ミツモア

タイムカードがない会社は違法?適切な勤怠管理方法を解説

ぴったりの勤怠管理システムをさがす
最終更新日: 2024年09月24日

タイムカードがない会社では出退勤を手書きで用紙に記したり、エクセルで記入したりして提出する自己申告制がとられていることがあります。タイムカードがないこと自体は違法ではありませんが、適切に労働時間を申告しないと違法になる場合があります。

この記事では、違法かどうかの判断基準や適切な労働時間の管理方法を具体的に説明します。

タイムカードがなくても違法ではない

タイムカードがない場合の法律解説を行う人

タイムカードは労働時間を判断する手段でしかないため、タイムカードがなくても違法ではありません。しかし、労働安全衛生法第66条の8の3では、事業者に労働者の労働時間の把握を義務付けています。そのため、労働時間の管理そのものがなされていない場合は、違法とされています。

会社にタイムカードがある場合も、注意が必要です。使用ルールが形骸化し、正確な労働時間を把握できていないのなら法律に違反している状態となり得ます。

参考:労働安全衛生法 第六十六条の八の三|e-Gov法令検索
ソフトウェア比較のイメージイラスト

従業員の労働時間を効率的に管理できるソフト選びなら、ぜひミツモアをご利用ください。従業員数や欲しい機能などの各項目を画面上で選択するだけで、ぴったりの製品を最短1分で自動診断。理想の勤怠管理システムが見つかります。

ぴったりの勤怠管理システムを無料で診断する

タイムカードがない会社で見られる自己申告制度は違法?

勤務時間を自己申告する女性

タイムカードも勤怠管理システムも入退室時間が記録されるカードキーもない会社では、勤務時間を自己申告させていることが珍しくありません。自己申告制度は一見して便利に見えるかもしれませんが、法的には注意が必要です。労働基準法にもとづき、企業は正確な労働時間の記録を義務づけられているためです。

自己申告では、従業員の労働時間を正しく記録できず、結果的に未払い残業や過労の問題が発生するおそれがあります。適切な勤怠管理方法を導入することで法令遵守を果たし、従業員の働きやすい環境を整えることが求められます。厚生労働省のガイドラインでは、自己申告制を採用する場合に会社がとるべき措置を定めています。

参考:労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン P2~3|厚生労働省

自己申告の際に違法になるケース

自己申告による労働時間の記録が実際の労働と大きく異なる場合、法律違反となるおそれがあります。たとえば、従業員が実際の時間よりも長く勤務時間を申告すると詐欺罪にあたると考えられます。また、企業が従業員に実際の労働時間よりも短く申告させることは労働基準法違反です。

正確な勤怠管理は、従業員の労働条件の適正化と企業の法令遵守に不可欠です。タイムカードや適切なシステムの導入、監視体制の強化により、合法かつ公平な労働環境を整えましょう。

ぴったりの勤怠管理システムを無料で診断する

タイムカードがあっても違法になるケース

違法行為を止める人

タイムカードを導入して勤怠管理を行っていても、使い方次第では違法とみなされるケースがあります。タイムカードの不正使用により、違法となるケースを見ていきましょう。

会社側による残業記録の改ざん

従業員の残業代を会社が故意に減らすのは、不正行為です。会社がタイムカードの残業記録を改ざんした場合、労働基準法第37条違反となり、労働基準法第120条に基づき30万円以下の罰金を科される恐れがあります

改ざん後のタイムカードの記録を労働基準監督署へ提出することも、労働基準法第120条に反する行為となり得ます。

本来支払われるはずの残業代が未払いとなっている場合、従業員が訴えを起こし、未払い分を請求されることも考えられるでしょう。労働基準法第114条に基づき、裁判所は従業員が本来受け取れるはずだった残業代に加え、同じ金額の付加金の支払いを会社に命じることが可能です。

参考:労働基準法 第三十七条 第百二十条 第百十四条|e-Gov法令検索

従業員側による打刻時間の改ざん

記録上の残業代を増やす目的で、従業員がタイムカードの残業記録を改ざんした場合、刑法246条で定められている詐欺罪に問われ、10年以下の懲役刑を科される恐れがあります

また会社の就業規則には、犯罪行為に対する懲戒事由について記載があるのが一般的です。従業員がタイムカードの改ざんを行った場合、不正に得た残業代を会社に返還したとしても、何らかの処分を受ける可能性が高いと考えられます。

従業員による残業記録の改ざんは、タイムカードを代理で打刻してもらったり、自己申告で虚偽の報告を行ったりした際に、発生しやすくなるでしょう。

参考:刑法 第二百四十六条 | e-Gov法令検索

ぴったりの勤怠管理システムを無料で診断する

タイムカードを使うメリット

OKサインをする女性

タイムカードがない会社が、タイムカードを導入するメリットは主に2つ考えられます。自社で導入を検討する際の参考にしましょう。

扱いが容易で導入しやすい

タイムカードを導入する大きなメリットは、誰でも簡単に扱えることです。出退勤時にカードをレコーダーに差し込むだけで打刻できるためです。

勤怠管理をExcelでおこなう場合は、従業員全員がExcelの基本的な操作方法を知っていることが前提です。しかし、さまざまな背景を持つ人が勤務する会社では、対応できない人もいるでしょう。タイムカードなら、年齢や経歴が違っても簡単に扱えます。

初期費用を抑えて導入できる

タイムカードは専用の打刻機とカードを用いるため導入にかかる費用が比較的低く、小規模企業やスタートアップでも手軽に始められます。また、運用コストも低いため、長期的な維持費用も抑えられます。これにより、正確な勤怠管理をスムーズにおこなえ、労働時間の把握や給与計算の効率化につながります。初期投資を最小限にしながら、確実な勤怠管理を実現できるのがタイムカードの大きな魅力です。

ぴったりの勤怠管理システムを無料で診断する

タイムカードを使うデメリット

がっかりする男性

タイムカードを使って出退勤時間を管理するデメリットは3つ考えられます。ほかの管理方法を導入するか検討する場合は参考にしてください。

人的ミスが起きやすい

タイムカードの打刻情報の集計は、担当者が手作業でおこないます。そのため、転記ミスが発生しやすい点がデメリットといえます。抜け・漏れがあれば従業員への支給額にかかわるため、重大な問題です。

また、従業員自身が打刻を忘れて正確な出退勤時刻がわからなくなるケースもあるでしょう。出退勤のラッシュ時にレコーダーが混雑していて後回しにすると、そのまま打刻を忘れてしまうおそれもあります。

本人以外の人が不正に打刻できてしまう

タイムカードは通常まとめて置いてある中から自分のカードを選んで打刻するため、不正打刻しやすい設計です。遅刻してくる従業員の代わりに他人が出勤時刻を打刻したり、残業をしていないことにするため他人に打刻を依頼したりすることも可能です。しかし、これは給与の不正受給や企業の労働基準法違反に抵触するおそれがあります。

管理する会社側としては、従業員にコンプライアンス研修をしっかりとおこなうなど、不正防止のための対策が求められます。

テレワークに対応できない

タイムカードは物理的な打刻が必要なため、出社する従業員しか対応できません。他人が代わりに打刻することも推奨できないため、テレワークの従業員のために別の出退勤管理方法を導入する必要があります。

また、外回りの仕事が多い従業員は、タイムカードで打刻できないケースも考えられるため、自己申告が増えてしまいかねません。

ぴったりの勤怠管理システムを無料で診断する

タイムカードがない会社は適切な勤怠管理をおこなおう

勤怠時間を管理するイメージ

タイムカードがなくても勤怠管理ができていれば違法ではありませんが、労働時間そのものを管理していない場合は違法となり得ます。また、タイムカードの記録を不正に改ざんすることも違法です。

タイムカードは誰でも簡単に扱えることがメリットですが、ミスが起きやすいというデメリットもあります。不正行為によるリスクにも注意が必要です。

勤怠管理システムを導入すれば、タイムカードのデメリットやリスクを抑えられるといえます。タイムカードがない場合は、勤怠管理システムの導入も検討し、適切な勤怠管理をおこないましょう。

次の記事では勤怠管理システムについて解説しています。ぜひあわせて参考にしてください。

関連記事:勤怠管理システムとは?導入の必要性やメリット・デメリットも徹底解説

ぴったりの勤怠管理システム選びはミツモアで

ミツモアロゴ

勤怠管理システムは製品によって特徴や機能もさまざま。「どの製品を選べばいいかわからない・・・」といった方も多いのではないでしょうか。

そんなときはミツモアにおまかせ。最短1分の自動診断で、ぴったりの勤怠管理システムが見つかります。

ぴったりの勤怠管理システムを最短1分で無料診断

従業員数や欲しい機能などの項目を画面上で選択するだけで、最適な勤怠管理システムを最短1分で自動診断。もちろん費用はかかりません。

ぴったりの料金プランも一緒にお届け

希望条件に沿った料金プランも製品と一緒に診断します。概算金額を見積もりからチェックして、理想のプランを探してみましょう。

診断結果は最大5製品!比較・検討で最適な勤怠管理システムが見つかる

最大で5製品の診断結果をお届けします。検討していた製品だけでなく、思わぬ製品との出会いもあるかもしれません。

ミツモアなら、ぴったりの勤怠管理システムがすぐに見つかります。

ぴったりの勤怠管理システムを無料で診断する

サービス提供事業者さま向け
ミツモアにサービスを
掲載しませんか?
ミツモアにサービスを掲載しませんか?

ミツモアは依頼者さまと事業者さまをつなぐマッチングサイトです。貴社サービスを登録することで、リードの獲得及びサービスの認知度向上が見込めます。 さらに他社の掲載サイトとは違い、弊社独自の見積システムにより厳選されたリード顧客へのアプローチが可能です。 もちろん登録は無料。 ぜひミツモアにサービスをご登録ください。