ミツモア

タイムカードは廃止したほうがよい?勤怠管理システムへ移行するべき4つの理由

ぴったりの勤怠管理システムをさがす
最終更新日: 2025年09月29日

毎月の勤怠締め、紙のタイムカードの回収、Excelへの手入力、そして打刻漏れの確認…。貴重な時間が、本来やるべき戦略的な業務ではなく、非生産的な単純作業に奪われていませんか。「働き方改革への対応は万全か?」という問いに明確な答えを提示できず、焦りを感じているかもしれません。

この記事はかつてのタイムカード運用がもたらす「見えないコスト」と「潜在的リスク」を完全に可視化し、勤怠管理システムへの移行を成功させるためのロードマップです。勤怠管理業務の工数削減に向けた第一歩を踏み出しましょう。

タイムカードは廃止したほうがよい?勤怠管理システムへ移行するべき4つの理由

オフィスの廊下で話しながら歩く男女

結論から言えば、タイムカードは今すぐ廃止し、クラウド型勤怠管理システムへ移行すべきです。その理由は、放置することで深刻化する「法対応」「コスト」「人材」「事業」という4つのリスクを回避するためです。

理由1:2019年から「労働時間の客観的把握」が全企業で義務化されている

「うちはタイムカードがあるから大丈夫」という認識は、もはや通用しません。2019年4月の労働安全衛生法改正により、企業には労働時間の客観的な方法による把握が義務付けられました。

タイムカード自体が即座に違法となるわけではありません。しかし、自己申告制と変わらない運用(例:押し忘れの事後手書き修正が常態化)では、客観的な記録とは到底認められません。労働基準監督署の調査で指摘されれば、是正勧告や罰則のリスクが現実のものとなります。コンプライアンス遵守は、企業存続の絶対条件です。

理由2:その集計作業、見えない人件費が年間100万円以上かも

毎月繰り返されるタイムカードの集計作業は、膨大な「見えないコスト」の源泉です。例えば、従業員80名規模の企業を想定してみましょう。

仮に、管理部門のスタッフ2名が、毎月3営業日(24時間)をタイムカードの回収、チェック、Excel入力、計算作業に費やしているとします。時給2,000円で換算すると、月間96,000円、年間で実に115万2,000円もの人件費が、この単純作業のためだけに費やされている計算です。

これは利益を生まないばかりか、より付加価値の高い業務からリソースを奪っているに他なりません。

理由3:非効率な業務がエンゲージメントと採用競争力を蝕む

時代遅れの管理体制は、従業員のエンゲージメントを確実に低下させます。毎月の非効率な作業に忙殺される管理部門はもちろん、リモートワークや直行直帰といった多様な働き方を実践する社員にとっても、紙のタイムカードは大きなストレスです。

「この会社は、まだこんな非効率なことをやっているのか」という不満は、静かに組織を蝕みます。さらに、優秀な人材を獲得しようとする際、柔軟な働き方に対応できない勤怠管理体制は、明確なディスアドバンテージとなり、採用競争力の低下に直結します。

理由4:勤怠データの未活用は「経営判断の機会損失」

タイムカードによって集計された不正確で断片的なデータは、経営の羅針盤にはなり得ません。正確な労働時間データがなければ、どの部署にどれだけの負荷がかかっているのか、どのプロジェクトが収益を圧迫しているのかを正確に把握することは不可能です。

これは、最新のGPSを持たずに、勘と経験だけで航海に乗り出すようなものです。人員配置の最適化や生産性分析といった、データに基づいた戦略的な経営判断の機会を、毎日失い続けているのです。

結論:タイムカードの代替手段は「クラウド型勤怠管理システム」が最適解

タイムカードの代替手段には、ICカードや生体認証などもあります。しかし、コスト、拡張性、そして最も重要な法改正への自動対応という観点から、中小企業にとっての最適解は「クラウド型勤怠管理システム」です。

スマートフォンやPCからいつでもどこでも打刻でき、集計から給与計算ソフトとの連携までを自動化。常に最新の法制度に対応し、企業の成長に合わせて柔軟に機能を拡張できます。

明日から動ける!タイムカード廃止・システム導入の4ステップ完全ガイド

タイムカード廃止とシステム導入を成功させるためのアクションは、「現状把握」「ROI試算」「システム選定」「社内展開」の4つの明確なステップに集約されます。このロードマップに沿って進めることで、誰でも迷うことなくシステム化プロジェクトを推進できます。

ステップ1:現状把握と課題の定量化【現状の課題を洗い出す】

最初のステップは、現状の課題を「感覚」から「数字」に落とし込むことです。まずは、現在の勤怠集計に「誰が」「毎月何時間」費やしているかを正確に洗い出してください。

その時間に、該当スタッフの人件費(時給換算)を掛け合わせれば、毎月の「見えないコスト」が算出できます。この具体的な金額こそが、経営層を動かす最も強力なファクトとなります。

ステップ2:費用対効果(ROI)の試算【導入効果を具体化する】

次に、システム導入によって得られる費用対効果(ROI)を試算します。計算ロジックは非常にシンプルです。

ROI = (削減できる年間人件費 – 年間システム利用料) ÷ 年間システム利用料 × 100

例えば、ステップ1で算出した年間115万円の人件費が80%削減でき、システムの年間利用料が40万円だった場合、初年度から約130%という高い投資対効果が期待できます。この具体的な数値を、稟議書に明確に記載してください。

ステップ3:勤怠管理システムの選定と比較【失敗しない5つの比較軸】

市場には数多くの勤怠管理システムが存在しますが、選定で失敗しないための比較軸は以下の5つです。

  1. 自社の働き方への適合性: リモートワーク、フレックス、変形労働時間制など、自社の就業ルールに完全に対応できるか。
  2. 給与計算ソフトとの連携: 現在使用している給与計算ソフトとCSVやAPIでスムーズに連携できるか。
  3. サポート体制: 導入初期のセットアップ支援や、トラブル発生時のサポートは手厚いか。
  4. セキュリティ: 従業員の個人情報を守るためのセキュリティ対策は万全か。
  5. 無料トライアルの有無: 本導入前に、実際の使用感を試せる無料期間があるか。

これらの軸を元に比較検討を進めることで、自社にとって最適なシステムが見つかります。

ステップ4:社内への説明と運用ルールの策定【導入後の反発を防ぐ】

ツールの導入は、社内の協力なくして成功しません。特に、新しいシステムへの変更に抵抗を感じる従業員は必ず存在します。

導入決定後は、従業員向けの説明会を必ず開催してください。そこで、システム変更の目的(非効率な業務からの解放)と、操作が簡単になるメリットを丁寧に伝えます。同時に、誰でも見れば分かるシンプルなマニュアルを作成し、導入後の問い合わせ窓口を明確にしておくことが、スムーズな運用定着の鍵となります。

なぜあなたの会社はタイムカードを廃止できないのか?よくある3つの誤解と解決策

オフィスの前に立つ男性

システム導入の必要性を理解しつつも、実行に移せない企業には共通の心理的障壁が存在します。それは、コスト、ITリテラシー、現状維持バイアスという3つの誤解です。しかし、これらは全て乗り越えることが可能です。

誤解1:「導入コストが高いのでは?」→ むしろ使わない方が高コスト。IT導入補助金も活用可能

クラウド型勤怠管理システムは、月額一人あたり数百円から利用できるサービスが主流です。一方で、前述の通り、タイムカードを使い続けることによる「見えない人件費」は年間100万円を超えるケースも少なくありません。どちらが本当に「高コスト」かは明白です。

さらに、IT導入補助金などの公的支援制度を活用すれば、導入コストを大幅に抑えることも可能です。投資を躊躇する理由はありません。

誤解2:「従業員が使いこなせないのでは?」→ 直感的なスマホ打刻でむしろ利便性は向上

「新しいシステムは難しそう」という懸念は、多くの場合杞憂に終わります。最新の勤怠管理システムは、スマートフォンのアプリでタップするだけ、といった極めて直感的で分かりやすいUIを備えています。

事務所に戻ってタイムカードを押す手間がなくなり、直行直帰やリモートワーク中でも手元のスマホで完結するため、従業員にとってはむしろ利便性が劇的に向上します。丁寧な研修とサポート体制を準備すれば、ITに不慣れな従業員でも問題なく移行できます。

誤解3:「今のやり方で特に問題は起きていない」→ 問題が起きてからでは手遅れ

これは最も危険な誤解です。「問題が起きていない」のではなく、「問題が可視化されていない」だけかもしれません。

ある日突然、労働基準監督署の調査が入り、ずさんな労働時間管理を指摘される。あるいは、退職した従業員から過去数年分の未払い残業代を請求される。こうしたトラブルは、問題が顕在化してからでは手遅れです。事前にリスクの芽を摘み取ることこそ、管理部門の重要な責務です。

タイムカード廃止はDXの第一歩。勤怠データを「経営資源」に変える方法

タイムカード廃止は、単なる業務効率化に留まりません。それは、バックオフィス部門がコストセンターから脱却し、企業の成長を牽引する戦略部門へと進化するための、DX(デジタルトランスフォーメーション)の重要な第一歩です。この変革には「守り」と「攻め」の2つの側面があります。

【守りのDX】コンプライアンス遵守とバックオフィス業務の劇的な効率化

まず「守りのDX」として、勤怠管理システムは企業の基盤を強固にします。

法改正への自動アップデート機能が、常にコンプライアンスを遵守した状態を維持。勤怠データの集計から給与計算ソフトへの連携までが完全に自動化され、手作業によるミスや非効率を撲滅します。これにより、管理部門は本来注力すべき、より創造的で戦略的な業務にリソースを集中させることが可能になります。

【攻めのDX】生産性・利益率を最大化するデータ活用術

真の価値は、その先にあります。「攻めのDX」とは、蓄積された正確な勤怠データを「経営資源」として活用することです。

例えば、部署ごと・個人ごとの残業時間の傾向を分析すれば、特定の部署への業務負荷の偏りを可視化し、人員配置の最適化や業務プロセスの改善につなげられます。さらに、プロジェクト別の工数管理を行えば、案件ごとの収益性を正確に把握し、利益率を最大化するための戦略的な意思決定が可能になるのです。

タイムカード廃止に関するよくある質問(FAQ)

Q. タイムカードの保管期間は?廃止後のデータはどうする?

労働基準法により、賃金台帳などの労働関係に関する重要な書類は5年間(当面の間は3年間)の保存が義務付けられています。タイムカードもこれに該当するため、廃止後も法定期間は保管が必要です。クラウド型勤怠管理システムであれば、データはシステム上に自動で長期間保存されるため、保管場所や紛失のリスクを心配する必要はありません。

Q. 不正打刻(代理打刻など)は本当に防げますか?

はい、大幅に防止できます。多くのシステムでは、GPS機能を利用して打刻場所を記録したり、IPアドレスを制限して社内ネットワークからしか打刻できないように設定したりすることが可能です。これにより、友人や同僚による代理打刻といった不正行為を物理的に困難にします。

Q. アルバイトやパートタイマーにも勤怠システムは必要ですか?

雇用形態に関わらず、すべての労働者の労働時間を客観的に把握することは企業の義務です。したがって、アルバイトやパートタイマーに対しても勤怠管理システムの導入は必須と考えるべきです。むしろ、シフト制で勤務時間が変動しやすい非正規雇用の従業員こそ、システムによる正確な労働時間管理のメリットが大きいと言えます。

まとめ:タイムカード廃止は会社の未来を守り、成長を加速させる戦略的投資

オフィスで談笑するメンバー

紙のタイムカードを使い続けることは、もはや「現状維持」ではありません。それは、コンプライアンス違反のリスクを抱え、年間100万円以上の見えないコストを垂れ流し、貴重な人材のエンゲージメントを損ない続ける「静かな後退」に他なりません。

タイムカード廃止は、単なるコスト削減策ではなく、会社の未来を守り、成長を加速させるための戦略的な投資です。正確な勤怠データを手に入れることは、非効率な業務から従業員を解放し、データに基づいた経営判断を可能にするための第一歩となります。

この記事でご紹介した4つのステップに沿って、まずは自社の「見えないコスト」の算出から始めてみてください。その数字が、あなたの会社を変える、力強い推進力となるはずです。

ぴったりの勤怠管理システム選びはミツモアで

ミツモアロゴ
勤怠管理システムは製品によって特徴や機能もさまざま。「どの製品を選べばいいかわからない・・・」といった方も多いのではないでしょうか。

そんなときはミツモアにおまかせ。最短1分の自動診断で、ぴったりの勤怠管理システムが見つかります。

ぴったりの勤怠管理システムを最短1分で無料診断

従業員数や欲しい機能などの項目を画面上で選択するだけで、最適な勤怠管理システムを最短1分で自動診断。もちろん費用はかかりません。

ぴったりの料金プランも一緒にお届け

希望条件に沿った料金プランも製品と一緒に診断します。概算金額を見積もりからチェックして、理想のプランを探してみましょう。

診断結果は最大5製品!比較・検討で最適な勤怠管理システムが見つかる

最大で5製品の診断結果をお届けします。検討していた製品だけでなく、思わぬ製品との出会いもあるかもしれません。

ミツモアなら、ぴったりの勤怠管理システムがすぐに見つかります。

ぴったりの勤怠管理システムを無料で診断する

サービス提供事業者さま向け
ミツモアにサービスを
掲載しませんか?
ミツモアにサービスを掲載しませんか?

ミツモアは依頼者さまと事業者さまをつなぐマッチングサイトです。貴社サービスを登録することで、リードの獲得及びサービスの認知度向上が見込めます。 さらに他社の掲載サイトとは違い、弊社独自の見積システムにより厳選されたリード顧客へのアプローチが可能です。 ぜひミツモアにサービスをご登録ください。

サービスを掲載する