多くの方が経験するシャワーヘッドの水圧低下や水漏れ。一日の疲れを癒すバスタイムを妨げるこれらの問題は主に皮脂や水垢の「詰まり」が原因です。
本記事では、シャワーヘッドに詰まる汚れの種類や効果的な掃除「つけ置き」の方法について詳しくご紹介します。
シャワーヘッドの水圧や水漏れが気になる原因は目詰まり
シャワーヘッドの水圧が弱くなったり水漏れが気になる場合は、シャワーヘッドが目詰まりを起こしている可能性が高いです。目詰まりは3種類の汚れが原因です。
目詰まりの原因は3種類の汚れ
シャワーヘッドの散水板が詰まる3つの主な原因は「水垢」「石鹸カス」「皮脂汚れ」です。中でも水垢は一度詰まると落ちづらく厄介な汚れです。
水垢はシャワー使用後にシャワーヘッドの水気を取らないことが原因です。ミネラル成分が残り、そのまま長時間放置することで白くこびりつき、簡単に落とせなくなります。
水垢が付着していることで石鹸カスがくっつきやすくなり、詰まりの原因になります。
皮脂汚れはシャワーを浴びたときに跳ねてシャワーヘッドに付着するものです。皮脂は主成分が脂のため、水では落としにくいです。
目詰まり以外に目立つ汚れ
目詰まりの原因となる3種類の汚れを紹介しましたが、見た目に目立つものとして「黒カビ」があります。黒カビは温度×湿度×汚れによってでてくるカビです。
また、他にもシャワーヘッドには「ぬめり」「緑青(ろくしょう)がでてきます。
黒カビは黒い斑点状のもので、そのまま放置しているとシャワーヘッドから出てくる水にサビが混ざり、その水を浴びることで肌荒れなどを引き起こす原因となります。
また、黒カビを吸い込むことで呼吸器系の疾患やアレルギー症状を引き起こしかねないので、早期対処する必要があります。
触るとぬめぬめしているピンク色の汚れがぬめりです。ぬめりが発生するということはカビが発生しやすい状況なので、対処をする必要があります。
緑青は銅配管の酸化による変色です。無害ですが、見た目の印象がよくないです。
シャワーヘッドの掃除に有効な洗剤一覧
シャワーヘッドの掃除には、適切な洗剤選びが重要です。汚れの種類によって最適な洗剤が異なるため、汚れに応じた洗剤を選ぶことが効果的な掃除のカギとなります。
酸性の洗剤は水垢汚れに使える
水垢はアルカリ性の物質ですので、酸性の洗剤を使用しましょう。特にクエン酸は自然由来で安全性が高く、環境にやさしいのでおすすめです。
また、お酢や業務用水垢除去剤なども酸性ですので、水垢の掃除に使えます。
アルカリ性の洗剤は皮脂汚れに使える
皮脂汚れなど油性の汚れにはアルカリ性洗剤が効果的です。
特に重曹は安全性が高く使いやすいのに加え、消臭効果も期待できるのでおすすめです。
その他こんな洗剤も使える
ナチュラルハウスクリーニングの洗剤として有名なウタマロクリーナーもシャワーヘッドの掃除に使用することができます。
ウタマロクリーナーは中性の洗剤ですが高い洗浄力を持ち、また、安全性が高く様々な場所に使用可能な洗剤です。
シャワーヘッドの目詰まりにはつけ置き掃除がおすすめ
シャワーヘッドの目詰まりは放置しておくと、水圧の低下や水漏れがどんどんひどくなり、シャワーが使いづらくなってしまいます。目詰まりを解消するには、つけ置き掃除がおすすめです。
つけ置き掃除がおすすめの理由
つけ置きそうじがおすすめの理由は大きく分けて3つあります。
- 手間がかからない
洗剤液に浸すだけの簡単作業なので、他の家事と並行しながら掃除ができます。
- 細かい穴まで徹底洗浄
シャワーヘッドは意外と複雑な構造になっていますが、つけ置きすることで、しっかり奥まで洗浄液が浸透し、目で見えない内部の汚れも除去できます。
また、均一的な洗浄効果が期待できます。 - 物理的な損傷リスクが低い
つけ置きするだけなので、シャワーヘッドの表面に傷がつきにくく、部品の劣化を防ぎます。
つけ置き掃除に必要な道具
シャワーヘッドのつけ置き掃除に必要な道具は下記の通りです。
- 洗面器
- ぬるま湯
- クエン酸
- 歯ブラシorスポンジ
- 布巾
- ドライバー(必要な場合)
クエン酸はAmazonなどで購入できます。
つけ置き掃除の前にシャワーヘッドを分解しよう
シャワーヘッドは簡単に分解することができます。下記で分解の手順をご紹介しますが、自身で「分解するのが難しいな」と感じたら、分解せずにシャワーホースをつけたままつけ置き掃除をすることも可能です。
シャワーヘッドの分解手順は下記の通りです。
1.シャワーヘッドをホースから取り外す
ヘッドの下部をよく見ると、大抵の場合は回転させられるようになっています。ヘッドとホースをそれぞれ握って反対側に回すと、ヘッドをホースから取り外せます。
接続部にはゴム製のパッキンが取り付けられていることが多いため、外した拍子に紛失しないようにしましょう。また古いパッキンは劣化してちぎれやすいので、外れない場合は無理に力を入れないよう注意してください。
2.散水板(穴が開いた板)を取り外す
シャワーヘッドの先端部分には、水が出てくる穴が多数開いた板が付いています。この板は一般的に「散水板」と呼ばれています。
散水板がネジで留められている場合は、ドライバーで外しましょう。散水板がネジ止めされていない場合は、回転させるようにして取り外せます。
3.その他の分解できるパーツを取り外す
シャワーヘッドの中に散水板以外のパーツが入っている場合は、そちらも取り外しましょう。
細かいゴミを受け止める「ストレーナー(フィルター)」や、水道水に含まれる塩素やカルシウムイオンを低減させる「カートリッジ」、接続部に使われる「ゴムパッキン」などがヘッドの内部に入っています。
これらの細かい部品を失くすと、あとで組み立てができなくなるので、小物入れなどに入れて保管しましょう。シャワーヘッドと一緒につけ置きする場合は、洗濯ネットなどにまとめておくと便利です。
つけ置き掃除の手順
シャワーヘッドの分解ができたら、つけ置き掃除に入ります。
つけ置き掃除の手順は下記の通りです。
- 洗面器にぬるま湯をため、1リットルに対して大さじ1杯のクエン酸を入れる
- シャワーヘッドや散水板、ストレーナーを入れて1~3時間ほど放置する
- 放置しおわったパーツを歯ブラシやスポンジでこすり洗いする
- 散水板の穴に付着した細かい汚れをつまようじで取り除く
- シャワーヘッド全体を水ですすぎ洗いして、水分が残らないよう乾拭きする
このようにつけ置きするだけなので、簡単にシャワーヘッドの掃除が完了します。
シャワーヘッドが浮いてしまって完全につけ置きができない場合、二重にしたビニール袋にクエン酸水を満たしてつけ置きしましょう。
クエン酸は水垢がつきやすい蛇口や鏡などの掃除にもピッタリなので、放置している間のついでにお掃除をするのもおすすめです。
シャワーヘッドの黒カビの掃除方法
シャワーヘッドの散水板の黒カビやぬめりが気になる場合は、別の掃除方法を行ってください。
通常であれば黒カビにはカビキラーなどの塩素系漂白剤を使いますが、塩素系漂白剤はシャワーヘッドの部品を傷めてしまう可能性があるため、まずはやさしい洗剤から試すのがおすすめです。
下記でやさしい洗剤を使ったシャワーヘッドの黒カビ掃除方法を紹介しているので、まずは下記を実践してみてください。
黒カビ掃除に必要な道具
黒カビ掃除に必要な道具は下記のとおりです。中性洗剤か重曹はどちらでも大丈夫です。
- 中性洗剤
- 重曹
- 歯ブラシorスポンジ
- 無水エタノールスプレー
無水エタノールの代わりに掃除用アルコールスプレーでも代用できますが、掃除用アルコールスプレーの場合、濃度が薄すぎて効果が半減する可能性があります。
無水エタノール8:水2の割合で薄めたものがおすすめです。
黒カビ掃除の手順
黒カビ掃除の手順は下記のとおりです。
- 無水エタノールスプレーをかける
- ぬるま湯に中性洗剤or重曹を溶かし、混ぜ合わせる
- シャワーヘッドを1~3時間程度つけ置きする
- カビが生えている場所を重点的に歯ブラシでこする
- カビが取れたことを確認したら、しっかり水で洗い流す
- カビ菌が死滅する50~60℃以上の熱湯にシャワーヘッドを浸し、10分ほど放置
- 半日~1日ほど、シャワーヘッドを分解したままの状態で陰干しする
無水エタノールは必ずシャワーヘッドが乾いた状態で使ってください。乾いた状態で使わないと除菌効果が発揮されません。
また、カビ菌は50℃程度までなら活発に活動しますが、それ以上の熱を与えると死滅します。
そのためつけ置き掃除をしたあとで、60℃程度のぬるま湯に10分ほど浸して、カビ菌や雑菌を退治するのがおすすめです。
熱湯はシャワーヘッドの素材にダメージを与えてしまうので、使わないようにしてください。
シャワーヘッドの目詰まりを予防する方法
シャワーヘッドの目詰まりは日常的なお手入れで予防することができます。今回は3つの予防方法をご紹介します。
使用後は必ず「水切り」を習慣に
シャワーヘッドの目詰まり予防で最も重要なのが、使用後の水切りです。内部に残った水は、時間とともに乾燥して水垢になるため、目詰まりの原因となります。
また、残り水はカビやぬめりの温床にもなってしまいます。
シャワー使用後はシャワーヘッドを上下に振って水を切りましょう。そして、乾いたタオルで残っている水気を拭き取るだけでOKです。
使用後は「高い位置」に掛けましょう
シャワー後は、シャワーヘッドを頭上程度の高い位置に掛けることがおすすめです。
シャワーヘッドを高い位置に掛けることで、重力の力で内部の水が自然と下に落ちていきますし、ホース内の水が逆流するのを防げます。
これにより、シャワーヘッド内部に不要な水が溜まるのを防ぎます。
「熱湯・冷水・換気」の3ステップケア
浴室全体のカビ菌を減らしておくことも大切です。浴室にカビ菌がたくさんいると、シャワーヘッドにもカビが生えやすくなります。
カビを抑えるためには、入浴後のひと手間が大切。まず室内全体に50~60℃の熱湯をかけ、冷水で室温を下げ、換気を徹底しましょう。
熱湯によりカビ菌が死滅して、冷水で室温を下げることによって湿気を抑え、換気することでさらに湿度を下げます。
シャワーヘッドを掃除しないとどうなる?
シャワーヘッドを掃除しない場合、多くのデメリットがでてきます。
内部に細菌やカビが繁殖し、「 皮膚トラブル」「不快な臭いの発生」といった問題が起きることもあります。
目詰まりが起きると、シャワーの勢いが弱くなって水の出が不均一になるなどのトラブルが起こります。シャンプーを流しにくくなるなど、日々のシャワータイムに支障が出てしまう可能性が高いです。
また、水圧低下によって使用水量が増加するため、水道代の上昇も懸念されます。
また、サビやぬめり、白い水垢などを放置することで見た目の悪化、シャワーヘッド自体の劣化が加速します。内部に汚れが溜まりやすくなり、腐食による寿命が早まり、早めのシャワーヘッドの交換をしないといけないため、コストパフォーマンスも悪いです。
シャワーヘッドの交換タイミング
シャワーヘッドを交換するタイミングは「使用開始から5年程度」です。5年以上使用していて水漏れなどが気になる場合は交換を検討してみるといいでしょう。
しかし、使用頻度が多かったり、普段のメンテナンスが足りていないと「物理的な劣化」と「機能面での不具合」、「見た目の劣化」が現れ、交換タイミングを早めた方がいい場合があります。
- 物理的な劣化:
パッキンからの水漏れ
本体のひび割れ
ジョイント部分の緩み
ホースの劣化や亀裂 - 機能面での不具合:
水圧調整が効かない
散水パターンが乱れる
内部部品の破損音
モードの切り替えができない - 見た目の変化:
著しい変色
めっきの剥がれ
取れない汚れの定着
樹脂部分の白化現象
上記のような状態に悩んでいたら、シャワーヘッドの交換を検討してみましょう。まだ今のシャワーヘッドを使いたい場合、プロの業者に依頼するのもおすすめです。
シャワーヘッドの汚れが取れないなら浴室クリーニングもおすすめ
「自分でシャワーヘッドの掃除をしてみたけど、目詰まりが取れていない。」「カビが除菌できていない気がする」など、シャワーヘッドの掃除をしてみたけれど解決しない場合は、クリーニング業者に掃除を依頼しましょう。
多くのクリーニング業者では、浴室クリーニングと共にシャワーヘッドの掃除をしてくれます。また、作業前に気になる部分のヒアリング等も行ってくれるので、安心してシャワーヘッドの掃除を任せることができますよ。
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