自社所有の機器をデータセンターに設置するコロケーションは、安全にサーバーや周辺機器を運用できるメリットがあります。ハウジングやホスティングと混同されがちなので、これらの違いを押さえつつ、具体的な利点やデータセンターの選択基準を解説します。
最終更新日: 2024年06月28日
コロケーションとは？
コロケーション(collocation)とは、自社が所有しているサーバーや周辺機器などを、データセンターに設置して運用できるサービスです。
まずは詳しいサービスの概要と、混同されがちな「ハウジング」や「ホスティング」との違いを押さえておきましょう。
データセンターの利用形態のひとつ
いわゆる「データセンター」の利用形態のひとつがコロケーションです。
データセンターとは、サーバーや通信機器を中心に、データ通信に関する装置の設置・運用に特化した施設で、専門のベンダーが各地で運営しています。自然災害に強く、防犯性の高い場所に設置されているため、安全にサーバーを運用可能です。
自社でサーバーを運用するのに比べて安全性が高いため、Web系のサービスを展開している企業を中心に、多くの事業者がコロケーションの形態でサーバーを運用しています。
ハウジングやホスティングとの違い
コロケーションと似た用語に「ハウジング」や「ホスティング」があります。
ハウジングとはデータセンターの運営者が、センター内に設置したサーバー用のラックをリースする形態です。
コロケーションとほぼ同義ですが、サーバーを設置するスペースを貸し出すコロケーションに対して、ハウジングはラック単位で小規模な場所を提供するサービスを指します。
一方、ホスティングとは、データセンターの運用会社が提供しているサーバーを間借りするサービスです。
こちらはサーバーの管理・運用もベンダーが担当するので、ユーザーはレンタルサーバー上でWebサイトを運営したり、各種Webサービスを提供したりするのが一般的です。
コロケーションの利点は何か？
コロケーションを企業が利用するメリットには、どのようなものがあるでしょうか？ 社内でサーバー機器を運用するのに加えて、以下のような恩恵を受けられます。
安定したサーバー運用が可能
社内でサーバーを運用する場合、外部からの不正アクセスやサイバー攻撃、内部不正などの防止策を取らなければいけません。
さらに災害や、人的なミスによるサーバーの物理的破損などにも注意しなければならないので、管理だけでも相応の手間とコストがかかってしまいます。
万が一、サーバーが故障してしまう事態になれば、Webサイトの運営やサービスの提供に支障をきたしてしまうでしょう。
一方、コロケーションならば、安全なデータセンターでサーバーを運用できるので、上記のリスクは大幅に軽減できます。利用料金はかかりますが、管理の手間が削減できる点を考えれば、決して費用対効果の悪い投資ではないでしょう。
緊急時の事業継続計画(BCP)を強化できる
緊急時の「事業継続計画(BCP)」の強化に役立つのも、コロケーションの利点です。事業継続計画とは、地震をはじめとした自然災害や火災、テロ攻撃といった有事に遭遇した際、企業が自らの資産を保全し、事業を継続するための計画を指します。
社内でサーバーを管理していると、このような事態に遭遇した際、サーバーが故障してしまう恐れがあり、事業の継続が難しくなるリスクがあります。
そこでコロケーションを利用して安全なデータセンターでサーバーを運用していれば、地震や停電、火災といった緊急事態に遭ってもサーバーを保全できるではずです。
データセンターは緊急事態にも対応できる場所に設置されており、有事に対応するためのセキュリティー設備が整っています。
費用対効果の高いシステム運用を実現
社内でサーバーを運用する場合、安定的に稼働できる設置場所の確保や、室温を一定に保つための設備や電気代などがかかります。特に何台もサーバー機を運用しなければならない事業では、それだけ管理に手間とコストを負担しなければいけません。
コローケーションを利用すれば、データセンターの場所を借りる費用のみ負担すればよいので、社内で全てを賄うよりも、全体としてみるとコスト削減になるケースが多いでしょう。費用対効果の高いサーバーシステムの運用を実現できます。
おすすめのコロケーションサービス
それでは、おすすめのコロケーションサービスを紹介します。現状、多くのデータセンター運営者がコロケーションサービスを提供していますが、以下のベンダーはユーザーからの評価が高く、数多くの企業や個人事業主が利用しています。
WebARENA Symphony
WebARENA SymphonyはNTTの系列会社が管理しているデータセンターです。もともとハウジングに実績を持つサービスで、都内にデータセンターが設置されているのでアクセスがしやすいのが特徴です。
データセンターは震度7クラスに耐えられる強固なセキュリティーに守られているので、安心してサーバーの運用ができます。
データセンターなら安心と信頼のWebARENA(ウェブアリーナ) | Symphony
KDDI国内データセンターサービス
KDDI国内データセンターサービスは、KDDIグループが提供しているコロケーションサービスです。サーバーを設置するスペースをレンタルするのが基本ですが、サーバーを設置するラックやケージベースでのレンタルもできます。
電源や空調設備などの基本的なインフラとネットワークの監視に加えて、入退室管理などのセキュリティーサービスも利用可能です。
国内データセンターサービス | サービス | 法人・ビジネス向け | KDDI株式会社
アット東京データセンターサービス
アット東京では、コロケーションとハウジングをはじめ、データセンターを軸としたさまざまなサービスを提供しています。24時間365日の監視と多重セキュリティーにより、サーバーを安全に管理できます。
さらに、ユーザーの要望でサーバーの設置環境のカスタマイズも可能で、最適な環境で運用ができるのも魅力です。セキュリティーの高さはもちろん、利便性と対応の柔軟さから多くの企業が利用しています。
データセンター | アット東京
データセンターを選ぶ基準は？
最後にコロケーションを利用するデータセンターを選ぶ基準を考えてみましょう。
地震などの自然災害やテロなどの人的な被害からサーバーを守るには、立地の安全性とセンターのセキュリティー体制の両面から、データセンターを評価する必要があります。
立地の安全性
利用料金や具体的なサービス内容はもちろんですが、データセンターの立地にも注目する必要があります。地震に強い地盤を持つ地域かどうかに加えて、緊急時にすぐ対応できる場所であることも大事です。
たとえ地盤が強い場所であっても、地方のアクセスしづらい場所にあるデータセンターでは、有事の際に人的な対応が難しくなるでしょう。そのため、都内で地震に強い耐震・免震構造を持ったビルにデータセンターを設置している業者も多くあります。
セキュリティー対策とサポート内容
データセンターのセキュリティー対策もチェックしましょう。センターへの入退館のチェックやサーバールームの監視状況など、人的な被害が起こりづらい体制になっているか、外部からの攻撃に耐えられる体制になっているかが重要です。
またサーバーを設置する際、どのようなサポートを受けられるかも重要な選択基準となるでしょう。
サーバーの管理は自社で行わなければならないため、どこまで運用面でベンダー側が対応してくれるかは重要なポイントです。何か問題が起こった際に、技術的なサポートを受けられるか確認しましょう。
コロケーションで安全な情報管理を実現
コロケーションの概要とメリット、ハウジングやホスティングとの違いを解説しました。コロケーションは、データセンターにサーバーと各種ネットワーク機器を設定して運用できるサービスです。
強固なセキュリティーで安定したサーバー運用が可能で、状況に応じてネットワーク環境を自由にカスタマイズできるのがメリットです。
さまざまなベンダーがデータセンターを提供しているので、立地や具体的なセキュリティー機能などを比較検討しながら、自社にあったものを選びましょう。
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