スマートフォンの普及でSNSの影響は年々大きくなっています。そのため最近では、企業がSNSを利用しマーケティングを行うことも珍しくありません。今回は企業がSNSを運用する上で必須といえる「エゴサ」の概要やメリット、方法について解説します。
エゴサの意味とは
SNSの運用を調べるとしばしば目にする「エゴサ」は、どのような意味を持つ言葉なのでしょうか。エゴサについて詳しく紹介する前に、意味や起源、対義語を紹介します。
「エゴサーチ」の略
エゴサとは「エゴサーチ」の略です。ネット上で自分の名前やハンドルネームを検索し、ネット上でどの様に思われているか、評判を調べる行為を指します。
一般的には個人が自分自身について調べることを指す単語とされます。しかし最近では、企業がマーケティングや広報の一環として、自社製品や自社名を検索することもエゴサとされているのです。
インターネットが発祥の言葉でネガティブな単語とされていましたが、SNSの発展に伴いバズマーケティングの用語の一つにもなっています。近年ではネガティブな意味以外でも使われているといえるでしょう。
エゴサの起源や対義語
エゴサはインターネットで生まれた言葉なので、明確な起源はありません。一般的には「自己」や「私」を意味するラテン語「ego」と、「調べる」や「検索する」という意味を持つ英単語「search」をあわせた言葉とされます。
日本ではエゴサーチの名称が有名ですが、海外ではエゴサーチのほかにエゴサーフィンとも呼ばれる単語です。
対義語はパブリックサーチです。自己評価を検索するエゴサーチに対し、他者の評判を探ることから対義語とされています。
エゴサをするメリット
今では企業や有名人も積極的に行うエゴサーチには、どのようなメリットがあるのでしょうか?エゴサーチのメリットについて確認をしましょう。
世間からの関心度やイメージがわかる
エゴサーチを行うことで、世間での関心を集めているかを確認することができます。
これはSNSで検索を行うと、誰がどのようなタイミングで投稿したかが瞬時にわかるためです。例えば投稿件数が少なく、投稿時間の間隔が空いていれば関心が低いことがわかります。
またSNSは他人との情報共有をするためのツールです。特に「自分がどう思ったか」を伝えるためのツールなので、投稿内容を確認することで投稿者が感じている印象を調べることができます。
これらの投稿をデータとし収集して分析することで、世間からの企業イメージを確認することが可能です。
正直な意見が見える
SNSでエゴサーチを行うことで、消費者の本音を知ることが可能になります。
なぜならSNSは、ある程度の匿名性が確保された状態で、思ったことをすぐに書き込めるためです。簡単に意見を書き込めるので、消費者は率直な意見を発信する傾向にあります。
企業がエゴサーチをすることで、公共や対面では言いづらい本音や、製品や企業に対して消費者が感じている正直な意見を集めることも可能です。
またクレームをするほどではないが不満を感じている点や、お客様の声などに書き込むほどではなかった嬉しいことなど、なかなか拾い上げるのが難しい些細な声を調査するのにも適しています。
経費削減や思わぬ発見になるかも
顧客調査や消費者アンケートは高額なコストが掛かります。その上、対面で行う街頭調査やアンケートでは、本音とは言いづらい調査結果となることもあり、効率的とは言えません。
しかしインターネットを使用したエゴサーチであれば、時間やコストをそれほど掛けずに調査が可能です。匿名で気軽に投稿できるSNSでは、リアルタイムに感じた本音を調査することもできます。
ほかにもエゴサーチをすることで、従来の街頭調査やアンケートでは見えなかった意外な発見が見つかることも。SNSの調査によって、企業が想定していなかった場面で商品が使用されていることが判明するケースがあります。
知っておきたいデメリット
消費者の本音を知ることができるエゴサーチですが、同時にデメリットもあります。エゴサーチをする前にデメリットも把握しておきましょう。
誹謗中傷でダメージを受けることも
エゴサーチを行う上で気をつけたいのが、誹謗中傷や厳しい言葉などのダメージです。SNSは本音や思ったことを気軽に発信できるため、誹謗中傷やネガティブな投稿をする人もいます。
このような情報を目にすることで、精神的なダメージを受けるかもしれません。業務として広報や担当者にエゴサーチを命じるのであれば、考慮や配慮が必要です。
また言葉によるダメージを受けすぎないためにも、エゴサーチを行う際はネガティブな意見があることを覚悟して行いましょう。
偏った意見に気が付かない可能性も
エゴサーチはあくまでSNS上で行う調査です。普段SNSに投稿を行わない層や、インターネットを積極的に活用しない層の意見を調査することができません。
そのためSNSでのエゴサーチ結果のみで商品開発や経営戦略を変更すると、売上が下がる可能性や事業がうまく行かない可能性があります。
スマートフォンの普及で、SNSは社会に大きな影響を持つようになりました。しかしすべての人がSNSを利用しているわけではありません。エゴサーチで拾える意見はSNSやインターネットを積極的に利用する層の意見しか拾えないことを考慮しましょう。
あくまで一つの意見として利用し、従来の調査も同時に行うことが大切です。
SNSでのエゴサのやり方三つ
エゴサーチはSNSで検索をするだけですが、SNSによって方法が異なります。今回は影響力の大きいX(旧Twitter)やInstagramでのエゴサーチの方法の概要を紹介します。
ツイッターでエゴサをする方法
文字でのコミュニケーションが中心のツイッターは、消費者の本音や考えを把握するのに最適なSNSです。エゴサーチの方法は、ページ上部にある検索フォームに言葉を入力することで行えます。
検索する際は複数キーワードでの検索や、いいねやリツイート数、期間を絞った検索など、高度な検索が可能です。効果的に利用するとよいでしょう。
本格的にツイッターでエゴサーチをするのであれば、ツールを利用すると効果的です。高度な検索や複数キーワードでのリアルタイム検索が可能な、ツイッター公式アプリケーション「TweetDeck」は、エゴサーチを行うのに便利と言えるでしょう。
インスタグラムでエゴサをする方法
文字情報が主体のツイッターに対し、インスタグラムはおもに写真や動画を共有するSNSです。自社製品が使用される様子や、来店時にどのような点が良いと思ったかを把握するのに利用ができます。
エゴサーチの方法はツイッターと同様に、検索欄にキーワードを打ち込みますが、注意したいポイントがあります。それは投稿時に写真に添えられる本文の語句が、検索に引っかからないことです。そのためインスタグラムでのエゴサーチは「ハッシュタグ」を利用し、ブランド名や企業名で検索を行うことになります。
インスタグラムでのエゴサーチを見据え、商品の販売と同時に独自のハッシュタグを展開するのも良いでしょう。
LINEでエゴサをする方法
LINEは情報共有のSNSというよりは、メッセンジャーアプリケーションとしての色が強いアプリです。しかし、IFTTTとLINEを使用することで効果的にエゴサーチをすることができます。
IFTTTとは、異なるSNSやWebサービスを連携させることができるWebサービスです。ほかのアプリの動作を、異なるアプリ上で知らせることが可能になります。
つまりIFTTTを使用し、ツイッターやインスタグラムで特定の単語を含む投稿があった場合にLINEへ通知する仕組みを作れば、効率的なエゴサーチが可能です。
またIFTTTでLINEを連携させることで、SNSへ瞬時に反応することが可能になります。
エゴサの結果を変えたい場合
企業や製品に対しネガティブな印象を抱いている人が多いケースもあります。しかし、SNSでの悪い印象も、変化させることは可能です。エゴサーチの結果を変える三つのポイントを紹介します。
良い結果を増やすことは?
誹謗中傷やデマの場合はSNSやサイト運営会社に報告することで対応が可能です。
しかし良い結果が少ない場合や、そもそも商品やサービスに対して投稿がない場合は、良い結果を増やすのに時間がかかります。
なぜならSNSでの発信を積極的に行い、SNSのユーザーや消費者に良い印象を抱いてもらう必要があるからです。この運用は年単位のSNS運用が必要になる場合があります。
短期的に良い結果を出そうと、サクラを雇い好意的な投稿を行う企業がありますが、これは悪手です。本質的でない上、万が一サクラを利用していたことが判明した場合、企業にとって望ましくない炎上などに発展する可能性があります。
誹謗中傷やデマなどの悪質な情報は減らせますが、良い結果を増やすのは時間がかかることを認識しましょう。
ツールを活用することで変化することも
良い結果を増やすためには、SNSに公式アカウントを開設し定期的な発信を行う活動や、常時エゴサーチを行い、消費者の投稿に対し素早く反応するなど地道な活動が必要です。
これらの活動を担当者が常時行うのは大変ですが、ツールを活用することで効率的なSNS運用が可能になります。
例えばIFTTTを始めとした自動化ツールを使用しすることで、好意的な意見を持つユーザーに瞬時に反応することが可能です。こうした反応を続けることで良い結果も増える可能性があります。
また口コミ監視ツールや分析ツールなどを活用も利用すれば、風評被害やデマが広がる前に対策を取ることができます。
こうしたツールを利用することでSNSで悪い情報が広がらず、良い情報を増やしていくことが可能になるのです。
専門家に相談するのもあり
SNSやインターネットへの書き込みの影響力は年々大きくなっています。そのため、最近ではSNS運用を専門に行う会社や誹謗中傷や炎上へ対処する会社が登場しています。
例えば誹謗中傷やデマなどのネガティブ意見が多かった場合や、エゴサーチの結果が良くなかった場合は、ネットトラブル対処を専門とする会社に相談するのも一つの方法です。
エゴサーチや分析を専門に請け負う会社もあります。こうした会社にエゴサーチを依頼することで、詳細な分析を行うことができます。
エゴサーチの結果を良くするため、SNS運用を専門として行う会社にSNS運用を委託してしまうのも良いでしょう。
エゴサーチのメリットを知り賢く運用しよう
多くの人がインターネットを活用するようになった今、SNSやネットの影響力は無視できないものとなっています。エゴサーチはネットやSNSでの自社の立ち位置や、消費者の本音を調査することができる手段です。
思わぬ情報や、低コストで消費者の本音を確認することができるメリットがある一方、エゴサーチをすることでダメージを受けることや、偏った意見に影響されてしまうことも少なくありません。
賢くエゴサーチを行うことで、効率的な調査や思わぬ方法での業績アップが狙うことができるでしょう。
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