給湯器の故障は突然起こることが多く、日常生活に支障をきたしてしまいます。そんな時は、早めに修理や交換を依頼する業者を見つけなければなりません。今回は、給湯器の修理費用の相場とあわせて故障の確認方法を解説します。
給湯器の故障箇所ごとの修理費用相場
給湯器の故障の原因はさまざまで、故障箇所によって修理費用は変わってきます。長年使っている給湯器が故障した場合は、交換が必要になることもあるでしょう。まずは故障箇所ごとに、給湯器の修理費用相場を見ていきましょう。
修理箇所 | 修理費用相場 |
---|---|
電装系 | 20,000~45,000円 |
燃焼系 | 17,000~33,000円 |
水制御系 | 10,000~35,000円 |
安全装置系 | 7,500~58,000円 |
電装系の修理費用相場
見積項目 | 内訳に対する費用 |
---|---|
出張費 | 2,000~3,000円 |
技術料 | 8,000~12,000円 |
部品代 | 10,000~30,000円 |
合計 | 20,000~45,000円 |
電装系の修理費用は、部品代・技術料・出張費を含めて約2万~4万5,000円が相場です。電装系の場合、配線修理や制御部品・電装基盤の交換などが主な修理の対象です。配線周りだと、経年劣化による断線や腐食などが、原因であることが多いでしょう。
修理費用は部品や修理内容によって、安ければ1万円以下に収まることも少なくありません。ただし部品交換の場合は、修理費用とは別に部品代がかかることを覚えておきましょう。
特に高額になるのが電装基板の故障です。部品代だけでも3万円ほどになり、修理費用と合わせると4万円以上かかることがあります。さらに業者によっては、修理費用・部品代とは別に、技術料や出張費がかかることもあることも知っておきましょう。
燃焼系の修理費用相場
見積項目 | 内訳に対する費用 |
---|---|
出張費 | 2,000~3,000円 |
技術料 | 7,000~10,000円 |
部品代 | 5,000~20,000円 |
合計 | 17,000~33,000円 |
燃焼系の修理費用相場は、部品代・技術料・出張費を含めて約1万7,000~3万3,000円ほどです。燃焼系とは水を温める際に使用するガス周りを指し、バーナーの修理交換・ガスの量を調整するガス比例弁・ガスの供給を抑制するガス電磁弁が、主な修理の対象となります。
燃焼系の部品の故障では、異音や振動の発生・動作不良が起こるため、早めの対処が重要です。ガス周りは症状の度合いによって、危険な場合もあります。故障箇所次第で、部品代だけで2万円ほどになる可能性もあることを覚えておきましょう。
水制御系の修理費用相場
見積項目 | 内訳に対する費用 |
---|---|
出張費 | 2,000~3,000円 |
技術料 | 5,000~8,000円 |
部品代 | 3,000~24,000円 |
合計 | 10,000~35,000円 |
水制御系の修理費用相場は、部品代・技術料・出張費を含めて、約1万~3万5,000円です。主に水量を計測する水量センサーや、出湯を安定させる水流ターボ・切替弁などが故障することが多く、修理の対象となります。
水温が安定しない、水が出ないなどの不具合が起こる場合には、水制御系の部位の故障が原因であることが多いでしょう。さらに給湯器そのものが動作しなくなり、お湯が使えないことも起こり得るため、早めの修理が必要です。
水制御系の部品も特殊なものは高額になり、2万円以上するものもあります。
安全装置系の修理費用相場
見積項目 | 内訳に対する費用 |
---|---|
出張費 | 2,000~3,000円 |
技術料 | 5,000~30,000円 |
部品代 | 3,000~25,000円 |
合計 | 10,000~58,000円 |
安全装置の故障は深刻な状態になると、ガス漏れや火災の原因になり得るため、早急な修理が求められます。安全装置系の修理費用相場は、部品代・技術料・出張費を含めて約7,500~5万8,000円です。
ガスを遮断する立ち消え安全装置や、給湯器内部が異常な高温になることを防止する、過熱防止装置が修理対象になります。安全性に関わる部分であるため、部品代や技術料は他の部分よりも高めであることも、理解しておきましょう。
給湯器の不具合が故障かどうかチェックするポイント
いつも通りに給湯器を使用していて違和感を感じたら、まずは自分でチェックしてみましょう。自分で確認することで、いざ業者に修理を依頼する際にも、具体的かつ明確に症状を伝えられるようになります。故障かなと思った時にチェックするポイントを、4つ紹介します。
- 水は出るか、給湯器の電源は入っているか
- お湯の温度は安定しているか
- 異音や振動はないか
- 給湯器から黒い煙が出ていないか
水は出るか、給湯器の電源は入っているか
まず確認すべきなのは、蛇口から水が出るかどうかです。水が出ない場合は、給湯器ではなく水漏れや断水の可能性があります。お湯が出ない時は、給湯器の電源が入っていないことや、電源プラグが抜けてしまっている可能性もあるので、確認してみましょう。
電源とあわせて確認したいのが、給湯器内のブレーカーです。給湯器内のブレーカーが落ちている場合は、スイッチを入れ直してみましょう。スイッチを入れてもすぐにブレーカーが落ちてしまう場合は、漏電の可能性が考えられるので注意が必要です。
お湯の温度は安定しているか
一定温度のお湯が安定して出続けるかどうか確認しましょう。温度が不安定な場合は給湯器の寿命が近いか、水抜き栓フィルターや循環アダプターにゴミや汚れが付着し、目詰まりを起こしている可能性があります。
まずはフィルターやアダプターにゴミや汚れが付着していないかチェックして、隅々まで掃除してから再度お湯の温度を確認してみましょう。
また最初に熱いお湯が出た後すぐに冷たくなり、だんだん適温になっていく場合は、「冷水サンドイッチ現象」が起きています。これは給湯器の仕組み上起こる現象であり、故障ではありません。古い給湯器で特に起こりやすいです。
なお同じ給湯器を10年以上使用していて、お湯が出るまでにかなりの時間を要する場合は、給湯器の寿命がきているかもしれません。買い替えを検討しましょう。
異音や振動はないか
給湯器の寿命が近づいてくると、不自然な異音や振動が起こることがあります。特にお湯を出した時に普段聞き慣れない音が聞こえた場合には、注意が必要です。
異音に気づいたら、まずどこからどんな時に、どんな音が鳴っているのかを確認しておきましょう。詳しく確認することで、修理を依頼する際に業者へ具体的に症状を伝えることができ、スピーディーに的確な対処をしてもらえます。
あわせてガスくさくないかも確認しておきましょう。ガスくさい場合にはガス漏れや、給湯器内部で不完全燃焼が起きている可能性が考えられ、非常に危険です。最悪のケースとして、爆発事故や一酸化炭素中毒が起こることもあります。そのためガスくさいと感じた時は2ヶ所以上の窓を開け、必ず換気をしましょう。
異音の種類によって原因が異なる可能性があるため、異音に気づいたら放置せずに修理を依頼することをおすすめします。
給湯器から黒い煙が出ていないか
給湯器の排気部分から黒い煙が出ている場合は、早急に使用を停止して修理を依頼しましょう。給湯器内部の燃焼系回路に異常が生じている可能性が高く、不完全燃焼を起こしている可能性があります。
黒い煙は見られるものの、問題なく使用できているという場合も注意が必要です。使い続けることで、発火の危険性があるほか、さらに不具合の範囲が広がり修理費用が高くなるケースも考えられます。
また、室内に給湯器を設置している場合は、黒い煙によって一酸化炭素中毒になる危険も伴います。まずは換気をして、早急に業者の手配を行いましょう。
修理か交換かを見極めるポイント
給湯器に不調が見られた時、原因によっては修理ではなく交換をすることがあります。状況次第では、修理と交換のどちらを選ぶべきか迷うこともあるでしょう。給湯器が故障した時に、修理か交換かを判断するポイントを紹介します。
メーカーの保証期間内なら修理がおすすめ
修理か交換かの判断材料のひとつが、メーカーの保証期間内であるかということです。故障した給湯器が保証期間内であれば、無償で修理を受けられます。保証期間はメーカーや機種によって異なるので確認しておきましょう。
ほとんどの場合保証期間は1年ですが、給湯器の所有者登録をすることで、保証期間が延長できる点も覚えておくといいでしょう。
また財団法人ベターリビングという機関によって、優良住宅部品として認定されているBL認定品の場合には、保証期間は2年となっています。保証期間内での無償修理の依頼は、取り付けをした施工会社に相談し、対応してもらいましょう。
修理費用と交換費用を比較して決める
修理か交換かの費用を比較した際、交換の方が費用が安い場合は交換がおすすめです。費用を比較し、交換の方が少し高い場合にも、今後の故障を考えると、交換しておく方がいいでしょう。ただし点検にも費用が発生する場合があるので、修理費用と交換費用以外にかかるコストも、確認しておきたいところです。
点検や修理、交換にかかる費用は、依頼する業者の規模によって変わります。また交換費用が高い場合でも、熱効率が高く月々のコストを削減できるエコジョーズ給湯器に交換することで、結果的にお得になることもあるので覚えておきましょう。
10年以上使用している場合は交換する
給湯器の寿命は約10年と言われています。それ以上長く使っている給湯器が故障した場合は交換が望ましいでしょう。
使用年数が10年未満であっても、不具合の状況によっては修理を繰り返すことになります。すると結果的に高くついてしまうこともあるため、古くなってきた給湯器の修理は慎重に判断しましょう。
また、故障箇所の部品がすでに製造終了となっているケースがあります。この場合、使用年数が10年未満であっても交換せざるを得ないこともあります。
給湯器の修理はどこに依頼する?
給湯器の修理は、給湯器を製造・販売するメーカーをはじめ、ガス会社や給湯器専門業者に依頼できます。それぞれに依頼した場合のメリット・デメリットとあわせて確認してみましょう。
- 給湯器メーカー
- ガス会社
- 給湯器専門業者
給湯器メーカー
給湯器が故障した時には、ノーリツやパロマ、リンナイなど、故障対象の給湯器メーカーに修理を依頼できます。製造メーカーなので、自社製品を熟知しており専門知識も多く、部品の手配などが早いことがメリットです。さらにサービスに安心感があり、信頼できるでしょう。
デメリットはあまり値引きをしてもらえないことから、修理費用が高くなりやすいことです。交換になった場合には、依頼した給湯器メーカーの製品しか選べません。
修理はメーカーが委託した業者が作業をすることが多く、自分で業者を選べない点もデメリットと言えるでしょう。コストを抑えて自分で業者を選びたい人にとっては、給湯器メーカーへの修理依頼は向いていません。
ガス会社
東京ガスや大阪ガスなどのガス会社に、給湯器の修理を依頼することも可能です。ガス会社への修理依頼のメリットは、給湯器メーカーと同様に専門知識を持ち合わせており、実積も豊富なので安心して依頼できる点にあります。連絡先も普段の明細などからわかりやすく、依頼から修理までスムーズに進められるでしょう。
デメリットは値引きが難しく、修理費用が高くなる傾向がある点です。給湯器の販売をしているわけではないため、交換の場合の選択肢が少なく、修理業者を自分で選べないこともデメリットと言えます。
給湯器専門業者
給湯器の販売代理店や専門業者に修理の依頼をすることも可能です。専門業者であればコストを抑えやすく、さまざまなメーカーの給湯器を取り扱っている点がメリットと言えます。競合が多いことから、選ばれるために充実したサービスや保証を提供している業者も多いのが特徴です。
デメリットとしては業者によって、技術レベルやサービスに差がある点が挙げられます。中には必要な資格を所有していなかったり、工事後に高額な修理費を請求する悪徳業者も存在しています。
コストは抑えられる傾向にありますが、業者選びに失敗すると、後からトラブルになることもあるので注意が必要です。専門業者に依頼する場合には、業者は慎重に選びましょう。
給湯器の修理費用を安く抑えるコツ
給湯器の故障の度合いによっては、修理費用が高額になるケースが考えられます。しかし修理費用は工夫することで、安く抑えることが可能です。そこで少しでも修理費を安く抑えるコツを2つ紹介します。
相見積もりを取る
給湯器の修理費用を抑えるには、複数の見積もりを比較するのがおすすめです。最低3社以上から見積もりを取り比較することで、費用やサービス内容が把握できます。見積もりに記載されている費用の内訳や、作業内容の詳細を確認しておくことで、後から不要なオプション費用を請求される心配もなくなるでしょう。
不明点にも気づきやすく、事前に確認することは後のトラブル回避にも繋がります。優良業者を見つけやすくなるのも大きなメリットです。
自宅から近い業者を選ぶ
修理作業にかかる費用以外に、出張費や交通費、駐車場代などが別途加算される場合があるため、自宅から近い業者を選ぶことをおすすめします。出張費等は業者の所在地から自宅までの距離によって、変動することを念頭に置きましょう。
また自宅から近い業者であれば対応スピードも早く、依頼から修理までスムーズに進められる可能性が高いです。
給湯器の修理依頼で事前に確認しておきたいポイント
給湯器修理を業者に依頼するのは、初めての方も多いのではないでしょうか。依頼をスムーズに行うために、事前に確認しておきたいポイントを紹介します。
給湯器の型番
給湯器の修理を依頼する際には、給湯器の型番を必ず聞かれます。給湯器によって、症状から想定できる故障個所や修理部品が異なるためです。スムーズに話を進めるために、あらかじめ給湯器の型番を調べておきましょう。
リモコンの型番や設置年月日などの情報、追い炊き機能の有無など機能面もわかれば、より的確な修理依頼ができます。
型番は、給湯器に貼り付けてあるシールに記載されています。シールが見当たらない場合は、メーカーのホームページなども確認してみましょう。
リモコンに表示されるエラーコード
リモコン付きの給湯器の場合は、リモコンに表示されるエラーコードを確認しておくと修理依頼がスムーズです。修理を依頼する際にエラーコードを先に伝えることで、症状が伝わりやすくなります。
エラーコードの内容は、給湯器の取扱説明書やメーカーのホームページなどで調べられます。あらかじめ検索して原因を推測しておきましょう。
給湯器を修理を依頼する流れ
ここからは、給湯器の修理を依頼する際の大まかな流れを紹介します。
1:給湯器の修理依頼
まずは、給湯器の修理業者に修理依頼を行います。電話やメール、FAX、Webサイトの予約専用フォームから依頼するのが一般的です。電話は営業時間内のみの対応となることが多いですが、24時間365日受け付けているところもあります。
給湯器が故障した時間にもよりますが、午後以降に修理依頼をすると、ほとんどの業者で翌日以降の対応になります。修理を急ぐ場合は、できるだけ午前中に依頼するように心がけましょう。
2:状況のヒアリング・訪問日の調整
メールやFAX、Webサイトから修理の申し込みを行った場合でも、電話で不具合の状況を説明するヒアリングがあります。現状の給湯器の状態をしっかり説明するようにしましょう。
事前に確認した給湯器の型番や、リモコンに表示されているエラーコードを伝えると、スムーズに話が進みます。
この電話では訪問日を決定することが多いため、修理希望日や立ち合い可能な日を確認しておくのがおすすめです。
3:故障の確認・見積もり作成
訪問を約束した日時に業者が訪れ、給湯器の点検や故障個所の確認を行います。修理や交換が必要な場合には見積もりを作成し、概算の修理費用を提示してくれます。
4:部品の納品
メーカーや型番、交換部品によっては修理部品の取り寄せが必要なこともあるでしょう。この場合は、部品が業者に納品されてからの修理となるため、修理日が1週間後となる可能性もあります。
逆に修理業者の手元に部品があれば、即日修理をしてくれるケースもあるかもしれません。
5:修理完了・試運転
修理が完了したら業者側で試運転を行い、修理できているかを確認します。試運転中に同じ症状が出現したり、別の不具合が発見されたりした場合は再度調整してもらいましょう。
6:修理後のアフターフォロー
業者によっては、修理後のアフターフォローが充実しています。修理後の点検をはじめ、修理後保証などがついていれば、優良な業者であると判断できるでしょう。アフターフォローの内容を確認し、必要に応じて利用するのがおすすめです。
給湯器の修理にかかる時間
給湯器の修理にかかる時間は、部品の在庫に大きく左右されます。在庫があれば、半日~1日で完了するものがほとんどです。在庫がない場合は、発注してから納品までに約1週間程度かかることもあるでしょう。
また配管交換も必要になる場合は、大規模な修理になります。そのため修理の内容によっては数日かかることもあります。
修理期間はお湯が使えなくなるため、大規模な工事になる場合は、あらかじめホテルでの滞在や銭湯の利用も検討しておくと良いでしょう。
給湯器の調子が悪い時は業者に修理を依頼しよう
給湯器の調子が悪い時には、自分で確認できることを試した上で、速やかに業者へ修理依頼をしましょう。ガスを扱う機械であるため、自力での修理には危険が伴います。
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