「もっと効率的に請求書作成を進められないか」「複数の取引先への請求書発行に手間がかかる」と感じている方も多いのではないでしょうか。エクセルを活用して請求書を作成することで、計算やデータ入力の自動化が可能となり、手作業で行う場合よりも効率的です。
この記事では、エクセルで請求書を作成するための具体的な手順や役立つ関数、メリットとデメリットについて詳しく解説していきます。
シンプルな請求書を作成するための基礎知識から、関数を活用した自動計算の方法まで、幅広くまとめました。請求書作成をエクセルで行いたいと考えている方は、ぜひお役立てください。
請求書をエクセルで作成する方法
エクセルでの請求書作成には、データ入力の柔軟性やカスタマイズのしやすさなどさまざまなメリットがあります。ここでは、エクセルで請求書を作成する基本的な手順を詳しく説明していきます。
- 請求書のテンプレートを作成する
- データ入力欄を設定する
- 計算式を組み込む
- 書式設定を行う
それぞれのステップについて、詳しく見ていきましょう。
請求書のテンプレートを作成する
はじめに、エクセル上で請求書のテンプレートを作成します。テンプレート作成は効率的な請求書作成を実現するための土台となるため、しっかりと基礎を固めることが重要です。
自社の企業名や住所、連絡先、ロゴなど、固定で必要となる情報を入力しましょう。これらの情報をテンプレート化することで、請求書作成時に再入力する手間が省けます。
テンプレートには、商品の詳細を記入する欄や支払期日、請求先情報など、請求書として必要な項目もすべて網羅するようにしましょう。項目を正確に整えておくことで後々のデータ入力がスムーズになり、作業時間を短縮できます。
また、テンプレートに請求書番号や発行日などの管理項目も追加しておくと、取引履歴を把握しやすくなります。後々の業務フローをシンプルにするためにも、テンプレートの作成は慎重に行いましょう。
データ入力欄を設定する
テンプレートが完成したら、次にデータ入力欄を設定します。例えば数量や単価など、請求書ごとに変動するデータを入力するための箇所です。
データ入力欄はエクセルの各セルに配置して、後述する関数を準備をしておきましょう。例えば、商品コードを入力すると自動で品名や単価が表示されるように、エクセルのVLOOKUP関数を活用することも可能です。
できるだけ手作業の工程を減らして自動化することで、入力ミスを減らし、迅速かつ正確なデータ入力が可能となります。
計算式を組み込む
次に、請求書に欠かせない計算式を組み込みます。例えば、商品ごとの小計は数量×単価で求められますが、エクセルではPRODUCT関数を使うことで、複数のセルの掛け算を一瞬で計算できます。また、すべての商品の小計を合計し、税金を加算するといった計算にはSUM関数が役立ちます。
税込金額や総合計額を自動計算することで手計算によるミスがなくなり、信頼性の高い請求書を作成できるようになります。税率が変わった場合にも一部の計算式を変更するだけで済むため、効率的です。
関数を駆使することで、正確かつ手間のかからない計算を心がけましょう。
書式設定を行う
請求書は取引先に渡す書類であるため、見栄えの良い書式設定も欠かせません。請求書が整理されれば、受取側にとっても見やすくなります。
例えば、項目ごとにセルを結合したり、枠線を追加したりして、各項目の位置を調整することで視認性を向上させましょう。必要に応じてフォントのサイズや種類を変更して、請求書の体裁を整えていきます。
また、請求書の電子化が進んでいるものの、実際には紙で管理している企業も少なくありません。そのため、印刷時のレイアウトも確認することが大切です。各セルの大きさや位置についても確認し、紙面に収まりやすい配置に調整しましょう。
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請求書作成に役立つエクセルの関数
以下では、請求書作成に役立つエクセルの関数をご紹介します。請求書を作成する際の活用ポイントも解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
- SUM関数
- VLOOKUP関数
- IF関数
- CONCATENATE関数
SUM関数
SUM関数は、複数のセルに入力された数値を自動で合計してくれる便利な関数です。請求書の合計金額や小計を求める際に用いられることが多く、商品の合計金額の計算を簡単に行えます。例えば、異なる商品の金額を合計し、さらに税金を加えた合計金額を算出する際にも活用できます。
SUM関数はセル範囲を指定するだけで自動的に合計を出してくれるため、金額の入力ミスや計算ミスを防ぐことも可能です。
VLOOKUP関数
VLOOKUP関数は、商品コードを基に商品名や単価などのデータを自動で取得することができる関数です。この関数を使うことで、特定の商品コードを入力するだけで対応する品名や単価が自動的に入力されるため、商品マスターとの連携が必要な請求書作成に非常に便利です。
VLOOKUP関数を用いることでデータの入力ミスを減らし、作業効率を向上させることができます。商品データが多い場合や頻繁に使用するデータがある場合には重宝されるため、覚えておきましょう。
IF関数
IF関数は条件分岐を行うための関数で、例えば「数量が一定数以上であれば単価を割引価格に設定する」といったように、特定の条件下でのデータ処理に役立ちます。数量や金額に応じて異なる料金を適用するケースがある場合、IF関数を使うことで柔軟に対応できます。
条件に応じた自動化により複雑な料金設定にも対応でき、エクセル上での作業をスムーズにすることが可能です。
CONCATENATE関数
CONCATENATE関数は、複数の文字列を結合して新しい文字列を作る関数です。例えば、請求書番号の自動生成などに利用できます。請求書番号は管理上重要な番号であり、適当に付与していると管理が面倒になってしまいます。
日付や取引先コードなどを組み合わせて一意の番号を生成することで、各請求書を識別しやすくなります。請求書番号を自動的に生成することで、管理の手間を省きたいときに活用してみてください。
請求書をエクセルで作成するメリット
請求書をエクセルで作成するメリットは以下の通りです。
- 自動計算によって効率化できる
- テンプレートを再利用できる
- データの管理や分析ができる
- カスタマイズの柔軟性が高い
自動計算によって効率化できる
エクセルの関数を活用することで計算が自動化され、手作業によるミスが減ります。例えば、税込金額や合計金額などの計算は、セルに入力した数値が変更されると自動的に更新されます。毎回計算し直す必要がなくなり、業務効率を向上できます。
また、VLOOKUP関数を使えば、商品名や単価を自動で反映させることができるため、データの入力ミスも大幅に減ることでしょう。
テンプレートを再利用できる
エクセルは、セルの配置や書式設定、関数の追加など、自由度が非常に高いため、業種や取引先に応じて柔軟にカスタマイズできます。請求書に必要な項目やフォーマットは、企業や業種によって異なることが多いため、自社の要件に合わせてカスタマイズできるエクセルは便利です。
独自の書式やレイアウトで請求書を作成することができ、クライアントに対してプロフェッショナルな印象を与えることが可能です。
データの管理や分析ができる
エクセルにはデータ管理機能が豊富に搭載されています。請求書のデータを月ごとに集計したり、売上の推移をグラフ化することで、売上管理や財務分析が可能です。複数のシートやファイルを利用して、取引先ごとに請求書を管理することもできます。
一元管理がしやすく、過去の請求書をすぐに参照できるため、取引履歴の確認や売上の把握が容易です。さらに、フィルター機能や並べ替え機能を活用することで、必要なデータをすばやく検索できます。
カスタマイズの柔軟性が高い
エクセルは、セルの配置や書式設定、関数の追加など、自由度が非常に高いため、業種や取引先に応じて柔軟にカスタマイズできます。請求書に必要な項目やフォーマットは、企業や業種によって異なることが多いため、自社の要件に合わせてカスタマイズできるエクセルは便利です。
独自の書式やレイアウトで請求書を作成することができるため、クライアントに対して信頼感を与える請求書を作成できるでしょう。
請求書をエクセルで作成するデメリット
請求書をエクセルで作成するデメリットは以下の通りです。
- 複雑な設定による利用者に負担がかかることも
- セキュリティ上のリスクが高い
- 大量データ処理には限界はある
- 法令対応が難しい
複雑な設定により利用者に負担がかかることも
エクセルでは、料金設定や税率、請求書のフォーマットを変更する際に、手作業で修正を行う必要があります。例えば税率が変わった場合、テンプレートや既存の請求書に記載された税率を一つひとつ修正しなければならず、時間がかかります。
また、テンプレートの変更が発生した場合には、変更内容をすべてのファイルに反映させる必要があり、ミスが生じるリスクも増加します。
クラウドベースの請求書管理システムでは、こうした設定を一括で変更できる機能が備わっていることが多く、効率的な更新作業が可能です。
セキュリティ上のリスクが高い
エクセルファイルで請求書を管理する際、セキュリティ面での課題が生じることがあります。エクセルはパスワード保護が可能ですが、外部からアクセスされるリスクやデータの改ざん、紛失の可能性も考慮しなければなりません。
特に複数の社員が同じファイルを共有する場合、ファイルのアクセス権限やセキュリティポリシーを厳密に管理する必要があります。
クラウド上でファイルを共有する場合には、アクセス権の設定を徹底するか、外部に漏れにくい環境を整えなければなりません。なお、エクセルでの情報管理が不安な場合は、請求書発行に特化したクラウドシステムを利用するのも選択肢の一つです。
大量データ処理には限界がある
エクセルはデータ量が増加するほど動作が重くなり、処理速度が低下することが一般的です。取引先が多く、毎月数百件の請求書を発行するような企業にとっては、エクセルでの管理が煩雑になり、エラーが発生するリスクも高まります。
また、大量のデータを扱う際にはファイルの保存やバックアップも手間がかかり、作業効率が低下する可能性があります。
企業規模がある程度の拡大してくると、エクセルではなく請求書管理専用のシステムを導入する方が効率的になることがあります。
法令対応が難しい
エクセルで帳簿を運用する場合、法改正への対応が手間となる可能性があります。税制や会計ルールが変更されても、エクセルで作成した帳簿は自動的には更新されないため、自社で計算式を手動で修正する必要があります。
この設定変更には多大な労力がかかるケースが多く、法改正が頻繁に行われると、帳簿を改正後の内容に合わせて更新する作業が増え、業務が煩雑になりやすいです。
また、長年エクセルを使用していると、「エクセルのマクロを再構築する必要があるが、作成者がおらず、修正方法が不明」といった事態に直面するリスクもあります。
まとめ
エクセルでの請求書作成方法について解説しました。エクセルを活用することで、計算の自動化やテンプレートを活用でき、効率的な請求書作成を実現できます。一方で、管理の負担やセキュリティリスク、大量データ処理の限界といった課題もあります。
請求書作成が煩雑に感じる場合は、専用の請求書管理システムの導入を検討すると良いでしょう。請求書に特化したシステムを活用することで業務を効率化でき、より重要な業務に集中できるようになります。
エクセルを活用した給与計算の効率化を図りつつ、必要に応じて請求書作成ソフトの利用も検討することをおすすめします。
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