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個人事業主の源泉徴収票の作り方|作成時のポイントや作成手段も解説

最終更新日: 2024年11月12日

源泉徴収票は、1月1日から12月31日までの1年間の支払額(給与など)や源泉徴収税額などを記載した書類です。

アルバイトや従業員を雇っている個人事業主は、年に一度かならず作成して税務署などに提出し、受給者にも配布しなければいけません。

この記事では、源泉徴収票の作り方や作成時のポイント、作成手段について解説します。

この記事を監修した税理士

多田紘大税理士事務所 – 兵庫県

大手監査法人で多様な業種、規模の上場企業、非上場企業の監査業務に従事。併せて、同じ監査法人でコンサルティング業務(決算早期化支援、内部統制構築支援、システム導入支援等)を実施してきました。その後、大手監査法人を退所、独立開業。独立開業後は中小企業、個人事業主を中心に税務に関して全般的にサービスを提供しています。

個人事業主の源泉徴収票の作り方

源泉徴収票を自分で作成しよう

個人事業主が作成する「給与所得の源泉徴収票」について、以下の9つの記載欄・項目ごとに書き方を解説します。

支払いを受ける者の個人情報

支払いを受ける者の個人情報
支払いを受ける者の個人情報

1.住所又は居所

翌年の1月1日現在の住所を記載します。ただし中途退職者の場合は、退職時の住所を書きましょう。

2.受給者番号

会社内の管理番号(社員番号など)を記載します。受給者番号は住民税の特別徴収の通知書に記載される数字です。記載せず空白のままでもかまいません。

3.個人番号

受給者のマイナンバーを記載します。ただし受給者に交付する源泉徴収票には記載しません。個人情報漏洩のリスクがあるためです。

4.役職名

役職名(社長・専務など)や職務名(経理課長・営業係など)を記載します。

5.氏名・フリガナ

氏名とフリガナを記載します。

支払額と源泉所得税額

支払額と源泉所得税額
支払額と源泉所得税額

6.種別

俸給・給料・賞与など給与の種別を記入します。

7.支払金額

年収にあたる1年間の支払い金額を記載します。枠内左上にある「内」は「内書」のことです。源泉徴収票作成日時点で未払い分がある場合、丸で囲んで未払い額を記載しましょう。

8.給与所得控除後の金額

支払金額(=年収)から給与所得控除額を引いた金額(国税庁サイトの一覧表参照)を記載します。受給者の所得(サラリーマンの場合は給与所得)にあたる部分です。

年末調整をした受給者のみ記載し、中途退職者の場合は空白にします。

9.所得控除の額の合計額

年末調整をした受給者の所得控除の合計額を記載します。中途退職者の場合は空白でかまいません。ここで控除されるのは次の12種類です。

  • 社会保険料控除
  • 生命保険料控除
  • 小規模企業共済等掛金控除
  • 地震保険料控除
  • 障害者控除
  • 寡婦控除
  • ひとり親控除
  • 勤労学生控除
  • 配偶者控除、配偶者特別控除
  • 扶養控除
  • 基礎控除

ただし配偶者控除と配偶者特別控除、寡婦控除とひとり親控除は併用できません。

また次の3種類は年末調整では控除できないため、合計額には加算しないようにしましょう。

  • 雑損控除
  • 医療費控除
  • 寄附金控除

10.源泉徴収税額

年末調整後の源泉所得税及び復興特別所得税の合計金額を記載します。年末調整をしない場合は、源泉徴収するべき金額を書きましょう。

また枠内左上にある「内」は「内書」のことです。源泉徴収票作成日時点で未払い分がある場合、丸で囲んで未払い額を記載してください。

配偶者および扶養親族の控除

配偶者および扶養親族の控除
配偶者および扶養親族の控除

11.(源泉)控除対象配偶者の有無等

項目 記載事項
従有 複数の会社から給料をもらっており、他の会社でも源泉控除対象配偶者の申請を受理されている場合は「○」を記載
老人 控除対象配偶者または源泉控除対象配偶者が老人控除対象配偶者の場合は「○」を記載

12.配偶者(特別)控除の額

年末調整をした受給者の配偶者控除または配偶者特別控除の金額を記載します。

13.控除対象扶養親族の数(配偶者を除く)

項目 記載事項
特定 特定扶養親族がいる場合

  • 左側にはその人数を記載
  • 右側には、複数の会社から給料をもらっており、他の会社でも特定扶養親族の控除を受けている場合に、その人数を記載
老人 老人扶養親族がいる場合

  • 中央にはその人数を記載
  • 左側には、その中で受給者本人または配偶者の直系尊属で同居している人数を記載
  • 右側には、複数の会社から給料をもらっており、他の会社でも老人扶養親族の控除を受けている場合に、その人数を記載
その他 特定扶養親族老人扶養親族以外の控除対象扶養親族がいる場合

  • 左側にはその人数を記載
  • 右側には、複数の会社から給料をもらっており、他の会社でも特定扶養親族や老人扶養親族以外の控除対象扶養親族の控除を受けている場合に、その人数を記載

14.16歳未満扶養親族の数

その年の12月31日現在での16歳未満の扶養親族の人数を記載します。

15.障害者の数(本人を除く)

項目 記載事項
特別 同一生計配偶者や扶養親族が特別障害者である場合

  • 点線右側には、その人数を記載
  • 点線左側には、その中で同居している人数を記載
その他 特別障害者以外の障害者の人数を記載

16.非居住者である親族の数

非居住者(日本国内に住んでいない者)の中で、次のいずれかに該当する場合、その人数を記載してください。

  • 源泉控除対象配偶者
  • 控除対象配偶者
  • 配偶者特別控除の対象配偶者
  • 扶養控除対象となる扶養親族
  • その年の12月31日現在で16歳未満の扶養親族

社会保険料と生命保険料、住宅ローン控除

社会保険料と生命保険料、住宅ローン控除
社会保険料と生命保険料、住宅ローン控除

17.社会保険料等の金額

1年間に支払った社会保険料(健康保険・厚生年金・小規模企業共済等掛金など)の金額を記載します。枠内左上にある「内」は「内書」のことです。小規模企業共済等掛金がある場合、丸で囲んで金額を記載してください。

18.生命保険料の控除額

年末調整で計算された控除金額を記載します。年末調整をしていない場合は記載しなくてかまいません。

19.地震保険料の控除額

年末調整で計算した控除金額を記載してください。年末調整をしていない場合は記載しなくてかまいません。

20.住宅借入金等特別控除の額

年末調整をした受給者の住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)の金額(例外あり)を記載します。

生命保険料と住宅ローン控除の内訳

生命保険料と住宅ローン控除の内訳
生命保険料と住宅ローン控除の内訳

21.生命保険料の金額の内訳

項目 記載事項
新生命保険料の金額
  • 1年間に支払ったそれぞれの保険料の金額
  • 年末調整をした受給者のみ記載
旧生命保険料の金額
介護医療保険料の金額
新個人年金保険料の金額
旧個人年金保険料の金額

22.旧長期損害保険

年末調整をした受給者の、1年間に支払った保険料の金額を記載してください。

23.住宅借入金等特別控除の額の内訳

項目 記載事項
住宅借入金等特別控除適用数
  • 住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)の適用数
  • 年末調整をした受給者のみ記載
住宅借入金等特別控除可能額
  • 年末調整で控除しきれなかった控除額
  • 年末調整をした受給者のみ記載
居住開始年月日
  • 住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)の適用を受ける住宅の居住開始年月日
  • 和暦で記載
  • 控除が複数ある場合は、1回目・2回目に分けて記載
  • 年末調整をした受給者のみ記載
住宅借入金等特別控除区分
  • 適用を受けている控除区分の表記を記載
表記 控除区分
一般の住宅ローン控除(増改築含む)
認定住宅の新築など
特定増改築等住宅ローン控除
東日本大震災で被災した特定のケース
(特) 消費税8%で住宅を購入し、「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書」の居住開始年月日後部に「(特定)」の記載がある場合
  • 控除が複数ある場合は、1回目・2回目に分けて記載
  • 年末調整をした受給者のみ記載
住宅借入金等年末残高
  • 住宅借入金(住宅ローン)の年末の残高
  • 控除が複数ある場合は、1回目・2回目に分けて記載
  • 年末調整をした受給者のみ記載

24.配偶者の合計所得

配偶者控除または配偶者特別控除を受ける配偶者の、1年間の合計所得額を記載します。年末調整をしていない場合は記載の必要はありません。

25.国民年金保険料等の金額

年末調整をした受給者の、1年間に支払った国民年金保険料と国民年金基金掛金の金額を記載します。

扶養親族

扶養親族
扶養親族
記載欄・項目 記載事項
26.(源泉・特別)控除対象配偶者
  • それぞれの対象者の氏名とマイナンバーを記載
  • 受給者に交付する源泉徴収票にはマイナンバーは記載しない
  • 非居住者(日本国内に住んでいない者)の場合は、「区分」欄右側の空欄に「○」を記載
  • 年の途中で退職した場合にも記載が必要
27.控除対象扶養親族
28.16歳未満の扶養親族

受給者(支払いを受ける者)の情報

受給者(支払いを受ける者)の情報
受給者(支払いを受ける者)の情報

29.未成年から勤労学生までの各欄

受給者本人に該当する場合「○」を記載してください。

30.中途就・退職

受給者本人が年の途中で就職または退職(死亡退職含む)した場合「就職」「退職」いずれかに「○」を付け、年月日を記載します。

31.受給者生年月日

受給者本人の生年月日を記載してください。

支払者の情報

支払者の情報
支払者の情報

32.個人番号又は法人番号

支払者のマイナンバーまたは法人番号を右詰めで記載してください。

この項目は受給者に交付する源泉徴収票には記載しないので注意しましょう。

33.住所(居所)又は所在地

支払者の住所または所在地を記載します。

34.氏名又は名称

支払者の氏名(屋号)や法人名、電話番号を記載してください。

摘要・備考欄

摘要・備考欄
摘要・備考欄

35.摘要

受給者の状況 記載内容
中途入社の場合 前職の情報(所在地・社名・退職年月日・給与総額・源泉徴収税額・社会保険料等金額など)を記載
中途退職者の場合 普通徴収(退職後、住民税を自分で納付する)・年調未済(年末調整を行っていない)などの記載
控除対象扶養親族や16歳未満の扶養親族が5人以上いる場合 5人目以降の情報(氏名・区分・非居住かどうか)を記入
住宅ローン控除の適用が3回以上ある場合 3回目以降の居住開始年月日・住宅借入金等特別控除区分・住宅借入金等年末残高を記載
災害による源泉所得税の猶予を受けた場合 徴収猶予税額を記入

36.備考

控除対象扶養親族や16歳未満の扶養親族が5人以上いる場合、5人目以降のマイナンバーを記載してください。ただし受給者に交付する源泉徴収票には記載しないことに注意が必要です。

源泉徴収票を作る際の4つのポイント

源泉徴収票を作成する際の5つの注意点

源泉徴収票を作成するときに、注意するべき4つのポイントを解説します。

誤記入・記入漏れを防ぐ

源泉徴収票は受給者本人の個人情報とともに「いくら支払い、いくら源泉徴収したのか」を税務署に届け出る公的な書類です。

そのため源泉徴収票の作成には、以下の3点に細心の注意を払う必要があります。

  • 支払金額や源泉徴収額など、金額に間違いがないか
  • 個人情報を正しく記載しているか
  • 記入漏れがないか(特に摘要欄)

マイナンバーの記載には注意が必要

マイナンバーや法人番号の記載は、受給者用の源泉徴収票と税務署・市区町村用の源泉徴収票で扱いが異なります。

  • 受給者に交付する源泉徴収票には、受給者本人や配偶者・扶養親族・支払者のマイナンバーや法人番号を記載してはいけない
  • 税務署や市区町村に提出する源泉徴収票には、マイナンバーや法人番号の記載が義務付けられている

マイナンバーは重要な個人情報です。上記のような源泉徴収票作成時の記載ルールはもちろん、保管や廃棄なども含めて、マイナンバーを適切かつ慎重に扱うことが求められます。

ケースに応じて会社印が必要

源泉徴収票に会社印などを押印する義務はありません。ただし状況に応じて、次のような使い分けが必要です。

  • パソコンや給与計算ソフトなどで作成した場合は、押印必要なし
  • 手書きで作成した場合や原本をコピーした場合は、偽造を防ぐ目的で押印したほうがいい
  • 銀行などへ源泉徴収票提出する場合は、押印が必要なことがある(住宅ローンを組んだりマンションを契約したりするケース)

源泉徴収票の作成方法や使用する状況によって、対応が異なります。押印が必要かどうか、事前に確認するのがおすすめです。

源泉徴収票は4枚作成する

税務署に提出する場合、源泉徴収票は4枚作成する必要があります。提出しない場合は3枚作成しましょう。

用途(枚数) 提出場所
受給者交付用(1枚) 受給者(社員など)に渡す
税務署提出用(1枚) 会社を所轄する税務署
市区町村提出用(2枚) 社員が住む市区町村

受給者交付用にはマイナンバーと法人番号は記載しないため、注意しましょう。

源泉徴収票の4つの作成手段

源泉徴収票の4つの作成方法

源泉徴収票は手書きで作成する以外に「エクセル」「給与計算ソフト」「e-Tax」「代行業者や税理士に依頼」の4つの方法があります。それぞれメリット、デメリットがあるため、自分にあった方法での作成がおすすめです。

作成手段 おすすめできるケース
エクセル
  • 自分でカスタマイズして使いたい人
  • 無料で利用したい人
  • 法令・税制について詳しい人
給与計算ソフト
  • 他ソフトと連携させて、できるだけ簡単に作成したい人
  • 作成する源泉徴収票が多い人
  • 法令・税制について詳しくない人
e-Tax
  • 提出をインターネットで行いたい人
  • 法令・税制について詳しくない人
代行業者や税理士に依頼
  • 源泉徴収票の作成に時間をかけたくない人
  • 法令・税制について詳しくない人

エクセルを使用する

税理士や税制サイト・一部市役所などが、インターネット上で源泉徴収票作成用のエクセルを公開・提供しています。

エクセルを使って源泉徴収票を作成するメリット・デメリットは次のとおりです。

メリット
  • エクセルテンプレートをダウンロードして入力するだけで、源泉徴収票を作れる
  • 無料で使えるものが多い
デメリット
  • エクセルの計算結果が合っている保証がない(確認が必要)
  • 提供開始日が古くバージョンアップを行っていない場合、法令・税制改正に対応していない可能性がある
  • 担当者の作業時間・手間がかかる

以下のサイトでは無料のエクセルテンプレートを配布しています。登録不要で使い方の説明もあるので、エクセルテンプレートの使用を検討している場合は参考にしてみてください。

参考:源泉徴収票・給与支払報告書テンプレート(無料・登録不要)

給与計算ソフトを利用する

市販の給与計算ソフトを使って源泉徴収票を作成する方法です。

市販のソフトを使って源泉徴収票を作成するメリット・デメリットは次のとおりです。

メリット
  • 事前に入力しておく社員情報や勤怠データなどから、自動的に給与を計算したり源泉徴収票を作成したりできる
  • ソフトの使い方がわからなくても、メーカーのサポートを受けられる
デメリット
  • 利用するのに費用がかかる(ソフト購入費・月額利用料金など)
  • ソフトのインストールなど、事前準備が必要
  • 担当者の作業時間・手間がかかる
  • 法令・税制改正に対応しているか確認が必要

さまざまな機能を搭載しており、会計ソフトなどの他ソフトとの連携機能が付いているものもあります。

以下の記事ではタイプ別に給与計算ソフトの特徴を比較しています。使いたい機能や状況に合わせて検討してみてください。

e-taxを利用する

国税庁提供のe-Taxは確定申告や納税などで利用されるほか、源泉徴収票の作成もできます。

e-Taxを使って源泉徴収票を作成するメリット・デメリットは次のとおりです。

メリット
  • パソコンの画面のとおりに必要事項を入力するだけで、源泉徴収票を作成できる
  • 支払者の情報が自動入力されるので、手動入力する項目が少なくなる
  • 源泉徴収票を税務署に提出するときも、インターネットで提出できる(直接出向いたり郵送したりする必要がなく、手間が少なくなる)
  • 法令・税制改正に対応している
デメリット
  • 事前にe-Taxの利用申請や電子証明の利用手続き、源泉徴収票作成ソフトのインストールなどの準備が必要
  • 担当者の作業時間・手間がかかる

すでにe-Taxを使っているならおすすめの方法です。

代行サービスを利用する

年末調整や源泉徴収票の作成などを請け負う専門業者や税理士に外注する方法です。

これらの代行サービスを使って源泉徴収票を作成するメリット・デメリットは次のとおりです。

メリット
  • 外注するため、担当者に源泉徴収票作成の知識が必要ない
  • 法令・税制改正に対応してもらえる
  • 年末年始の慌ただしい時期の社内担当者の業務負担を大幅に軽減し、他の作業に集中できる
デメリット
  • 外注費用がかかる
  • 外注前の事前作業がある程度必要(給与台帳や保険料控除等申告書などの作成)
  • 情報が適切に扱われているかどうかのリスク確認が必要

税理士は税に関する専門家です。

源泉徴収票の作成代行をしてもらえるだけではなく、わからないことや困っていることを相談できるという点も、税理士に依頼するメリットといえます。

個人事業主が源泉徴収票作成時に押さえておきたい確認事項

源泉徴収票を作成する前に知っておきたいこと

個人事業主が、源泉徴収票を作るときに知っておきたい5つの確認事項について解説します。

作成時期は年末調整から翌年1月31日までの間

源泉徴収票は、1月1日から12月31日までの1年間の支払い合計額をもとに作成します。そのため12月の給料が確定し、年末調整を行った後でなければ源泉徴収票を作成できません。

また源泉徴収票の提出締め切りは翌年1月31日です。このことから源泉徴収票は、年末調整を行ってから翌年1月31日までの間に作成することになります。

ただし退職者の源泉徴収票は作成時期が異なり、退職日から1ヵ月以内に源泉徴収票を作成・交付しなければいけません。

源泉徴収簿を用意すると源泉徴収票の作成がスムーズに

源泉徴収簿とは、毎月の給料支払額や源泉徴収額・扶養親族など、社員一人ひとりの情報を記録するための帳簿です。税務署への提出義務も、受給者への交付義務もありません。

しかし作成しておくと、源泉徴収簿の内容を転記するだけで源泉徴収票を作成でき便利です。

以下の記事では、源泉徴収簿の書き方を詳しく解説しています。源泉徴収票の作成を手間をかけずに終わらせたい場合は参考にしてみてください。

関連記事:源泉徴収簿とは?書き方を徹底解説【税理士監修】

源泉徴収票と支払調書の違い

源泉徴収票と似たようなものに支払調書があり、それぞれ次の表のような違いがあります。

源泉徴収票 支払調書
作成対象 社員(アルバイトを含む)へ、俸給や給与・賞与などを支払った場合 個人事業主や法人へ、報酬や料金・契約金・賞金などを支払った場合(一定の条件を満たす場合)
税務署への提出義務 提出義務あり(支払先が一定の条件を満たす場合のみ)
受給者への交付 交付義務あり 交付義務なし
マイナンバーの扱い
  • 税務署への提出用には、マイナンバーや法人番号の記載義務あり
  • 受給者への交付用には、マイナンバーや法人番号は記載できない(番号法上の特定個人情報の提供制限を受けるため)

源泉徴収票と支払調書では作成対象や受給者への交付義務だけではなく、様式も異なります。どちらを作成しなければいけないのか、間違えないようにしましょう。

以下の記事では、支払調書の書き方や作成の条件を詳しく説明しています。税理士報酬など支払調書を作成しなければならない場合は参考にしてみてください。

関連記事:支払調書とは?提出範囲や書き方など基礎からわかりやすく解説|ミツモア

7年間保管する

源泉徴収票には、提出期限である翌年1月31日の翌日2月1日から7年間の保管義務があります。この期間中は、適切な状態で源泉徴収票を保管しておかなければいけません。

また保管義務期間中の受給者から源泉徴収票の再発行依頼にはすぐに応じる必要があります

非居住者の源泉徴収票の扱い

源泉徴収票は、受給者が日本国内の居住している「居住者」の場合に作成・発行するものです。

そのため受給者が日本国内に住所がないまたは1年以上日本に住んでいない「非居住者」(例:1年以上海外赴任している)の場合には、源泉徴収票の作成・発行は必要ありません。

同様に税務署や市区町村への提出も不要です。(日本法人の役員は例外あり)

このような場合は、源泉徴収票の代わりに支払調書を作成します。

年の途中で「非居住者」になった場合は「居住者」だった期間のみ源泉徴収票を作成・発行・提出することになります。

非居住者の課税について、詳しくは国税庁サイトの「非居住者等に対する源泉徴収のしくみ」と「海外に転勤した人の源泉徴収」をご覧ください。

監修税理士からのコメント

多田紘大税理士事務所 – 兵庫県

源泉徴収票の作成は、従業員を雇用している会社・個人事業主の方が毎年実施しなければならに事項であり、源泉徴収票が誤って作成されるということは、それは従業員の方の年末調整が正しく行われておらず、従業員の所得税に過不足が生じていることを意味します。源泉徴収票を正しく作成するためには、信頼できる源泉徴収票作成ツールを使用するとともに、源泉徴収票の作成方法を正しく理解することが重要となります。

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