インボイス制度に対応するためには、企業は「買い手」と「売り手」の両側で、制度に準拠した運用が求められますが、請求書の受領と発行の状況によって、最適なシステムが異なることがあります。
最終更新日: 2024年11月21日
本記事では、自社の状況に応じたインボイス制度に対応した各種システムと、その選び方を詳しく解説します。
インボイス制度に対応している請求書管理システム3選
「TOKIUM インボイス」請求書の受け取り代行で完全ペーパーレスがかなう
- 累計導入件数1,000件の実績
- 請求書を自動でデータ化しクラウドで管理
- インボイス制度や電子帳簿保存法に完全対応
請求業務の完全ペーパーレス化をかなえてくれるシステムです。請求書が紙でも電子データでも、形式を問わずにスキャンし、取引先に負担をかけずに自動でデータ化します。
紙の原本は販売会社側で保管される仕組みです。これまで行っていた開封作業や、数字・データを照合する作業の代行をしてもらえるので、作業時間を大幅に減らせるでしょう。
あらゆる会計ソフトと連携できるように作られているところもポイントです。既存の会計システムに合わせたカスタマイズが可能になり、作業効率がアップするでしょう。「JIIMA認証」を取得し、インボイス制度・電子帳簿保存法に完全対応しています。
「Bill One」紙も電子もすべての請求書をオンラインで一括管理
- あらゆる形式の請求書をオンラインで一元管理
- 請求書にまつわるコミュニケーションをデジタル化
- 受領・発行ともにインボイス制度に対応
あらゆる請求書をオンライン上で受け取れて、請求書を発行する側・受け取る側の両方に負担をかけないサービスです。受領した請求書の形式を問わず、クラウド上で一元管理できます。
請求書にまつわる作業・コミュニケーションをデジタル化するので、社内アナウンスやリマインドを迅速に伝達可能です。経理部だけでなく、企業全体の請求業務を効率化します。
インボイス制度・電子帳簿保存法にも対応しており、企業側で業務フローを変更する必要はありません。法改正があっても、自動で機能が追加されるので安心です。
「バクラク請求書」効率化とインボイスへの対応を実現
- シリーズ累計導入社数5,000社
- AIを使用し手入力をゼロに
- 他社の会計ソフトとの連携も可能
「バクラク請求書」はあらゆるフォーマットの請求書を自動で読み取りデータ化します。複数の請求書を同時にアップロードでき、時短につながる点が優秀です。
過去の科目データをAIが学習し、仕訳データや振込データを自動作成してくれます。手入力によるミスを防げるため、経理業務の効率アップを実現可能です。
支払い状況を可視化できるので、受領漏れ・支払い漏れの心配がありません。
インボイス制度にも対応し、請求書に記載された「登録番号」を読み取って照合する作業を自動で行ってくれます。他社の会計ソフトとの連携も可能で、既存のシステムを利用し続けたい場合にもピッタリです。
インボイス制度に対応している会計ソフト3選
「弥生会計オンライン」法改正への対応を徹底サポート
- 310万人以上の導入実績(※)
- 登録した取引から自動で決算書を作成できる
- 税理士・会計事務所と連携できる
弥生会計オンラインは、310万人以上の導入実績を誇る、弥生会計シリーズの中小企業法人向け会計ソフトです。会計機能に特化したシンプルな機能構成が特徴です。
ステップに従って操作するだけで決算書がかんたんに作成できるため、簿記の知識がなくても滞りなく業務を進めることができます。また、登録した取引から自動で決算書を作成できるため、ミスや手間を大幅に減らすことが可能です。
顧問税理士・会計事務所にリアルタイムで会計データを共有できる点においても魅力的です。書類を郵送するコストを削減できるだけではなく、アドバイスを受けることができます。
※弥生株式会社(2023年9月時点)
「勘定奉行クラウド」適格請求書の受領を効率化
- 72万社以上の導入実績
- 支払業務や適格請求書発行業務まで網羅できる
- 追加オプション機能が豊富
勘定奉行クラウドは、72万社以上の導入実績を誇り、既存の業務をそのままデジタル化できる会計ソフトです。ソフトの導入のために起こる変化が少ないため、導入後もスムーズに活用することができます。
また、Excelでの支払管理が不要で、適格請求書をペーパーレスで発行・送付できるため、面倒な作業を軽減することができます。さらに、自動仕訳機能も備わっているため、業務時間や、人為的なミスを削減することができます。
オリジナルの帳票作成機能や外貨管理機能など、拡張機能が豊富な点においても魅力的です。業務フローが頻繁に変化する会社や、グローバル化を検討している会社など、変化や成長に合わせて機能を拡張したい方におすすめです。
「freee会計」請求書の作成も一元管理も、簡単にインボイスに対応
- 54万社以上の導入実績(※)
- 簡単に決算書の作成ができる
- 30日間の無料トライアル期間あり
freee会計は、54万社以上の導入実績を誇る信頼度の高い会計ソフトです。他ツールと連携して、業務を効率化できる機能が豊富に搭載されています。
誰でも簡単に操作できるだけではなく、自動入力機能も備わっているため、経理や簿記の知識がない方でも決算書を作成することができます。また、通帳などからソフトへの転記作業がなくなるため、転記ミスを防ぐこともできます。
30日間の無料トライアル期間が設けられているのも魅力の一つです。「自社に合ったシステムなのか、利用してから検討したい」という方にもおすすめです。また、チャットやメールなどでサポートを受けることもできるため、初めて導入する方も安心して利用できます。
※フリー株式会社(2024年3月末時点)
インボイス制度に対応している経費精算システム3選
「楽楽精算」累計導入社数 No.1
- 累計導入社数18,000社以上（2024年9月時点）で幅広い規模や業種に対応
- 細かいカスタマイズが可能で従来のフォーマットをそのまま使用可能
- 専任スタッフのサポートでお客様満足度94%
楽楽精算は紙やExcelでのやる取りからの解放をコンセプトに作成された累計導入社数No.1（※1）の経費精算システムです。毎日新聞やヤマト運輸、ライザップなど幅広い企業規模や業種で利用されています。
申請項目やレイアウト、承認フローはいつでも自由にカスタマイズ可能。使い慣れた申請書に沿ったフォーマットを再現できます。また組織変更や成長に応じた設定変更もできるため、どんな企業にも幅広く対応可能です。
導入初期のサポートも嬉しいポイント。各種マニュアルや設定方法をまとめたサポートサイトはもちろん、専任スタッフが電話やメールでサポートします。システムやPC操作に不慣れな方でも安心です。
「マネーフォワード クラウド経費」定型業務をアウトソース
- 紙の取り回しやチェック業務をアウトソース可能
- 申請や承認はスマホやPCで完結
- 法人カードやスマホ決済、電子マネーに対応
マネーフォワード クラウド経費は会計ソフトで有名なマネーフォワードが提供する経費精算システムです。
特徴的なのが紙の取り回しやチェック業務をアウトソースできるBPOプラン。領収書のチェックやファイリング、保管から承認までの定型業務をアウトソースでき、請求書の受け取りから入力までまとめて依頼できます。
また経費の申請や承認はスマホやPCでアクセス可能。経費精算のためだけに出社する必要はなくなります。他にも法人カードやスマホ決済、電子マネーなど様々な支払い方法に対応しており、従業員への送金もキャッシュレスで可能です。
「TOKIUM経費精算」原本確認や保管作業が不要に
- 原本確認や保管作業を代行してくれる
- 経費精算にかかる時間が1/10に
- 電子帳簿保存法対応
TOKIUM経費精算は領収書を送ることで、原本確認や保管作業が不要となる経費精算システムです。申請者は領収書を撮影して回収用のポストに投函、承認者は画像を確認するだけで経費精算が完了します。
撮影された領収書データの入力や原本との突合・保管作業を代行してくれるため経費精算にかかる時間を大幅に削減できます。
また利用料金は領収書の件数による従量課金制のため無駄がありません。
インボイス制度に対応しているERPシステム３選
GRANDIT miraimil(グランディットミライミル)
- 中小企業のニーズに対応しスピード経営を実現できる
- 経理、販売、調達在庫など主要な11種類の基幹業務機能を自社の業種に合わせて拡張できる
- BI機能がありノーコードでダッシュボードやレポートを作成できる
GRANDIT miraimilはGRANDIT株式会社が提供している、商社・卸売業やサービス業などの業界に特化したクラウド型のERPです。サーバーレスのため低価格で、セッティングに時間をかけることなく導入できます。プログラムは自動で最新の状態にアップデートされるため、法改正対応やERPパッケージ製品の機能強化や、OSのアップデートなどへ迅速に対応し、運用負荷を軽減します。
GRANDIT(グランディット)
- ワークフロー、EDI、EC、BIなどの機能を標準搭載
- 専門知識不要でRPAオプションを活用し業務自動化を進められる
- 企業規模や業務特性に応じて豊富な機能をカスタマイズできる
GRANDITは組立製造業や商社、卸売業、情報サービス業など幅広い業種の企業の課題解決に対応したERPソフトウェアパッケージです。見積受注から会計処理に至るまでの各部門のデータを一元管理して継続的に経営判断のための情報を提供します。導入効果が高い業務を予め特定し、予め用意された78の業務シナリオから必要な業務ロボットを選択してRPAロボットを導入できます。ビジネス環境の変化にも柔軟に対応できる製品です。
Clovernet(クローバーネット) ERPクラウド
- 機能を段階的に導入しバックオフィス業務を効率化
- 外部ツールと連携し事業や店舗の拡大へも対応できる
- 適格請求書事業者の管理や消費税計算などインボイス制度の要件にも対応している
Clovernet ERPクラウドは主に販売管理、会計業務、勤怠給与に関する業務の作業効率を上げるためのクラウド型のERPです。導入後は各業務間でのデータ連携によりタイムリーな経営数値を可視化し、事業やプロジェクトの無駄を排除できるでしょう。また24時間365日専門スタッフによる問い合わせ対応が提供されているため、セキュリティ面も安心して利用できます。
インボイス制度に対応しているシステムとは？
インボイス制度に対応しているシステムとは、適格請求書を作成し、管理するためのツールです。これには、会計ソフト、請求書発行システム、経費精算システム、ERP（統合基幹業務システム）が含まれます。
これらのシステムは、インボイス制度の要件に合致した請求書の発行や管理をサポートすることで、企業が制度への対応を効率的かつ正確におこなえるようにします。
請求書発行システムでのインボイス対応
請求書発行システムは、インボイス制度の核心的な機能を担っています。適格請求書の発行プロセスを自動化して効率化し、法令に準拠したフォーマットで請求書を作成します。手作業によるエラーの軽減が可能となり、正確な取引情報が保証されます。また、電子化された請求書は簡単に共有でき、顧客とのやり取りがスムーズにおこなわれます。取引の透明性とスピードが向上し、ビジネスの信頼性を高める一助となります。
会計ソフトでのインボイス対応
会計ソフトはインボイス制度に対応するため、請求書のフォーマット更新や自動入力機能を強化しています。これにより、取引データが正確に反映され、税務申告の際にも効率的で正確なデータ管理が可能になります。自動計算機能により、人為的なミスを減らし、税率の適用を正確におこなうことを支援します。また、多くのソフトウェアはクラウド化されており、リアルタイムでのデータ共有が容易です。
経費精算システムにおける役割
経費精算システムは、日常の経費処理を簡潔におこなえるように設計されています。インボイス制度に基づき、経費申請時に必要な証憑の保持や、適正な税率の適用を自動化します。従業員の申請手続きが簡略化され、承認プロセスが迅速化されます。さらにデジタル化された申請は、経理部門の負担を軽減し、全体の業務効率を向上させます。
ERPの包括的な対応機能
ERPシステムは、企業のさまざまな業務フローを統合し、インボイス制度への対応も包括的にサポートします。さまざまな部門からのデータを一元管理し、請求書の発行、受領、保管までを効率化します。ERPは、各部門にまたがるプロセスをシームレスに繋ぎ、情報のリアルタイム更新を実現します。
インボイス制度に対応しているシステムの導入メリット
インボイス制度に対応したシステムを導入することで、経理業務や帳簿管理の効率が向上し、法令遵守が容易になり、リスクも軽減されます。また、精算プロセスの迅速化と透明性の向上にもつながり、全体の業務効率を高めます。以下で、具体的なメリットについて詳しく解説します。
経理業務と帳簿管理の効率化
請求書の処理が自動化されるため経理作業が大幅に効率化されます。システムが請求書を電子的に管理することで、手作業によるデータ入力ミスが減り、正確な情報の運用が可能になります。またリアルタイムでのデータ更新により、企業は常に最新の財務状況を把握することができます。
コンプライアンス遵守とリスク軽減
インボイス制度対応システムは、企業が法令を確実に遵守するための重要なツールです。法律に沿った書類作成や正確な税金処理が自動化され、計算ミスや記録の不備を減らすことができます。さらに制度が改正された場合でも迅速に対応できるよう、システムは常に最新の規制情報にアップデートされます。企業は法令違反のリスクを避け、安心して事業運営に専念できます。
精算プロセスの迅速化と透明性向上
デジタル化された精算プロセスにより、従業員からの経費申請が容易になり、承認フローが迅速化されます。すべての処理過程が記録され、データとして閲覧可能なため、各ステップの透明性が向上します。問題の早期発見が可能となり、説明責任の強化につながります。業務のスピードアップと透明性の向上により、全体的な業務効率が改善されます。
インボイス制度に対応しているシステムの比較ポイント
インボイス制度に対応したシステムを選定する際には、いくつかの重要な比較ポイントを考慮する必要があります。これらのポイントをしっかりと評価することで、自社の業務に最適なシステムを見つけることができます。以下に、システム選びで注目すべき点を詳しく解説します。
自社の要望に合っているか
インボイス制度対応システムを選ぶ際には、自社が主に買い手側として請求書を管理するのか、売り手側として発行するのかを明確にすることが重要です。買い手側では、受領したインボイスの管理や仕入れ税額控除に注力する必要があります。売り手側の場合は、制度に準拠した請求書の適切な発行と顧客への迅速な提供が求められます。
自社の業務プロセスにおいてどの機能が優先されるべきかを評価し、自社の業務プロセスにおいてどの機能が優先されるべきかを評価し、それに対してシステムがどのように対応できるかを確認することが、適切なシステム選びにつながります。
既存のシステムとスムーズに連携できるか
既存のERP、会計ソフト、CRMなどの業務システムとシームレスに統合できることが不可欠です。データが一元管理され、重複作業や入力ミスが防止されます。複数のシステム間での情報の流れをスムーズにすることで、業務の効率化と精度向上が期待できます。
電子帳簿保存法に則ったデータの保存が可能か
インボイス制度により発行された請求書が電子的に保存される場合、電子帳簿保存法への適合が不可欠です。これによりデータの長期保存が保証され、一貫したデータ管理を可能にするため、後からのデータ取得や活用が容易になります。適法であることを確認することで、企業は安心してデジタル記録を保存し、業務効率化を図ることができます。
法令改正時に迅速に対応できるか
インボイス制度や関連法令に変更があった場合に、システムが迅速に対応できることは非常に重要です。継続的なアップデートを提供できるベンダーを選ぶことで、常に最新の法令に準拠した運用が可能になります。法令遵守にかかる負担を軽減し、リスクを大幅に低減できます。
電子インボイスの発行に対応しているか
システムが電子インボイスの発行に対応していることは、業務効率化の面で大きな利点があります。電子インボイスは、請求書の発行から受領までのプロセスをスピードアップし、処理時間を短縮します。これにより、手作業によるミスが減少し、経費削減につながります。また、デジタル記録が容易になるため、情報管理が簡単になり、透明性のある取引が可能です。
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