運送業の仕事は他業種とは異なり、勤怠状況が把握しにくい特徴があります。運送業の勤怠管理をエクセルで行う場合、どのような点に注意すべきか、そして運用のポイントについて解説します。エクセルで管理する場合の参考にしてください。
運送業の勤怠管理をエクセルでできるのか?
労働基準法はたびたび改正され、昔と比べて労働時間を正確に把握することが管理者には求められています。
こうした法改正を背景として、多くの企業が勤怠管理システムの導入を始めています。しかし、管理コストの問題や社内システムの問題により、エクセルで勤怠管理を行わざるを得ないケースもあるでしょう。
はたして、運送業の勤怠管理をエクセルで行うことは可能なのでしょうか?まずは業種とエクセルの適正について解説します。
運送業の正確な勤怠状況は分かりにくく難しい
運送業はオフィス労働のように同じ時間に出勤・退勤するのとは違い、一人一人の勤務時間が違います。また、必ずオフィスに出社するとは限りません。
監督者の元で監視をすることはできないので、不正打刻をされてもわかりにくいという課題もあります。
他の勤怠管理システムの中には、デジタコ(自動車運転時の速度や走行時間、走行距離などを記録するメーター)と連動して不正を防止するものもありますが、エクセルの場合は難しいでしょう。そのため、エクセルを勤怠管理システムとして使う難易度は高めです。
技術者がいればExcelで勤怠管理は不可能ではない
エクセルによる勤怠管理は、難しくはありますが不可能ではありません。
エクセルは「関数」や「VBA」といったプログラム知識があれば、機能を追加することができるからです。
- ボタンを押した時間を打刻する
- 出勤日数や勤怠時間を自動計算できる
- 打刻忘れや勤怠時間オーバーの場合、アラートを出す
などの機能を付けることができます。技術者が社内にいれば、こうした機能をエクセルに追加して、勤怠管理システムとして活用することもできます。
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エクセルで勤怠管理を行う方法
エクセルで勤怠管理を行う方法は2つあります。
- 勤怠管理表を自作する
- 既存のテンプレートを使う
いずれの方法にもメリットとデメリットが存在します。エクセルで勤怠管理を行う場合、どちらの方法を取るべきか、特徴を踏まえた上で選択しましょう。
勤怠管理表を作成する
一つ目の方法は、勤怠管理表を自作するというものです。
自作する最大のメリットは、自社の働き方や経理に合わせて機能をカスタマイズできるという点です。フォントやカラーも自社で決めることができるので、デザインもある程度はこだわることができます。
課題としては、プログラミングが分かる社員がいないと、そもそも作成ができないということです。また、不具合の解消やメンテナンスも定期的に必要になるため、システム管理の担当者を用意する必要があります。
無料のテンプレートを活用
エクセルの知識に自信がない場合には、無料のテンプレートを使うことをお勧めします。
有料のものから無料のものまで、テンプレートをさまざまな会社が提供しているので、自社に合うものを探しましょう。
テンプレートを選択するメリットは、自作の手間が省けるという点です。勤怠システムを作成するには、プログラマーの工数が必要になりますが、テンプレートの場合は不要です。
また、関数やマクロが最初から組み込まれているものを選べば、エクセルに詳しい社員がいなくても管理表を作ることができます。
一方のデメリットは、機能の追加や変更が難しいという点です。自社に最適化できるとは限らないので、機能やデザイン面のどこかで妥協する必要もでてきます。
エクセルで勤怠管理を行う場合に注意すべきこと
エクセルで勤怠管理を行う場合に、特に注意すべき重要事項について解説します。
労働法への対応
勤怠管理システムであれば、労働時間の上限規制機能や、アラート機能などがありますが、エクセルの場合はついていません。そのため、労働時間や日数を集計する以外に、労働法に対応するための機能を付属させる必要があります。
2023年4月1日からは、中小企業において時間外労働が1カ月60時間を超えた場合の割増賃金が50%以上に引き上げられました。こうした労働法の改正についても把握し、改正が入るたびにエクセルの機能も修正していかなければなりません。
働き方ごとの勤怠管理のルールを整える
ドライバー以外にも事務員や仕分けスタッフなど、運送業にはさまざまな働き方のスタッフが携わっています。それぞれの働き方に対応した管理表作成が必要です。
またそれ以外に、出退勤のルールや休憩の取り方などの細かいルールを決めて、エクセルをどのようにあつかうのかも社内で決めておきましょう。
エクセルの場合、打刻が自己申告になりやすいので、不正防止のためにもルールは厳密に決めておくことが求められます。
勤怠管理システムの導入を検討するのもおすすめ
ここまでの記事を読み「エクセルでの管理は難しい」と感じた方も多いのではないでしょうか。その場合、勤怠管理システムの導入も検討してみることをおすすめします。
勤怠管理システムを導入することで、エクセル管理とどのような違いがあるのかを解説します。
システムの作成・管理が不要
これが最も大きなメリットではないでしょうか。
エクセルで勤怠管理を行う場合、管理表の作成と運用が必要です。そのため、エクセルを扱える担当者を確保しなければなりません。
しかし、勤怠管理システムを使えば、システムの採用も管理もシステム提供側の事業者が行ってくれるケースが多く、作成・管理のコストを安くすませられます。
エクセル自体は無料とはいえ、実質的には担当者の採用や、外部発注する場合はその分の費用がかかります。費用面だけを考えるなら、結果的にシステムを使う方が安くすむということも多いのです。
エクセルにはない機能がある
勤怠管理システムには、エクセルにはない様々な機能があります。
例えば、デジタコと連動して不正を防止したり、GPSで打刻時の位置情報を記録したりできるシステムもあります。
こうした機能により、エクセルと比べてもより簡単かつ正確に、勤怠管理の状況を把握することが可能です。
共有と管理が簡単にできる
エクセルの場合、データをどのように管理するかも問題に上がります。万が一にも消失してはいけない勤怠データはバックアップを取る必要がありますし、複数人が同時に編集する場合、データの上書きが発生するかもしれません。
また、データ自体をどこに、どのように保管するかも重要です。不正アクセスができないようにセキュリティ対策をしっかりと行った上で、勤怠管理記録を保存するためのスペースも確保が必要です。
一方、オンラインで使える勤怠管理システムはシステム側でデータの保存や管理を行ってくれるケースも多く、セキュリティ対策も行ってくれています。データを各部署で共有したり、管理の手間を軽減できたりといったことが簡単に行えます。
次の記事ではおすすめの勤怠管理システムを紹介しています。ぜひ、あわせて参考にしてください。
自社に最適な勤怠管理の手段を選択しよう
エクセルで運送業の勤怠管理すること自体は不可能ではありません。しかし、技術者の採用や労働法への対応など、エクセルで勤怠管理を行うハードルは決して低くはありません。
エクセルでの管理に難しさを感じた場合、勤怠管理システムを導入することをおすすめします。勤怠管理システムなら導入・運用を効率化し、勤怠管理に必要な機能も備わっています。
自社の勤怠管理の課題や人材と照らし合わせた上で、エクセルと勤怠管理システムのどちらを採用するかを選択しましょう。
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