ミツモアメディア

給湯器の仕組みとは?電気・ガス・石油それぞれ紹介

最終更新日: 2024年08月08日

「給湯器の仕組みってどうなっているの?」「どのように水からお湯に変わるの?」

このような疑問をお持ちの方に向けて、本記事では給湯器の仕組みを解説します。ガス・電気・石油の給湯器について、それぞれの構造やお湯ができる仕組みについてまとめました。

給湯器はそれぞれ特徴やメリット・デメリットが異なるため、自分のライフスタイルや家族構成に合わせたものを選ぶことが重要です。

給湯器とは

給湯器を操作するところ

給湯器とは、水をお湯に変えて供給する住宅設備機器のことをいいます。住宅に給湯器が設置されていることで、キッチンや洗面所、お風呂などでお湯を使うことができるのです。

給湯器の燃料としては、都市ガスやプロパンガス、灯油、石油、電気などが使われます。

ガス給湯器の仕組み

屋外に設置されたガス給湯機本体

ガス給湯器は水を通過させながら瞬時に加熱するため、お湯になるまでの待ち時間が短く、必要な時にすぐお湯が使える点が特徴です。まずはガス給湯器の仕組みについて、給湯器の構造と水からお湯になる仕組みを解説していきます。

ガス給湯器の構造

ガス給湯器でお湯を沸かすためには、水とガス、電気が必要です。

  • 水:お湯のもととなる
  • ガス:水をお湯にするために必要な燃料
  • 電気:給湯器を動かすために必要

上記の構造となっており、ガス給湯器には水道管とガス管、電源線が接続されています。また、住宅内で使用するために、給湯器には給湯管や追い焚き管も接続されています。

ガス給湯器でお湯ができる仕組み

ガス給湯器では、給湯器内部の水量センサーにより、通水が感知されることでお湯が温められます。給湯器内では熱交換器でお水がお湯に温められ、給湯管もしくは追い焚き管からお湯が供給される仕組みです。

この仕組みにより、ガス給湯器は瞬間的にお湯を作り出し、必要な量だけ供給することができます。また、最新のモデルでは高効率化が進み、より少ないガス消費量でお湯を沸かすことが可能です。

なおガス給湯器はガスを使ってお湯を作りますが、給湯器自体は電気によって稼働します。そのため、停電などが起きた場合はお湯の供給は止まってしまいます。

ガス給湯器の種類

屋外に設置された給湯器本体

以下では、ガス給湯器の種類について解説します。

給湯専用機

給湯専用機は、もっともシンプルなタイプのガス給湯器です

キッチンや洗面所など、さまざまな場所でお湯を使用するための基本的な機能を持っています。浴槽への給湯や追い焚き機能はありません。主に小規模な住宅や、浴室でのお湯の使用が少ない世帯に適しています。コストも比較的低めで、設置も簡単です。

給湯器(高温水供給タイプ)

高温水供給タイプの給湯器は、通常の給湯に加えて高温のお湯を供給することができます。キッチンや浴室、洗面所といった蛇口からのお湯を出す機能に加え、お風呂の浴槽にお湯張りをすることができます。追い焚きは80〜90℃程度の高温水を新たに入れることで、浴槽内の温度を温められます。

ふろ給湯器

昨今、一般家庭で最も主流となっているタイプの給湯器が「ふろ給湯器」です

通常の給湯機能に加えて、浴槽へのお湯はりや、追い焚き機能などを備えています。給湯器の製品によっては、自動のお湯はり機能や温度調節機能など、快適な入浴をサポートするための様々な機能が搭載されていることが多いです。家族が多い世帯や、入浴を重視する場合に適しています。

給湯暖房用熱源機

さらに高機能な性能を求める場合、給湯暖房用熱源機という選択肢もあります。給湯暖房用熱源機は、給湯だけでなく暖房の機能も備えている給湯器です。お湯の供給はもちろんのこと、床暖房や浴室暖房乾燥機などの暖房システムにも熱を供給します。

1つの機器で複数の機能をカバーできるため、設置スペースの節約になります。また、全体的なエネルギー効率も良くなる傾向があり、寒冷地や暖房重視の家庭には特に適しているでしょう。ただし高機能である分、ほかのタイプと比較して価格が高額になりやすいデメリットもあります。

給湯器の設置・交換業者を探す

電気給湯器の仕組み

屋外に設置された給湯器本体

電気給湯器は「電気温水器」と呼ばれることもある、電気によってお湯を供給する給湯器です。ガスを使用しないためガス漏れの心配がなく、タンクに貯湯したお湯は非常時にも使うことができます。

一方で初期導入費用が高く、湯漏れが起きる可能性がある点には注意が必要です。また貯湯式であることから、シャワーやお湯の勢いが弱くなりやすいこともデメリットの1つです。

ここからは、電気給湯器の仕組みについて、給湯器の構造と水からお湯になる仕組みを解説していきます。

電気給湯器(電気温水器)の構造

電気給湯器の構造は以下の通りです。ガスを使用しないため比較的危険性が低く、蛇口を開くとすぐにお湯が出るのが特徴となっています

  • タンク(貯湯槽):内部に水を貯め、加熱する
  • ヒーター:タンク内部に設置され、電気を使って水を加熱する
  • 断熱材:熱が逃げるのを防ぐ
  • 温度センサー:タンク内の水温を監視・調節

上記のような構造により、電気給湯器は安全かつ効率的にお湯を供給します。機種によって構造や機能に違いがありますが、基本的な仕組みは同じです。

電気給湯器でお湯ができる仕組み

電気給湯器では、電気によってお湯を作ります。タンクの中にあるヒーターを温め、その熱でお湯を作る仕組みです。作られたお湯は設定温度を維持するように調節され、使用されるまでタンク内で保温されます。

省エネな給湯器「エコキュート」

電気で動く給湯器の中でも、ヒートポンプを使った電気給湯器が「エコキュート」です。エコキュートは省エネ性能に優れており、空気中の熱を利用するヒートポンプ技術で効率よく熱エネルギーを生み出します。

エコキュートは給湯だけでなく、暖房や床暖房にも対応可能なシステムを搭載しているのも特徴です。また、最新のモデルではAIやIoT技術を活用して使用パターンを学習し、より効率的な運転を行うものも登場しています。

導入金額は高くなるものの、従来の電気温水器と比べると電力消費が少なく済むため、長期的なランニングコストを抑えられる点がメリットです。

石油給湯器の仕組み

石油給湯器は、灯油を使用してお湯を沸かす給湯器のことをいいます。家庭では、小型ボイラー(温水ボイラー)を設置することが一般的です。

外気温の影響を受けにくく、お湯を使う機会の多い寒冷地でも安定した性能を発揮するのが特徴です。ランニングコストが比較的安く、冬場の光熱費がかかりやすい寒冷地などで広く使用されています。

一方で原油価格が沸騰した際には、燃料費に影響が出やすい点には注意が必要です。

なお、石油給湯器にも排気熱を回収して再利用する「エコフィール」という省エネタイプのモデルが登場しています。

石油給湯器の構造

石油給湯器の灯油の燃焼方法は、大きく「噴霧式」と「気化式」に分けられます

  • 噴霧式:灯油を霧状に噴き出すことで燃焼
  • 気化式:石油給湯器内の電気ヒーターで灯油をガス化させることで燃焼

従来は噴霧式が主流となっていましたが、燃焼時の音が大きく燃焼効率もよくないことから、昨今では燃焼効率の高い気化式が広く使われるようになりました。

石油給湯器でお湯ができる仕組み

石油給湯器は、「水道直圧式」と「減圧式」の2種類に大きく分けられます。それぞれの方式で特徴が異なり、使用環境や需要に応じて選択されます。

水道直圧式

水道直圧式では、水道圧力を使って直接加熱されます

加熱された水は、水道の圧力によってそのまま蛇口まで送られるため、勢いのよいお湯を得ることができます。タンクを必要としないためコンパクトな設置が可能なことと、水道水の圧力をそのまま活用できるため、複数の蛇口で同時に使用しやすい点がメリットです。

減圧式

減圧式では給湯器のタンクにあらかじめお湯を貯めておき、使用時にそのお湯を供給します

タンク内のお湯が一定温度に保たれているため、使用中の温度変動が少なく安定していることが特徴です。

省エネ給湯器の交換をするならミツモアで業者を比較!

給湯器はそれぞれ特徴やメリット・デメリットが異なるため、自分のライフスタイルや家族構成に合わせたものを選ぶことが重要です。

給湯器交換の業者を探すなら「ミツモア」のご利用がおすすめです。簡単な質問に答えるだけで、ミツモアに登録している業者から無料で最大5件の見積もりをもらえます。見積もりの内容を比較して、希望する条件にぴったりの業者を見つけることができます。

コストを抑えて、信頼できる給湯器の交換業者を気軽に見つけたい方はぜひご利用ください。

給湯器の交換業者を探す