予期せず起こる雨漏り。雨漏りを修理するための出費も突然なので、できるだけ安く抑えたいですよね。この記事では雨漏り修理の費用相場や工事の流れ、できるだけ安く抑えるための方法を紹介します。
雨漏りの修理にかかる費用相場は?
雨漏りの修理にかかる費用は、修理箇所によって大きく異なりますが、屋根から雨漏りしている場合は5万円~75万円、外壁から雨漏りしている場合は5万円~50万円です。
雨漏りの修理費用を安くする方法はある?
雨漏りの修理費用を安くするには「地元の工務店」に雨漏りの修理を行ってもらうのがおすすめです。雨漏りの箇所がさらに悪化しないうちに修理を依頼することで、場合によっては数十万円ほど安くできることも。
雨漏り修理にかかる費用相場は5万円~75万円
場所別の費用相場は上記の通りです。雨漏りの箇所や被害状況によって、修理の内容が変わってくるため費用相場には幅があります。
雨漏りは不便さと修理のための出費が大きいので、日常的にできる雨漏りを防ぐ方法を紹介します。
予防法①屋根の定期点検を行う
屋根の点検を業者に依頼することで、雨漏りの原因を早期に発見することができます。1年に1回を目安に行うと、雨漏りの原因箇所が広がる前に対処できるので、点検は定期的に行いましょう。
予防法②屋根や外壁の塗装を定期的に行う
塗装を行っておくと、雨漏りを予防するだけでなく、家の見た目を綺麗に見せる効果もあります。シロアリから家を守ることにもつながるので、必ず塗装するようにしましょう。塗装を行う頻度は10年に1回です。
雨漏りの原因調査費用は0~40万円と幅広い
調査方法 | 費用相場 |
目視調査 | 0円 |
散水調査 | 5万~30万円 |
紫外線投射発光調査(発光液調査) | 10万円~20万円 |
ガス調査 | 10万円~30万円 |
解体調査 | 0円~10万円 |
サーモグラフィー調査 | 15万円~40万円 |
雨漏りの箇所がわからない、ほかに雨漏りしている箇所がないか調べたい場合は原因調査が必要です。どの調査を実施するかは、雨漏りの程度や見当がつく箇所によって異なります。
また調査の依頼前に、雨漏りしている箇所を写真で取っておくと、雨漏りの原因を突き止めることや水の伝った跡を探すことができ、調査がスムーズに行え費用が安くなることがあります。雨漏りの原因箇所が乾いていると、その原因の特定に時間がかかってしまいます。
さらに、雨漏りの原因によっては火災保険が適用される場合があり、その申請の際にも写真があると手続きをスムーズに行うことができます。
できるだけ複数の視点(アングル)から撮るようにすると良いでしょう。
天井の修理費用:7万5,000円~15万円
工事内容 | 費用相場 |
クロス貼り替え | 5,000円/1㎡あたり |
下地の石膏ボードを交換 | 5,000円/1㎡あたり |
一般的な住宅の雨漏りを修理する費用相場はおよそ7万5,000円~15万円です。雨漏りの程度や内側の状態によって費用は大きく異なります。
雨漏りが悪化して雨水がしみ込むと天井が剥がれたり、茶色に変色してしまうので、できるだけ早く修理が必要です。
屋根の修理費用:5万円~75万円
工事内容 | 単価の相場 | |
屋根材の交換 | スレート | 4,000円~8,000円/㎡ |
ガルバリウム鋼板 | 6,000円~10,000円/㎡ | |
日本瓦 | 8,000円~15,000円/㎡ | |
防水シートの交換 | 500円~1,500円/㎡ | |
雨樋の修理・交換 | 3,000円~5,000円/㎡ | |
棟板金の修理・交換 | 2,000円~5,000円/㎡ | |
漆喰(しっくい)の補修 | 4,000円~7,000円/㎡ | |
劣化した屋根の解体・処分 | 2,000円~4,000円/㎡ | |
足場の設置 | 800円~1,200円/㎡ |
一般的な住宅の屋根からの雨漏りを修理する費用相場は、およそ5万円~75万円です。
屋根からの雨漏りが原因であるかどうかわからない方は、1度業者に点検を依頼して、雨漏りの原因を調査してもらいましょう。雨漏りの原因調査にかかる費用雨漏りの原因調査にかかる費用は記事内で紹介しています。
屋根の劣化状況や修理箇所によっては費用相場が大きく異なりますが、屋根が経年劣化してしまい、部分的な修理では雨漏りを直せない場合は、葺き替え(古い屋根を外して、新しい屋根を設置する)が必要になります。
葺き替えをする場合は40万~200万円程度かかります。特に瓦屋根を交換する場合は、高額になりがちです。修理期間は約10日ほどです。葺き替えについては以下の関連記事で詳しく説明しています。
窓枠の修理費用:4万円~20万円
工事内容 | 費用相場 |
コーキングの補修 | 3万円~25万円 |
サッシ全体の交換 | 3万円~50万円 |
天窓の清掃 | 3万~4万円 |
天窓の撤去・交換 | 20万円~90万円 |
窓枠のの雨漏りを修理する費用相場はおよそ4万円~20万円です。
窓の近くで雨漏りが起きる原因は、コーキング材の劣化や、サッシの消耗です。もしこのような症状が見られないのに雨漏りが起きている場合は、屋根・外壁・ベランダから雨漏りしている可能性が高いです。
コーキング材の補修だけで解決するなら修理費用は安価で3万円~25万円程度で済みます。サッシ全体の交換が必要になった場合は、最大で50万円ほどかかることも。
窓枠の修理の場合には、工事期間は数時間~3日で終わることが多いです
外壁の修理費用:5万円~50万円
工事内容 | 単価の相場 | |
壁材(サイディング材)の張り替え | 窯業サイディング | 4,000~6,000円/㎡ |
金属サイディング | 4,000~7,000円/㎡ | |
樹脂サイディング | 7,000~1万円/㎡ | |
木質サイディング | 6,000~9,000円/㎡ | |
コーキング材の打ち直し | 700~1,200円/m | |
ひび割れ補修 | 1,500~3,000円/㎡ | |
防水シートの交換 | 300~800円/㎡ | |
塗装 | 6,000円~1万6,000円/㎡ | |
劣化した壁の解体・処分 | 1,000~3,000円/㎡ | |
足場の設置 | 800~1,200円/㎡ |
外壁からの雨漏りを修理する費用相場はおよそ5万円~50万円です。
外壁工事は広い足場が必要になるため、雨漏りの修理にかかる費用は少し高くなりがちです。外壁の修理費用が最も高額になる、壁材(サイディング)を張替えた場合は170万円~250万円ほどかかります。
外壁から雨漏りする原因は、ひび割れやコーキング材(小さな隙間を埋めるゴムのような素材)の劣化、塗装の剥がれです。
工事に必要な期間は施工内容によって異なりますが、部分的な修理で済む場合は3日ほどで済むこともありますが、壁材(サイディング)を張替える場合は10~20日間かかります。
外壁の状況によっては塗装だけで解決出来ることもあります。その場合でも費用相場は60万~160万円程度です。
ベランダの修理費用:4万円~20万円
工事内容 | 単価の相場 |
コーキング材の打ち直し | 700~1,200円/m |
塗装 | 2,000~5,000円/㎡ |
床の防水処理 | 3,000~7,000円/㎡ |
排水溝の洗浄 | 1万~5万円 |
一般的な住宅の雨漏りを修理する費用相場はおよそ4万円〜20万円です。
劣化を放置したまま下地まで雨水がしみ込んでしまった場合は、25万円ほどかかることも。修理期間は、短くて1日、長くても10日程度です。
ベランダが雨漏りをする原因の多くは経年劣化です。他には、コーキング材の劣化や塗装の剥がれ、排水溝の詰まりも考えられます。
ベランダ下で雨漏りを発見したら、排水口にゴミが詰まっている可能性があります。まずはゴミが詰まっていないか確認して掃除しましょう。
雨漏りの原因が排水溝であった場合、それだけでも被害を抑えられる可能性は十分あります。掃除をしても雨漏りが直らなければ、業者に修理を依頼しましょう。
【事例別】雨漏り修理の工事費用
雨漏り修理を原因の調査から修理まで依頼した場合、どのくらいの費用がかかるのか紹介します。
例①スレート屋根から雨漏りした
以下の表は、スレート屋根の部分的な箇所(5㎡)を修理した場合の費用内訳を表しています。
項目 | 金額 |
スレート屋根材の交換 | 6,000円×5㎡=3万円 |
防水シートの交換 | 1,000円×5㎡=5,000円 |
劣化した屋根の解体・処分 | 3,000円×5㎡=1万5,000円 |
足場の設置 | 1,000円×20㎡=2万円 |
内装工事費用(クロス交換) | 1,500円×2㎡=3,000円 |
散水調査費用 | 10万円 |
合計(目安) | 17万3,000円 |
例②外壁から雨漏りした
以下の表は40㎡の外壁(釜業サイディング)を貼りなおした場合の費用内訳を表しています。
項目 | 金額 |
窯業サイディングの張り替え | 5,000円×40㎡=20万円 |
コーキング材の打ち直し | 1,000円×100m=10万円 |
防水シートの交換 | 600円×40㎡=2万4,000円 |
塗装 | 3,500円×40㎡=14万円 |
劣化した壁材の解体・処分 | 2,000円×40㎡=8万円 |
足場の設置 | 1,000円×200㎡=20万円 |
内装工事費用(天井材交換) | 1万5,000円×2㎡=3万円 |
サーモグラフィー調査 | 20万円 |
合計(目安) | 97万4,000円 |
雨漏り修理の費用を安くする3つの方法
雨漏りは突発的に起こることが多く、修理費用も痛い出費。できるだけ費用を抑えて修理したいですよね。ここでは雨漏り修理の費用をできるだけ安くする方法を紹介します。
①できるだけ早く専門業者に依頼する
雨漏りの箇所がさらに悪化しないうちに、早めに修理を依頼するようにしましょう。費用がかかるからといって放置しておくと、穴や隙間はさらに広がります。
雨漏りを発見したらすぐに業者に依頼すると、最低限の費用で修理することができますよ。
②複数業者から相見積もりをとって比較する
できるだけ安く済ませるには複数の業者から見積もりを取って、料金や作業内容を比較するのがおすすめ。
業者によっては料金のなかに交通費や駐車場代を含めていないところもあるので、見積もりに含まれているかなどを確認する必要があります。
一社だけから見積もりを取って決めてしまうと、料金の相場がわからないのでおすすめしません。複数の業者から見積もりを取って比べましょう。
③築10年未満の住宅の雨漏りは無償で修理できることも
雨漏りしてしまった建物が築10年未満のものであれば、無償で修理できる可能性が高いです。
築10年未満の建物で設計ミスや施工ミスが原因で雨漏りが起きた場合、責任が建築業者にあります(瑕疵担保責任)。
- 瑕疵担保責任とは
傷物(欠陥品)を売ったり作ったりしたときに負うことになる責任のこと
(引用:国民生活センター)
もし築10年未満の自宅や店舗で雨漏りが発生したら、まずは建築業者に連絡しましょう。調査の結果、何らかのミスが発覚すれば無料で修理をしてもらえます。
雨漏りの修理に火災保険は使える?
できるだけ安く済ませるために、火災保険が使えれば使いたいですよね。
火災保険は突発的な被害による場合のみ雨漏りの修理に使うことができます。
経年劣化による雨漏りは対象外
建物が古くなったことによる、経年劣化が原因の雨漏りは火災保険の対象外です。
雨漏りを発見した日の近くで台風や竜巻が発生していない場合や、塗装を10年以上行っていない場合は保険会社から経年劣化と診断されることがあります。
雨漏りのケースによっても、対象・対象外は異なるので、契約している保険会社に問い合わせてみましょう。
台風・竜巻の被害による場合は使える
台風や竜巻などの自然災害が原因の雨漏りは「風災による被害」として火災保険が適用されます。たいていの場合、地震以外の自然災害による被害は火災保険の適用範囲に入ります。
契約の内容によって、補償される内容(建物・家財など)が異なるので、火災保険の契約書を確認しましょう。
賃貸物件で雨漏りした場合は管理会社や大家さんが費用負担
賃貸物件で雨漏りが発生した際の修理費用は、管理会社や大家さんが負担します。そのため基本的には修理費用を負担する必要はありません。また雨漏りが原因で引っ越す際も、費用の一部を請求することができます。
しかし次のような場合は修理費用を負担する必要があります。
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過失があった際や、勝手に業者に修理をしてもらうと費用を負担しなくてはなりません。
賃貸物件で雨漏りを発見したらまずは管理会社や大家さんに相談するようにしましょう。
雨漏りの修理業者はどんな業者に頼むべき?
突然訪問してくる業者やポストにチラシを投函してくる業者は、押し売りや即決を求めるなど悪徳な業者の可能性があります。その場で契約すると大金を請求されたり、雨漏りが改善されなかったりとトラブルに巻き込まれる可能性があります。
後悔しないリフォームをするためにどのような業者を選ぶべきか紹介します。
「雨漏り診断士」が在籍している業者を選ぶ
雨漏りの専門資格である「雨漏り診断士」であれば、雨漏りの箇所を的確に見つけることができます。雨漏り診断士とは、NPO法人雨漏り診断士協会が行っている雨漏りに関する知識や実務に関する試験に合格すると認定される試験です。
雨漏りの箇所を特定するのは難しいと言われていますが、専門的な知識をもった雨漏り診断士であれば、適切な方法で特定・修理してくれますよ。
見積もり内容が明確な業者を選ぶ
見積もりの内訳が細かく記載されている業者は、詳細に見積もりをしているので安心して依頼できます。反対に見積もり内容が曖昧だと、後々に作業料金を追加されて、実際に支払う金額が大きく離れていることがあるので注意が必要です。
また見積書の作成自体に料金がかかったり、見積もりを取ると依頼を迫ったりしてくる業者もあります。依頼をするかどうか判断するための見積もりなのに、そのような要求をしてくる業者は避けたほうがよいでしょう。
そして業者に依頼するときは、必ず複数の業者から見積もりを出してもらい、比較して決めましょう。1社しか見積もりを取らずに決めてしまうと、実は料金相場よりも高く依頼していた・・・ということが起きやすいです。
見積もりは複数社取って比較することで、不当に高い金額を請求する業者や、おかしな名目で追加料金を取ろうとする業者を見きわめることができます。
ミツモアならわずか2分のアンケートに答えるだけで最大5社から見積もりを取ることができます。
自分でできる雨漏りの応急処置
修理を待っている間にできる応急処置を紹介します。あくまでも一時しのぎなので、根本的に直すためには専門業者の修理が必要です。
応急処置①【屋根】ブルーシートや防水シートで屋根を覆う
この方法は屋根に登る必要があり、素人の方には大変危険です。屋根で作業した経験がある方のみ行うようにしましょう。
ブルーシートや防水シートで屋根を覆う方法は、雨漏りの原因となっている箇所がわからない場合におすすめです。雨漏りの原因箇所が分かっている場合には、その箇所にシートを被せましょう。
応急処置②【外壁】コーキング剤で隙間を埋める
コーキング剤とは防水性を高めるために使用される道具です。隙間を埋めるためによく使われます。
補修後は、業者を呼んで雨漏りの原因を完全に解決してもらいましょう。コーキング剤の使用後、一時的に雨漏りが止まったように見えても、他の箇所で雨漏りが起きていることがあります。
応急処置③【天井】落ちてくる雨水をバケツでキャッチする
雨水の落下地点にバケツを置くことで床が水浸しになるのを防ぐことができます。もし雑巾があれば、雑巾をバケツの底に置いておくと、たまったバケツの水が跳ねてしまうことを避けられるのでおすすめです。
またバケツのまわりにブルーシートを敷いておくと、バケツの外に水が落ちても床が濡れないので安心です。
応急処置④【窓】雑巾でサッシ周りを拭く
窓のサッシ周りを雑巾で拭くと雨の吹き込み対策ができます。特にレール部分にゴミがたまっていると排水弁の機能がなくなってしまい雨水があふれてしまうので、レール部分を重点的にきれいにしておきましょう。
また濡れている窓枠の下にビニールシートを敷いておくと、雨漏りが拡大するのを防ぐことができます。
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ミツモアで簡単な質問に答えて見積依頼
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