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【必見】確定申告の医療費控除は領収書が不要に!新たな義務とは?

最終更新日: 2020年12月16日

年末調整がある会社員でも、医療費がたくさんかかった年は、確定申告をすれば医療費控除で税金が戻ってきます。平成28年までは医療費控除を申告する際には領収書が必要でしたが、平成29年度分からは領収書は不要になりました。

手続きが簡素化された医療費控除について、領収書を紛失した際はどうしたらいいのか、などを解説します!

医療費控除とは

医療費控除は10万円以上の医療費について所得控除する制度
医療費控除は10万円以上の医療費について所得控除する制度

医療費控除は2018年の法改正で手続きが簡略化されました。提出すべき書類作成の手間もかからなくなったこの制度の概要を紹介します。

医療費控除とは

医療費控除とは、その年に自己負担した医療費が10万円を超えた場合に受けられる所得控除のことです。医療費がそのまま戻ってくるのではなく、10万円を超えて支払った医療費を所得から差し引くことで、所得にかかる税金を安くします。

会社員は、毎月、所得額に応じて所得税などが差し引かれています。医療費の一部を所得額から差し引くと総所得額が減るため、所得税額などが安くなり、その分の税金が戻ってくるのです。

医療費控除が申告できる条件は以下の2点です。

  • 1年間(1月1日~12月31日)に支払った、家族の医療費合計が10万円以上
    *総所得金額が200万円未満の場合は、医療費合計が総所得金額の5%以上
  • 上限は200万円

対象となる医療費は実際に「支払った」もののみ。「12月30日に医療費の請求が来て、翌年の1月3日に支払った」という場合は、医療費控除の対象外になります。

また、医療費控除は家族全員が対象。健康保険が異なる共働き夫婦や、一人暮らしをしている子供でも、同じお財布で生活している家族であれば、全員の医療費を合計できます。全員の医療費が10万円以上になれば、医療費控除が受けられるのです。

入院や手術に対する保険金が給付された場合は、その金額を差し引きます。支払った医療費から保険金などの給付額を差し引き、さらに10万円を超えた差額分が医療費控除の申告額となります。

家族の医療費総額 - 保険金・助成金の給付額 - 10万円 = 医療費控除申告額

【注意】確定申告をしないと控除されない

会社員は年末調整があるため、一般的には確定申告をする必要はありません。しかし、医療費控除は年末調整の対象外となっています。そのため、医療費控除を受けるためには確定申告が必要です。

医療費控除の対象となるものは?

下の表は医療費控除の対象になるものとならないものの例です。

区分 対象になる医療費 対象にならない医療費
通院・入院 診察費や治療費

リハビリに必要な松葉づえ、義足

治療のためのマッサージ

美容医療

予防注射

健康診断、人間ドッグの費用

出産 妊娠中の定期健診

中絶、不妊治療

手伝いに来てもらった親族に対しての交通費
歯科・眼科 インプラント・入れ歯

レーシック手術

ホワイトニング

医療費控除の対象については下記記事でより詳しく説明していますのでご覧ください。

関連記事:医療費控除の対象となるものは?徹底解説します!

平成29年度から医療費控除の確定申告が変更に!

平成29年度の確定申告から医療費控除についていくつか変更点がありました。大きな変更点としては下記3つが挙げられます。

①セルフメディケーション制度が創設される

②医療費控除の際に領収書の添付が不要となった

③新たに医療費控除の明細書の提出が必要になった

3つの点について詳しく見ていきましょう。

①新たに創設されたセルフメディケーション税制とは?

セルフメディケーション税制の説明の画像
セルフメディケーション税制とは?

セルフメディケーション税制とは?

セルフメディケーション税制とは、処方箋なしで買える市販の薬の購入費を医療費控除の対象として認める制度です。

例えば、花粉症の薬である抗ヒスタミン剤を、病院でもらう人もいるしドラッグストアで買う人もいます。これまでの医療費控除では病院でもらう人は対象でしたが、ドラッグストアで買う人は対象外でした。この不公平を是正するのがセルフメディケーション税制です。

この制度によって「軽い病気なら病院に行かずに市販の薬で治そう」という人が増えれば、国にとっては健康保険の財政負担を減らすことができます。

【注意】医療費控除と併用できない

セルフメディケーション税制と従来の医療費控除の両方を申告することはできません。どちらか有利な方を選んで申告しましょう。

一般的に言うと「できるだけ病院には行かず、軽い病気は市販の薬で治す」という家庭はセルフメディケーション税制を選択する方が有利です。

家族に小児や高齢者がいて病院にかかる機会が多いという家庭は、従来の医療費控除が有利になる可能性が高いでしょう。

【注意】控除額の上限は8万8千円

セルフメディケーション税制の控除額の上限は88,000円です。1年間に10万円の対象商品を購入したとすると、88,000円が控除されます。

めったにないことでしょうが、10万円を超える対象薬品を購入しても控除されるのは88,000円だけです。

変更点②医療費控除の際に領収書の添付が不要に!

確定申告の医療費控除に領収書は不要になりました
確定申告の医療費控除に領収書は不要になりました

平成28年まで、医療費控除を申告する際には、病院で渡される領収書の原本を提出する必要がありました。ところが制度が変わり、平成29年度分からは領収書がなくても医療費控除申告に必要な情報があれば、確定申告できるように!領収書の代わりに提出する医療費明細書について説明します。

領収書の提出は必要ない

医療費控除は知っているけれど、申告に必要な領収書を紛失した、などの理由で確定申告をあきらめてきた人もいるかもしれません。けれど、2017年から医療費控除には領収書が不要になりました。

領収書を揃えたり、まとめたりする手間がなくなり、比較的手軽に、医療費控除の申告が可能になっています。

【注意】5年間は領収書を保管しなければならない

医療費控除の申告に領収書が不要、とはいえ、領収書を捨ててしまってもいい、ということではありません。税務署から求められた場合は、申告した内容を証明できるよう、提示しなければなりません。

確定申告で医療費控除した領収書は5年間の保管期間が設定されています。確定申告で医療費控除の手続きが終わったからと、領収書を紛失することがないよう、保管しておきましょう。

確定申告では、コピーした領収書は医療費控除の証明書類になりません。領収書を紛失してしまった場合は、再発行をしてもらえることもあるので、医療機関に相談してみましょう。

【注意】領収書の代わりに明細書を提出しなければならない

では、確定申告で医療費控除する場合、証明書類としてなにを提出するのでしょうか。それが「医療費控除の明細書」です。

これまでも医療費控除の際は医療費控除の明細書を作成する必要がありました。しかし、あくまで明細書は補助的なもの。平成29年分の確定申告からは、医療費控除の明細書が正式な書類になっています。

変更点③提出が必要となった医療費控除の明細書とは?

医療費控除では領収書の代わりに医療費控除の明細書を作成
医療費控除では領収書の代わりに医療費控除の明細書を作成

確定申告で医療費控除する際に作成する医療費控除の明細書とは、どんな書類で、どんな内容を記載するものなのでしょうか。入手方法もあわせて説明します。

明細書は国税庁のホームページから入手できる

医療費控除の明細書は、税務署のほか、国税庁のホームページなどでも入手できます。

参考:国税庁「医療費控除の明細書」

印刷して、必要事項を記入すれば明細書が作成できます。

記載方法や必要な書類なども解説されているので、しっかり読んで作成しましょう。

明細書の書き方は?

医療費控除の明細書には、医療費の領収書から、医療を受けた人の名前や医療機関名、医療費の額など、必要事項を記載します。その後、控除額の計算欄に支払った医療費の合計と、保険金などで補填される額の合計を記載し、指示に沿って計算すれば控除額が算出できます。

あとは、計算した医療費控除額を確定申告書に記載すればOKです。

国税庁のホームページには、医療費控除の明細書の書き方についても記載されています。

:参考:国税庁「医療費控除の明細書の書き方など」

また、国税庁のホームページの「確定申告書等作成コーナー」などでも作成が可能です。エクセル形式で入力できる「医療費集計フォーム」もダウンロードできます。

エクセル形式でデータを作成しておき、確定申告書等作成コーナーの医療費控除の入力画面に読み込めば、より簡単に医療費控除の明細書作成ができます。

参考:国税庁「確定申告書等作成コーナー」
参考:国税庁「医療費集計フォーム」ダウンロードページ

医療費のお知らせで明細書を書く手間が省ける!

医療費のお知らせは加入している健康保険組合から送られます
医療費のお知らせは加入している健康保険組合から送られます

医療費控除で領収書が不要とはいえ、1年分の医療費をまとめて、医療費控除の明細書を作成するのも思いのほか時間をとるものです。そんなとき活用できるのが「医療費のお知らせ(医療費通知)」。これがあれば、明細書の作成が免除されます!

医療費のお知らせとは

「医療費のお知らせ」は加入している健康保険組合から送られてくる書類です。保険加入者と家族が、医療機関に支払った医療費について、本人負担額や総額などが記載されています。

どこで入手するの?

医療費のお知らせは、健康保険組合が発行しているものです。健康保険組合によっては、発行していなかったり、申告しなければ発行してくれないものもあります。届く時期や対象期間も、それぞれの健康保険組合で異なるので、医療費のお知らせがない、という場合は問い合わせてみましょう。

医療費のお知らせを紛失した場合は、再発行してくれる場合もあります。健康保険組合によっては、IDとパスワードを登録すれば、ホームページで情報が確認できるサービスもあります。

【注意】条件を満たしていない医療費のお知らせは代用できない

医療費のお知らせに記載されている医療費については、医療費控除の明細書を作成する必要はありません。しかし、記載されている内容が不足している場合は、医療費控除の明細書の代わりにはなりません。

医療費のお知らせを医療費控除の明細書の代用にするために必要な情報は以下です。

  • 被保険者等の氏名
  • 療養を受けた年月
  • 療養を受けた者
  • 療養を受けた病院、診療所、薬局等の名称
  • 被保険者等が支払った医療費の額
  • 保険者等の名称

もし、この項目が記載されていない場合は、医療費控除の明細書を作成しなければなりません。

また、医療費のお知らせは、各健康保険組合で記載の期間が異なります。例えば協会けんぽの場合11月から翌年の9月までの受診分がまとめられています。医療費控除を計算する際には1月~12月の医療費が必要なので、記載されていない分については、医療費控除の明細書を作成することになるのです。

まとめ)提出の必要がなくても、領収書はしっかり保管!

医療費控除の領収書は5年間保管しよう
医療費控除の領収書は5年間保管しよう

確定申告で税金が戻ってくる医療費控除。領収書は不要になったとはいえ、決められた保管期間はきちんと保管する必要があるなど、紛失してしまってもよい、というわけではありません。

日頃から管理する習慣をつけよう

医療費控除に領収書の提出は不要です。けれど、医療費控除の明細書作成など、控除額を計算する際には、やはり領収書が必要。いざというときに領収書が見つからず、せっかくの医療費控除が受けられない、なんてことがないように、日頃から管理する習慣をつけておきましょう。

きれいに整理しなくても、保管する場所を決めておいたり、同じ封筒に1年分いれておく、というだけでも、医療費控除の確定申告での書類作成は、格段に楽になります。家族にも管理方法を伝えて協力してもらうようにするといいですね。

わからないことがあれば税理士に相談しよう

確定申告で医療費控除をしようと、領収書を保管していても、気づくと紛失していた、ということもあるかもしれません。医療費のお知らせについても、記載されていない内容や、自己負担額が異なるなど、疑問点が出たときは、どうしたらいいのでしょうか。

医療費控除で困ったときは、税金のプロである税理士に相談するのがおすすめです。間違った申告をしてしまうと、何度もやり直すことになったり、脱税の疑いにつながる可能性もあります。

安心して、確定申告するためにも、わからないことをそのままにせず、税理士の専門知識に頼ってみるのがおすすめです。

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