リフレッシュできるはずの入浴時間も、シャワーの水圧が弱いだけでストレスを感じてしまうでしょう。水圧が弱い問題は、なるべく早く解決したいものです。
この記事では、シャワーの水圧が弱くなる原因と水圧を上げるための対処法などを解説しています。
シャワーの水圧が弱くなる原因
シャワーの水圧が弱くなる原因は主に6つあります。
シャワーの水圧が弱くなる原因 |
シャワーヘッドやストレーナーの詰まり
シャワーの水圧が弱くなったら、シャワーヘッドやストレーナーの目詰まりが原因かもしれません。
ストレーナーとは蛇口についている異物を除去するための部品で、フィルターのような役割があります。
シャワーヘッドやストレーナに溜まったゴミやサビ、水垢を放置すると詰まりを起こし、水圧が弱くなってしまいます。定期的に掃除してください。
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元栓や止水栓が閉まっている
「元栓」や「止水栓」が開いているか確認してみましょう。
元栓や止水栓は、水の量や水圧をコントロールする役割があります。これらの栓が閉まっている場合、水が出なくなります。
元栓の場所
マンションなどの集合住宅の場合、元栓は玄関近くにある鉄扉の中にあります。それに対して、戸建て住宅やアパートだと地面の中に埋まっているのが一般的です。
止水栓の場所
シャワーの止水栓は、浴槽の近くや洗面所の下にあります。ハンドルやマイナスドライバーで回して開けることができます。
給湯器の容量不足や故障
給湯器の容量が不十分な場合は、シャワーの水圧が弱くなります。給湯器の号数が適切かどうか確認しましょう。
適正号数よりも小さいサイズの給湯器を使うと、複数箇所でお湯を出した時に水圧が弱まる可能性も高くなります。
また給湯器が故障して水圧が弱くなるケースもあります。故障をしたら専門業者に修理を依頼しましょう。
関連記事:給湯器の号数(サイズ)とは?号数ごとの違いと選び方のコツを解説|ミツモア |
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水漏れしている
シャワーのホースや水道管が劣化して水漏れが発生し、シャワーの水圧が弱くなっているかもしれません。
シャワーのホースの破損は自分で気付くことができますが、床の下にある水道管の破損を調べるには業者の助けが必要です。
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マンションの給水装置が壊れている
マンションの給水装備が壊れている可能性もあります。
他の原因に当てはまらない場合は、大家さんやマンションの管理会社に依頼して点検してもらいましょう。
高層階のため元々水圧が弱い
マンションの高層階は元々水圧が弱い可能性があります。「重力給水方式」という給水方式の影響です。
重力給水方式とは受水槽に貯まった水を屋上などに設置されている「高架水槽」に溜め、そこから重力式で水を各部屋に送る給水方式のこと。上層階は水圧が弱くなる傾向があります。
低層階への引っ越しや給水方式の変更は現実的でないので、水圧をアップするシャワーヘッドに交換するのが良いでしょう。
関連記事:シャワーヘッドの交換・取り付け【口コミ・料金で比較】|ミツモア |
水圧を上げたいときの対処法
シャワーの水圧を上げる方法は以下の6つです。
水圧を上げたいときの対処法 |
シャワーヘッドを取り替える
水圧が強いシャワーヘッドの特徴 |
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古いシャワーヘッドをくるくると回して外し、同じ要領で新しいものを取り付けるだけで交換できます。
また、近年は「節水シャワーヘッド」という商品があります。シャワーヘッドを取り換えるだけで水道代を節約でき、水圧も上げることができます。
どのシャワーヘッドが良いか迷う方は、「おすすめの低水圧用シャワーヘッド3選」をご覧ください。
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シャワーヘッドやフィルターを掃除する
シャワーヘッドやフィルターの目詰まりが原因の場合は、シャワーヘッドやフィルターを掃除することで、水圧を上げられるかもしれません。
掃除をするためには、まずシャワーヘッドを分解して、ホースからシャワーヘッドを取り外します。分解できない場合はそのままでも大丈夫ですが、お湯を張った洗面器やバケツの上で掃除をするようにしましょう。
用意するものは、歯ブラシと中性洗剤です。歯ブラシにお風呂用中性洗剤をつけて、こすりましょう。
もし汚れが頑固で歯ブラシでは十分に落とせない場合は、クエン酸を溶かしたお湯に数時間つければ、汚れが落ちやすくなります。
またシャワーヘッドの根本にあるストレーナーの詰まりが原因の場合も、同様に歯ブラシなどでゴシゴシ洗えば目詰まりが解消するでしょう。
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止水栓を調整する
止水栓を調整することで、シャワーの水圧を強めることができます。浴槽の近くや洗面所の下にある止水栓を、ハンドルやマイナスドライバーで回して開けましょう。
元栓が閉まっていないかの確認も重要です。元栓の位置はマンションや一戸建てなど、住宅形態によって異なります。「元栓や止水栓が閉まっている」で確認してください。
給湯器を交換する
水は問題なく、お湯を出すときのみ水圧が低くなる場合は、給湯器の交換も検討してみましょう。
給湯器の能力は「号数」で表されます。号数とは、水温+25度のお湯を1分間に放出できる量を示しており、号数は大きければ大きいほど、たくさんの水をお湯にすることができるのです。
号数が小さいと能力以上のお湯を使用する際、水圧が弱くなってしまう恐れがあります。
お湯の水圧が弱いと感じる場合は、給湯器の号数を確認してみましょう。号数の大きい給湯器に交換することで、お湯の水圧が改善されるかもしれません。
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お湯を使う場所を限定する
シャワーでお湯を出している時は、キッチンなど、他の場所でお湯を使わないようにしましょう。
同時にお湯を使う機会が多く、それが原因でシャワーの水圧が弱くなる場合は、給湯器のサイズが合っていないかもしれません。
思い切って1つ上の号数に交換すれば、快適に使えるでしょう。
原因が分からなかったら業者に依頼しよう
シャワーの水圧が弱い原因が分からなかったら、業者に原因究明や修理を依頼しましょう。
原因が分からないのに無理矢理直そうとすると、かえって悪化することがあります。
費用については「自力で直せなかったら業者に依頼しよう」で解説しているので参考にしてください。
水圧が弱くなったのはエコキュートが原因かも?
給湯器を変えたらシャワーの水圧が弱くなったことはありませんか?それはエコキュートが原因かもしれません。
エコキュートはシャワーの水圧が弱くなる
エコキュートは電気を使ってお湯を沸かす給湯器です。ランニングコストが安いうえに、環境にも優しいので人気です。
そんなエコキュートですが、水道直圧式のガス給湯器からエコキュートに交換した場合は、シャワーの水圧が弱くなったように感じるでしょう。
それは、エコキュートは貯湯式の給湯器だからです。貯湯式の給湯器では、500kPa程ある水道水の水圧を180kPa程度まで低くする必要があるのです。
最近ではシャワーの水圧が弱くないエコキュートも販売されているので、検討してみてはいかがでしょうか。
シャワーの水圧が弱い時の対処法
対処法①:エコキュートの設定温度を高くする
エコキュートでシャワーの水圧が低い時は、エコキュートの給湯温度を高く設定しておきましょう。
給湯温度が高くなると、シャワーを使う際に混ざる水道水の量が増え、その分水圧が高くなります。
ただし、やけどの恐れがあるので、お湯だけの使用は控えましょう。また電気代が高くなるというデメリットもあります。
対処法②:シャワーヘッドを交換する
低水圧用のシャワーヘッドに交換するという手段もあります。
散水板の穴が細くて少ないものや、直線的にシャワーが出るものを選ぶと、水圧を強めることができます。
対処法③:高圧給湯式、水道直圧式のエコキュートを選ぶ
高圧給湯式、水道直圧式のエコキュートなら、シャワーの水圧が弱くなりません。
一般的なエコキュートの水圧は180kPaなのに対して、高圧給湯式は300kPaです。水道水の水圧(500kPa)には及びませんが、十分でしょう。
また水道直圧式なら、水道水の水圧が保たれます。
シャワーの水圧の目安は0.2~0.4MPa
そもそもシャワーの水圧ってどのくらいが普通なの?と思う方もいらっしゃるでしょう。一般的には0.2〜0.4MPaが標準と言われています。
家のシャワーの水圧を確認して、0.2MPaより低かったら対策しましょう。水圧を測定する方法は2つあります。
方法①:水の流れ方で判断する
シャワーヘッドからホースを取り外したら、洗面器にホースから水を流して溜めてみましょう。
0.2MPa以上の水圧があれば、水面から水が飛び跳ねます。それに対して、0.05MPaや0.10MPaだと、ゆっくり水が溜まっていきます。
方法②:流水量を測定する
2Lのペットボトルに水がいっぱいになるまでの時間を測れば、だいたいの水圧がわかります。流水量と水圧の関係は以下の通りです。
水圧 | 2L出すまでの秒数 |
0.05MPa | 16秒 |
0.10MPa | 9秒 |
0.20MPa | 6秒 |
0.30MPa | 5秒 |
おすすめの低水圧用シャワーヘッド3選
ここではシャワーの水圧を上げるためにおすすめのシャワーヘッドを3つ紹介します。
水圧調整可能「アラミック ST-X3B」
また水圧を調整することができるボタンも付いているので、用途に合った強さで使用できます。
アラミック ST-X3B | |
ヘッド幅 | 64mm |
持ち手幅 | 33mm |
重さ | 152g |
水量 | 6.18L/分 |
細くて軽い「SANEI PS323B-81XA-MW2」
またシャワーヘッドは軽く、お子さんでも使いやすいです。
SANEI PS323B-81XA-MW2 | |
ヘッド幅 | 70mm |
持ち手幅 | 28mm |
重さ | 91g |
水量 | 6.18L/分 |
節水するならこれ!「日丸屋製作所 シャワーヘッド」
節水最大80%と、節水機能が優れているため、水道代ガス代を節約したい方には特におすすめです。
また亜硫酸カルシウムセラミックボールで、水道水に含まれる塩素も取り除いてくれます。
日丸屋製作所 シャワーヘッド | |
ヘッド幅 | 78mm |
持ち手幅 | 30mm |
重さ | 261g |
水量 | 5.76L/分 |
自分で直せなかったら業者に依頼しよう
紹介した対処法を試してもシャワーの水圧が強くならなかった場合や、自力で対処法を試せそうにない場合は、業者に依頼しましょう。
シャワーの水圧を変更するのにかかる費用
業者に依頼すると、以下のような修理・交換費用がかかるでしょう。交換の場合は、下記に追加して本体代金がかかります。
シャワーヘッド交換 | 4,000円 |
パッキン交換 | 4,000円 |
水栓交換 | 8,000~12,000円 |
これらの修理・交換費用以外にも出張料金や深夜の場合は深夜料金が発生する業者もあるので、注意が必要です。
複数の業者から見積もりをとって比較すれば、安価で信頼できる業者に依頼することが可能です。
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賃貸の場合は大家や管理会社へ相談
持ち家の場合は、シャワーや給湯器などを自由にいじることができますが、賃貸の場合は大家や管理会社の許可が必要です。
マンションやアパートなどの賃貸物件に住んでいる場合は、自分の判断で修理をするとトラブルに繋がる可能性があります。何か不具合があった際は、大家や管理会社へ相談して点検の依頼をしましょう。
「シャワーの水圧が弱いから、強くしてほしい」という旨を伝えれば、対処してくれるはずです。
シャワーの水圧が強すぎる時の対処法
シャワーの水圧が強すぎる場合も、基本的にやることは変わりません。
まずは止水栓の調整をしてみましょう。シャワーの止水栓を少し閉めることで、流れる水の量を調整できます。
シャワーヘッドを交換する方法もあります。シャワーが曲線で出るものや穴が大きくて多いものを選ぶと、水圧が強くて痛いということを防げます。
それでもダメな場合は、給湯器のサイズを小さくすると良いでしょう。生活スタイルに合った適切なサイズの給湯器に交換すると、今まで無駄に生じていたガス代も節約することができますよ。
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