データベースソフトは膨大なデータを扱う企業にとって欠かせないツールです。データを保管するだけでなく、共同編集やほかのシステムとの連携など、さまざまな用途で活躍します。データベースソフトのメリットや選び方、おすすめサービスを紹介します。
データベースソフトとは
ビジネスでは顧客データをはじめとした、さまざまなデータを扱います。データの管理方法は企業によって異なるものの、必要なデータを閲覧・活用できるソフトは企業活動に欠かせません。
自社にマッチしたサービスを選ぶためにも、まずはデータベースソフトとはどのようなシステムを指すのか正しく理解しておきましょう。
大量のデータを保存できるソフトウェア
データベースソフトとは名前どおり、ビジネスに必要な大量のデータを保存・共有できるソフトウェアのことです。
データベースの扱いに特化したソフトで、必要に応じてデータの追加や検索がスムーズにできるのが特徴です。さらに高いセキュリティでの管理を可能にするため、企業の機密データの保管にも適しています。
近年はWebデータベースも普及している
従来のデータベースソフトは、社内のコンピューターにインストールして活用する「オンプレミス型」が主流でした。
近年ではブラウザ上で制御できるWebデータベースも普及しています。ほかのクラウドサービスと同様に、クラウド型でデータベースを運用する企業も増えています。
オンプレミス型の場合、自社でデータベース管理用のサーバーを構築する必要がありました。クラウド型のWebデータベースであれば、インターネットを通じてデータベースを運用する形態なので、手軽に導入・運用できます。
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データベースに使われるのは主にSQL
データベースの運用に使われるのは、主にSQL(エスキューエル・シークェル)と呼ばれるデータベース操作用の言語です。データベースを扱う上では欠かせない言語ですので、概要を押さえておきましょう。
SQLはデータベースを操作する言語
SQLはデータベースを制御するための言語で、ISO(国際標準化機構)によって規格化されています。一般的なビジネスでのデータ活用には、RDBMS(リレーショナルデータベース管理システム)と呼ばれる専用のシステムを使います。
SQLはRDBMSに命令を送る言語です。システム・ユーザーからの命令があるとRDB(リレーショナルデータベース)に問い合わせが送られ、結果がユーザーに返されます。
SQLの使い方を覚えると、複数のシステムを操作できるのが特徴です。SQLの構文はシステムごとに異なりますが、一つのRDBMSでの使い方を覚えればほかのデータベースも似たような感覚で操作できます。
SQLでできる具体的な操作
SQLで操作できるRDBには、表のような形でデータが格納されます。Excelをイメージすると分かりやすいでしょう。データはさまざまな要素によって分類されています。SQLで命令を送ると、RDBに対して以下のような操作が可能です。
- 特定データの取得や登録・更新・削除処理
- データの条件検索
- データを格納する表(テーブル)の作成・変更・削除
データベースに保存されている大容量のデータを、必要に応じて活用できるようになるのがメリットです。システムに命令するためのSQL文を理解しておけば、膨大なデータも効率よく処理できます。
データベースソフトを活用するメリット
データベースソフトを導入するメリットは主に、「大容量・機密データの扱いができる」「業務の効率化に役立つ」の2つです。それぞれについて詳しく解説します。
大容量、機密性の高いデータも管理できる
Excelのようなアプリケーションでは管理できない、膨大な量のデータ管理を可能にするのがデータベース導入のメリットです。格納されたデータは規則的に整理されており、膨大な情報が入っていてもすぐに必要なデータを取り出せます。
また社員一人ひとりのパソコンでデータを管理するのとは違い、強固なセキュリティの下でデータを一元管理できる点も魅力です。社員それぞれがデータをバラバラに管理するよりも、データベースを使った方が効率・安全性の両面で優れているといえるでしょう。
同時作業ができ業務効率が向上する
データベースソフトを利用すれば、複数人でデータを同時編集できるため業務の効率が大きく向上します。
ローカル環境で使っているExcelにデータを保存している場合、複数人でデータを編集するにはファイル共有システムへのアップロードが必要です。
データベースソフトなら同時に複数の社員がアクセス・編集できるため、わざわざ共有のためにアップロードする手間がありません。ダイレクトにデータへアクセスできるため、変更があったときに素早く編集しデータを最新の状態に保てます。
データベースソフトの選定基準
データベースソフトを選ぶ際は、どのような点に着目するとよいのでしょうか。主な基準となるのは、「データ量」「コスト」「セキュリティ」「サポート」の四つです。
管理できるデータ量
業務で扱うデータの数によって、適したソフトは変わります。自社で管理すべきデータ量に見合ったデータベースを導入しなければいけません。
管理が必要なデータ量をできるだけ正確に把握し、データベースを保存するストレージ容量が不足しないように注意する必要があります。
将来的にデータ量が大幅に増える見込みがあるなら、導入後でも拡張しやすいデータベースを選ぶのがポイントです。
導入、運用のコスト
導入と運用にかかるコストも、重要な選定基準です。自社でデータベース環境を構築する場合は、ソフトウェアの購入費用や管理にかかる人件費、保守・メンテナンス費用などを考慮する必要があります。
Webデータベースの場合、導入費用は安く済みますが月々の利用料金がかかります。長期的な視点で運用コストを計算し、自社に合ったサービスを導入しましょう。
セキュリティレベル
企業がデータベースを導入する状況では、機密データを扱うケースがほとんどでしょう。セキュリティレベルがどの程度なのかは、必ずチェックしておかなければなりません。
万が一データベース内の情報が漏えいしたり改ざんされたりした場合、大きな信用問題に発展してしまう可能性があります。
多様な種類のデータベースソフトがリリースされているので、どのようなセキュリティ対策がされているのか、比較検討しておくことが重要です。
サポート、コンサルティングの体制
予期せぬ問題が起こった際に、十分なサポートを受けられるかも基準になります。運用上の問題・課題の相談に乗ってもらえるかなど、ベンダー(提供会社)側でコンサルティングを行っているとより安心です。
特に今までデータベースを使っていなかった企業の場合、手厚いサポートを受けられるかどうかが導入成功のカギといっても過言ではありません。
必要なタイミングで電話やメールでのサポートが受けられる体制か、必ずチェックしておきましょう。特に海外のベンダーの製品を導入する場合は、日本語でのサポートが用意されているかを事前に調べておく必要があります。
導入に失敗しないために大切なこと
データベースソフトの導入に失敗しないために、注意すべきポイントを解説します。自社にマッチしたソフトを選ぶには、何のためにデータベースソフトを導入するのかを明確にしましょう。
導入の目的を明確にする
重要でありながら忘れられがちなのが、「導入の目的」です。データベースの活用に成功している企業の多くは、導入の目的を明確にしています。
データベースソフトを利用するのは何のためか、何を達成すれば成功したといえるのかを明確にするのがポイントです。
管理部門だけで決定してソフトウェアを導入する企業も多いようですが、現場との意思疎通を疎かにしてはいけません。現場のニーズに合わなければ、ほとんど使われずに終わってしまう可能性もあります。
マネジメント層だけで一方的に導入を進めるのではなく、現場とよく話し合った上で最適な製品やサービスを導入するのことが大切です。実際にデータベースを活用する現場と、目的を共有しておきましょう。
目的に合ったものを選ぶ
導入する目的が決まり現場と共有したら、目標を実現できるデータベースソフトを選びます。
膨大なデータを全社的に一元管理したいのか、会計や在庫管理など特定の業務で利用するデータを統合したいのかなど、目的によって適したデータベースソフトが異なるでしょう。
大容量のデータ保管だけでなく、グラフやレポートの作成機能が豊富なWebデータベースもあります。ドキュメント管理に優れているデータベースなら、書類の作成もひとつで対応可能です。自社の目的や業務にマッチした製品を選択しましょう。
運用体制も考えておく
実際の運用体制も考えておかなければいけません。必要なタイミングで必要なデータを活用するためには、ソフトウェアを使いこなせる人材が求められます。
特に機能が豊富なソフトウェアは設定項目も多いため、データベースに関する知識やプログラミングスキルのあるエンジニアが必須です。
もし自社にデータベースを扱えるエンジニアがいないのであれば、専門的知識がなくても運用できるデータベースソフトを選ぶ必要があります。
近年はプログラミングの知識がなくても、直感的な操作でデータベースを扱えるソフトウェアも登場しています。自社のスキルレベルを考えた上で、問題なく扱えるものを選びましょう。
エンジニアがいる企業向けデータベースソフト
法人利用できるサービスの中でも、SQLで操作するものはエンジニアがいる企業に適しています。代表的なデータベースを3つ知っておきましょう。
MySQL
Oracle社が提供しているデータベースで、世界で最も有名なオープンソース型といわれています。使いやすさと高速のデータ処理が特徴で、WindowsやLinuxをはじめとした幅広いOSに対応しています。
基本は無料で利用できますが、商用利用(法人)の場合はライセンスを購入する必要があるので価格を確認しておきましましょう。データベースを扱うエンジニアなら、ほとんどの人に使用経験があるといわれるデータベースです。
PostgreSQL
カリフォルニア大学で1990年代に開発されたデータベースが発展したRDBMSになります。MySQLと同様にオープンソースで、無料での商用利用も可能です。サポートを受けられる有償ライセンスも用意されています。
多種多様な機能を持っており、拡張性が高いのが魅力です。データベースへの接続端末が増えても安定した運用ができます。必要な機能に絞ってインストールすてばプログラムがコンパクトになり、テスト環境でも動作する点が特徴です。
SQL Server
SQL ServerはMicrosoft社が開発しているRDMBになります。WindowsはもちろんLinux環境でも利用可能です。小規模なシステムから高機能なデータベースサーバーまで、幅広く活用できるのが特徴になっています。
データベースの制御には基本的にSQLを利用しますが。T-SQL(Transact-SQL)と呼ばれる拡張言語も使え、さらに高度なデータベースの運用を実現します。高い技術力があり高機能なデータベースを求めている企業におすすめです。
クラウド・オンプレミスどちらも用意されており、自社に合うタイプを選べます。
専門知識不要のWebデータベースソフト
データベースに関する技術を持たない企業には、完成したサービスをクラウド上で利用するWebデータベースソフトが向いています。おすすめの4サービスをチェックしましょう。
楽々Webデータベース
住友電工情報システムが開発し、2018年から提供しているクラウド型のデータベース管理ソフトです。ExcelファイルをWebアプリ化して業務効率化を図れます。Excelのインターフェースを利用して、データの登録や更新・編集が可能です。
Excelシートではなくデータそのものを共有します。データを読み書きするスピードがが速く、表示・非表示の切り替えや複数のアプリでのデータ連携が可能です。業界・業種を問わずさまざまな企業に導入されています。
kintone
サイボウズ社が提供する、データベース管理が可能なクラウドサービスです。ノンプログラミングで業務データベースを構築できるのが特徴になります。
基本操作はドラッグ&ドロップがメインなので、専門知識や技術がなくても簡単にデータベースの作成・運用ができます。
業務で使用しているExcelファイルなどをインポートしてデータベース化できるため、アプリでデータを管理していた企業が、新たにデータベースを構築するのに役立つでしょう。
スマートフォンやタブレット端末にも対応しているので、出先からも必要なデータを閲覧できます。
UnitBase
ジャストシステム社が提供している、プログラミングスキル不要のWebデータベースソフトです。ブラウザ上で簡単に利用でき、ソフトのインストールやメンテナンス作業は必要ありません。
データベースに関する知識やプログラミングスキルも一切不要です。これまで使用していたExcelファイルを取り込むだけで、データベースとして活用できます。
決済や申請業務のための作業フローを構築する機能も特徴です。基幹システムをはじめとした外部データベースとも直接連携できます。無料体験版を利用できるので、本格導入前に使い勝手を確認してみるとよいでしょう。
Canbus.
業務に必要なデータの蓄積・共有・活用を可能にするクラウドデータベースです。顧客管理や勤怠管理、会計・経理、プロジェクト管理などの業務をひとつのシステムに集約できます。ドラッグ&ドロップで簡単に業務用アプリの作成が可能です。
チャット機能があり、データに関するコミュニケーションもできる仕様になっています。データベースとしてだけでなく、業務を支える中心システムとして活用できるでしょう。
データベースソフトでデータを安全に管理
データベースソフトは、オープンソースで無料のものから高額なものまで、多種多様な製品・サービスがあります。インストール型・クラウド型のWebデータベースなど、使用形態の違いも把握しましょう。
特定の機能に特化したものもあるので、導入目的を明確にして自社に合ったソフトウェアを導入することが重要です。
予算に見合っているか・現場で確実に運用できるかなど、さまざまな観点から最適なデータベースソフトを選択しましょう。
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