリスクを排除できます。
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