階段の手すり取り付けの費用の相場は50,000~100,000円です。ただし階段の種類や段数によって、費用差が大きいです。
さらに介護保険制度を活用すれば、最大で20,000円までかかった費用を負担してくれます。自治体ごとに補助金が出ることもあり、安くする方法も紹介していきます。
階段に手すりを取り付ける費用相場
階段の種類によるだいたいの費用相場
室内にある階段の手すり取り付けにかかる費用は次の通りです。直階段は簡単に施工できるため、比較的安い金額で依頼することができます。かね折れ階段や折り返し階段は、取り付けが少し複雑なため費用が高くなってしまいます。
階段の種類 | 費用 |
直階段 | 40,000~70,000円 |
かね折れ階段(L字型階段) | 46,000~90,000円 |
折り返し階段(U字型階段) | 75,000~150,000円 |
階段の段数によるだいたいの費用相場
階段の段数が増えるほど、工賃と資材費も増えていきます。段数別の金額は次の通りです。
段数 | 屋内 | 屋外 |
8段以下(一部のみ) | 18,000円 | 27,000円 |
9~15段(1フロア分) | 27,000円 | 36,000円 |
16~30段(2フロア分) | 54,000円 | 72,000円 |
31~45段(3フロア分) | 81,000円 | 108,000円 |
46~60段(4フロア分) | 108,000円 | 144,000円 |
また、壁付け手すりと自立式手すりでも料金が変わります。
室内の直階段の手すり取り付け費用
メリット | デメリット |
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直階段の手すり取り付け費用は40,000円~70,000円です。
直階段とは、2階までまっすぐ伸びている階段のことです。直線的に手すりを取り付けることができ、比較的取り付け費用が安い傾向にあります。
デメリットは、大きな設置スペースが必要であることと、転倒すると下まで落ちてしまう可能性があることです。
室内のL字型(かね折れ)階段の手すり取り付け費用
メリット | デメリット |
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かね折れ階段の手すり取り付け費用は46,000円~90,000円です。
かね折れ階段とは、階段の途中で90度に折れ曲がっている階段のことです。L字型に折れ曲がっているように見えることからL字型階段と呼ぶこともあります。
省スペースで取り付けが出来るだけでなく、階段途中の曲がる位置に踊り場が設けられているため、転倒や転落しても、下まで落ちることがありません。
ただ、直階段と比べると、曲がる位置に沿って手すりの取り付けが必要になるため、比較的費用が高額になってしまいます。
室内のU字型(折り返し)階段の手すり取り付け費用
メリット | デメリット |
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折り返し階段の手すり取り付けにかかる費用は75,000円~150,000円です。
折り返し階段とは、かね折れ階段よりもさらに一回曲げるため、「U」のような形状をしている階段です。
かね折れ階段よりはスペースが必要ですが直階段よりは省スペースで取り付けることが出来ます。手すりの取り付け作業も少し複雑で、折り返しの部分で手すりのつなぎ目に段差が生まれることもあります。
折り返し階段の施工例
14段ある折り返し階段を施工する際の例です。
手すり及びジョイント金具代 | 40,000円 |
取り付け工事費 | 40,000円 |
合計 | 80,000円 |
玄関・外構の階段の手すり取り付け費用
取り付け工事 | 70,000円~80,000円 |
手すり本体 | 30,000円~50,000円 |
合計 | 100,000円~130,000円 |
玄関の階段(玄関ポーチ)や外構に手すりを取り付ける場合の費用は、100,000円~130,000円かかります。
取り付け工事では、下地を作るためにコンクリートに穴をあけ支柱を打ち付ける作業が必要なため、費用が高額になりがちです。
階段の手すり取り付け費用を安くする3つの方法
1. 【上限200,000円】介護保険制度を活用する
介護保険制度とは、高齢になっても自立的な生活ができることを目的とした、自立支援の制度の一つです。
65才以上の人がいる家庭ならば、介護保険制度を活用して階段に手すりを付けることができます。
介護保険制度を利用するためには、まず介護認定を受ける必要があります。「当事者の足腰の機能維持や介護者のサポートのために必要」と判断されれば、適用が認められます。
介護保険において、住宅改修の際の上限は200,000円です。工事費用の内7~9割を負担してくれ、残りの1~3割を自己負担します。たとえば、工事に200,000円かかった場合は、最大で180,000円が支給されるため、自分が負担する金額は20,000円になります。
市区町村には必ず介護保険課が設置されているので、適用年齢を超えているならば相談してみることをおすすめします。
2. 自治体の補助金を活用する
階段の上り下りは大きなトラブルにつながりかねない動作です。そのため、自治体によっては補助金を設けるなどの「生活者を支える取り組み」を実施しているケースがあります。
その一つが「高齢者住宅改修費支援制度」です。住み慣れた家でより安全に暮らすために、危険が潜む場所の改修をサポートしてくれます。
また、「障害者住宅改造費助成制度」を導入している市区町村も少なくありません。身体機能にハンディキャップがあり日常生活に支障をきたす人を支援するための制度です。
補助金の多くは、国からの補助金を財源として、自治体ごとに予算化されているのが一般的です。制度内容は一律ではなく、市区町村によって異なることがあるため、事前に確認しておくようにしましょう。
3. 複数の業者から見積もりを取る
業者に手すりの取り付けを依頼する際は、必ず複数の業者から見積もりを取ることが大切です。業者によっては施工内容が同じでも施工費用が安いことがあります。
1つの業者からしか見積もりを取らないと適切な費用相場がわからないまま依頼してしまうことになります。
見積もりを取るのがめんどくさいという方は、ミツモアがおすすめです。平均2分の簡単なアンケートに答えるだけで無料で最大5件の業者から見積もり依頼が届きます。複数業者から相見積もりを取ることで、費用を少しでも安くしましょう。
階段に手すりが必要な理由
階段に手すりを取り付ける理由は主に3つあります。
- 法律で取り付けが義務づけられている
- 高齢者の歩行を手助けする
- 転倒や転落を防止する
①法律で取り付けが義務づけられている
建築基準法という法律で、「階段には手すりをつけなければならない」ことが義務付けられています。
しかし、手すりの高さは自由に決めることが出来るので、自分の使い勝手の良い高さに合わせて取り付け可能です。「階段の手すりの高さ」をどうすればよいか迷っている方は、記事内で適切な高さについても紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
②高齢者や介護が必要な方の歩行を手助けする
高齢になるにつれて身体機能が徐々に低下していきます。特に足回りは低下の影響を大きく受ける部位です。足が衰え始めると、体の安定を保つことが難しくなり、よろけて歩くことが増えていきます。
階段に手すりを取り付けることで、体のバランスが取りやすくなり、スムーズに移動することが出来るのです。
③転倒や転落を防止する
階段を登っていると、不意に足がもつれたり転倒したりすることがあります。また、健康な人でも、体調が悪いときにめまいや立ちくらみを起こして階段から転落してしまうことも。手すりがないと、とっさに掴まる場所がありません。
階段の手すりを取り付けておくことで、転倒や転落を防ぎましょう。
階段の手すりを取り付ける際の高さは?
階段の手すりの取り付けは法律で義務付けられていますが、取りつけの高さは自由に決めることが出来ます。利用者にとって適切な高さに設置し、誰でも使いやすい手すりにすることが大切です。
手すりの位置が高過ぎると手を添えるときに肘が上がってしまい、体重を支えるために腕の力が必要になってしまいます。反対に低過ぎてしまうと力が入らず、支える効果が薄れてしまうのです。
理想的な高さは楽に手を添えられ、体重を支えられる位置です。体格・体型に合わせて的確な高さで取り付けましょう。高齢者や子供がいても使いやすい高さは、一般的に75cm~80cmです。
また、建築基準法に適合しておらず使いづらい階段は、手すりだけでなく階段ごとリフォームを検討してもよいかもしれません。
階段を設置する際の基準
階段を設置する際は、以下のような基準が法律で定められていることがあるので、注意しましょう。
法律で定められている階段の基準 | |
階段と踊り場の幅 | 75㎝以上 |
蹴上げ | 23㎝以上 |
踏み面 | 15㎝以上 |
踊り場とは、階段の途中に設置された幅が広い段のことです。かね折れ階段や折り返し階段に設置されていることが多くあります。
蹴上げとは段と段の間の高さのことです。古い家だと段と段の間の高さが広く、登りづらく感じたこともあるのではないでしょうか?
踏み面とは階段を登る際に足を載せる面のことです。この幅が狭いと、足の載せる部分が小さくなってしまうため、非常に階段に足を載せづらいです。
階段の手すりをDIYで取り付ける方法
階段の手すりはDIYで取り付けることも可能です。しかし、DIYに慣れていない人が日常生活に耐えられる強度で手すりを取り付けることは難しいでしょう。万が一手すりを握っているときに壊れてしまったら、落ちてケガをする可能性もあります。
安全に大きくかかわる設備なので、少しでも不安な場合はプロに依頼することをおすすめします。
必要となる道具
用意する材料 |
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用意する道具 |
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階段の形状は住宅によって異なりますので、以下のようなパーツを組み合わせて設置するのが一般的です。
「階段用手すり棒」は、手を添える重要な部分です。一般への販売用としては2mもしくは4mのタイプが主流になります。2mの手すり棒の費用相場は、3,000円~8,000円で、4mであれば、4,000円~15,000円です。
「エンドブラケット」は、手すり棒の両端に設置する部品です。衣類の袖口が手すりの端に引っかからないようにする機能も有しています。1個の費用相場は700円~5,000円です。
ホームセンターで取り付けに必要な道具は売っている?
カインズなどのホームセンターではほとんどの店舗で手すりに必要な材料や道具を取り揃えています。在庫があるか不安な方は、事前に問い合わせてみるか、オンラインショップで購入するようにしましょう。
オンラインショップであれば、わざわざ店舗にいかなくても材料や道具をそろえることができます。
DIYで取り付ける際の注意点
壁には下地と呼ばれる柱に該当する部分があります。手すりをしっかりと固定させるには、この下地部分に取り付けなければいけません。
下地のない場所に設置してしまうと、体重をかけたときに手すりが取れてしまうだけでなく、壁を大きく損傷させてしまう可能性もあります。
職人などは叩いたときの音で下地部分を判断しますが、経験が浅い人は下地探しを使って判断するのがおすすめです。下地探しは、壁裏の柱や配線を検知する機器のことです。
下地があるかわからない、取り付けに不安があるという方は、業者に依頼するようにしましょう。
手すり取り付けの手順
手順 |
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はじめに柱のある場所を探して、設置場所にマスキングテープで印を付けます。
次に手すりを支えるブラケットを、90cm間隔を目安として仮止めしていきましょう。コーナーがあれば、角にもブラケットを付けます。
ブラケットまでの距離を測り、その長さに合わせて手すりをカットします。かね折れ階段や折り返し階段の場合、その本数分必要です。
カットが終わったらカット済みの手すりをブラケットに挿し込み、仮止めのブラケットを固定しましょう。最後に手すりの端にエンドホルダーを取り付けて完成です。
もっと詳しく手すりの取り付け方法が知りたい方は以下の関連記事を参考にしてみてください。
階段の手すり取り付け業者の選び方
保証内容や実績で選ぶ方は、ホームセンターや大手のリフォーム会社に依頼するのがおすすめです。少しでも費用を安く済ませたい方は、地元の業者に依頼するのがおすすめです。
それぞれのメリットやデメリットについても紹介しているので参考にしてみてください。
①ホームセンターや大手リフォーム会社に依頼する
メリット | デメリット | |
ホームセンター |
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大手リフォーム会社 |
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以下で手すりの取り付けを行っている企業を紹介します。
カインズホームで手すり取り付けを依頼する
カインズホームでは階段の手すり取り付けだけでなく、トイレや玄関・浴室の手すり取り付けも依頼することができます。また、カインズで購入した商品には1年の保証がついています。
②地元の業者に依頼する
地元業者に依頼する最大のメリットは、施工費用が安く抑えられる点です。また、距離が近いため何かあっても比較的すぐに駆けつけることができます。
しかし、優良業者を探しにくかったり、保証内容が充実していない業者も多く存在する点はデメリットです。
業者選びに困っている方は、平均2分の簡単なアンケートに答えるだけで最大5件の業者から無料で見積もり依頼が届くミツモアを利用してみてください。