紙のカルテの管理が大変になり、電子カルテへの移行を検討している眼科医院も多いのではないでしょうか。電子カルテなら省スペース化はもちろん、判読性の向上や業務効率アップにも期待できます。
この記事では、眼科対応の電子カルテ10製品を徹底比較。選び方のポイントも紹介するので、ぜひ製品選びの参考にしてください。
眼科で使う電子カルテを選ぶポイント
眼科の場合、他の科目と比べて電子カルテを選ぶ際のポイントが異なります。眼科ならではの電子カルテの選び方を4つ解説します。
クラウド型かオンプレミス型か
両者の違いは、いかにシステムを管理するかの違いに集約されます。
クラウド型は、インターネットを介してクラウドサービスを利用する方法を指します。初期費用はかかりませんが、サービス利用料が発生します。システム管理は全てサービスの提供事業者が担うため、手軽に導入し運用させられるのがメリットです。
オンプレミス型とは、システム構築に必要なサーバー機器を自前で導入し、管理することをいいます。ネックなのは、初期投資が大きく、機器調達まで1か月ほどかかる点。建物内に設置するため、災害時にデータが破損する可能性も否めません。ただし、カスタマイズ性やセキュリティに優れており、通信速度が速いというメリットもあります。
専用型か汎用型か
電子カルテには、眼科専用や眼科に特化したもの、眼科以外の科目にも対応しているものの2種類があります。眼科のみ営業している医院なのか、複数の科目を扱う総合病院なのかでカルテの内容も変わるでしょう。
他にも、予約受付やレセプト出力を兼ねたレセコン一体型の電子カルテもあります。自院に最適なのはどれか、導入前に検討することが大切です。
会計や予約などの周辺業務と連携できるか
予約システムや自動釣銭機など、すでに導入しているシステムがあるなら、既存システムと連携できるかどうかを確認しておきましょう。将来的にIT化を進める場合、拡張性の高いシステムを選ぶこともポイントです。
院内機器と接続できるか
眼科特有の検査機器や、レセコンと連携できるかどうかは重要なポイントです。周辺機器やシステムと連携できれば、業務がシームレスになり診療を効率化できます。
眼科は検査数が多いため、検査機器と接続できれば特に業務効率化を見込めるでしょう。機器と接続したい場合は眼科専用の電子カルテを導入するのがおすすめです。
シェーマの描画性や入力機能の充実度は高いか
シェーマの使い勝手は製品によってさまざまです。もしも電子カルテへの移行に不安があるなら、手書きのような書き心地を得られるシステムが望ましいでしょう。
ポイントは、色や太さ・筆圧感知などです。テンプレートの数やテキストが挿入しやすいかどうかなども重要な要素といえます。タブレットに対応している電子カルテなら、細かいタッチも表現でき便利です。
また、項目ごとの自動入力など補助機能の充実性も考慮要素のひとつといえます。診療で繰り返し使用することになるため、どこがオートメーション化されているか把握してみるのがおすすめです。
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【専用型】眼科に特化した電子カルテ
数ある電子カルテの中でも、眼科に特化した製品を5つ紹介します。眼科ならではの業務に対応しているかをチェックしながら見ていきましょう。
製品名 | 特徴 |
CLIPLAEye | 業界初の眼科専用カルテ |
IMAGEnet eカルテV5/V5クラウド | 眼科医療機器メーカーが開発 |
Medius CL | 眼科特有の検査機器に即対応 |
NAVIS-CL | スケッチの下絵が豊富で記入が楽 |
eyemet’s | 機器との接続で検査結果を自動で取り込める |
「CLIPLAEye」業界初の眼科専用カルテ
- クラウド型のため複数端末で利用可能
- 定番の診療内容をあらかじめセットにして設定できる
- 7段階の太さ・6色のシェーマを搭載
予約や診察、会計など全ての業務を一括して管理してくれるクラウド型の電子カルテです。保険証や問診表はスマホやタブレットで撮影し、カルテに保存できます。バーコードつきの指示書を発行できるため、そのつど患者IDを入力する必要はありません。
シェーマには7段階の太さと6色のペンが用意されており、手書きと変わらない操作感を実現しています。カルテに保存した診断内容や処方箋は、そのままレセコンに送って会計を完了させることも可能です。業務効率化のはじめの一歩として、最もおすすめの電子カルテといえます。
サーバー運用形態 | クラウド型 |
会計機能 | 〇 |
シェーマの特長 | 6色7段階 |
「IMAGEnet eカルテV5/V5クラウド」眼科医療機器メーカーが開発
- オンプレミス型とクラウド型から選べる
- 見やすく直感的に操作できる
- 受付から会計までを一元管理でサポート
眼科医療機器メーカーが長年のノウハウを詰め込んで開発した眼科専用電子カルテです。オンプレミス型とクラウド型の2種類から選べ、オンプレミス型は主に総合・大規模病院で採用されています。クラウド型はサーバー設置の手間がかからず、院外から操作可能なため訪問診療もできる点が便利です。
ドラッグ&ドロップやクリックなど直感的な操作が可能で、ストレスなく診療に専念できるでしょう。サポート体制も充実しており、困ったときはスタッフが遠隔操作によるレクチャーや現場でのサポートをしてくれます。電子カルテをはじめて導入する方にはおすすめです。
サーバー運用形態 | オンプレミス型・クラウド型 |
会計機能 | 〇 |
シェーマの特長 | 多様なテンプレート |
「Medius CL」眼科特有の検査機器に即対応
- テンプレートは300種類以上、シェーマは500種類以上
- 診察終了時に会計情報をレセコンへ転送可能
- 専門スタッフがリモート点検
受付から会計業務までを一元管理でカバーする電子カルテです。UIは無駄のないわかりやすい設計となっており、My Room機能を使えば自分なりに画面をカスタマイズできます。
チャット機能を搭載しており、急な連絡事項はすぐに伝達可能。診察が終わると同時に会計情報の入力も完了するため、業務の負担軽減につながるでしょう。レセコンは日医標準レセプトソフトORCA・PHCメディコムと連携可能です。既にソフトがある場合にもおすすめできます。
サーバー運用形態 | オンプレミス型 |
会計機能 | 〇 |
シェーマの特長 | 500種類以上のテンプレート |
「NAVIS-CL」スケッチの下絵が豊富で記入が楽
- シェーマは筆圧感知で手書きのような書き心地
- 料金はすべて自動で会計・漏れ防止に貢献
- 多彩なオプションソフトで自院用にカスタマイズ可能
紙カルテのような使い心地を再現しており、電子にスムーズに移行できるカルテです。シェーマは筆圧感知機能を搭載しており、まるで手書きのような書き心地。スケッチの下絵が多く用意されているのもポイントです。
診察終了時には会計情報が自動で反映されるため、転記漏れや二重請求の心配がありません。手術管理や統計分析システム・OCRソフトとも連携でき、拡張性が高いといえます。エンジニアによるサポート体制も万全で安心です。
サーバー運用形態 | オンプレミス型 |
会計機能 | 〇 |
シェーマの特長 | 筆圧感知 |
「eyemet’s」機器との接続で検査結果を自動で取り込める
- 必要機能のみの導入・段階的拡張も可能
- 医療機器と接続すれば検査結果を自動で取り込み
- 画面の配置を自由に変更可能
必要な機能から徐々に導入していき、段階的に拡張できる電子カルテです。予約管理から会計までをカバーしており、自院の環境に合わせて必要な部分のみを導入できます。
UIはシンプルで自由にカスタマイズ可能。ファイリングシステムが搭載されており、検査結果のデータは自動でカルテに反映されます。シェーマは筆圧感知対応で、使い心地は手書きと変わりません。
「デジタル系に疎い」「紙カルテに使い慣れてしまった」という場合にはおすすめの電子カルテです。
サーバー運用形態 | オンプレミス型 |
会計機能 | 〇 |
シェーマの特長 | 筆圧感知 |
【汎用型】眼科も使える電子カルテ
眼科以外の科目も扱っている病院には、汎用型電子カルテがおすすめです。どの科目でも使える汎用性の高い電子カルテを5つ紹介します。
製品名 | 特徴 |
REMORA | 他システムとの連結で快適化 |
CLIUS | Web問診・オンライン診療などIT化にも対応可能 |
M3Digikar | 30万人の利用実績を誇るクラウド型電子カルテ |
SUPER CLINIC | 現場を熟知したスタッフが手厚くサポート |
CLINICSカルテ | 患者向けアプリとの連携で利便性を向上 |
「REMORA」他システムとの連結で快適化
- UIは好みに合わせて自由にカスタマイズ可能
- 導線指示ボタンを運用に合わせて編集し、患者のステータスを即座に把握
- 眼科向けシステム「Claio」との連携で、画像取り込みも容易に可能
患者情報を素早く確認でき、管理画面のカスタマイズ性にも優れた電子カルテです。予約から会計までの業務をカバーしており、診断待ちの患者が一覧で表示されるためスムーズに案内できます。
画面のレイアウトはもちろん、カラーや文字サイズまで自由にカスタマイズ可能です。画像ファイリングシステム「Claio」と連携すれば、検査データを電子カルテに自動で取り込めます。
別々のシステムで作業することなく業務をシームレスにつなげられるため、高レベルの業務効率化を求める際には最適な電子カルテです。
サーバー運用形態 | オンプレミス型 |
会計機能 | 〇 |
シェーマの特長 | シェーマ所見入力 |
「CLIUS」Web問診・オンライン診療などIT化にも対応可能
- 直観的操作でストレスなく操作可能
- 顧客の要望を元に常に機能をブラッシュアップ
- 「ジョブカン」シリーズとの連携で勤怠管理も可能
40を超える多彩な機能が搭載され、直感的操作も可能なオールマイティーさが魅力の電子カルテです。「ジョブカン」でおなじみのDonuts社が提供しており、OSに依存しない動作環境と優れた機能性が特徴的。AIの学習機能により、よく使う項目がランキング形式で表示され、入力の手間を省きます。
予約機能やオンライン問診、ORCAとの連携など現場の要望を元に、日々機能が進化するのも人気の理由です。ストレージが容量無制限(1ファイル100MB以内)で使える点や、ジョブカンシリーズと連携して勤怠管理が可能な点も魅力的といえます。
サーバー運用形態 | クラウド型 |
会計機能 | 〇 |
シェーマの特長 | iPad対応 |
「M3Digikar」30万人の利用実績を誇るクラウド型電子カルテ
- 診療報酬改定などの更新は自動で行われる
- AIの自動学習機能により入力時間を約80%削減
- 訪問診療前にスマホからカルテの確認も可能
30万人以上の利用実績を誇る人気の電子カルテです。AIの学習機能により、よく使う処置行為がセットで自動入力され、カルテの入力時間を大幅に削減してくれます。
オプションでiPad用アプリがリリースされている点も特徴です。タッチペンを使って紙と同じように描けるだけでなく、写真撮影やシェーマにも対応しています。iPadで入力した内容は電子カルテにも反映されるため、眼科でも大いに活躍するでしょう。
サーバー運用形態 | クラウド型 |
会計機能 | 〇 |
シェーマの特長 | iPad対応 |
「SUPER CLINIC」現場を熟知したスタッフが手厚くサポート
- 稼働後数日間はインストラクターが立ち合いでサポート
- UIはカルテ2号用紙を採用
- ドラッグ&ドロップで素早くカルテを作成
カルテ2号用紙に即したレイアウトで、紙と変わらない使い心地を実現した電子カルテです。導入から数日間は、インストラクターが立ち合いでサポートを実施。運用開始直後も安心して業務に専念できます。
主な操作はクリックとスクロールで、必要な動きは最小限で済みます。入力項目はテンプレート化できるため、カルテ入力がサクサクと進むでしょう。カルテ入力を効率化し、より多くの診察時間を確保したい場合におすすめです。
サーバー運用形態 | オンプレミス型 |
会計機能 | 〇 |
シェーマの特長 | 6色・コメント機能 |
「CLINICSカルテ」患者向けアプリとの連結で利便性を向上
- 他システムとの連携で予約からキャッシュレス決済までを一元管理
- レセプトソフト「ORCA」内包で会計業務を効率化
- 診療に関するデータを元にした経営分析機能も搭載
他システムとの連携による拡張性やデータ分析の有用性が特徴の電子カルテです。組み合わせ次第ではWeb予約や、オンライン診断、キャッシュレス決済も可能になります。
レセプトソフト「ORCA」を搭載しているため、診断内容の転記・二重登録の手間もかかりません。クラウド型のため院外から、カルテを簡単に参照できるのもポイントです。
患者情報や診断内容、会計情報などのデータを可視化でき、病院経営の分析にも役立ちます。長期的な経営向上を目指す際には最適な電子カルテです。
サーバー運用形態 | クラウド型 |
会計機能 | 〇 |
シェーマの特長 | テンプレート搭載 |
眼科に対応した電子カルテの導入でカルテ管理を快適に
電子カルテは紙カルテを単に代替するものではありません。現在はITの力を駆使し、プラスアルファの機能を豊富に搭載した電子カルテが多くリリースされています。
電子カルテへの移行を考えているなら、眼科特有の業務や周辺機器との連携性を確認したうえで製品を選びましょう。自院にぴったりの電子カルテを導入して、業務効率化の実現を果たしてみてはいかがでしょうか。
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電子カルテは製品によって特徴や機能もさまざま。「どの製品を選べばいいかわからない・・・」といった方も多いのではないでしょうか。
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