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【税理士監修】交通費は源泉徴収に含まれる?ボランティアの場合は?

最終更新日: 2019年11月12日

源泉徴収は個人に課税される所得税を事業者が徴収して国庫に納める制度です。いわゆる「天引き」ですが、報酬とともに交通費を支給する際の扱いはどうなるのかご存じでしょうか?

また、無償でボランティアに手伝ってもらうときの交通費の取り扱いも気になります。そこで今回は交通費と源泉徴収の関係についての疑問を解決していきましょう。

この記事を監修した税理士

高崎文秀税理士事務所 - 東京都文京区本郷

こんにちは、高崎文秀税理士事務所の税理士高崎と申します。 当事務所は文京区の総武線水道橋駅から徒歩4分と利便性が高く、税務顧問を月額1万円~の低価格で品質の高いサービスをご提供する税理士事務所です。 創業3年以内の個人事業者・法人については税務顧問を月額1万円、決算料なし(年12万円+年調等1万円、合計13万円)からご提供しております。 創業したばかりでお金と時間に余裕がない、という方でも経理や税金のことを心配せず、本業に集中して頂き、1日でも早く事業を軌道に乗せて頂くお手伝いができればと考えております。
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「源泉徴収」ってなに?

「源泉徴収」ってなに?
源泉徴収とは差し引いた所得税を支払者が所得者に代わって納付する制度

事業者が個人に給与や報酬を支払う際は所得税を差し引いて支払います。差し引いた所得税を支払者が所得者に代わって国庫に納付する制度が「源泉徴収」です。いわゆる「天引き」ですね。

源泉徴収はどんなときに必要な制度なのでしょうか?詳しくみていきましょう。

所得者一人ひとりに代わって税金を納付するシステム

源泉徴収は給与や報酬を支払う事業者が行います。所得税を天引きして、所得者に代わって国に納めるのです。事業者は原則として、源泉徴収した日の翌月10日までに金融機関等で納付しなければなりません。

源泉徴収によって給与以外に収入がないなど一定の条件を満たせば、所得者は確定申告する必要がなくなります。

源泉徴収はどんな時に必要なのか

源泉徴収制度は個人が給与や報酬を受け取る際に適用され、受け取り側が法人の場合は源泉徴収されません。

所得税法の第204条第1項では、源泉徴収される報酬・料金について定めています(参考:国税庁「第5 報酬・料金等の源泉徴収事務」)。「報酬・料金に該当するもの」「源泉徴収する所得税の額」などがまとめられているので確認しておきましょう。

源泉徴収は歴史ある制度で、なかには「レコード、テープ、ワイヤーの吹き込み料」などの項目があります。時代を感じますね。

交通費は基本的に源泉徴収の対象にならない

交通費は基本的に源泉徴収の対象にならない
交通費は一定の基準の範囲内であれば非課税

交通費は基本的に源泉徴収の対象になりません。ただ、「時給や報酬に含めてはいけない」「非課税限度額が定められている」など、一定の基準があるため注意しましょう。以下で詳しく解説します。

交通費は原則「非課税」

交通費は一定の基準の範囲内であれば非課税です。ただ、注意点があります。時給など報酬込みで支給した場合は非課税にならないのです。報酬と別途で支払うか、明細に報酬と交通費を分けて記載しなければなりません。

時給や報酬込みで交通費を支払ってしまうと、すべてを所得として源泉徴収する必要があります

通勤の場合は「非課税限度枠」という枠組みがある

通勤の目的で交通費を支給する場合、「非課税限度額」が定められています。

  • 電車やバスなどの交通機関は1カ月15万円まで
  • 自転車や車での通勤は距離によって

など、細かく定められているため注意してください。

したがって、非課税限度額枠を超えて交通費を支給すると、超えた分については給与とみなされるため源泉徴収しなければなりません。また、自転車や車での交通費は片道2km未満であれば全額課税となるため注意しましょう。

交通費を通勤手当とするためには「通勤のための運賃・時間・距離の事情に照らして、最も経済的かつ合理的な経路及び方法で通勤した場合」と定められています。

つまり、「最短で最も安い経路を選択しなさい」ということ。「経済的かつ合理的な方法」であれば、新幹線での通勤も交通費に含まれますが、グリーン車を利用したり、遠回りの距離を申請したりなどは非課税と認められないのです。

非課税限度額の一例

区分 1カ月あたりの非課税限度額
交通機関または有料道路を利用した場合 150,000円
自転車または車で通勤距離片道2km以上10km未満 4,200円
自転車または車で通勤距離片道10km以上15km未満 7,100円
自転車または車で通勤距離片道15km以上25km未満 12,900円

上記の非課税限度額は平成28年に改正されたものです。非課税限度額は改正されて上限が変更になることがあるため、適用する際には国税庁のホームページで最新の情報を確認しましょう。

参考:国税庁「通勤手当の非課税限度額の引き上げについて」

ボランティアの交通費も源泉徴収に含まれない

ボランティアの交通費も源泉徴収に含まれない
ボランティアに支給する際の交通費も非課税

企業が雇用している社員やアルバイトに支給する交通費は原則非課税とされており、源泉徴収されません。では、ボランティアの場合はどうなのでしょうか?また、業務委託している場合やフリーランスに交通費を支給するケースも気になります。詳しくみていきましょう。

有償・無償ボランティア問わず非課税

ボランティアに支給する際の交通費も原則非課税です。有償か無償かなど、契約形態も問いません。交通機関を利用した際は区間運賃を提示してもらい、タクシーを利用したならば領収書を提出してもらって実費分を支給します。

有償ボランティアを雇用した場合は、報酬とは分けて交通費を支給しましょう。報酬込みで支給した場合は源泉徴収の対象になります。また、「お車代」は謝礼と同じ扱いになるため、源泉徴収する必要があるため注意してください。

業務委託やフリーランスも同様

企業が雇用している社員やアルバイト同様、業務委託や個人事業主、フリーランスも基本的に交通費は原則非課税です。非課税限度額の枠内であれば源泉徴収する必要はありません。

ただ、契約の際に別途交通費の支給に関する特約を設けている場合、対応が異なるケースもあるため注意してください。

注意!交通費が報酬として支払われると課税対象に

注意!交通費が報酬として支払われると課税対象に
課税対象になる場合は「源泉徴収税額表」で確認

前述したように、交通費は報酬と分けて支給しなければ源泉徴収する必要があります。交通費込みで報酬を支払った場合は、その全額から所得税を計算しなければならないのです。さらに詳しく解説します。

非課税なのは「交通機関等に直接支払われている」場合のみ

交通費と認められて源泉徴収の必要がないのは、交通機関等に直接支払った実費分です。例えば、取材費や車代などを通勤手当として支給しても交通費として認められません。

源泉徴収の対象になった場合の計算方法は?

非課税限度額を超えてしまった分の金額や、報酬込みで交通費を支給した場合は源泉徴収の対象です。非課税が認められないケースは全額が所得税の対象ですから、支払った報酬金額を「源泉徴収税額表」の月額表、または日額表に照らして算出します。

参考:国税庁「源泉徴収税額表」

日額表は「甲欄」「乙欄」「丙欄」の3つに分かれおり「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出しているなら「甲欄」、副業などの場合は「乙欄」を参照。「丙欄」は日雇賃金を支払う際に参照します。

3つの中では乙欄がもっとも税額が高く、丙欄は日額9.299円以下であれば0円と、もっとも低い税額です。一般的に甲欄は社員に適用され、有償ボランティアは乙欄か丙欄のどちらかになるでしょう。

日給または時間給で支払うケースでは、継続して2ヶ月を超えた契約でなければ日額表の丙欄が適用されます。ただ、登録制のボランティアなど、契約期間が2カ月を超えるならば乙欄を適用しましょう。

平成30年度の源泉徴収税額表から、甲欄・乙欄・丙欄を一部抜粋して比較したのが下記の表です。

金額 甲欄税額(不要親族0人の場合) 乙欄税額 丙欄税額
5,000円以上5,100円未満 100円 300円 0円
7,000円以上7,100円未満 175円 810円 0円
10,000円以上10,100円未満 280円 1,770円 27円
15,000円以上15,100円未満 725円 3,840円 213円
20,000円以上20,100円未満 1,575円 6,510円 458円

問題は、非課税限度額を知らずに超えた分も非課税にして支払ってしまったケースで、限度額を超えた分を報酬に合算して所得税を計算し直す必要があります。報酬込みで支払った交通費を非課税で計算していた場合も同様です。

「源泉徴収税額表」は年度ごとに発行されるため、最新のものを参照してください。

不明な点は税理士にご相談を

交通費の源泉徴収は基本的には非課税ですが、非課税限度額や非課税に含めないケースもあるため注意が必要です。源泉徴収の処理を間違えると、後々の修正処理が面倒になることもあります。不明な点があれば、早めに税理士に相談しましょう。

監修税理士のコメント

高崎文秀税理士事務所 - 東京都文京区本郷

交通費を支給した場合、特に注意が必要なのは報酬と一緒に交通費を支払った場合です。これは実務上も間違いが多いですし、報酬の源泉徴収漏れをしてしまうと、支払先から返金してもらうことも難しいのが一般的です。間違えてしまうと税金を余計に負担してしまうことになりかねないため、取扱いをよく確認しておくようにしましょう。
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