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【完全版】源泉徴収されてない!?損しないフリーランスの源泉徴収を詳しく解説

最終更新日: 2020年01月25日

源泉徴収の仕組みと聞くと難しい税金のお話と考えてしまうところですが、確定申告を自分で行うフリーランスの方は源泉徴収について正しく理解しないと、税金を余分に支払う可能性が出てきます。

今回は、フリーランスの方が損をしないために、源泉徴収に関する基本知識や確定申告でお金が還付されるケースについて解説します。

この記事を監修した税理士

越智聖税理士事務所 - 愛媛県松山市天山

 
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源泉徴収とは?フリーランスの報酬額との関係

フリーランスの源泉徴収
フリーランスの源泉徴収にまつわる全てを知ろう!

源泉徴収とは報酬を支払う側が、報酬を受け取る会社や個人の代わりに税金(所得税など)を納める制度のことです。フリーランスとして報酬を受け取る場合、正しい金額で源泉徴収されているか確認しなければなりません。

まずは、源泉徴収の基本と、源泉徴収金額の計算方法を解説します。

源泉徴収の基本

フリーランスの源泉徴収の仕組みを知ろう
フリーランスの源泉徴収の仕組みを知ろう

源泉徴収とは、報酬支払者が所得税などの税金額を差し引いて支払い、差し引いた税金分を報酬の受け手の代わりに納税する制度です。フリーランスから見れば、あらかじめ総報酬額から税金として源泉徴収された額を受け取るわけです。

本来は、報酬の受け手が自身の所得に応じて所得税を納めるものですが、フリーランスに支払う報酬の内、法律で規定されたいくつかのものは源泉徴収され、報酬の払い手が納税をしなければいけないことになっています。

なお、フリーランスであっても必ず源泉徴収されるわけではなく、報酬を支払う会社の方針によってきまる場合もあるのですが、このあたりの詳細は後ほどあらためて説明します。

源泉徴収額の計算方法

源泉徴収税額の計算方法といわれると「なんだか難しそう」と思ってしまいますが、実はとても簡単です。

源泉徴収税額の計算は報酬額によって2段階に分かれており、計算方法は以下表の通りです。

報酬額源泉徴収額
100万円以下の場合報酬額×10.21%
100万円を超える場合(報酬額 − 100万円) × 20.42% + 102,100円

報酬額100万円までは税率10.21%。100万円を超える場合には、100万円を超える部分に対しての税率が20.42%になります。

源泉徴収額および手取り報酬の計算例

では、実際の計算例を見てみましょう。

計算例1:報酬が80万円の場合

報酬額が100万円以下の計算方法は「報酬額 × 10.21%」なので、源泉徴収額は以下の通りです

源泉徴収税額 = 80万円×10.21%=81,680円

そして、総報酬額から源泉徴収額を引いた額が手取り報酬額なので、

手取り報酬=80万円-81,680円=71万8,320円

となります。

計算例2:報酬が420万円の場合

報酬額が100万円を超える場合の源泉徴収額は、「(報酬額 − 100万円) × 20.42% + 102,100円」で求められます。したがって、

源泉徴収税額 =(420万円– 100万円)× 20.42% + 10万2,100円=75万5,540円

手取り報酬=420万円-75万5,540円=344万4,460円

となります。

源泉徴収と消費税の関係

源泉徴収をする際、内税の場合は消費税および地方消費税も含めた報酬・料金が源泉徴収の対象になりますが、外税(報酬と消費税が分かれている)の場合は、報酬のみが源泉徴収の対象になります。まとめると、

  • 原則は税込金額×税率(内税表記)
  • 請求書などに報酬と消費税などがしっかり区別されて書かれている場合は税抜金額×税率(外税表記)

となるわけです。

平成25年から復興特別所得税が加算されていることに注意しよう

平成25年から東日本大震災の復興をする際の財源確保のため、復興特別所得税が課税されることになりました。上記でも言及した税率における0.21%(100万円超の部分には0.42%)が復興特別所得税率にあたります。

確定申告の際は復興特別所得税を忘れずに記入しましょう。

フリーランスで源泉徴収される場合とされない場合

フリーランスの源泉徴収
フリーランスで源泉徴収される場合

フリーランスの報酬は、仕事内容が法律で定められた特定のものであった場合は必ず源泉徴収され、法律で定められていなくとも、報酬を支払う会社の対応によって源泉徴収される場合もあります。

源泉徴収が必ず必要な報酬は法律で定められているので、フリーランスの皆様はまず確認してみてください。

ここでは、必ず源泉徴収されなければいけない報酬と、源泉徴収されている場合・されていない場合のフリーランスの方がとるべき対応を説明します。

源泉徴収されなければいけない報酬

源泉徴収されなければならない業種の報酬は、所得税法の第204条1~8で定められています。フリーランスの方が報酬を受け取る場合、該当するものが多くあります。しっかりと仕組みを把握して、法律に違反しないように気を付けて対応ください。

以下の8業種が、フリーランスの方が報酬を受け取る場合、必ず源泉徴収されなければいけない職種です。

  1. 原稿料、講演料、デザイン料など
  2. 弁護士、公認会計士、司法書士等へ払う報酬
  3. 社会保険診療報酬支払基金が支払う診療報酬
  4. プロ野球選手、プロサッカー選手、モデル等に支払う報酬
  5. 芸能人や芸能プロダクションを営む個人に支払われる報酬
  6. 宴会等で接待を行うコンパニオンへ支払われる報酬
  7. 契約金など役務の提供を約することにより一時に支払う契約金
  8. 広告宣伝のための賞金や馬主に支払う競馬の賞金

(出典:国税庁)

源泉徴収されている場合

一般企業と取引が行われる場合は、フリーランスの方への報酬は源泉徴収されている場合がほとんどです。上記8種に該当していなくとも、源泉徴収してもよいこととなっており、会社の運用次第ですが、源泉徴収されることが多いです。

その場合、フリーランスの方は一定の所得税が自動的に支払われていることとなり、仮に経費や基礎控除を考慮して計算された支払うべき税額が源泉徴収された金額よりも少なければ、税金を払いすぎていることになり、その場合は確定申告すると所得税が還付されます。

フリーランスの方には慣れている方も多いかと思いますが、源泉徴収されている金額はしっかりと記録しておくことが大切です。

源泉徴収されていない場合

フリーランスでは、報酬を貰うときに源泉徴収されていない場合があり、そのような場合にも所得税はかかるので、自分で納税する必要があります。

この際、確定申告で決定した所得(手取りの総額から経費や基礎控除額を引いた金額)に対して、課税される税金を自分で支払う必要があります。

源泉徴収票を集めて確定申告して、税金の還付を受けよう

源泉徴収票を集めて確定申告
源泉徴収票を集めて確定申告しよう!

フリーランスの場合、源泉徴収票が発行されたらその書類を集めて確定申告する必要があります。源泉徴収票は、確定申告の際に「所得税をすでに支払っている」ことを証明する非常に重要な書類です。

フリーランスの方は、源泉徴収で税金を払いすぎている場合が多く、還付金を受けられる可能性が十分にあるので、すべての源泉徴収票を集めて適正な確定申告をしましょう。

源泉徴収されている場合の還付金について

すでに源泉徴収されている場合、実際に納めなければいけない税額を上回っていた場合は、その差額が還付金として戻ってきます。

フリーランスの場合、交通費や機材代金などを経費として処理できます。このような経費を報酬から差し引いた金額が”所得”となり、この所得をもとに税額が計算されるので、報酬額をベースに計算された源泉徴収額より実際の課税額の方が低くなることが多いです。

源泉徴収票を紛失した場合

源泉徴収票を紛失してしまった場合にはどうすればいいのでしょうか。

「まさか、税金をまた支払うの?」と焦る必要はありません。源泉徴収票は、紛失しても再発行してもらえます。

源泉徴収票の再発行依頼は、原則として発行元の会社や個人に対して行います。もし、再発行してくれない場合には、「源泉徴収票不交付の届出書」という書類を税務署に提出すれば税務署が直接指導をしてくれるので、安心してください。

詳しくは下記の記事に記載してありますので、ご参照ください。

関連記事:確定申告で源泉徴収票がない場合どうする?なくしたときの再発行方法は|ミツモア

青色申告と白色申告

確定申告には、青色申告と白色申告の2種類の方法がありますが、どちらの申告でも源泉徴収にかかわる還付を受けることが可能です。

白色申告は、簡単な帳簿で申告できるので手間をかけずに申告したい方におすすめの方法です。

一方、青色申告では本格的なしっかりとした帳簿が必要になり、青色申告をする際には、税務署への事前の届け出が必要になります。簡単にできる白色申告に対し、煩雑な手続きと帳簿が必要なのが青色申告です。

青色申告には下記のようなメリットがあります。

【メリット1】最高65万円の青色申告特別控除がみとめられる
【メリット2】3年分の赤字を繰り越すこができる
【メリット3】家族への給与が経費として算出できる

(例) 収入500万円 / 経費250万円で、39歳独身 / 扶養なしの方の場合

青色申告・白色申告の差額
青色申告・白色申告の差額

これは実例です。 上記の通り、青色申告を選ぶと税や保険料の負担を減少させることができます。

源泉徴収票と支払調書の違いについて

支払い調書
支払調書とは?

源泉徴収票とよく似たもので支払調書という書類があります。どちらも納税に関する必要な書類で、よく似た書類ですが、実は全く違う書類です。源泉徴収票と支払調書の違いをここでご紹介します。

源泉徴収票と支払調書の違いをしっかりと理解しておきましょう。

支払調書とは

支払い調書とはいくつか種類がありますが、フリーランスの方にとって重要なものは”報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書”です。

支払調書2
報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書(見本) (出典:国税庁)

これは、報酬を支払った者、つまり源泉徴収を行った者が税務署に対して発行するものです。源泉徴収の対象となった報酬および源泉徴収した金額が明記されているので、税務署はこの支払調書とフリーランスの確定申告を突き合わせをして、正しく納税されているかどうかを確認します。

支払調書と源泉徴収票の違いとは

支払調書と源泉徴収票はどちらも源泉徴収票を行った者が発行する書類ですが、支払調書は税務署宛、源泉徴収票は報酬を受け取った者宛の書類です。

正しいお金の流れを確認するという目的は同じものの、誰宛の書類なのかが異なります。

フリーランスの所得税の計算方法

フリーランスの所得税の計算方法
フリーランスの所得税の計算方法

フリーランスエンジニアをはじめとするフリーランスの場合は会社員と所得税の計算方法が異なります。これは給与所得と個人事業主の働き方の違いによるものです。フリーランスの場合は、所得税の計算をちゃんとしておくことが、節税にもつながります。

しっかりと所得税を計算して、自分にどのくらいの税金が発生するのかを把握しておきましょう。

所得税とは

所得税の計算する際の、「所得」とは、年収から経費と所得控除を引いた金額を指しています。

例えば、500万円の年収があり、それに対してかかった経費が250万円の場合は、年収の500万円から経費の250万円と所得控除の38万円を差し引いた金額が所得となります(青色申告はここから65万円を控除)。

税率は所得金額によって異なります。

【フリーランスの所得の税率】

 所得税率
控除額
195万円以下
5%
0
195万~330万円以下
10%
97,500
330万~695万円以下
20%
427,500
695万~900万円以下
23%
636,000
900万~1,800万円以下
33%
1,536,000
1,800万~4,000万円以下
40%
2,796,000
4,000万円以上
45%
4,796,000

上記の通り、所得が高いほど税率が上がる仕組みになっているのです。

また、所得税率とは別に、住民税一律10%、290万円以上から事業税率5%が発生し、さらに国民健康保険でおおよそ7%かかります。※自治体によっても異なる。

(出典:国税庁)

計算はとても簡単

慣れていないと「難しそう」と思ってしまう所得税の計算ですが、実はとても簡単です。

所得税は以下の方法で求めることができます。

所得税 = 課税対象所得 × 税率 - 課税対象所得に応じた控除
課税対象所得 = 年収 - 経費 - 所得控除

簡単な足し算と引き算なので、誰でも簡単に所得税額を計算することができます。

確定申告しないとペナルティがある

確定申告は国民の義務である納税のための手続きですから必ず行わなくてはいけません。もし、故意に確定申告をしていない場合は「無申告加算税」「延滞税」「重加算税」という3つの税金が、本来支払うべき所得税に加えて請求されてしまいます。

ですが、すべての人に認められている基礎控除が38万円あるため、年収から経費を除いた所得額が38万円以下の場合は確定申告は不要となります。

フリーランスが源泉徴収をする立場になった場合

フリーランサーが源泉徴収票を発行する場合
フリーランスが源泉徴収票を発行する場合

フリーランスで仕事をしている場合、発注する側になることもありますよね。もし、発注する側になった場合は、今度は報酬を支払う側になります。

その場合、フリーランスの方の状況によっては、源泉徴収義務者に該当し源泉徴収を行う側になることがあり、源泉徴収した税金を代わりに納税する必要があります。

源泉徴収義務者とは

フリーランスの方は原則、源泉徴収義務者に該当しませんが、以下2つのどちらにも当てはまらない人は源泉徴収義務者となります。ざっくりと、従業員を雇用した場合は源泉徴収義務者となります。

  1. 常時2人以下の家事使用人だけに給与や退職金を支払っている人
  2. 給与や退職金の支払いがなく、弁護士報酬などの報酬・料金だけを支払っている人(例えば、給与所得者が確定申告をする際に税理士を雇い、報酬を支払っても源泉徴収は必要ありません。)

源泉徴収を行う場合の納付方法

源泉徴収したお金は、所得税徴収高計算書を作成して、税務署もしくは金融機関で直接納付することができます。また、電子納税でネット納付も可能です。ネット納付は、先に届け出と登録をしておけば、税務署や金融機関に出向く必要がなく慣れるととても簡単なので便利です。

電子納税とネット納付の方法

ネットの納付は、税金の納付手続を自宅やオフィスからインターネット経由でできるシステムで、事前に税務署に届け出を出しておき、e-Taxを利用して電子申告や納付情報登録した後、登録した口座からの振替で税金を納付するというものです。

 源泉徴収税額の計算方法と計算例

源泉徴収をする側になった場合には、当然、源泉徴収金額を計算する必要があります。源泉徴収金額は以下の方法で求めることができます。

支払い金額が100万円以下の場合…報酬額に10.21%をかけた金額
支払い金額が100万円超の場合…(報酬 − 100万) × 20.42% + 102,100 = 税額

監修税理士からのコメント

越智聖税理士事務所 - 愛媛県松山市天山

源泉徴収はフリーランスの方にとってとても重要なキーワードになります。源泉徴収されてるか否かで3月の確定申告期における“資金繰り”が変わってきます。多くのケースの場合、源泉徴収されており、その場合は確定申告書を提出すれば高い確率で所得税は“還付”されます。しかし源泉徴収されてない場合は確定申告書の提出に伴い所得税はまとめて“納税”になります。一定の時期にまとまった支払が発生した場合には金額によって“資金繰り”に影響を及ぼします。ですのでフリーランスで新しいお取引を始める場合源泉徴収されるかどうか“必ず”チェックしましょう!!
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フリーランスは会社員と違って、源泉徴収や所得を管理して自分で確定申告する必要があります。源泉徴収や所得の計算、そして、発注する側になった場合にはとても複雑な手続きが必要になります。

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この記事を監修した税理士

越智聖税理士事務所 - 愛媛県松山市天山

越智聖(おちさとる)1980年愛媛県今治市生まれ。香川大学経済学部卒。大学卒業後愛媛県西条市の税理士事務所で12年間の勤務の間に税理士試験に合格し平成27年4月に愛媛県松山市にて独立開業。スタッフ5人。法人の顧問先102件、確定申告約130件(平成30年実績)相続税申告年間約5件。“人の為に動く”を経営理念とし、愛媛県で一番話しやすい税理士と言われている。
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