施術やレッスンの予約をSNSやメールでやり取りし、カレンダーに転記する作業にうんざりしていませんか?転記ミスやダブルブッキングで、お客様とトラブルになった経験がある人も少なくないでしょう。
普段使っているGoogleカレンダーも、きちんと設定すれば、簡易的な予約システムとして使えるようになります。
予約管理はデジタル化することで、ストレスと手間を大幅に減らせます。本業に集中できるので、売上アップも期待できます。
Googleカレンダーを無料の予約システムにする設定方法やメリットや注意点、さらにGoogleカレンダーと連携できるおすすめの予約システムについても紹介します。予約管理をデジタル化して、あなたの時間をビジネスに注ぎ込みましょう。
【4STEP】Googleカレンダーを予約システムにする設定手順
普段使っているGoogleカレンダーを予約システムにするには、たったの4ステップで完了します。詳しい手順を解説します。
Googleカレンダーには「予約スケジュール」機能がある
Googleカレンダーには「予約スケジュール」機能が用意されています。予約スケジュール機能では、自分で空き時間を作成し、他の人は空きスケジュールを確認して直接予約ができます。
予約が入ると、予定の重複を防ぐために、予約ページでは都合の悪い時間が自動的にブロックされるようになります。これによりダブルブッキングが防止できます。
① Googleアカウントを用意する
予約管理に使うGoogleアカウントを用意しましょう。無料アカウントでも予約スケジュール機能が使えるので、予約管理用のアカウントを用意するのがおすすめです。
Googleアカウントはトップページや検索結果画面右上にある青色の「ログイン」ボタンから作成できます。ログイン画面が開いたら、中央右下に「アカウントを作成」という青文字があるので、クリックしてアカウント作成をしましょう。
- 「ログイン」ボタンをクリックする
- メールアドレス入力欄の下にある「アカウントを作成」をクリックする
- アカウントの種類を選択する(個人で使用または仕事/ビジネス用)
- 姓名を入力する(姓は省略可能)
- 生年月日・性別を入力する
- Gmailアドレスを選択する
- パスワードを作成する
- 電話番号を入力しSMSを受け取る
- 利用規約を確認し同意する
予約管理システム用のアカウント名は「ネイルサロン○○予約専用」など、予約用のアカウントであることが一目で分かるようにすると利用者も安心して利用できます。メールアドレスにも「reserve」「yoyaku」などの文言を入れることで、「予約用のアカウントである」と明確になります。
姓名→ネイルサロンサンフラワー予約専用
メールアドレス→nail_sunflower_yoyaku@gmail.com
② 予約スケジュールを作成する
「予約スケジュール」はPC版でのみ作成できる点に注意してください。予約スケジュールは以下のステップで作成できます。
- Googleカレンダー(PC版)を開く
- 左上の「+ 作成」ボタンを押す
- 「予約スケジュール」を選択する
- タイトルを入力する
- 予約の長さを設定する
- 通常時の空き時間を設定する
- オプション設定を確認する
- 場所と会議を設定する
- 説明を入力する
- 予約フォームに入力する項目を設定する
- 予約の確認とリマインダーを設定する
手順4~手順11に関しては、次の項目で詳細に解説します。
③ 予約ページを設定する
予約スケジュールを作成するときに、予約ページの詳細を設定する必要があります。
タイトルはなるべく簡潔に、分かりやすいものを設定しましょう。たとえば「初心者向けオンラインレッスン」や「施術可能時間」などが挙げられます。
予約の長さはデフォルトでは30分に設定されていますが、自由に設定できます。レッスンや施術など、提供するサービスの長さに合わせて設定しましょう。注意点は、「1時間」に設定した場合、9時~10時の枠は予約できるものの、9時半~10時半の予約はできない点が挙げられます。
通常の空き時間は、稼働できる時間を設定してください。時間帯の右側にあるアイコンのうち、丸に+が描かれているアイコンを押すと、別の空き時間を設定できます。これにより、昼休みなどの設定ができます。
- 表示されている時刻欄に、09:00~12:00を設定する
- 時刻欄の右側にある丸に+アイコンを押す
- 時刻欄が増えるので、13:00~18:00を設定する
- 12時~13時が予約不可となり、昼休みとして時間を確保できる
空き時間を設定したあとには、その他のオプション設定を確認しましょう。これらのオプションは、予約ページを作成後にも編集できるので、初回作成時はスキップしても問題ありません。
- 予約受付期間
- 臨時の空き時間
- 予約済みの予定の設定
- カレンダー
- 共同主催者
- 予約ページの写真と名前
- 場所と会議
- 説明
- 予約フォーム
- 予定の確認とリマインダー
まずは「予約受付期間」です。ここでは、いつからいつまで予約受付をするかを設定できます。デフォルトでは、60日前から予約を開始し、予定開始時刻の4時間前まで予約を受け付ける設定になっています。
次に「臨時の空き時間」です。特定の日付に対し、通常は予約を受け付けていない曜日や時間帯に空き時間を設定できます。
3つ目は「予約済みの予定の設定」です。予約枠と予約枠の間の準備時間や1日あたりの予約件数の上限、ゲストの権限を設定できます。
4つ目は「カレンダー」です。チェックを入れたカレンダーの予定と、予約可能時間がブッキングしないようになります。たとえば、プライベートで使っているアカウントとカレンダーを共有することで、予約用管理アカウントにはプライベートの予定を表示させないようにしつつ、予約可能時間を簡単にコントロールできます。
5つ目は「共同主催者」です。共同主催者になると管理権限を共有できるので、チームでの運用を行うときは共同主催者の設定をすることをおすすめします。
共同主催者の設定まで確認が終わったら、「次へ」ボタンを押しましょう。オプション設定の2ページ目に遷移します。
オプション設定の2ページ目では、「予約ページの写真と名前」、「場所と会議」、「説明」、「予約フォーム」、「予約の確認とリマインダー」を設定できます。
「予約ページの写真と名前」では、アカウントの名前とアイコン画像がどのように予約ページに表示されるのかを確認できます。アカウント名が間違っていないか、アイコンが正しく表示されているかをチェックしましょう。
「場所と会議」では、会議の形式を選択できます。会議と呼称されていますが、サービスを提供する形態について言及していると考えてください。選択肢は対面、電話、ビデオ通話、なし/後で指定の4種類があります。
「説明」では、サービスの概要などをメモとして追加できます。説明は予約ページと確認メールに表示されるので、予約時の注意点などを記載するとよいでしょう。
「予約フォーム」では、予約時に必要な情報について設定します。デフォルトでは、姓・名とメールアドレスが入力必須項目になっています。会員制度を提供している場合は「会員番号」を入力項目として増やすなど、柔軟にカスタマイズが可能です。
「予約の確認とリマインダー」では、リマインドメールについて詳細な設定ができます。デフォルトでは1日前のみにリマインドメールが送付される設定になっていますが、「リマインダーを追加」をクリックすることで、リマインドメールを送るタイミングを増やせます。
すべての設定が完了したら右下の「保存」ボタンを押しましょう。
④ 予約ページのURLを通知する
作成した予約スケジュールをクリックすると、「プレビュー」と「リンクをコピー」の2つのボタンが下側に表示されます。
リンクをコピーして、インスタグラムやX(旧Twitter)など、普段集客に使っているSNSやメールに記載しましょう。これで、Googleカレンダーを予約システムとして利用できます。
Googleアカウント(無料版)とWorkspace(有料版)でできることの違い
ビジネス目的で利用する場合、Googleアカウントは無料版と有料のWorkspace版があります。
Google Workspaceはプランが4つあります。
- Starter(1ユーザー月額800円)
- Standard(1ユーザー月額1,600円)
- Plus(1ユーザー月額2,500円)
- Enterprise Plus(1ユーザー月額3,980円)
おすすめはGoogleカレンダーのスケジュール機能がアップグレードされる「Standard」プランです。
無料版のGoogleアカウントとGoogle WorkspaceのStandardプランで、できることを比較してみましょう。
| 機能 | 無料アカウント | Standardプラン |
|---|---|---|
| 予約スケジュールの作成 | ○ | ○ |
| 複数の予約スケジュールの作成 | × | ○ |
| 有料予約 | × | ○ |
| リマインドメール | × | ○ |
| いたずら予約の防止 | × | ○ |
| メールアドレスのドメイン変更 | × | ○ |
Standardプランにおける大きなメリットは、複数の予約スケジュールを作成できる点です。たとえば、ヨガのレッスンなど、受講者の習熟度別に複数のクラスを設定している場合や、美容院など施術者が複数在籍している場合は、複数の予約スケジュールを作成することで稼働率を最大化できます。
Googleカレンダーを予約システムにするメリット
Googleカレンダーを予約システムにすることには、2つのメリットがあります。
① 予約者も使い慣れているツールである可能性が高い
Googleカレンダーは広く普及している無料サービスなので、お客様の中でも普段から使っているという人は少なくありません。
操作方法を1から習得する必要がなく、普段使っているツールから予約できる点は、お客様にとっても「新たなツールに慣れる必要がない」点で心理的なハードルが低くなります。
また予約を入れると、自動的にお客様のカレンダーに予定が反映される点も、別途転記の必要がないという点で優れています。
② 転記漏れが発生する確率がゼロに近い
Googleカレンダーと連携できる予約システムも数多くありますが、なんらかのトラブルが発生した際に転記漏れが発生するリスクはゼロではありません。その点、Googleカレンダーが提供している機能を利用するのであれば、Google側の大規模システム障害などのトラブルを除けば、転記漏れが発生するリスクはほとんどゼロと言えます。
転記漏れが発生しなければ、予約が反映されていないことによるトラブルも起きません。この点において、Googleカレンダーをメインに使っている事業者であれば、予約システムとして運用する大きなメリットがあるといえます。
Googleカレンダーを予約システムにする注意点
Googleカレンダーを予約システムとして使う際に忘れてはいけない注意点もチェックしましょう。
① リマインダー機能が簡易的
予約スケジュールのリマインダー機能は簡易的なものです。最大5件までのリマインダーメールを送れるものの、メールのテキストは編集できないので、たとえば「明日のレッスンの持ち物は○○です」といった連絡や共有もできません。
顧客1人ひとりにあった丁寧なリマインダーメールを送るには、手書きでGmailから送る必要がある点にご注意ください。
② 事前決済機能がない
無料アカウントで作成できる予約スケジュールでは、事前決済機能がありません。有料課金のGoogle Workspaceであれば、Stripeと連携して、予約時に料金を徴収できます。
事前決済機能がないことにより、直前キャンセルや無断キャンセルなどが起こりやすくリスクがあります。キャンセル率を下げたい場合など、事前決済機能が必要な場合は、Google Workspaceに課金するか、別の予約システムを利用する必要があります。
③ 予約スケジュールの作成はPCからのみ
2025年10月現在、Googleカレンダーの予約スケジュールを作成できるのはPC版からのみです。業務用端末がスマホのみという事業者は予約スケジュールを使えないのでご注意ください。
専門の予約システムに移行すべきサイン
予約管理に特化した専門システムに移行すべきサインは3つあります。
これらの兆候が見られたら、無料システムを使い続けるのではなく、1度有料システムを検討してみることをおすすめします。
① 複数の予約メニューを作りたい
ヨガのレッスンなど、利用者の習熟度に合わせた練習メニューを用意している場合や、美容院など複数の施術者がいて個別に管理する必要があるときは、複数の予約メニューを作成する必要があります。
無料版のGoogleカレンダーの予約スケジュールは、1件のみ作成できます。複数の予約メニューを作る必要があるのならば、Google Workspaceへの課金や専門システムへの移行などを検討しましょう。
② 予約と同時に決済を行いたい
コンサルティングや有料セミナーなど、事前の支払いを必須としたいサービスでは、予約と決済の連携が重要です。
Googleカレンダーの無料の予約スケジュール機能には、決済機能が搭載されていません。そのため、予約だけカレンダーで行い、決済は別途銀行振込や決済リンクを送るなど、手動での管理が発生してしまいます。これでは管理が煩雑になり、入金確認の漏れも発生しかねません。
予約の受付と同時に決済も完了させたい場合は、決済機能が統合された専門の予約システムへの移行を検討すべきです。
③ 予約者に丁寧なリマインドメールを送りたい
予約の無断キャンセルは事業者にとって大きな損失です。これを防ぐには、予約者が予定を忘れないよう、適切なタイミングでリマインドメールを送ることが効果的です。
Googleカレンダーでも通知はされますが、それはあくまでカレンダーの「予定」としての通知です。たとえば「前日と当日の3時間前」「持ち物やアクセス情報を記載」といった、サービスの特性に合わせた丁寧なリマインドを自動化したい場合は、機能が不足します。
予約者に合わせた細やかなリマインド配信を自動化したいのであれば、専門の予約システムの導入が推奨されます。
Googleカレンダーと連携できる予約システム4選
無料版のGoogleカレンダーの予約スケジュール機能での予約管理が行き詰ってきたときに、おすすめの乗り換え先を4つご紹介します。
RESERVA
- 国内導入実績トップクラス、350以上の業種に対応する高機能性
- 無料プランでも予約件数100件/月、顧客登録無制限で利用可能
- Googleカレンダー連携と自動リマインダーが無料プランに対応
RESERVAは、個人事業主から大企業まで幅広く利用されている、国内最大級の予約システムです。機能の網羅性が非常に高いことが特徴です。
ドタキャン防止に役立つ「自動リマインダー」が無料プランの範囲内で利用できる点が大きな魅力です。日程調整と管理の手間を大幅に削減できます。
無料プランでは予約ページに広告が表示されますが、月100件までの予約に対応できるため、小規模なレッスンや相談業務のスタートアップには十分なキャパシティを備えています。将来的に決済を導入する場合は有料プランへの移行が必要です。
| 無料プランの主な制限 |
|
| Googleカレンダー連携 | 無料プランで利用可(予約情報の自動反映) |
| 自動リマインダー | 無料プランで利用可(予約前日) |
| オンライン決済 | 無料プランでは利用不可 |
STORES 予約
- お客様が使いやすい、デザイン性の高い予約ページを簡単に作成可能
- 無料プランでも自動リマインダー機能が利用できる
- ネットショップ作成「STORES」との連携がスムーズ
STORES 予約は、専門知識がなくても、直感的でおしゃれな予約ページを作成できることに強みを持つシステムです。お客様の使いやすさ(UI/UX)に定評があります。
デザイン性の高い予約ページでブランディングを行いたい場合に最適です。自動リマインダー機能も無料で使えるため、ドタキャン防止にも役立ちます。
ただし、無料プランでは月間予約件数が50件までと少なめです。また、「Googleカレンダー連携」は無料プランでは利用できず、有料プラン(スタンダードプラン)からとなります。
| 無料プランの主な制限 |
|
| Googleカレンダー連携 | 無料プランでは利用不可(有料プランから) |
| 自動リマインダー | 無料プランで利用可 |
| オンライン決済 | 無料プランでは利用不可 |
Square予約
- 無料プランでも予約件数・登録メニュー数ともに無制限
- Googleカレンダー連携、自動リマインダー(SMS/メール)が無料
- 無料プランのままクレジットカード決済(手数料のみ)を導入可能
Square予約は、決済サービス大手のSquareが提供する予約システムです。特に個人事業主や小規模ビジネスのニーズに強くフォーカスしています。
このシステムの大きな魅力は、無料プランでも予約件数やメニュー登録数が無制限である点です。さらに、将来的にレッスン料などの事前決済を導入したくなった場合でも、無料プランのまま(決済手数料のみで)対応できます。
「Googleカレンダー連携」と「自動リマインダー」も無料で完備しており、日程調整の手間削減とドタキャン防止のニーズを満たします。無料プランはスタッフ1名(オーナーのみ)での利用が前提です。
| 無料プランの主な制限 |
|
| Googleカレンダー連携 | 無料プランで利用可(双方向同期) |
| 自動リマインダー | 無料プランで利用可(メール・SMS) |
| オンライン決済 | 無料プランで利用可(決済手数料 別途) |
SELECTTYPE
- 170種類以上の豊富なデザインテンプレートで予約ページを自由にカスタマイズ
- 無料プランでもGoogleカレンダー連携が利用できる
- 無料プランのままクレジットカード決済(手数料のみ)に対応
SELECTTYPEは、予約フォームやイベントカレンダーのデザインテンプレートが非常に豊富なサービスです。現在運営しているWebサイトのテイストに合わせて細かく設定したい場合に適しています。
無料プランでもGoogleカレンダー連携が使えるため、日程調整の手間は削減できます。また、無料プランでもオンライン決済を導入できる点も将来的なメリットです。
一方で、「自動リマインダー」機能は無料プランでは利用できません。また、無料プランでは顧客情報の登録が100件までに制限されるため、将来的に顧客が増えた場合に注意が必要です。
| 無料プランの主な制限 |
|
| Googleカレンダー連携 | 無料プランで利用可(予約情報の自動反映) |
| 自動リマインダー | 無料プランでは利用不可(有料プランから) |
| オンライン決済 | 無料プランで利用可(決済手数料 別途) |
まずは無料の「予約スケジュール」機能から始めよう
予約管理を効率化したいと考えたときは、まずはGoogleカレンダーの「予約スケジュール」機能で無料で始めることをおすすめします。
運用を続けていくうちに、必ず有料予約システムを使うべきタイミングがやってきます。Googleカレンダーで運用をしていたのであれば、Googleカレンダーとの連携ができるシステムを導入することがおすすめです。
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