住宅をリフォームする際、内容によっては国や自治体の補助金を利用できるかもしれません。
この記事では2022年8月時点で受けられる制度や注意するポイントをご紹介していますが、制度の有無や内容は年によって変わります。
自分一人で判断せず、自治体の窓口や施工業者に相談してから決めることをおすすめします。
【条件・対象の具体例】どんなリフォームが補助金の対象になる?
国や自治体の制度を利用してお得にリフォームをするには、大きく分けて「リフォーム補助金を利用する」「リフォーム減税を利用する」という2つの方法があります。
補助金制度にもたくさんの種類がありますが、ほとんどの場合、同じ工事に対して複数の補助金を併用することはできません。工事箇所がはっきりと行る場合には、それぞれに違う制度が適用できることもありますが、事前に窓口に確認しておくことが大切です。
一方で、補助金と減税は併用することができます。これを知っていれば、よりリフォーム費用を安く抑えることができますね。
具体的には、以下のような目的のリフォームの場合に補助金や減税の対象になる可能性があります。
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なお上記に当てはまらなかった場合でも、念のためお住まいの自治体で実施する補助金制度の内容は確認しておきましょう。自治体制度の中には、上記以外のリフォームでも対象になるものがあるからです。
それでは次から各工事タイプと具体的な工事内容、受給可能性のある制度について解説していきます。
介護・バリアフリー目的のリフォーム
工事内容例 | 工事金額目安 |
手すりの設置 | 1メートルにつき2万円 |
段差の解消 | 4万5,000円 |
玄関扉を引き戸に変更 | 15万円 |
出入り口の拡張 | 18万円 |
複数世帯住宅へのフルリフォーム | 1,000万円~ |
【該当する可能性のある補助金制度】 |
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地方自治体の制度は「介護保険の住宅改修費補助」と併用できないケースが多く見られます。お住まいの自治体ごとに、受給要件をしっかりと確認しておく必要があるでしょう。
例えば北海道函館市では「函館市住宅リフォーム補助制度」という制度があり、補助金額上限は20万円。しかし介護保険の住宅改修費補助との重複はできません。
耐震・住宅の長寿命化目的のリフォーム
以下のような「住宅の寿命を伸ばす工事」をするときに利用可能です。
工事内容例 | 工事金額目安 |
2階建て木造住宅の耐震改修工事 | 100~150万円 |
床下の防腐・防蟻(ぼうぎ)処理 | 30坪あたり20万円 |
浴室ユニットへの変更 | 89万円 |
【該当する可能性のある補助金制度】 |
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各地方自治体で実施する耐震関係のリフォーム補助金制度は、自治体により補助額が異なります。補助金額は40~100万円ほどが平均。実施している自治体の例としては以下のものが挙げられます。
自治体 | 制度名称 | 補助金額 |
宮城県仙台市 | 仙台市戸建木造住宅耐震改修工事補助金交付事業 | 対象工事費の5分の4(上限100万円) |
千葉県松戸市 | 松戸市木造住宅耐震改修費補助金 | 補助金額は、次に掲げるものの合計金額となる(1,000円未満切り捨て)
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節電節水などエコ・省エネ目的のリフォーム
以下のような「断熱リフォーム」を中心とした、省エネ目的のリフォーム工事を指します。
工事内容例 | 工事金額目安 |
断熱窓への交換 | 10窓150万円 |
床の断熱工事 | 20畳あたり18万円 |
天井の断熱工事 | 100平方メートルあたり27万円 |
壁の断熱工事 | 100平方メートルあたり190万円 |
節水トイレへのリフォーム | 20万円 |
【該当する可能性のある補助金制度】 |
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各地方自治体が実施するリフォーム補助金制度例は以下を参考にしてみてください。省エネリフォーム補助、と名前のついた制度は「断熱リフォーム」を対象にしたものが多い傾向にあります。
自治体 | 制度名称 | 補助金額 |
福岡県久留米市 | 久留米市住宅リフォーム助成事業
※所定の断熱リフォーム・バリアフリーリフォームが対象 |
補助対象工事費の50%(上限10万円) |
東京都足立区 | 省エネリフォーム補助金
※所定の断熱リフォーム工事が対象 |
補助対象経費3分の1(上限5万円) |
創エネ・蓄エネなど高機能スマートハウス化リフォーム
住宅でエネルギーを生み出すことが「創エネ」。生み出したエネルギーを貯めておくことを「蓄エネ」といいます。
以下のような「高性能なエネルギー循環を生み出す住宅設備を導入するリフォーム」が該当します。
工事内容例 | 工事金額目安 |
太陽光発電設備の設置 | 45万円 |
ヒートポンプ式給湯器の設置 | 40万円 |
蓄電システムの設置 | 150万円 |
【該当する可能性のある補助金制度】 |
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初期投資がかかる分、利用できる制度は積極的に利用したいもの。国の制度は併用不可のケースが多いため、詳細はリフォーム業者と相談して決めましょう。
地方自治体でも補助金制度が多く展開されています。以下に一例をご紹介します。
自治体 | 制度名称 | 補助金額 |
東京都足立区 | 太陽エネルギー利用システム設置費補助金 | 以下うち、いずれか小さい金額
・補助対象経費の3分の1 ・1kWあたり6万円に発電設備最大出力を乗じて得た額 (上限24万円) |
群馬県安中市 | 住宅用スマートエネルギーシステムの設置補助金制度 | ・太陽光発電システム1kWあたり1万円(上限5万円)
・定置用リチウムイオン蓄電システム1kWあたり1万円(上限6万円) |
自分のリフォームが補助金の対象なのか分からない時はどうすればいい?
補助金制度は内容が細かく難しいので「結局自分が対象なのか分からない」という方も多いですよね。
そんな方は次のようにすることをおすすめします。
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やはり一番は直接自治体の窓口に相談してみることです。最新で正確な情報を得られますよ。
またリフォーム業者を選ぶ際には、補助金に詳しいところに依頼するのがおすすめです。そういった業者であれば、手続き全般のアドバイスをもらえるため、スムーズに補助金制度が利用できるでしょう。また中には申請代行サポートをしてくれるところもあります。
「補助金申請に強い業者を選びたい」「その中でもできる限り安く信頼できるところに依頼したい」という場合は、ぜひミツモアを利用してみてください。ミツモアは複数のリフォーム業者が登録されており、地域や条件を入力するだけで複数社からおおまかな見積もりがもらえるサービスです。
【ミツモアのメリット】 |
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依頼前にチャットで「補助金申請のサポートをしてもらえないか?」と質問してみてください。過去にリフォーム補助金申請の対応をしたことのある業者に依頼できると安心ですよ。
リフォーム補助金は申請のタイミングと受付期間に注意
リフォーム補助金は決められた期間に申請が必要で、申請時期を間違えたり受付が終了してから申請したりしてしまうと受給できません。
必ず事前によく確認するようにしましょう。
必ず業者との契約前に申請期限を確認しよう
補助金制度の中には、リフォーム業者との契約前に申請が必要になる制度が数多くあります。リフォーム業者と契約する前に、利用する予定の補助金制度をチェックしておきましょう。
補助金制度は、ほぼ全ての場合で申請期限や工事完了期限が定められています。狙っている制度があるなら、期限ギリギリのスタートはNG。リフォーム工事によっては何カ月もの工期になることがあるからです。
期限前でも締め切られることがある
ほとんどの補助金制度には予算が設定されており、上限額に達したら募集が終了してしまいます。新年度に募集を開始し、春~夏に終わってしまう制度が多いです。
早め早めに施工してもらう業者と相談しておきましょう。
リフォーム補助金制度一覧!内容・条件・補助金額や問い合わせ先をチェック
ここではリフォームする時に適用できる「補助金」「減税」のうち、補助金制度をご紹介します。
【2022年度に申請可能なリフォーム補助金制度】 |
※時期によっては制度が締め切られている場合もあります。 |
それでは制度の詳細を見ていきましょう。
①介護保険の住宅改修費補助
介護を目的としたリフォームが対象の補助金。国が運営している補助金制度です。
いくつもある補助金制度の中でも、受給は比較的簡単な方。締め切りや予算による縛りがなく、以下に紹介する条件を満たしていれば受給可能です。
<制度概要> |
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支給額 | 20万円までのリフォーム費用の7割~9割(介護保険1割負担の被保険者の場合、補助上限18万円) |
条件 |
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締め切り | 特になし |
窓口 | お住まいの地方自治体 |
②次世代省エネ建材の実証支援事業
断熱リフォームを対象とした補助金制度。環境省が補助・民間団体が運営しています。
一部の断熱リフォームは補助対象外。外張り全体または内張り全体の断熱リフォームが対象です。
<制度概要> | |
支給額 | 補助対象経費(所定の工事や材料にかかった金額)の2分の1
<外張り断熱リフォームを選択した場合> 上限300万円 <内張り断熱リフォームを選択した場合> 上限200万円 |
条件 | 一定の基準を満たす性能・建材を用いた「外張り断熱」または「内張り断熱」工事を実施すること |
公募期間 | 【一次】22022年5月9日~2022年8月26日 17:00締切
【二次】2022年9月5日~2022年10月21日 17:00締切 【三次】2022年10月31日~2022年11月30日 17:00締切 |
窓口 | 令和4年度 次世代省エネ建材の実証支援事業 公募情報|一般社団法人環境共創イニシアチブ |
③既存住宅における断熱リフォーム支援事業
こちらも断熱リフォームを中心とした補助金制度。
環境省補助事業のひとつで「北海道環境財団」が窓口ですが、全国に向けて展開されている制度です。省エネ効果の優秀な高断熱建材へのリフォームが対象です。
断熱リフォームと同時に「家庭用蓄電システム」「蓄熱設備」「熱交換設備」を導入すると、それぞれの導入費用に対しても補助が出ます。
<制度概要> | |
支給額 | 補助対象経費(所定の工事や材料にかかった金額)の3分の1
<高断熱リフォーム補助金額の上限> 120万円 <家庭用蓄電システム導入補助金額の上限> 20万円 <家庭用蓄熱設備導入補助金額の上限> 5万円 <熱交換型換気設備等導入補助金額の上限> 5万円 ※集合住宅向けの補助もありますが、条件や補助金額が異なります |
条件 |
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申請締め切り | 2022年8月10日
※申請状況に応じて短縮や延長の可能性があります |
ホームページ | 既存住宅における断熱リフォーム支援事業|公益財団法人北海道環境財団 |
窓口 | 公益財団法人北海道環境財団 補助事業部(011-206-1573) |
④こどもみらい住宅支援事業
①開口部の断熱改修、②外壁、屋根・天井又は床の断熱改修、③エコ住宅設備の設置といったリフォームが対象になります。
2021年11月26日から始まった新しい制度です。
<制度概要> | |
支給額 | 原則1戸あたり30万円 (補助額が合計5万円以上で補助対象) |
条件 |
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申請締め切り | 2023年3月31日
※申請状況に応じて短縮や延長の可能性があります |
ホームページ | リフォーム こどもみらい住宅支援事業|国土交通省 |
2003年4月2日以降に生まれた子供を持つ世帯、または夫婦のうちいずれかがいずれかが1981年4月2日以降に生まれた世帯であれば、1戸あたりの上限補助額が最大60万円まで引き上げられます。
⑤ネット・ゼロ・エネルギーハウス支援事業(ZEH補助金制度)
ZEH住宅へのリフォームが対象の補助金制度です。
「ZEH(ゼッチ)住宅」とは、省エネに加えて創エネ・蓄エネによりエネルギー収支をゼロにした住宅のことです。
<制度概要> | |
支給額 | 60~105万円(ZEHの性能によって補助金額が異なる) |
条件 |
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申請締め切り | 【二次】2022年8月19日 17:00締切
【三次】2022年8月29日 ~ 2022年10月7日 17:00締切 【四次】2022年11月21日 ~ 2023年1月6日 17:00締切 ※申請状況に応じて短縮や延長の可能性があります |
ホームページ | ZEH支援事業 公募情報|一般社団法人環境共創イニシアチブ |
窓口 | 環境省戸建ZEH(03-5565-4030) |
⑥長期優良住宅化リフォーム推進事業
令和4年度の事業者登録・住宅登録・交付申請の受付は終了しました。
国が定める「長期優良住宅」の基準を満たすリフォームが対象になります。
長期優良住宅とはその名の通り「長期にわたって良好な状態を維持できる構造や設備が導入された住宅」のこと。
国土交通省が行うリフォーム費用補助事業で「劣化対策」「耐震対策」「省エネ」などを含んだ、大規模リフォームを行うときに利用できる制度です。申請手続きはリフォーム業者主導で行います。
<制度概要> | |
支給額 | <評価基準型>一定の評価基準を満たした場合
100万円 <認定長期優良住宅型>全ての評価基準を満たし、長期優良住宅に認定された場合 200万円 <高度省エネルギー型>長期優良住宅に認定され、高い省エネ基準を満たす場合 250万円 ※三世代同居対応リフォームや若者・子育て世帯等の条件を満たした場合、支給限度額に+50万円が上乗せされる |
条件 | 国が定めた「劣化対策、耐震性、省エネ対策」の一定基準を満たすこと、加えて以下いずれかのリフォーム工事を実施すること
インスペクションと呼ばれる専門家調査や維持保全計画書を策定し、定期的な点検を行うこと |
締め切り | 令和4年度の事業者登録・住宅登録・交付申請の受付は終了しました。 |
ホームページ | 長期優良住宅化リフォーム事業【総合トップページ】|国土交通省 |
窓口 | 長期優良住宅化リフォーム推進事業実施支援室(03-5229-7568) |
⑦地方自治体の制度
地方自治体が運営するリフォーム補助関連の制度です。制度の内容や補助金額、制度自体の有無などは地方自治体によって全く異なります。
自分の住む自治体のリフォーム補助金制度を調べる方法 |
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制度の有無や概要を把握するには「地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト」の利用がおすすめ。制度の詳細や最新の情報については、自治体役場の窓口に問い合わせて確認しましょう。
リフォームに適用できる減税制度
減税の対象であれば、確定申告をすると減税分が還元されます。
国や地方自治体の助成金とうまく併用できれば、さらにお得にリフォームができるかもしれません。
所得税の控除
所得税の控除には、以下の2種類があります。
<住宅ローン減税> | |
どんな人が対象? | 10年以上の住宅ローンがある人 |
いくら控除される? | 年末のローン残高の0.7%を控除(控除期間は10年) |
<所得税額の特別控除(投資型)> | |
どんな人が対象? | 1既存住宅の耐震・バリアフリー・省エネ・三世代同居・長期優良住宅化をした人 |
いくら控除される? | 標準的な工事費用相当額の10%(1年のみ) |
固定資産税の減税
一定の条件を満たせば、住宅の固定資産税が減税されます。
どんな人が対象? | 耐震・バリアフリー・省エネ・長期優良住宅化リフォームをする人 |
いくら控除される? | リフォームをした翌年の固定資産税の
が減税される |
贈与税の非課税
2022年時点では、年間110万円までの贈与であれば贈与税はかかりません。しかし以下の条件を満たせば、最大1,000万円までのリフォーム資金の贈与税が免除されます。
どんな人が対象? | 両親や祖父母など直系尊属からリフォーム資金を贈与される、18歳以上の人 |
いくら控除される? | 耐震、省エネまたはバリアフリー:1,000万円 上記以外の住宅家屋:500万円 |
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