勤怠管理システムの導入を検討する際、「結局いくらかかるのか分からない」「安さだけで選び失敗したくない」と感じる方は少なくありません。表向きの月額料金だけを信じて契約したものの、機能追加や専用端末の購入費、設定サポートなど“見えないコスト”が積み上がり、当初予算を大きく上回るケースも後を絶ちません。
費用の全体像を正しく把握するには、クラウド型とオンプレミス型の違い、機能の選び方、そして運用後に発生しやすい追加費用まで、総額での比較が不可欠です。 2025年の最新動向では、初期費用0円・1人あたり月額200〜400円のクラウド型が中堅企業のスタンダードとなりつつあります。
本記事では、人数別の具体的な費用シミュレーション、見積もりに載らない「隠れコスト」の実態、そして費用対効果(ROI)の出し方まで、担当者が稟議を通すための客観的な根拠を、徹底的に解説します。
勤怠管理システムの費用相場・早見表(クラウド型 vs オンプレミス型)

勤怠管理システムの費用構造は、クラウド型とオンプレミス型で根本的に異なります。2025年時点では、従業員1,000名未満の中堅・中小企業でクラウド型の導入が急速に進み、市場全体の8割近くを占めるほど主流となっています。
その最大の理由は、初期費用0円から・月額200〜500円/人というリーズナブルなコストと、法改正への自動対応やセキュリティアップデートまで料金内に含まれることです。
一方、オンプレミス型はサーバー構築や高額な初期費用、さらに年度ごとの保守費が別途必要になるため、数百名規模までならクラウド型のコストパフォーマンスは圧倒的です。
| 比較項目 | クラウド型 | オンプレミス型 |
| 初期費用 | 0円 〜 5万円(有料サポート時) | 30万円 〜 150万円以上 |
| 月額費用 | 200円 〜 500円/1ユーザー | 不要(保守料は月数万円〜) |
| 保守・法対応 | 月額費用に込(自動アップデート) | 年間数十万円〜(都度アップデート費) |
| 3年総額(100名モデル | 約108万円(300円×100名×36ヶ月) | 約385万円(初期費+保守など含む) |
| 導入企業規模目安 | 〜1,000名未満が主流 | 1,000名以上で選択肢 |
【規模別シミュレーション(目安)】
- 50名規模:月額1万5,000円〜2万5,000円(年額18万〜30万円)
- 100名規模:月額3万〜5万円(年額36万〜60万円)
- 300名規模:月額9万〜15万円(年額108万〜180万円)
見積もりの比較では、「クラウド型は初期費用ゼロ・設定の手間も軽い」という特徴が際立ちます。法改正やセキュリティ対策が自動で維持されるため、IT専任者がいない企業でも、予期せぬ追加コストを抑えながら運用できます。費用と手間の両面で“導入後の失敗が起きにくい”のがクラウド型の最大の強みです。
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見落とし注意!基本料金以外にかかる4つの隠れコスト

勤怠管理システムのコストは「1人月額300円」といった基本料金だけでは済みません。導入後に予算オーバーになる4つの「隠れコスト」を把握することが、稟議の失敗を回避する第一歩となります。
打刻端末・機器の費用(ICカードリーダー・タブレット等)
勤怠管理システムの導入費用で見落とされがちなのが、打刻端末や機器の追加コストです。
PCやスマートフォンでの打刻なら原則として追加費用は発生しませんが、不正打刻の防止や現場で使いやすい環境整備のために、ICカードリーダーや生体認証端末が必要になるケースは多く見られます。
ICカードリーダーは1台あたり数万円、生体認証端末の場合は10万円を超えることもあり、複数拠点で導入する場合には設置台数分だけ初期投資が膨らみます。
特に製造業や店舗など、セキュリティやなりすまし防止が重視される現場ほど、この機器費用が“隠れ負担”となりやすいため、選定時に必ず見積もりへ計上することが重要です。
オプション機能の追加費用(シフト管理・申請承認・有休管理)
低価格や無料プランの多くは、「打刻管理」の基本機能のみに限定されているため、シフト管理や有休自動付与、申請承認といった業務に欠かせない機能を追加すると、月額料金が1.5〜2倍に増えるケースが少なくありません。
特にパートやアルバイト、変形労働など多様な雇用形態や複雑な就業規則への対応が必要な企業では、オプション機能の追加が事実上不可欠となります。その結果、初期の見積もりでは安価に見えたプランでも、実際に運用する際の総コストが大きくなりがちです。
導入を検討する際は、「自社に本当に必要な機能は何か」を明確にしたうえで、オプション料金まで含めて費用シミュレーションすることが重要です。
初期設定サポート・導入支援費用
自社で従業員情報や就業ルールをすべて手作業で登録すれば追加費用はかかりませんが、初期設定の負担を軽減したい場合は設定代行や導入サポートの利用が現実的な選択肢となります。
たとえば、マスタ登録の代行や業務フロー設計のコンサルティング、訪問による操作説明といったサービスを依頼すると、1回あたり数万円から大規模の場合は数十万円のコストが別途発生します。
現場のITリテラシーや導入スケジュールによって、手間とコストのバランスを検討しながら、必要な範囲だけサポートを活用するのが理想的です。
既存システムとの連携費用(API連携・CSVカスタマイズ)
給与計算ソフトや会計システムと自動連携させて業務を効率化したい場合、多くの勤怠管理システムでAPI連携や専用CSVカスタマイズの追加費用が発生します。
基本的なCSV出力や手動のファイル連携は標準機能として無料で提供されることが多い一方で、ボタンひとつでデータを即時反映できる「完全自動化」を実現するには、オプションとして連携機能を別途契約する必要があるケースが一般的です。
選定時には、どの範囲まで自動連携が標準料金に含まれているか、導入後どんな追加コストがかかるかを必ずベンダーに確認し、事前に見積もりに反映させることが失敗しないポイントとなります。
【タイプ別】おすすめ勤怠管理システムの費用・特徴比較

勤怠管理システムは、「コスト重視」「機能バランス」「バックオフィス連携」など、導入目的や企業規模により最適な選択肢が異なります。目的別に代表製品と特徴・費用感を整理します。
コスト重視・小規模向け(月額200円以下・無料プランあり)
コストを最優先したい小規模企業や、まずは“打刻の電子化”から始めたい企業には、以下の製品が強みを発揮します。
HRMOS勤怠(ハーモス)
HRMOS勤怠(ハーモス)は、従業員30名以下であれば永年無料のプランを用意しており、初期費用を極力抑えたい小規模事業者やスタートアップに最適な選択肢です。
有給管理やシフト管理などの機能追加も柔軟に可能で、フル機能を利用しても実質月額300円前後と、圧倒的なコストパフォーマンスを実現します。
無料プランの場合、データの保存期間やサポート体制などに一定の制限はありますが、「まずは打刻の電子化を手軽に始めたい」「必要十分な機能だけで運用したい」といった企業には高い適合性があります。拡張性とコストのバランスを両立した、初期導入にもおすすめの勤怠管理システムです。
ジョブカン勤怠管理(単体プラン)
ジョブカン勤怠管理(単体プラン)は、月額200円/人から「出勤管理」の基本機能のみをシンプルに利用できる柔軟性が魅力です。
LINEやSlackとの連携が標準搭載されており、ITリテラシーにばらつきのある現場でもスムーズに定着しやすい点が特長です。必要な機能だけを選んで段階的に拡張できるので、コストを抑えながら効率的な運用スタートが可能です。
なお、月額の最低利用料金2,000円が設定されているため、ごく少人数での導入時には事前確認が推奨されます。
スマレジ・タイムカード
スマレジ・タイムカードは、小売業や飲食店、サービス業など店舗運営に最適化されたクラウド型勤怠管理システムです。
少人数の場合は無料プランで打刻・シフト作成・休暇管理などの基本機能が利用でき、初期投資ゼロで運用を開始できます。タブレット端末やスマートフォンから直感的に操作できるため、現場スタッフのITリテラシーを問わず簡単に導入できるのも大きな魅力です。
また、人数や運用形態の変化に合わせて有料プランへの拡張も柔軟に選択でき、規模拡大や店舗追加にも無理なく対応できます。
機能バランス・中堅企業向け(月額300〜400円・多機能)
自社の就業規則が複雑、シフトや有給の自動管理、法改正への即応まで一気通貫で管理したい場合、機能性と費用のバランス重視型がおすすめです。
KING OF TIME
KING OF TIMEは、初期費用ゼロで導入可能、月額300円/人というシンプルかつ明瞭な“ワンプライス設計”が最大の魅力です。
シフト管理、申請承認、有給休暇管理など、勤怠管理に必要な機能を追加オプションなしで全てカバーでき、運用中に思わぬコストが発生しない安心感があります。
さらに、国内シェアNo.1という圧倒的な実績に加え、法改正やセキュリティ対応も迅速で、充実したサポート体制を備えているため、はじめての勤怠システム導入や運用に不安がある中堅・中小企業にも最適です。
ジンジャー勤怠
ジンジャー勤怠は、月額300円程度という手ごろな費用で、変形労働制や多様な就業ルールなど、複雑な働き方にも柔軟に対応できる高いカスタマイズ性を備えています。
シンプルな画面設計で直感的に操作できるため、従業員だけでなく管理者側の負担も大幅に軽減できます。
さらに、法改正へのアップデート対応も迅速で、常に最新のコンプライアンスを保ちたい企業にとって心強い選択肢です。
バックオフィス一元化・連携重視(ERP・シリーズ連携)
勤怠管理だけでなく給与計算や経費精算も一体化したい場合、バックオフィス全体のDX推進を視野に入れたシステム選定が重要です。
マネーフォワード クラウド勤怠
マネーフォワード クラウド勤怠は、勤怠データから給与計算、経理処理までをシームレスに連携できる点が大きな強みです。
部門ごとの承認や申請フローも自動化でき、「年末調整」や「社会保険手続き」といった複雑なバックオフィス業務も効率良く進められます。
ERPプラットフォームとして全社のデータを一元管理することで、手作業や転記ミスを大幅に削減し、業務全体のコストと負担を最小化できるのが特長です。複数業務をまとめて効率化したい企業にとって最適な勤怠管理ソリューションです。
freee勤怠管理Plus
freee勤怠管理Plusは、会計や人事労務ソフトと統合運用するために設計されており、勤怠データが給与計算や経理業務へ自動連携されるため、手作業や入力ミスを大幅に削減できます。
月額300円/人から利用でき、直感的な操作性に優れたUIにより、現場スタッフから管理者まで誰でもスムーズに運用できるのが特長です。
近年、課金単位が「打刻人数」から「登録人数」へと進化し、運用実態に合わせた柔軟なコスト管理が可能になりました。
「高いシステム」と「安いシステム」は何が違う?失敗しない選び方

価格差が生まれる本質的な理由は、「カスタマイズ性」「サポート体制」「法改正やセキュリティへの対応力」にあります。安易なコスト重視で選ぶと、現場の混乱や追加コスト、違法労働リスクが高まることを理解しておくべきです。
カスタマイズ性と就業規則への対応力
安価な勤怠管理システムは、シンプルな勤務体系や標準的なルールしか設定できない場合が多く、変形労働制や独自の休暇付与、複雑な手当計算など、細かな運用ルールへの対応には限界があります。
自社の就業規則や雇用形態が多様な場合、こうした制約をカバーしようとして結局“Excelとの二重管理”に逆戻りしやすく、人的ミスや余計な工数が発生してしまいます。
運用に合わせて柔軟なカスタマイズが可能なシステムを選ぶことで、「現場の負担増」や「追加コストの発生」といったリスクを未然に防ぐことが重要です。
サポート体制の質(チャット・電話・専任担当)
トラブル発生時に「メールサポートのみ」では対応が遅れ、現場の業務がストップしてしまう事例も少なくありません。
特に、ITに詳しくない担当者が多い現場や、初期設定の難しさに不安を感じる場合は、迅速に相談できるチャットや電話サポート、専任担当者による手厚いフォローがあるサービスを選ぶことが安心につながります。
こうした充実したサポート体制があれば、導入初期のつまずきや運用中の疑問もすぐに解決でき、日常業務への影響や運用リスクを最小限に抑えることが可能です。
セキュリティと法改正対応のスピード
安価なシステムでも標準的なセキュリティ対策は備わっていますが、大手ベンダーが優れているのは、国際規格であるISMSなどの認証取得や、継続的な脆弱性対策など、高度な信頼性に裏付けられた運用体制を持っている点です。
さらに、2025年以降も続く法改正に迅速かつ自動で対応できるアップデート体制は、企業としてのコンプライアンス維持に直結します。
人事労務の実務担当者にとって「法対応のスピード」と「セキュリティ基準」は、安心して運用を続けるための重要な比較基準といえるでしょう。
コスト削減だけじゃない!勤怠管理システムの費用対効果(ROI)の出し方

導入費用が投資に見合うか――この問いに理詰めで答えるなら、「定量的な工数削減」と「リスク低減」の2軸でROI(投資対効果)を算出するのが正解です。
「集計作業の工数削減」を金額換算する
たとえば従業員100名の企業で、総務担当者2名が月次締め業務にそれぞれ20時間ずつ費やしている場合、時給2,000円で計算すると毎月4万円の人件費が集計作業だけで発生しています。
この集計やダブルチェックを勤怠管理システムで自動化すれば、手作業の負担や転記ミスによる追加工数が大幅に削減され、ほぼゼロに近づきます。
結果として、年間で約48万円ものコスト削減が可能になります。数字で示せる「工数削減効果」は、システム導入時の費用対効果を伝える非常に説得力のある材料となります。
「未払い残業リスク」と「過重労働防止」の観点
コスト削減の観点だけでなく、勤怠管理システムが注目される大きな理由は、36協定違反や未払い残業といった重大な労務リスクを未然に防げることにあります。
2025年施行の育児・介護休業法改正や時間外労働の上限規制強化により、人事・労務担当者は従来の手作業管理だけではコンプライアンス遵守が困難な状況に直面しています。
勤怠管理システムを活用すれば、残業超過や有給未取得などのリスクを自動でアラート通知でき、管理レポートで状況把握・是正もスムーズに。法令違反やトラブル回避の“保険”として、費用以上の投資価値を発揮します。
IT導入補助金の活用で初期費用を抑える
2025年度もIT導入補助金の申請が可能となっており、「認定ITツール」に登録された勤怠管理システムを選択すれば、導入費用の最大3分の2まで補助を受けられる可能性があります。
申請スケジュールの目安は2月〜3月の公募開始で、マネーフォワード、KING OF TIME、ジョブカンなど主要なクラウド型勤怠管理システムも多くが対象となっています。
補助金を積極的に活用することで、システム導入時の初期費用や必要機器の購入コストを大幅に軽減でき、稟議や予算策定のハードルも一気に下がります。
自社の規模と課題に合った適正予算で導入を進めよう

勤怠管理システムの費用を正確に把握するには、「クラウド型/オンプレミス型」の区分だけでなく、必要な機能範囲や打刻端末、オプション、サポート、連携費用といった“隠れコスト”も含めて総額で比較することが欠かせません。
価格だけを優先すると、後から予算を超過したり、運用面で想定外の手間が発生するリスクがあります。最適な選択のためには、自社の就業規則や運用要件がシステムで無理なく実現できるか、無料トライアルで必ず検証しましょう。
さらに、複数のサービスから見積もりを取得し、5年間の総額シミュレーションを行うことが、稟議や長期的コスト管理を成功に導く鍵となります。
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