多くの人が「データベース」という言葉を日常的に使っています。ですが、そもそもデータベースとはどういうものか、特徴やメリットを分かりやすく説明できる人は多くないはずです。データベースを運用するために、最低限知っておくべき事柄を解説します。
データベースの基本
まずはデータベースとは何か、概要とビジネスシーンでデータベースが必要とされる理由を知っておきましょう。詳しい仕組みを知る前に、目的を押さえておくことが重要です。
そもそもデータとは?
そもそも「データ」とは何を指すのでしょうか?「情報」と同じ文脈で使っている人も少なくありませんが、データとは、事実を記号や数字などで表現したものです。
それに対して情報とは、特定の目的を達成するため、あるいは適切な意思決定をするために、データを収集・加工したものと定義できます。つまり客観的な事実を分かりやすく表現したものがデータであり、企業はデータを組み合わせたり、整理したりすることで有効な情報として活用しているわけです。
データベースが必要な理由
企業に限らず、多くの人がデータベースを必要とする理由は、大量のデータを効率的かつ有効に活用したいからです。データベースは多種多様なデータをユーザーが検索したり、後から編集したりするために整理したもので、複数人が同時にデータを活用することもできます。
特に企業がビジネスで必要とするデータは多岐に渡るため、必要なタイミングで必要なデータを活用できるように、データベースを構築する必要があるのです。さらに、データベースは貴重なデータをバックアップする機能も持っているため、各所にバラバラにデータが存在している状態に比べて、安全にデータの保管ができます。
データベースの特徴とメリット
次に、データベースの特徴とメリットを押さえておきましょう。業務データをまとめて管理することにより、多くの社員がデータを有効な情報として活用できるようになり、必要に応じて分析が可能になります。
データの一元管理ができる
データベースは、複数人が同時にアクセスしてもデータを破損させずに利用できるのが特徴であり、大きなメリットといえます。大量のデータの一元管理ができ、さまざまな形式で保管しておけるだけでなく、ユーザーごとにアクセス権限の設定ができるため、データの不正利用や改ざんが起こりにくく、安全なデータ運用が可能です。
関連付けや分析が容易
データベースは情報を検索・追加・修正・削除などがしやすいように、データがまとめられているのが特徴です。そのため、データ同士の関連付けが容易で、必要に応じて分析を加えやすくなっています。
例えば、顧客管理にデータベースを使っているケースでは、顧客の氏名で検索することで、自社の商品を購入した時期や金額、店舗の場合は来店日なども同時に調べられます。
ここから各顧客行動特性を割り出し、商品購入率の高い時期を分析すれば、どのタイミングでプロモーションをすれば効果的か分かるかもしれません。自社のマーケティング戦略やCRMなどに活かせるようになるわけです。
データベースの種類
続いて、データベースの主な種類を見てみましょう。データベースは「階層型」「ネットワーク型」「リレーショナル型」の3タイプに大きく分類できます。
階層型データベース
階層型のデータベースは、その名の通り、各データを階層的に格納しているのが特徴です。企業の組織図を思い浮かべると分かるように、一番上に最も大きなカテゴリーのデータがあり、そこに細分化されたデータの集合がつながっています。
データの親子関係が明確に定義されているので、必要なデータにたどり着きやすいのがメリットです。しかし一方で、複数のデータの親子関係が生じる場合が多く、登録されるデータが重複してしまうデメリットもあります。
ネットワーク型データベース
ネットワーク型のデータベースでは、各データが網の目のようにつながっています。データのグループ同士が相互に結び付いており、複数の親データへのアクセスが可能です。
階層型のようなデータの冗長性や重複を解消できる点がメリットですが、管理に手間が掛かるケースが多く、データベースの構築に複雑なプログラム言語が必要になります。
リレーショナル型データベース
リレーショナル型は表形式でデータを蓄積するタイプで、現在主流となっているデータベースです。表同士を関連付けることにより、複雑な構造のデータでもスムーズな検索ができます。
後述するSQLと呼ばれるデータベース言語を使って制御するのが一般的で、大規模なデータベースでも処理が安定しているのが特徴です。データベースといえば、特に言及しなくてもリレーショナル型を指す場合が多いので覚えておきましょう。
リレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)
データベース自体は単なる情報の集まりに過ぎません。ユーザーが必要なデータを検索したり、編集したりするためにはデータベースの管理システムが必要です。
データベースと管理システムを混同している人も少なくありませんが、前者はデータを保管しておく「箱」のようなものであり、その「箱」から必要な情報を取り出したり、保存したりするのが管理システムです。ユーザーは管理システムに命令することで、データベースから必要な情報を取り出しています。
ただし、両者をまとめて「データベース」と呼ぶことも多いので、情報のストレージとしてのデータベースなのか、あるいは管理システムを含む概念なのかを文脈から判断しなければいけません。
ここでは、主要なリレーショナルデータベースと、その管理システム(RDBMS)について、特に知っておくべき事柄を解説しておきます。
RDBの構成要素
リレーショナルデータベース(RDB)は、情報の格納先となる表(テーブル)と管理システム、そして管理システムを制御するための言語であるSQLで構成されています。
RDBを採用している企業は多く、格納するデータの定義や関係性を厳格に設定できるので、顧客データをはじめとした業務に係る複雑なデータ群を効率的に処理できます。
SQLとは?
SQLはRDBMSの操作言語で、データベースから情報を出し入れしたり、データの書き換えや削除を行ったりする際に利用します。数十万件にも上る膨大なデータであっても、SQLを使うことで効率的に操作可能で、RDBの構築を学ぶ際にはSQLも習得しなければいけません。
国際標準化されているデータベース言語であり、主に「データの定義」「データの操作」「トランザクション制御」の3種類に分けられます。いずれも「CREATE」や「JOIN」といった命令文と目的語の組み合わせでデータベースを制御するのが特徴です。
主なデータベース管理システム
データベース管理システムにはさまざまな種類があり、リレーショナル型の代表例としては、次の管理システムが有名です。
- Oracle Database
- MySQL
- SQL Server
- PostgreSQL
- SQLite
- FileMaker
MySQLやSQLiteなどはオープンソースのデータベースであり、ユーザー側でソースコードの自由な改編や修正が可能です。導入コストがほぼ無料で、自社の環境に応じて自由にカスタマイズができますが、相応の知識を持ったプログラマーが求められます。
それぞれ向いている分野が違っているので、構築したいデータベースに合ったものを選択することが重要です。
データベースの基本を理解しよう
データベースの定義や特徴、主なメリットなど、基本的なところを解説しました。データベースとは、各種データを整理・統合して後から検索しやすいように格納したものを言います。
データの制御にはDBMSが利用され、特に主流となるリレーショナル型にはSQLと呼ばれるデータベース言語が用いられています。データベースについて学びたい人にとっては基本的な内容なので、必ず押さえておきましょう。
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