給湯器の寿命は8年~10年と言われており、長年使っているとさまざまな症状が表れます。
特に「水・お湯が出ない」「煙や異臭がする」「音がうるさい」「水漏れしている」「エラーコードが出ている」などの症状が出た場合、給湯器の故障かもしれません。万が一故障していた場合は業者に連絡し、修理・交換が必要となります。
この記事では給湯器の症状ごとの対処法を解説します。
給湯器・湯沸かし器の故障でよくある症状
給湯器や湯沸かし器が故障すると次のような症状が現れます。
水もお湯も出ない場合の対処法
お湯だけでなく蛇口からの水も出ない場合は、以下の3つの方法を試しましょう。
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栓が閉まっていたら「開」の方向に回すことですぐに問題を解決できるでしょう。なお元栓は水道メーターボックスの中に、止水栓は水道したの配管部分にあります。
配管が凍結している場合は、タオルを給水元栓に巻き、約30~40℃のぬるま湯をゆっくりかけて解凍を試みましょう。また給水元栓の水を拭き取り、毛布を包んでおくと凍結防止が期待できます。
断水は工事によるもののことが多いです。断水が終わるまで待ちましょう。
上記に当てはまらない場合は、専門業者に依頼して原因を明らかにしてもらいましょう。
お湯だけ出ない場合の対処法
水は出るけどお湯が出ない場合は、出ない蛇口の数によって対処法が異なります。
症状 | 対処法 |
一部だけお湯が出ない | 設定温度の確認 |
どの蛇口からもお湯が出ない |
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一部だけお湯が出ない
一部だけでお湯が出ない場合、まずは水栓の温度設定が間違えていないか確認してください。
お湯の温度設定になってるにも関わらずお湯が出ない場合は、蛇口が故障している可能性が高いです。業者に依頼して修理してもらいましょう。
どの蛇口からもお湯が出ない
どの蛇口からもお湯が出ない場合、まずは給湯器の設定が正しいか確認しましょう。給湯器の設定温度が低くなっている場合や、リモコンのスイッチが切れている場合があります。
給湯器の設定に問題がなかった場合、次は給湯器のストレーナー(水抜き栓フィルター)を以下の手順で掃除しましょう。
【給湯器のストレーナー(水抜き栓フィルター)掃除手順】
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また地震が起こると、ガスメーターの安全装置が作動してガスの供給が遮断されることがあります。ガスコンロを使ってガスが供給されているか確認し、ガスが遮断されていた場合は、以下の手順で復帰させましょう。
【ガス供給の復帰方法】
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引用:ガスメーターの復帰方法|東京ガス |
ガスコンロを復帰させた後すぐガスメーターの安全装置が作動する場合は、ガス漏れの可能性があります。ガスの使用を停止し、契約ガス会社に連絡しましょう。
これまでのどれを試しても治らない場合は、専門業者に依頼して原因を明らかにしてもらいましょう。
お湯の温度が不安定な場合の対処法
お湯の温度が不安定な場合、次の3つの対処法を試しましょう。
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給水栓・ガス栓が緩んでいる場合、給水栓・ガス栓を全開まで開くことで、温度が安定するでしょう。
古いタイプの給湯器を使っている場合は、水が温まるまでに時間がかかります。お湯を出してからしばらく待ちましょう。
また給湯器のパワーが弱い場合、複数箇所で同時にお湯を使用すると温度が上がり切りません。お湯の同時使用を避けたり、より高性能の給湯器に変えたりする必要があります。
上記のどちらにも当てはまらない場合には、蛇口や循環フィルター、給湯器が故障している可能性があります。業者に相談してください。
追い焚きできない場合の対処法
追い焚きができない時は、給湯器の故障ではない場合が多いです。
症状 | 対処法 |
追い焚きボタンが作動しない | お湯を多めに張ってからもう一度追い焚きする |
湯船の上下で温度差がある | 循環フィルターを掃除する |
上記の対応を行っても追い焚きが上手く作動しない場合は、業者に相談してください。
追い焚きボタンが作動しない
追い焚きボタンが作動しない場合は、お湯不足が原因です。お湯を多めに張ってからもう一度ボタンを押してください。
循環フィルターを使ってお湯を循環させて温めるタイプの給湯器の場合、空焚きを防ぐために事前に浴槽内に一定量のお湯が残っている必要があります。
湯船の上下で温度差がある
湯船の上下で温度差がある場合は、浴槽の循環フィルターに皮脂汚れや異物が詰まっている可能性があります。以下の手順で循環フィルターを掃除し、きちんとはめ直してみましょう。
【循環フィルターの掃除手順】
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煙や異臭が出ている場合の対処法
給湯器から煙や異臭が出ている場合、その種類によって原因や対応が異なります。
煙が出ている
給湯器から黒煙が出ている
不完全燃焼を起こしています。すぐに使用を中止して業者に修理を依頼しましょう。
排気口や排気トップから白煙が出ている
異常ではありません。排気ガス中の水蒸気が白く見えるだけです。
異臭が出ている
焦げたような臭い
給湯器内部にたまったホコリで不完全燃焼を起こしている恐れがあります。すぐに使用を中止して業者に修理を依頼しましょう。
酸っぱい臭い
給湯器の不具合で、未燃ガスが排出されている恐れがあります。そのまま使用するのは危険なので、使用をストップして業者に修理を依頼してください。
ガス臭い
プロパンガスを使用している場合は、ガスの残量が少なくなっているサインです。ガス漏れの可能性もあるので、心配でしたら業者に点検してもらいましょう。
異音がする場合の対処法
給湯器から「ピー」「ゴー」「キーン」「ボン」「ボコボコ」のような音がした場合は修理が必要です。すぐに使用を中止して業者に相談しましょう。
「ピー」という高い音がするときは、ファンモーターの不具合が原因として挙げられます。また「ゴーッ」という音がする場合は、ゴミや虫などが入り込んだことによる給排気のトラブルの可能性が高いです。
配管内に圧力がかかっている場合には「キーン」という音が、給湯器が不完全燃焼を起こしている場合には「ボン」という小さな爆発音が聞こえることがあります。
またバスタブから「ボコボコ」という音が聞こえるときは、循環パイプの設置に問題があるかもしれません。
一方、ファンやポンプの回転音は機器が作動するときに生じるものなので、基本的には問題ありません。「ジュージュー」という蒸発音も結露水によるもののため、故障である可能性は低いでしょう。
給湯器が水漏れを起こしている場合の対処法
給湯器が水漏れを起こした場合は、直ぐに給湯器の使用をやめ、元栓を閉めて、メーカーや設置業者に連絡しましょう。
ただし賃貸の場合は、メーカーや設置業者に連絡する前に、大家さんや管理会社に連絡する必要があります。
給湯器の寿命である8~10年を超えると、経年劣化による水漏れが発生しやすくなります。その場合は買い替えましょう。
また凍結によって配管が破裂した場合は、業者に頼んで修理してもらいましょう。施工不良や初期不良の場合は、工事を担当した業者に連絡してみましょう。
エラーコードが出ている場合の対処法
リモコンの液晶パネルに1~3桁のエラーコードが表示された場合は、給湯器の取扱説明書を見て適切な対応を取りましょう。
エラーコード | エラーの原因 | 対処法 |
011 | 給湯運転を60分以上行った | 給湯器の電源を入れ直す |
012 | ふろ運転を60分以上行った | 給湯器の電源を入れ直す |
111 | 給湯器の点火エラー | 給湯器の電源を入れ直す ガス栓が空いているか確認 |
140 | 給湯器の異常過熱 | 使用を止め、業者に連絡 |
888 | 点検時期のお知らせ | メーカーの提供している点検を受ける |
88 |
給湯器のエラーの中でも、「011」「012」「111」は給湯器の電源を一度切って入れ直すと解決することが多いです。
点火エラー(111)はガス栓の状態や、給湯器の凍結が原因の可能性もあります。この場合はガス栓が開いているか確認し、凍結している場合は溶けるまで待ちましょう。
140は給湯器本体が異常に熱くなり、防止装置が作動したことを示しています。自分で解決することが難しいので、ガス設備業者に点検を依頼しましょう。修理や交換が必要になる可能性もあります。
またエラーコード「888」や「88」は、故障ではなく点検時期のお知らせです。給湯器本体が寿命に近づいているというサインなので、急に故障してしまわないように各メーカーが提供している「あんしん点検」を受けましょう。
関連記事ではエラーコードが出た時の対処法をより詳しく解説解説しています。
リモコンの電源が入らない場合の対処法
リモコンの電源が入らない場合や、お湯は出るけど液晶が付かない場合は以下の対処法を行いましょう。
症状 | 対処法 |
リモコンの電源が入らない |
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リモコンの液晶画面が付かない | 専門業者に修理を依頼する |
リモコンの電源が入らない
リモコンの電源が入らない場合は、まず給湯器本体の電源プラグがコンセントから抜けていないか確認しましょう。コンセントは屋外の給湯器周りにあるはずです。
電源が抜けていない場合は、ブレーカーが落ちている可能性があります。また雷が原因かもしれません。その場合は安全装置が作動しているだけなので、電源コンセントを抜き差しすることで改善できます。
リモコンが自宅内に複数ある場合は、他のリモコンでも確認してみましょう。もう片方が正常に作動する場合は、リモコン自体の故障が原因でしょう。専門業者に修理を依頼してください。
リモコンの液晶画面がつかない
お湯が出るけど液晶がつかない。他のリモコンは正常に働いているけど液晶がつかない。このような場合はリモコン本体が壊れています。専門業者の修理が必要です。
お湯の色がおかしい場合は故障ではないことも
給湯器で沸かしたお湯が「白く濁る」「青く見える」といった場合は、給湯器の故障ではありません。健康に影響もないので、そのまま使い続けて問題ありません。
お湯が白く濁る
給湯器で沸かしたお湯が白く濁って見えるときは、お湯の中に小さな気泡(空気)が発生している可能性が高いです。もともと水中に溶けていた空気が、急速にあたためられたことで配管内で膨張し、外に出たときにはじけて気泡になります。しばらく待てば元の色に戻るので心配ありません。
お湯が青く見える
水中に溶けた銅イオンが原因で、お湯が青く見えることがあります。健康に悪影響はありません。そのほか、浴槽の色味によっては光の反射で青っぽく見えることがあります。
修理・交換の費用相場や所要時間は?
修理、交換にかかる費用や時間の目安はどれくらいなのでしょうか。
給湯器の修理費用の相場
修理費用は6,000〜60,000円と幅があり、給湯器のどの部品を修理するかによって変動します。部品別の修理費用は下記の通りです。
燃焼部品修理 | 17,000~33,000円 |
電装部品修理 | 6,000~46,000円 |
安全装置修理 | 7,500~58,000円 |
水制御装置修理 | 10,000~35,000円 |
給湯器外部の配管・水漏れ修理 | 8,000~15,000円 |
リモコン交換 | 15,000~20,000円 |
給湯器の交換費用の相場
給湯器の交換費用の相場は、給湯専用5.5~7万円、追い焚き機能付きが10~13万円、追い焚き+暖房機能付き15~23万円です
なおエコジョーズなどの省エネ性能の高い製品や、設置が難しい場所の場合は、相場より高くなる場合があります。
以下の記事では、給湯器効果の費用相場だけでなく、安く抑える方法も解説しています。給湯器が寿命で交換が必要な方は参考にしてみてください。
交換にかかる時間の目安
給湯器の交換を連絡した当日に行うのは難しいです。希望の機種があるとは限らないので、給湯器を交換する際は1週間ほどかかると思ってください。
交換の工事自体は2~6時間で完了します。給湯専用機の場合は2~3時間、省エネタイプだと4~5時間かかります。リモコンを設置するため、工事には立ち会いが必要です。
給湯器の交換を待っている間、お湯が使えないのは困りますよね。給湯器の一時レンタルサービスをしている会社もあるので、業者に相談してみましょう。
業者を選ぶポイント
給湯器の修理や交換を依頼する業者を選ぶ際は、以下のような資格を持っている業者を選びましょう。
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加えて、相見積もりをすることで適正価格で依頼することができます。口コミや実績も確認しながら業者を選びましょう。
賃貸の場合は管理会社に連絡を
賃貸物件に住んでいる場合は、給湯器を修理・交換する前に管理会社へ連絡しましょう。基本的には費用を管理会社や大家が負担をしてくれるからです。
なかなか連絡がつかないときには、不動産会社に問い合わせてみると良いでしょう。
給湯器の故障を予防する方法
せっかく給湯器を交換したなら長持ちさせたいですよね。以下で紹介する4点に気をつけて、給湯器の故障を避けましょう。
給湯器の周りにものを置かない
給湯器の周りや上下にものを置かないようにしましょう。障害物によって排気口が塞がると排熱・排気がうまくできず、不完全燃焼を起こしたり、故障を早めたりするリスクがあります。
また給湯器の排気温度は高温なので、火災の発生を防ぐためにも給湯器の周りに物を置くのはやめましょう。植木や塀があって給湯器とものの距離が地位核なってしまう場合は、排気カバーを付けると良いでしょう。
入浴剤の使用に気を付ける
以下のような成分を含む入浴剤を使っている最中は、追い焚き機能の使用を控えましょう。お湯を循環させている間に成分で配管や給湯器を劣化させる恐れがあるからです。
硫黄 | 塩分 | 酸化チタン |
発砲系 | 花びらなどの固形物 | 飲食物 |
風呂掃除をこまめにする
こまめな風呂掃除は、給湯器のかかる負担を軽減することができます。洗剤や水垢が配管内部や循環口のフィルターに溜まっていることがないよう、定期的に風呂掃除をしましょう。
世帯の大きさに合った給湯器を使う
給湯器は世帯の大きさによっておすすめのサイズ(号数)が異なります。正しいサイズの給湯器を使うことは、負担を減らして寿命を延ばすことにも繋がります。
人数ごとの号数の目安は以下の通りです。関連記事では給湯器のサイズについてより詳しく解説しているので是非参考にしてください。
号数 | 適した人数 |
16号 | 1人(単身世帯) |
20号 | 2~3人 |
24号 | 3~4人 |
冬場は凍結しないように対策をとる
給湯器の凍結は、配管内部の水が凍ることによって起こります。水は凍ると体積が増えるので、配管に負担がかかって破裂の原因になります。破裂による水漏れが漏電を引き起こすこともあり、非常に危険です。
特に冬の夜中に凍結が起こることが多いです。冷え込みが予想される前日は、以下のような凍結防止策をとりましょう。
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関連記事:給湯器が凍結してお湯が出ないときの対処法とは?冷え込むときの凍結防止策も紹介|ミツモア |
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