「データベースとサーバーって何が違うの?」「データベースサーバーってそもそも何?」といった疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。
業務データの保存や、アプリケーションとの連携を担うデータベースサーバーは、業務システムが取り扱うデータを一元管理する役割を持っています。
この記事ではデータベースサーバーの基本知識や他のサーバーとの違い、データベースサーバーの構築・運用手順について解説します。
データベースサーバーとは?
データベースサーバーとは、構造化された情報・データの集合体であるデータベースを制御する管理システム(Database Management System、DBMS)が作動しているサーバーマシンです。
データの保存や各種アプリケーションとの連携が主な役割で、アプリケーションサーバーなどからの要求を受けて、必要なデータの記録や更新、書き換えなどを行います。
そもそもデータベースとは何か?
データベースとは、特定の種類や属性、条件に該当する情報を集めて、ユーザーが検索・利用しやすいように整理したデータの集まりです。
データベース自体は情報の構造化された集合に過ぎませんが、コンピューター上で情報を管理する DBMS との組みあわせによって、必要なタイミングで必要な情報を利用できるようになります。
一般的には、データを格納しておく「箱」としてのデータベースに加えて、それを制御するDBMSをまとめてデータベースと呼ばれることも多いです。
データベースの基本的な知識や種類、主要なDBMSについては以下の記事で解説しています。より詳しくデータベースについて知りたい方は参考にしてみてください。
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データベースとサーバーの違い
データベースは、主に企業が業務で使用するデータの集合ですが、サーバーはデータを提供するコンピューターを指します。
もともとサーバーとは、何らかのサービスを提供する役割を持っていますが、ITの世界ではサーバーマシンを指すのが一般的です。
特に、コンピューターのファイル共有機能を利用して、複数のパソコン端末から同一のファイルを利用できるように設定されたマシンはファイルサーバーと呼ばれます。
一方、データベースサーバーは構造化されたデータの中から、必要なデータを検索・更新できるのが特徴で、ファイル単位でデータをやり取りするファイルサーバーとは、管理の対象や機能が違っています。
3階層サーバーが一般的
企業の情報システムは、データベースとアプリケーション、そしてウェブの3階層での運用が主流になっており、クライアント・サーバーシステムと呼ばれるシステム構成法の一種として知られています。
これはソフトウェアの機能をUI(ユーザーインターフェース)の役割を持つウェブサーバーと、業務に必要なアプリケーションを動かすサーバー、そして必要なデータの記録や読み書きを担うデータベースサーバーの3つに分けて組みあわせる手法です。
システムを3階層に分割することにより、処理の負担が分割されるほか、仕様の変更が必要になった場合でも、当該サーバーのみ更新やメンテナンスをすれば済むようになります。以下で、それぞれのサーバーの特徴をみていきましょう。
ウェブサーバー
ユーザーが直接操作するインターフェースが実装されたシステム階層で、コンテンツを表示したりアプリケーションサーバーに要求を出し、その結果をユーザーに提示したりするのが主な役割です。
例えば、Google Chromeをはじめとしたブラウザは、ユーザーの入力を元に情報を表示します。このとき、ウェブサーバーはユーザーからのリクエストを受けて、該当する情報を端末に送信しているわけです。
リクエストがテキスト情報や画像といった静的コンテンツのみの場合、ウェブサーバー内に保存された情報を提示します。
ユーザーによって提示情報が変わる動的コンテンツがリクエストされた場合は、アプリケーションサーバーに処理を依頼し、返ってきた情報をユーザーに提示する流れになります。
アプリケーションサーバー
アプリケーションサーバー(APサーバー)は、データベースサーバーと連携しつつ、ユーザーがウェブサーバーを通じて行ったリクエストを受けて、必要な動的コンテンツを生成・提示する役割のサーバーです。
サーバー内で適切な回答ができる場合は対応し、データベースから情報を得る必要がある場合はデータベースサーバーにリクエスト送信します。
データベースサーバー
データベースサーバーはアプリケーションサーバーからのリクエストを受けて、DBMSが必要な情報をデータベースから抽出・加工を行うサーバーです。該当するデータをアプリケーションサーバーに返すことにより、ユーザーは必要な情報を得られる仕組みになっています。
データベースサーバーの基本機能は、データの「作成(Create)」「読み出し(Read)」「更新(Update)」「削除(Delete)」です。それぞれ英語の頭文字を取って「CRUD(クラッド)」と呼ばれています。
データベースでは、SQLに代表されるプログラミング言語の使用が一般的です。この言語を用いることで「CRUD」の機能を使い、ユーザーは必要な情報の作成や更新、削除がいつでも可能になっているというわけです。
サーバーの構築・運用手順
「実際にサーバーはどうやって構築するの?」疑問に思っている人もいると思います。サーバー構築では無駄な運用コストをかけず、処理が重くなりすぎないよう目的や用途に合ったサーバーを選びましょう。
また正常な運用が続けられるよう、セキュリティや継続性について考えておくことが重要です。
求める性能を明確にする
データベースサーバーの性能を決めるために以下の4つを明確にしましょう。
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目標とするCPU使用率は使用のピーク時を考えて設定する必要があります。またCPU使用率が100%に近づくと応答時間が長くなるので、待機時間にこだわる必要がない場合は90%、それ以外は70~80%とするのがおすすめです。
運用時を想定する
データベースサーバーを運用するともしものことが起こります。そうなったときに困らないよう事前の対策や準備が大切です。主に考えるべき項目は以下の13個です。
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これらのほかに問題点や発見事項の情報共有、監視内容やメンテナンス内容の見直しは逐次行う必要があります。
データベースサーバーの役割を理解する
データベースサーバーの特徴と、ほかのサーバーとの違いを簡単に解説しました。データベースサーバーはDBMSが稼働しているサーバーで、企業のシステムが取り扱うデータを一元的に保存・管理する役割を担っています。
ウェブサーバーやアプリケーションサーバーと役割を分けることにより、ユーザーへのスムーズな情報提供と、保守メンテナンスのしやすさを両立させているのが特徴です。
企業のシステム運用を考える際には、これら3階層のサーバー構成を考える必要があります。それぞれの役割をしっかりと理解して、社内に点在したデータを一元管理し、ビジネスに活かしていきましょう。
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