「商品ページまで来てくれたお客様が、サイズや配送のちょっとした疑問を解消できないまま離脱してしまう」
「『いつ届きますか』『返品はできますか』といった同じ問い合わせメールに、毎日担当者が手作業で返信に追われている」
「売り上げを伸ばしたいのに、接客と問い合わせ対応の両方に手が回らない」
オンラインショップを運営していると直面するこれらの課題を解決する手段が、ECサイト向けのチャットボットです。
多くのサービスがリリースされていますが、最適な製品は解きたい課題によって変わります。買い物中の不安を解消して購入率(CVR)を上げたいのか、問い合わせ対応を自動化してCS(カスタマーサポート)の工数を減らしたいのか、それともLINEなどでチャット内の購入につなげたいのか。この分かれ目を最初に押さえることが、製品選びの出発点になります。
この記事ではEC向けチャットボットを目的別に整理して、おすすめ9製品の比較・選び方の軸・タイプ別の本命までを順に解説します。
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まず検討したいEC向けチャットボットおすすめ3選
チャットボットが数あるなかで、ECがまず検討すべきは以下の3製品です。それぞれ得意とする目的が異なるため、自社が解きたい課題に近いものから見ていくと選びやすくなります。
それぞれ各製品の詳しい強みや導入時の注意点は、ページ後半の「EC向けチャットボットおすすめ9選」で解説します。まずはECで有力候補になる可能性が高い製品だけで比較して、候補製品のあたりをつけていきましょう。
チャネルトーク
サイトを訪れたお客様に、その場で声をかけられるのがチャネルトークです。買い物中の疑問をリアルタイムの接客で解消し、必要なら有人チャットへなめらかに引き継いで「もう一押し」までつなげられます。接客でCVRを伸ばしたいECに向いています。
KARAKURI chatbot
「いつ届く」「返品したい」——注文後にくり返し届くこうした質問を、精度の高いAIが自動で回答します。有人対応に回る件数を減らせるため、問い合わせ対応の工数に悩むECならまず候補に入れたい製品です。
さっとFAQ
とにかく手軽に始めたいなら、さっとFAQが有力です。表計算ソフトのような感覚でQ&Aを登録できるので、専門知識がなくてもFAQ対応の自動化をスタートできます。導入のハードルの低さが何よりの持ち味です。
EC向けチャットボット9製品の比較表
メインで検討したい3製品と、あわせて知っておきたい6製品を一覧で比較します。EC選定で実際に効く軸にしぼって整理しました。
| 製品名 | 得意な目的 | AIの回答精度 | LINE連携 | 料金感 | 導入のしやすさ |
|---|---|---|---|---|---|
| チャネルトーク | 接客・CVR向上 | 高い | 対応 | 要見積もり | やや専門的 |
| KARAKURI chatbot | 問い合わせ自動化 | 高い | 対応 | 要見積もり | サポート手厚い |
| さっとFAQ | FAQ自動化 | 標準 | 要問い合わせ | 比較的手頃 | 簡単 |
| hitobo | FAQ自動化 | 標準 | 要問い合わせ | 要見積もり | 簡単 |
| BOTCHAN AI | チャットコマース・接客 | 高い | 対応 | 要見積もり | 標準 |
| チャットプラス | FAQ・接客 | 標準 | 対応 | 比較的手頃 | 簡単 |
| GENIEE CHAT | 接客・CVR向上 | 標準 | 対応 | 要見積もり | 標準 |
| RICOH Chatbot Service | FAQ自動化 | 標準 | 対応 | 要見積もり | 簡単 |
| MOBI BOT | 問い合わせ自動化 | 標準 | 対応 | 要見積もり | 標準 |
料金は導入規模や機能によって変わるため、正確な金額は各社への問い合わせが必要です。表は得意な目的を中心に、自社の課題に近い製品を見つけるための入り口として活用してください。
自社ECのチャットボット導入を判断する3つのチェックポイント
チャットボットは便利な一方で、すべてのECに必須というわけではありません。導入が効果につながりやすいかどうかを、次の3点で確認してみてください。
- 問い合わせの内容が繰り返しになっているか:「配送状況」「返品方法」「在庫の有無」など、同じ質問が毎日のように届いているなら、自動化で工数を大きく減らせます。
- 購入直前の離脱が多いか:商品ページやカートまで進んだお客様が、疑問を解消できずに離脱しているなら、接客型のチャットボットでCVR改善が見込めます。
- 対応の人手が足りていないか:問い合わせ対応に専任を割けず、返信が遅れているなら、一次対応の自動化が効きます。
3つのうちひとつでも当てはまるなら、チャットボットの導入を検討する価値があります。逆に、問い合わせがほとんどなく、サイトの離脱も少ないECでは効果が出にくいこともあります。
EC向けチャットボット選びにおける3つのタイプ
製品を比べる前に自社が解きたい課題を整理しておくと、選択がぶれません。EC向けチャットボットの目的は、大きく次の3タイプに分かれます。自社がどれに近いかを確認してください。
買い物中の不安を解消して購入を後押ししたい(接客・CVR向上)
「サイズ感がわからない」「自分に合う商品はどれか」——買い物中のこうした小さな不安が、離脱の引き金になっているケースです。
チャットでその場に答えを返せば、カゴ落ち(カートに入れたまま購入されない状態)を防ぎ、購入率を高められます。接客型のチャットボットが力を発揮する領域です。
問い合わせ対応を自動化してCS工数を減らしたい(FAQ・注文後対応)
「いつ届くか」「返品したい」。注文の前後で、こうした問い合わせに日々追われているなら、このタイプに当てはまります。
よくある質問を自動で返せるようにして、人にしか対応できない案件へ担当者を集中させる——それがゴールです。FAQ自動化に強い製品が向きます。
チャット内で商品提案から購入までつなげたい(チャットコマース)
LINEなどのチャット上でお客様の好みを聞き出し、商品提案からそのまま購入まで運びたい。そんな狙いがあるなら、チャットコマース型が選択肢になります。
フォーム入力や決済での途中離脱を抑え、会話の流れを止めずに購入へつなげられるのが持ち味です。
EC向けチャットボットの選び方
タイプ(目的)が決まったら、本命が本当に自社に合うかを最終確認します。
AIの回答精度:複雑な相談が多いならAI型、定型の質問中心ならシンプル型
問い合わせが「言い回しのバラつく相談」中心なら、KARAKURI chatbotなど表記の揺れを吸収できるAI型の製品が効きます。
逆に「配送・返品」といった定型質問が大半なら、さっとFAQなど登録の手軽なシンプルな製品で十分です。高機能=正解ではなく、届く質問の質で決めます。
LINE連携:リピートやチャットコマースを狙うなら必須、サイト内接客だけなら任意
LINE上での提案や購入まで考えるなら、LINE連携は外せない条件です。一方、サイト内の接客だけが目的なら、連携の有無は決め手になりません。自社が「購入後もつながりたいか」で線を引きます。
料金:多くは要見積もり。問い合わせ件数とサイト規模を伝えて比べる
料金は件数や規模で変わり、公開されていない製品も少なくありません。まず自社の問い合わせ件数とサイト規模を整理し、その前提で各社に見積もりを依頼すると、横並びで比べられます。小さく始めたいなら、料金が手頃な製品から試すのも手です。
運用体制:自社で回すなら設定がかんたんな製品、任せたいならサポートが手厚い製品
設定や改善を自社で続けたいなら、操作がかんたんな製品が向きます。社内に手が足りず伴走してほしいなら、導入支援や運用サポートが手厚い製品を選びます。導入後に「使われ続けるか」はここで決まります。
タイプ別のEC向けチャットボットおすすめ製品
タイプ別に本命となるおすすめ製品を紹介します。自社に当てはまるタイプのところを参考にしてください。
接客・CVR向上を狙うなら「チャネルトーク」
接客で購入率を底上げしたいECの本命はチャネルトークです。自動接客で大半の疑問にその場で答えつつ、込み入った相談は有人チャットへなめらかに引き継げます。
機械と人の合わせ技が購入直前の迷いを解きほぐし、あと一押しを生み出すことでCVR改善を狙えます。
CS工数削減を狙うなら「KARAKURI chatbot」
注文後に同じ問い合わせが何度も届く——その状況を変えるのがKARAKURI chatbotです。表現の揺れた質問にもAIが的確に回答するため、有人対応に回る件数そのものを減らせます。CSの工数削減を最優先するなら、これが本命になります。
チャットコマースを狙うなら「BOTCHAN AI」
LINE上で会話しながら商品を提案し、そのまま購入まで運びたい。そんなチャットコマースを描くなら、BOTCHAN AIが応えてくれます。情報入力から決済までチャット内で完結させられるので、途中離脱を抑えながら売り上げにつなげられます。
EC向けチャットボットおすすめ9選
ここからは9製品をタイプ別に深掘りします。各製品の強みやほか製品との違いを参照しながら、自社に最適な製品へ絞り込んでいきましょう。
接客・CVR向上に強いタイプ
チャネルトーク
サイトを訪れたお客様にその場で声をかけ、買い物中の疑問を解消できるのがチャネルトークです。
自動接客で問い合わせを取りこぼさず、込み入った相談は有人チャットへなめらかに引き継げるため、人による「もう一押し」までつなげられます。接客シナリオの設計と運用には手間がかかるので、運用体制を先に決めておくと効果が安定します。
GENIEE CHAT
GENIEE CHATの持ち味は、サイト上の自動接客とその後の販促を地続きで設計できる点です。訪問者の疑問を解消して離脱を防ぎながら、マーケティング施策と一体で接客を組み立てられます。
高度なAIよりも、まずは標準的な機能から堅実に始めたいECにとって扱いやすい製品です。
問い合わせ自動化・FAQに強いタイプ
KARAKURI chatbot
「いつ届く」「返品したい」——注文の前後でくり返し届く質問に、KARAKURI chatbotは精度の高いAIで自動的に答えます。聞き方に揺れがあっても的確に対応できるため、有人対応に回る件数そのものを減らせます。
導入の伴走は手厚い一方、効果はFAQをどこまで整えるかで変わるので、質問データの準備を並行して進めるのが得策です。
さっとFAQ
手軽さで選ぶなら、さっとFAQが候補になります。表計算ソフトのような感覚でQ&Aを登録でき、専門知識がなくてもFAQ対応の自動化をすぐ始められます。
高度なAIよりも手軽さを優先した製品なので、複雑な問い合わせは有人対応と組み合わせる前提で考えると無理がありません。
hitobo
Q&Aを一から作る手間を省きたいなら、hitoboが頼りになります。過去の問い合わせや手元の資料をもとに、AIが想定問答を自動で組み立ててくれます。
準備の負担が軽く、FAQ自動化の立ち上げをできるだけ早く済ませたいECにとって、最初の一歩を踏み出しやすい製品です。
RICOH Chatbot Service
使い慣れた表計算ソフトの形式でFAQを登録でき、難しい初期構築なしに運用を始められるのがRICOH Chatbot Serviceです。
最小限の手間で問い合わせ対応を自動化でき、設定でつまずきにくい点が魅力です。大手ベンダーが提供する安心感もあり、はじめてのチャットボット導入とも相性のよい一台です。
MOBI BOT
窓口がWebサイトやLINEなどに分散しているECで強いのがMOBI BOTです。複数のチャネルにまたがる問い合わせを一つにまとめ、対応の取りこぼしを防ぎながら運用できます。
すでに複数の接点を持ち、チャネルを横断した自動化を前提に設計したい事業者に向いています。
チャットプラス
チャットプラスは機能の選択肢が多く、FAQの自動対応からサイト上の接客まで一通りをそろえています。手頃な料金から小さく始め、必要に応じて使い方を広げられる柔軟さが持ち味です。
用途をひとつに絞り切れないうちでも、幅広く試しながら自社に合う形を見極められます。
チャットコマースに強いタイプ
BOTCHAN AI
LINE上の会話で、商品提案から情報入力・決済までを一気通貫でつなげられるのがBOTCHAN AIです。
フォームや決済での途中離脱を抑えられるため、会話の流れをそのまま購入に結びつけられます。提案から購入までを一連のシナリオとして設計できる点が、サイト内接客が中心のほかの製品との違いです。
EC向けチャットボット導入を成功させる4つのポイント
導入しただけで放置してしまうと効果は出ません。次の4点を押さえると、EC向けチャットボットへの投資が成果につながりやすくなります。
目的をひとつにしぼって始める
最初の失敗で多いのが、接客もFAQ自動化もチャットコマースも一度に狙い、設定が複雑になって運用が回らなくなるパターンです。まずは直近の数字を見て、最も損失が大きい課題をひとつだけ選びます。
カゴ落ちが多いなら接客、同じ問い合わせが大量に届くならFAQ自動化、という具合です。はじめの3ヶ月はそこにKPIをしぼると、効果が一点に集中して見えやすくなり、社内の合意も取りつけやすくなります。
答えられなかった質問を毎週拾って育てる
チャットボットは入れた瞬間が完成ではありません。回答できない質問を放置すると「使えない」と見限られ、利用そのものが止まってしまいます。
導入後は週に一度ログを見て、答えられなかった質問や誤った回答をQ&Aに足していきます。とくに離脱の多い質問から優先して直すと、お客様が自己解決できる割合が目に見えて上がり、問い合わせ件数の削減が続いていきます。
人へつなぐ導線を最初から用意する
自動で答えられない質問をボットがそのまま突き返すと、かえって不満を生み、購入直前のお客様ほど離れてしまいます。「わからないときは人にスムーズにつなぐ」導線を、導入とあわせて設計しておきます。
対応する時間帯・担当・通知の流れを決め、購入に直結しそうな相談は優先して有人対応へ回します。こうすることで取りこぼしを防ぎ、自動化と顧客満足を両立できます。
目的に対応する数字で効果を振り返る
効果を測らないままでは改善の手も社内への説明も打てず、投資が続きません。導入前に、選んだ目的に対応する指標を決めておきます。
FAQ自動化なら問い合わせ件数と自己解決率、接客なら購入率(CVR)やカゴ落ち率、というように対応づけます。月ごとに導入前後を比べれば、どこを直せば伸びるかが見え、改善のループが回り始めます。
まとめ
EC向けチャットボット選びの核心を最後に整理します。
- 製品は「解きたい課題」で選びましょう。接客でCVRを上げたいならチャネルトーク、CS工数を減らしたいならKARAKURI chatbot、チャット内で購入につなげたいならBOTCHAN AIが本命です。
- 選ぶ順番は、価格よりも「製品の得意分野が自社の課題に合うか」が先です。
- 導入後は目的をひとつにしぼり、質問データを更新しながら効果を数字で振り返ることが成功の条件です。
導入から1ヶ月後、これまで毎日担当者が手作業で返していた「いつ届きますか」への返信が自動化され、その時間をお客様への提案や商品ページの改善に回せている。買い物中の疑問もその場で解消され、以前は離脱していたお客様が購入まで進んでくれる。そんな状態を現実にできます。
導入を先延ばしにしてしまう本当の理由は、費用対効果が読めないことよりも、「自社の課題にどれが合うか」を判断しきれない点にあることが少なくありません。だからこそ、目的を見極める一歩が最初の分かれ目になります。
今日できる最初の一手として、直近1週間で届いた問い合わせを「配送」「返品」「商品相談」などに分類してみてください。最も多いカテゴリがあなたのECが解くべき課題であり、選ぶべき製品のタイプを教えてくれます。
よくある質問(FAQ)
Q:EC向けチャットボットの料金はどのくらいかかりますか。
A:製品や導入規模、機能によって大きく変わります。多くは要見積もりのため、問い合わせ件数やサイト規模を伝えて、各社に見積もりを依頼するのが確実です。手頃に始められる製品もあれば、高機能で本格的な製品もあります。
Q:AIに詳しい担当者がいなくても導入できますか。
A:できます。さっとFAQやhitoboのように、専門知識がなくてもQ&Aを登録するだけで始められる製品があります。一方で高度な自動化を狙う場合は、サポートが手厚い製品を選ぶと安心です。
Q:チャットボットとLINEは連携できますか。
A:多くの製品がLINE連携に対応しています。チャット内での提案や購入を狙うなら、LINEで接点をつくれる製品を選ぶとよいでしょう。
Q:導入してすぐに効果は出ますか。
A:FAQの自動化は比較的早く効果が見えますが、回答精度やCVRの改善は、質問データの更新や接客シナリオの調整を続けることで高まっていきます。導入後の運用が成果を左右します。
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