スマホの通信速度制限が発生する原因とは？解除方法や対策も解説

スマホに通信速度制限がかかってしてしまうと、快適なインターネット環境を楽しめずストレスがたまってしまいます。しかしまずは、落ち着いて対処法を確認しましょう。さらに繰り返し制限が発生しないように対策を練ることも大切です。

通信速度制限の基礎知識

まずは通信速度制限とはどのような意味なのか確認します。通信速度制限が発生するとどうなるでしょうか。

通信速度制限とは？

「通信速度制限」とは、通信事業者との間で契約している1カ月間のデータ通信量を超えて通信を行うと、通信速度が低下することです。

あるユーザーが通信回線を使いすぎることにより、回線全体の通信速度が遅くなってしまうことを避けるために、通信事業者が通信速度を制限しているのです。1段階での制限だけでなく、通信事業者によっては2段階で制限がかけられる場合もあります。

通信速度制限がかかるとどうなる？

通信速度制限はどの通信事業者と契約しているかによって異なります。

大手キャリアのau、ドコモ、ソフトバンクでは最大速度128kbpsにまで制限されます。格安SIMの場合は使用している通信回線によって異なりますが、最大速度128〜200kbpsほどに制限されることが多いようです。中には制限中も最大速度1Mbpsの通信事業者もあります。

通信速度制限がかかった状態では、動画はもちろんのこと、Webサイトの読み込みも非常に遅くなります。あくまでも制限時の数値は最大時の速度なので、通信速度が遅いことで、ストレスに感じることもあるでしょう。

通信速度制限がかかる原因

通信速度制限がかかってしまう人が、ついついやってしまう共通した行動があります。ここでは主に、大きくデータ通信量を消費してしまう行動について解説します。

頻繁に動画を再生する

通信速度が制限される最も大きい原因は、動画を頻繁に再生していることでしょう。

動画の再生には多くのデータ通信が消費されるため、外出中に「VODサービス」や「YouTube」などで動画を見ていると、すぐに通信速度制限が発生してしまいます。

またビデオ会議もデータ通信量が多く、普段から何気なく見ているSNSやWebサイトでも、自動で動画が再生されているのです。

このように、意図しない原因でデータ通信が無駄に消費されていることも多いでしょう。

アプリの自動更新設定をオンにしている

スマートフォンにインストールしているアプリも、データ通信を大量に消費する原因のひとつです。

アプリを「常に自動更新する」と設定している場合は、アプリの更新情報が入るとインターネット環境にかかわらず即座にアップデートが開始されます。アプリのアップデートには一定の通信量を要するため、このような場合も意図しない通信量の消費が引き起こされます。

外出先でテザリングをしている

外出先でスマホのテザリングを利用し、パソコンやタブレットを使用することも通信速度制限がかかる原因です。

テザリングはスマホの契約しているデータ通信量から消費されており、パソコンでは使用する通信量が大きいため、より短時間で多くのデータ通信が消費されます。

スマホでデータ通信が可能な量を確かめたうえで、どうしても必要な場合のみ使うことで、通信量の超過を防ぐことができます。

データ通信量の確認と制限の解除

通信速度制限の確認と改善をするには、自分が使っているデータ通信量の確認をする必要があるでしょう。そこでキャリアごとにデータ通信量の確認方法を解説します。

また制限が解除されるタイミングはいつなのかみていきましょう。

データ通信量の確認方法

当月分の残りのデータ通信量は、契約している通信事業者のマイページで確認できます。

auは「My au」の「利用状況」から「データ利用料」を確認、ソフトバンクは「My SoftBank」のメニューから「使用料の管理」で当月分のデータ通信量の確認が可能です。ドコモは「My docomo」の「データ量」から確認でき、直近3日分の使用量もわかります。

格安SIMの場合は、専用の無料アプリを使って管理していることが多いため、使用量を知りたい場合はアプリをダウンロードするとよいでしょう。

制限が解除されるタイミング

大手キャリアのau、ドコモ、ソフトバンクは翌月1日に通信速度制限が解除されます。ソフトバンクでは10日締めと20日締めの契約プランの場合もあり、それぞれ制限の解除は締日の翌日です。

日付が変わった瞬間に通信速度制限の解除がされるとは限らないため、しばらく時間がかかることもあるでしょう。

格安SIMも月ごとの契約なら翌月1日に解除されることが多いです。ただし通信事業者や契約しているプランによって異なり、1日ごとの制限なら翌日には解除されることもあります。

通信速度制限がかかったときの対処法

通信速度制限がかかったときの対処は、そのまま放置するか、データ通信量を追加するかの2択です。また制限が発生したタイミングによって、適切な対処法は異なります。

そのまま使い続ける

制限が解除されるまで、そのまま使い続けることも可能です。通信速度は制限されているため読み込みは遅いですが、そのまま使うことが悪いわけではありません。

データ通信の消費量が多い動画の再生はできませんが、消費量の小さいメールやチャットは使用できます。Webサイトの読み込みには時間がかかりますが、インターネットも使用可能です。

追加料金を払いたくない場合や解除まで数日だけと我慢ができるなら、解除されるまで使い続けるのもひとつの手といえます。

データ通信量を追加購入する

通信速度制限が発生した場合は、追加料金を支払ってデータ通信量を購入するのが一般的でしょう。

auの場合、0.5GB、1GB、3GB、5GBから好きな量を選んで追加でき、それぞれ605円、1,100円、3,300円、5,500円かかります。

ドコモの場合は、1GBあたり1,100円でデータ通信量の追加が可能です。「スピードモード」を利用すれば、指定した通信量を上限として実際に使用した通信量のみ、1GBあたり1,100円で自動追加できます。月に2回も速度制限されることはなく、必要な量だけ利用できて便利です。

ソフトバンクならば「データプラン3GB(スマホ)」や「スマ放題」などのプランで、1GBあたり1,100円で追加購入できます。その他プランでは、2GBあたり2,750円の追加です。

格安SIMの場合は、追加方法がより手軽である一方、割高になる場合もあります。ただ、近年では料金価格が見直されて大手キャリアよりも安い場合もあるため、公式サイトで確認するとよいでしょう。(2022年時点)

データ通信量を無料でもらう

通信速度制限にかかった場合は、友人や家族間でデータ通信量をシェアしたりプレゼントしたりすることで、制限を解除する方法もあります。

auでは残りのデータ通信量から、0.5GB単位で家族に送ることが可能です。ソフトバンクでは家族間でデータ通信量をシェアするプランがありますが、子回線ひとつあたり月額550円がかかります。

ドコモもデータ通信量を家族間シェアするプランがありましたが、2019年5月31日をもって新規契約を終了しており、新たに設定することはできません。

格安SIMでもデータ通信量をシェアするサービスがあり、「IIJmio」では異なる名義の回線間でもシェアが可能です。また「mineo」「楽天モバイル」などでは、手数料はかからずデータ通信量をグループや友人間で送りあうことができ、自由度が高いといえるでしょう。(2022年3月時点)

通信速度制限がかからないための対策

ストレスなくインターネットを利用したいならば、そもそも通信速度制限が発生しないことが大切です。データ通信量を多く消費するインターネット使用を避けて、快適にスマホを使用しましょう。

なるべくWi-Fiを利用する

光回線や無料のWi-Fi回線がある場合は、できるだけWi-Fiを利用しましょう。モバイルデータ通信を使わないため、データ通信量を消費せずに節約できます。

外出先でも公共のWi-Fiやカフェで提供されているWi-Fiなど、いわゆる「フリーWi-Fi」を活用することでデータ通信料の節約が可能です。ただし、セキュリティには十分に注意が必要です。

さらにスマホで「Wi-Fiアシスト」の機能をオンにしていると、Wi-Fiの接続が悪いときにモバイルデータ通信の接続が自動で開始されます。予期せぬ消費を防ぐためには、「Wi-Fiアシスト」をオフにするのがよいでしょう。

バックグラウンドの通信などをオフにする

アプリの中には起動していないときもバックグラウンド通信をしているものもあります。使っていないアプリは削除したり、バックグラウンド通信が必要でないアプリは設定をオフにしたりすることで、データ通信量を抑えることが可能です。

またモバイルデータ通信をオフにすることで、Wi-Fi環境でしかアプリを使えないように設定できます。外出先でほとんど使わないアプリや通信量を大量に消費する動画アプリに適用すると効果的です。

スマホを使わない時間があるときは「機内モード」に設定するとすべての通信機能をオフにできるので、まとめて通信量を節約できるでしょう。

SNSの動画自動再生をオフにする

通信速度制限になる原因として挙げたように、SNSの動画再生はかなりのデータ通信を消費します。YouTubeやVODはみずからの判断で控えることが可能ですが、SNSの動画自動再生は設定からオフにする必要があります。

あわせてブラウザの動画自動再生もオフにすると、Webサイトを閲覧する際のデータ通信量もおさえることが可能です。

データ通信量の節約アプリを使う

「データ通信量の節約アプリ」を使うことで、自分が使っているデータ通信量を可視化し、具体的にどのアプリや機能を制限するべきかわかります。

各アプリの通信量を削減したり、近くのフリーWi-Fiスポットを検索したりできるため、小さな負担で簡単にデータ通信量を節約することが可能です。

どこから手をつければいいかわからないという人や、さまざまな対策をしたが効果が表れないという人は、データ通信量の節約アプリを使ってみるのもおすすめです。

自分に合ったデータ通信プランを選択しよう

通信速度制限にかかると、Webサイトや動画の読み込みが遅くなってしまい、インターネットを快適に利用できません。

制限がかかった場合は、Wi-Fiを利用したり、追加でデータ通信量を購入したりすることで対処が可能です。しかし毎月のように通信速度制限がかかってしまうと、解除や追加の手続きが手間と感じるでしょう。

快適なインターネット環境にするためにも、通信事業者との契約内容を見直し、自分のデータ通信の使用量に適したプランを選択することが大切です。

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