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広域イーサネットとは?専用線やIP-VPNとの違いも解説

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最終更新日: 2024年06月28日

広域イーサネットは、業務情報を安全に通信するために、企業が導入している専用通信回線です。広域イーサネットの特徴だけでなく、広域イーサネットとよく比べられるIP-VPNや専用線との違いも解説していきます。

「広域イーサネット」とは?

デジタルトランスフォーメーション

広域イーサネットは複数の拠点をデータリンク層(レイヤ2)で接続するWANサービスです。通信事業者の閉域網に構築します。

広域イーサネットを利用する場合、レイヤ2はEthernet LANである必要があるものの、ネットワーク層(レイヤ3)以上のプロトコルに制限はなく、RIPやOSPFなどが利用可能です。そのため、要件にあわせて柔軟なネットワークを構築できます。

通信速度や安全性などの機能

広域イーサネットは通信事業者の閉域網を利用し、企業ごとにネットワークを構築します。そのため、通常インターネット回線と比べて、広範囲の拠点間で安定した高速通信が可能です。

また仮想的にネットワークが隔たれているため、高いセキュリティ性能を確保できます。

構築や運用、維持コスト

広域イーサネットはレイヤ2で通信を行うため、複数のLANをつなげて一つのLANとして利用できます。終端をレイヤ2スイッチにできるので、レイヤ3対応機器と比べて機器のコストを抑えられるでしょう。

そのほかにもレイヤ3以上のプロトコルの利用制限がないことから、柔軟なネットワークが構築できる一方、ネットワーク設定が複雑で、導入や運用、保守コストが大きくなります。

「IP-VPN」とは?

デジタルトランスフォーメーション

IP-VPN(Internet Protocol-Virtual Private Network)は現在企業で最も利用されているWANサービスです。広域イーサネットと同じく通信事業者の閉域網を利用します。

その通信網を企業で共有して、MPLS(Multi-Protocol Label Switching)を使い、仮想的に企業ごとのネットワークを構築しています。利用者で共有の網を使用するものの、閉域網のバックボーンは帯域が十分大きく、アクセス集中による通信速度の低下やシステムダウンなどの輻輳(ふくそう)は発生しません。

広域イーサネットとの大きな違いは、利用できるプロトコルの範囲です。IP-VPNではレイヤ3のプロトコルはIPに限定されます。VPN接続で、通信の安全性を高めたい場合、複数の拠点間の通信を安定させたい場合に導入されています。

通信速度や安全性などの機能

IP-VPNは閉域網の利用により、セキュリティが高い通信を行えます。またサービス品質保証(SLA)や遅延保証などの保証サービスが付いていることが多く、安定した通信が可能です。

構築や運用、維持コスト

IP-VPNの構築には通信事業者との契約が必要であるものの、通信事業者に初期構築や運用、保守点検を依頼できます。拠点が多かったり、自社構築が難しかったりする企業に最適です。

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「専用線」とは?

デジタルトランスフォーメーション

専用線とは拠点を一対一に結ぶ専用の通信回線を用意して、安全性の高い通信を行うサービスです。

広域イーサネットやIP-VPNは物理的なネットワークを利用者ごとに分離させています。それに対して専用線は利用者のみが利用できるネットワークを使う、という点が違いです。極めて高い機密性が求められる情報を取り扱う場合に構築されています。

通信速度や安全性などの機能

専用線は拠点間を1本の専用ケーブルで接続するので、外部からの接続に対して極めて安全な通信を行えます。

専用線は独自回線であるため、時間帯による通信速度の低下や接続不能になるリスクの低減が期待できます。災害時のような万が一のときも通信が切れないよう、予備回線の用意すれば、可用性を高めることも可能です。

構築や運用、維持コスト

専用線は、ユーザ専用のネットワークを物理的に構築するので、広域イーサネットやIP-VPNと比べて金銭コストは非常に高い傾向です。

加えて、専用線は一対一の拠点間同士の接続が前提のため、拠点ごとに専用線を用意すればするほどコストがかさみます。複数の拠点で接続が必要な場合は、IP-VPNや広域イーサネットのほうが適しています。

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それぞれの違いを知り、適切なインターネット回線を

デジタルコンテンツイメージ

広域イーサネットの概要と特徴とともに、IP-VPNと専用線の特徴を解説しました。

多数の拠点を持つ企業が、安全にかつ素早く拠点間で情報のやり取りを行うために、広域イーサネット、IP-VPN、 専用線が利用されています。

どのサービスを利用するか、通信速度や必要なセキュリティレベル、ベンダーのサポート体制などに注目し、自社に必要な環境を整えましょう。

最後に今回説明した、広域イーサネット、I-VPN、専用線を一覧にまとめました。適宜、活用してみてください。

  IP-VPN 広域イーサネット 専用線
レイヤ ネットワーク層 データリンク層 物理層
回線 閉域網 閉域網 1対1で拠点を直接接続
帯域保証 あり あり 専用線による
カスタマイズ
安全性 やや高い 高い 非常に高い
構築と運用 通信事業者 通信事業者 通信事業者もしくは自社で構築と管理を行う
コスト やや高額 高額 非常に高額
活用シーン 多数の拠点、セキュリティの強化 多数の拠点、高度なカスタマイズ 極めて高いセキュリティが必要

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