品質管理や納期厳守などで手一杯になり、適切な原価管理ができないことに悩む企業は少なくありません。部品数が多かったり、機械や従業員の稼働時間など数値化できない原価が発生したりと、正確な製造原価の把握も困難です。
その点、製造業向けの原価管理システムを導入すると、リアルタイムでの原価管理を少ない負担で行えます。原価低減や利益確保の実現が可能です。
そこで本記事では製造業におすすめの原価管理システムを厳選して5製品ご紹介。選び方や導入のメリットも併せて紹介します。ぜひ、原価管理システムを比較検討する際の参考にしてください。
製造業向け原価管理システムおすすめ5選
製造業向けの原価管理システムの中から、おすすめのものを5製品紹介します。
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「J-CCOREs」ころがし計算に対応!Excelからの移行も簡単
- Excelを使用している企業におすすめ
- 製品のコスト構造が分析可能で、原価管理に活かしやすい
- 工程ごとの原価追跡により、原価低減を見込める場所を具体的にできる
J-CCOREsは原価管理に特化したシステムです。既存システムとの連携はもちろん、独立した運用が可能なため、どんな周辺システムとも両立できます。Excelからのデータ貼り付け、取り込み、出力機能が付いているので、決算業務の負担軽減が期待できるでしょう。
ころがし計算に対応しており、製造工程ごとに製造原価を出せるのが強みです。化学品や薬品といったプロセス型の製造業に発生する複雑な原価計算に適しています。また製造工程や品目構成の変更にも柔軟に対処可能です。
各工程で生じる原価追跡が簡単で、製品のコスト構造を細かく分析し、工程の効率化に役立ちます。
「スマートF」スモールスタートで現場の負担が少ない、製造原価を見える化!
- スモールスタートで導入可能
- 原価の見える化、予実管理ができる
- バーコード活用でペーパーレスを実現
スマートFは原価管理以外にも、在庫管理や工程管理、設備管理機能を搭載したクラウド型のシステムです。バーコードを使ったシステム入力で、データ入力の手間とミスを軽減でき、原価集計も自動で行ってくれます。
さらに予定価格から割り出した標準原価と、実際原価それぞれの予算実績管理も簡単にでき、利益率や予実差がひと目で分かるでしょう。
既存システムとの連携性も高く、必要な機能から導入するスモールスタートが可能なので、システムの導入による負担を抑えられます。
「AMMIC/NetC」工場をまたいだ原価管理、品目やロット別の原価計算にも対応
- 各工場の在庫や原価を1つのシステムで管理できる
- 品目やロット別、工場別の詳細な原価計算が可能
- 複雑な標準原価と実際原価の差異計算で、原価管理を見える化
AMMIC/Netシリーズは原価管理も含め、生産管理・販売管理・購買管理を統合管理できるERPパッケージです。
原価管理システムを利用すると、製造業に合った原価予測、予算シミュレーションが行えます。また品目や製造番号、ロット別、あるいは工場のようなグループ別に、詳細な原価計算ができます。
さまざまな角度から標準原価と実際原価の差異を比較し、実態に合わせた標準原価の改訂やコストダウンにつなげられるため、PDCAサイクルを回すのに最適です。
「FutureStage」製造業に合わせて拡張可能、生産管理や販売管理もオールインワン
- 基幹業務に関わる全てのデータを一元管理
- 売上や工数など、情報をすべてリアルタイムで管理
- 導入から運用までワンストップでサポート
FutureStageは製造業に必要な、生産管理・販売管理・在庫管理を、スムーズに連携できる、基幹業務パッケージサービスです。自動車部品や金属部品、一般機械に特化した業種テンプレートは、業種の商慣習や業務プロセスに従って、カスタマイズされています。
リアルタイムに原価に関わる情報を確認できるため、原価管理以外にも経営判断の迅速化などにつなげられるでしょう。
周辺システムと連携しやすい拡張性の高さや、長年培ったノウハウをもとにした、導入前後の手厚いサポート体制も特徴です。
「アラジンオフィス」食品や鉄鋼、ねじ業界など自社に合わせてカスタマイズ
- オプションが豊富で自社に必要な機能を選べる
- 外部システムとの連携がしやすい
- 導入前から導入後まで完全フォロー
標準的な業務工程である販売管理・在庫管理・生産管理機能に、業界に特化した機能を組み合わせられるパッケージ型システムです。
製造業向けとして食品業界や鉄鋼業界、ねじ業界に特化したオプションがあります。さらに自社に合わせたカスタマイズも可能です。原価管理機能は案件や現場ごとの細かい管理ができ、特に個別受注生産を行う企業で役立ちます。
連携できる外部システムも豊富で、既存システムとの連携も簡単です。操作方法の問い合わせや、トラブルへの対応だけでなく、手厚いアフターフォローが魅力です。
製造業向け原価管理システムの選び方
製造業向け原価管理システムを選ぶ際のポイントは以下の5つです。
- ロット別の原価計算や配賦計算ができる製品を選ぶ
- 原価差異分析やシミュレーション機能を搭載した製品を選ぶ
- 「ころがし計算」のできる製品を選ぶ
- 個別受注生産の場合はリアルタイム性などに着目して選ぶ
- バーコード読み取りやタブレットに対応した製品を選ぶ
ロット別の原価計算や配賦計算ができる製品を選ぶ
製造業向け原価管理システムを選ぶ際は、製造原価の管理に適した計算機能で選びましょう。例えば製造間接費を可視化するためにも、「配賦計算機能」を搭載している製品を選ぶのは1つのポイントです。
製造業の原価管理は主に材料費や労務費、外注費、経費といった4項目に分類され、さらに各項目が製造直接費と製造間接費に分けられます。
中でも光熱費や賃料、減価償却費などを含む製造間接費は可視化しにくい原価です。配賦計算機能があることによって、製品や工程に紐づけられない製造間接費も、一定の基準で各部門と製品に割り振って処理できます。
またロット別や構成部品のマスタ別、工場別といったグループごとの原価計算ができる製品も製造業におすすめです。扱う部品数の多い企業でも、グループ分けをすることで効率よく原価管理が行えます。
原価差異分析やシミュレーション機能を搭載した製品を選ぶ
製造業の利益率改善につながる分析機能に注目して選びましょう。
例えば製造業の原価管理には、それぞれの原価項目ごとに標準原価と実際原価を計算して、原価差異分析ができる機能が必要です。費目別や原価の分類別、部門別など、それぞれで原価差異が生じた箇所をドリルダウンして見つけられます。
コストが上昇した時期や原因となっている原価が一目でわかり、収益性の判断や利益率の改善、赤字の予防に役立てることが可能です。
精度の高い原価シミュレーション機能も、製造業にとって重要な機能の1つと言えます。とくに構成部品や工程が多岐にわたる製造業では、原材料や構成品目、部門、製造量といった要素別に原価シミュレーションができるシステムがぴったりです。
「ころがし計算」のできる製品を選ぶ
「ころがし計算」に対応した原価管理システムを選びましょう。
ころがし計算とは複数工程をまたがって製品を製造する場合に、各工程で算出した製造原価を積み重ねていき、完成した製品の原価を求める方法です。
製造工程ごとに原価管理を行うことで、工程や部品構成に変更があった場合にも最小限の対応で済みます。ころがし計算によって、現場に負担をかけず実態に即した原価管理につながり、正確な予実管理を実現可能です。
個別受注生産の場合はリアルタイム性などに着目して選ぶ
個別受注生産を行う製造業の場合は、原価をリアルタイムで把握できる原価管理システムを選びましょう。原価の予実管理をリアルタイムで行うことで、当初の見立てより原価率が上昇するといったリスクを低減可能です。
また現場の進捗状況や担当者のタスク、機械の稼働状況などをタイムリーに見える化することにより、納期回答や設計変更の検討、新規案件の受注検討をスピーディーに行えます。
外部システムから部品リストへの自動転記が行える機能もおすすめです。手配漏れによる納期遅れを予防することに加え、バックオフィス担当者の負担削減にもつながります。
バーコード読み取りやタブレットに対応した製品を選ぶ
現場担当者の負担を削減するためにも、バーコード読み取りやタブレットに対応している製品を選びましょう。
バーコードやタブレット端末を活用すると、在庫の出入庫や工程ごとの状況などをその場で簡単に入力可能です。担当者は業務終了後に作業実績の報告やエクセル管理をせずともよくなり、人為的ミスの削減や効率化を実現できます。
現場の業務が忙しく原価管理をする余裕がない場合や、リアルタイムで正確な原価管理が難しいと感じている場合、とくに要チェックです。
製造業に原価管理システムを導入するメリット
製造業が原価管理システムを導入するメリットには、各製品の収益性を判断できることや正確な製造原価の把握による利益率向上、負担の少ない原価管理の実現が挙げられます。生産実績をリアルタイムで見える化できる点や、工場をまたいだ製造原価の共有が行える点もメリットです。
損益分岐点を求めて各製品の収益性を判断できる
損益分岐点を算出して製品ごとの収益性を判断できるのが、製造業で原価管理システムを導入するメリットです。
損益分岐点とは、収益全体からかかった費用を控除して利益を算出したものを言います。つまり製品の限界利益(赤字になるライン)を測る目安となる数値です。
一般的に製造業では損益分岐点が高い傾向にあり、製造に要したコストを取り返すには大きな利益を出さなければなりません。売上の増減に左右されやすく、油断すると赤字に転落するリスクもあります。
原価管理システムで損益分岐点を正確に計算することで、製造費用の削減に役立てることが可能です。新商品で採算が取れるか、事前に収益性を判断する際にも役立ちます。
製造原価を正確に把握して利益率向上につながる
ロット別や構成部品のマスタ別、工場別などで原価計算ができる製造業向け原価システム。種類や個数の多い部品を含む製品の製造原価を正確に把握できます。
さらに各項目ごとに原価計算や原価差異分析、損益計算、原価シミュレーションを行うことも可能です。正確な製造原価をもとに、売値の適正化や利益確保につながるのが大きなメリットと言えます。
また製造直接費だけでなく、光熱費や賃料、減価償却費などを含む製造間接費の原価計算ができるのも大きな強みです。数値化しにくい製造原価まで正確に把握することで、原価低減の可能性が従来よりも広がります。
現場にとって負担の少ない原価計算が実現する
製造業向け原価管理システムの多くは、バーコード読み取りに対応していたり、生産管理システムや在庫管理システムと連携できたりできます。原価管理システムを導入することで、現場の原価管理を効率よく行えるのが大きなメリットです。
また製造業に特化した原価管理システムの中から選ぶと、現場への導入サポートやマスタ登録の代行といったサポートを受けられることもあります。
「品質管理や納期厳守で精一杯・・・」「現場で使いこなせるかわからない」とお考えの場合も、自社の製造現場に適した製品を選ぶことで原価管理の効率化を実現可能です。
生産実績をリアルタイムで見える化できる
原価管理システムを導入することで、製造現場の従業員と機械の動きや生産実績などをタイムリーに把握できます。
とくにバーコードやタブレット端末に対応した原価管理システムなら、在庫の出入庫や進捗状況を担当者がその場で報告可能です。入力した内容から製造原価や粗利などを自動算出でき、製造工程の見直しや次回以降の見積の検討に役立ちます。
個別受注生産の製造業の場合には、最初の見積もり以上に原価率が上昇するリスクを抑えたり、納期回答や受注検討がスムーズに行えたりといった効果もあります。
複数の工場をまたいだ製造原価の共有が行える
原価管理システムを導入することで、工場ごとに異なる原価管理の形式を統一できます。予算や実績、工場間の原価比較が簡単になるうえ、担当者はいつでもデータへのアクセスが可能です。
シームレスな業務を実現でき、迅速な経営判断が求められるときでもデータをもとに的確な判断を下せます。
また原価管理システムで管理方法を統一することで、担当者から周囲の従業員への引き継ぎがしやすく、作業の属人化を防ぎやすいのもメリットです。
製造業向け原価管理システムで正確な原価管理を実現
製造業向け原価管理システムを導入すると、現場に負担をかけずに高度な原価管理を行なったり、複数の工場をまたぐ原価情報をタイムリーに共有したりできます。損益分岐点の算出や原価差異分析をおこなって、利益拡大につなげることも可能です。
原価管理システムを選ぶ際は、ロット別の原価計算や配賦計算、原価シミュレーション機能など製造業に必要な機能を搭載しているか確認することが大切。バーコード読み取りの可否や、既存システムとの連携性も重要なポイントと言えます。
自社の製造現場にフィットした製造業向け原価管理システムを導入して、効率的な原価管理を実現しましょう。
以下の記事では、おすすめの原価管理システムを各サービスの特徴や料金で比較しています。ぜひ、あわせて参考にしてください。
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