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ストレスチェック制度とは?制度の概要や実施の流れについて解説

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最終更新日: 2024年09月20日

法令により事業場で義務化されているストレスチェック。制度導入により労働者が働きやすい職場環境の整備が求められています。

この記事ではストレスチェック制度の概要や、人事労務・産業保健業務担当者の方向けにストレスチェック実施の流れや注意点について解説します。

ストレスチェック制度とは

ストレスチェック制度とは2014年6月労働者のメンタルヘルス不調の一次予防を目的とし公布された改正労働安全衛生法にもとづいた法制度です。制度により常時50人以上の労働者を雇用している事業場にストレスチェック実施が各社で義務化されました。

制度導入や面接指導において一定条件を満たした事業場(小規模)は地域産業保健センターに実施依頼がおこなえるほか、労働者健康安全機構では助成金が付与されています。

制度が導入された背景とその目的

ストレスチェック制度が導入された背景には、2009年から2012年まで3年連続で精神障害による労働災害の認定件数が過去最高を更新したという状況がありました。

仕事や職場に関する強い不安や悩みがストレスとなり、精神障害を発症する労働者が増加しています。その中で労働者が自身のストレスに気づき、要因となる職場環境を改善することでメンタルヘルスの不調を未然に防ぐことが、ストレスチェック制度の目的です。

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ストレスチェック制度の対象

対象企業と従業員数の基準

ストレスチェックの対象企業は、常時50人以上の従業員を雇用している全事業場です。事業場の法人格の有無は問われず、全事業場が対象となります。

対象者は正社員に限らず、アルバイトやパート、契約社員、派遣社員も含まれます。契約期間が1年以上である場合、週に1度の出勤であっても対象となります。

対象労働者の条件

  • 労働契約に期間の定めがない、または契約期間が1年以上である
  • 週の労働時間数が正社員の1週間の労働時間の4分の3以上である

実施しない場合の法的リスク

ストレスチェックを実施しないこと自体に直接の罰則はありませんが、労働基準監督署への報告義務を怠ると最大50万円の罰金が科せられます。適切な実施と報告が求められます。

また、未実施によって従業員が精神障害を発症した場合、安全配慮義務違反となり、労災認定や損害賠償請求のリスクもあります。さらに、本人の同意なくストレスチェックの結果を取得する行為は個人情報保護法に違反し、刑事罰の対象となる可能性があるため、慎重な対応が必要です。

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ストレスチェック実施の流れ

基本的にはストレスチェックは自社に産業医がいる場合は自社で、産業医がおらず実施することで通常業務に支障がでる場合は外部に委託するのがよいでしょう。以下では自社で実施する場合のフローを紹介します。

実施全体のフロー

(1)ストレスチェックの実施に向けて社内で体制を整備する

企業はストレスチェック制度実施計画における社内規定を定め、概要を従業員へ表明することが求められます。

(2)ストレスチェックを実施する(質問票を配布する)

一般健康診断での精神面の症状に関する問診はストレスチェック実施を代替するものではないため、別途実施する必要があります。

ストレスチェックは紙の質問票またはストレスチェックシステムを利用したWeb配布(オンライン調査)を選択できます。ストレスチェックシステムであれば記入が終わった調査表の回収やデータ活用に向けた集計作業を効率化できます。

(3)実施結果にもとづいて医師面接の要否を判定する

回収した質問票をもとに高ストレス者を選定し、状況に応じて業務量を調整しましょう。通常申し出があった際や高ストレスの判定の際には医師による面接指導を案内します。面接指導の結果データは事業場で5年間保管することが推奨されています。

事業場にキャビネットを置く、調査票を電子化し保管できるクラウドタイプのシステムを導入するなど検査結果を長期間保管するための環境も整備しましょう。

(4)本人結果を通知する

ストレスチェック結果は実施者または実施事務従事者から受検者本人へ通知され、事業者に通知されることはありません。実施者がストレス結果を入手するには受検者本人の同意が必要です。

(5)集団分析を実施し結果を職場改善への取り組みに活かす

実施者はストレスチェック結果を集団ごとに集計、分析し、受検者本人のセルフケア促進や職場環境の改善に向けた取り組みを実施することが求められます。集団分析結果の開示は個人の特定にはつながらないため、受検者の同意不要で実施者から事業者に提供しても問題はありません。

ストレスチェックアプリを使用するとストレスを手軽に測定できます。適宜活用しましょう。

(6)労働基準監督署に結果を報告する

ストレスチェック終了後は、報告書を作成して所轄の労働基準監督署に提出する必要があります。提出を怠ると罰則の対象となるため、注意が必要です。提出期限は明確には定められていませんが、1年に1回の実施が義務付けられているため、前回の提出日から1年以内に提出することが推奨されます。

また、事業場ごとに報告書を作成し、個別に提出する必要があり、本社が一括で提出することはできません。

報告書作成については、インターネット上で作成するサービスを厚労省が提供しているのでそちらから提出が可能です。

労働安全衛生法関係の届出・申請等帳票印刷に係る入力支援サービス|厚生労働省

質問票の概要とチェック項目

ストレスチェックには国が用意した23項目版、57項目版、80項目版の3種類があり、推奨しているのは57項目版です。

A群:仕事のストレス要因、B群:心身のストレス反応、C群:周囲のサポートという領域におけるストレスに分類されており、各項目で1~4点で評価します。

ただし、これは法的に定められたものではないため、各事業場は衛生委員会の審議を経て、自由に項目を選定することが可能です。

ストレスチェック項目
引用:ストレスチェック質問票(57項目)|厚生労働省

高ストレス判定基準とは

ストレスチェック制度では、高ストレス者の判断基準は明確に定められていません。各事業所は、実施者の意見や衛生委員会の調査・審議を経て、自社に適した「高ストレス者」の判定基準を決定することが求められています。

しかし、一般的には下記の設問合計点数による判定尺度合計点数による判定の2つがあります。下記ではストレスチェック調査票57項目版の場合の判定を紹介します。

設問合計点数による判定

次のいずれかの基準を満たす場合

  • 心身のストレス反応の合計点数が 77 点以上(最高点は4×29=116 点)であること

  • 仕事のストレス要因と周囲のサポートの合算の合計点数が76点以上(最高点は104点)であり、かつ心身のストレス反応の合計点数が 63 点以上であること

尺度合計点数による判定

  • 心身のストレス反応の合計点数が 12 点以下であること

  • 仕事のストレス要因と周囲のサポートの合算の合計点数が26点以下であり、かつ心身のストレス反応の合計点数が 17点以下であること

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ストレスチェック実施にかかる費用相場

事業主団体などが傘下の中小企業に対して産業保健サービス(ストレスチェック)を提供する場合は指定条件のもと以下の助成金(団体経由産業保健活動推進助成金)を受け取れます。

Ⅰストレスチェック助成金

対象となる事業者:従業員が50名未満など各条件を満たしている

Ⅱ職場環境改善計画助成金

対象となる事業者:1. ストレスチェック実施後集団分析を実施している 2. 専門家と職場環境改善指導に係る契約を締結している 3. 専門家の指導に基づき作成した職場環境改善計画に基づき職場環境の改善の全部又は一部を実施しているなど各条件を満たしている

ストレスチェック実施にかかる費用

ストレスチェックの実施を支援する一般的なストレスチェックシステムの利用料は1ユーザーあたり年額550~2,500円が相場となっています。別途初期費用やシステム利用料が発生します。受検方法が紙かWebかによっても料金が異なるサービスが多いです。しかし、中には無料トライアルや完全無料で使えるシステムもあるので検討してみましょう。

外注する場合は外注費用が必要です。ストレスチェックの受検率や回答率が良くない時は外注という手段が企業の信頼につながり改善される場合があります。

関連記事:無料で使えるストレスチェックシステム5選!製品の特徴や利用時の注意点を解説|ミツモア

高ストレス者の面接指導にかかる費用

高ストレス者に面接指導を受けさせることは事業者の義務であり、その費用は事業者が福利厚生の一環として負担すべきものです。
面接指導にかかる時間は1人あたり約15分であり、産業医の時給は3~5万円です。そのため、1人当たりの費用はおおよそ1万円前後になります。

集団分析や職場改善の実施にかかる費用

高度な集団分析機能は有料プランで提供されることが多いです。実際に依頼する場合の費用相場は、1グループごとに約2万5,000円程度です。さらにストレスチェック実施前後の法令対応を含めた人事労務、産業保健業務代行まで内包されたサービスを必要としている場合は、契約後に追加費用が発生します。支出が増えすぎないかを事前に確認しておくと良いでしょう。

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ストレスチェック結果の活用と職場環境改善の具体策

ストレスチェックの結果を踏まえ、職場環境の改善に向けた具体的なアクションが重要です。

医師による面談の案内など適切な措置をおこなう

高ストレスと判定された労働者へ産業医による面接案内のほか気軽に相談できる窓口を用意するなどして当人を放置しないように取り組むことが大切です。

就業状況や環境の改善などが必要と医師が判断した場合、時間外労働や休日労働、出張を制限するなど、具体的な措置を講じる必要があります。ひどい場合には休暇や休職の取得などの対応も必要でしょう。

措置を講じた後に労働者のストレス状態に改善が見られた場合は業務内容や業務量を通常通りに戻しても問題ありません。

ストレスチェック実施時の注意点

個人情報などプライバシー保護を徹底する

実施者から事業者に提供される結果のデータは事業者側で5年間保存しなければなりません。またストレスチェック結果は社内のサーバーを使用するか、実施事務従事者によるセキュリティ管理の徹底が必要です。

労働者へ不利益な扱いはしない

ストレスチェックを受けなかったことやストレスチェックの結果を理由に、事業者が労働者に解雇、退職の推奨、合理性のない配置転換などの不利益な措置を取ることは禁じられています。ストレスチェック制度は、労働者の精神的健康を守るためのものであり、事業者が労働者に不利益を与えるような行為は許されていません。

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ストレスチェック制度のメリット

オフィスのパソコンを操作する男女

労働者側のメリット

ストレスチェックにより労働者は自分のストレス状態を数値で把握でき、セルフケアが可能となります。また、メンタルヘルスに不安を抱えていた労働者も、状況が明確になることで対策を取りやすくなります。医師の面談や指導を受けることで、不安を抱えていた労働者も職場で適切な支援を受け、働きやすさが向上するでしょう。

会社側のメリット

会社にとって労働者は重要な人材であり、ストレスチェックの結果を活かして職場改善を行うことは人材保護につながります。人材が不足すると新たな採用や教育に時間と労力がかかるため、職場改善によって退職や休職者を減らすことで、採用にかかるコストを削減可能です。

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